英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 512
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〜夕方・ウルスラ病院・外〜

 

「ふふ、お疲れ様でした。これでみんなも安心できるわ。本当に貴方達のお蔭ね。」

「いや〜、そんな♪」

「はは、でも実際、大したことはしていないよ。本当に魔獣が入り込んだか証明したっていうだけだからね。」

セシルの言葉を聞いたランディは嬉しそうな表情をし、ロイドは苦笑した後答えた。

「ううん、それが無かったらきちんとした対策も取れずにそのままだったところだもの。貴方達だったら、いずれアリオスさんやルファディエルに負けないくらい、いい仕事ができると思うわ。お姉ちゃんが保証してあげる♪」

「フフ………中々見る目があるじゃない、セシル。」

微笑みながら言ったセシルの言葉を聞いたルファディエルは微笑み

「セシル姉………」

「か、感激ッス………!」

「ありがとうございます。とても、励みになります。」

「………頑張ります。」

ロイドは驚き、ランディは嬉しそうな表情でセシルを見つめ、エリィは微笑み、ティオは静かな表情で言った。

「ふふ………ロイド、ルファディエル。お互い休みが取れたら改めてゆっくり会いましょう。お墓参りも一緒に行きたいしね。」

「………うん、そうだね。」

「ええ。近い内にいつか、行きましょうね。」

セシルの言葉を聞いたロイドとルファディエルはそれぞれ頷いた。

「後は、そうねぇ。エリィちゃんとティオちゃん、ルファディエルの誰かと付き合う事になったらぜひ報告してちょうだいね?目一杯お祝いしちゃうから♪」

「いや、だから………どうしてそんな話になるのさ。」

「フフ、もしロイドとそんな関係になったら、私の場合は貴女にからかわれそうだけどね。」

そしてセシルの話を聞いたロイドは慌て、ルファディエルは微笑んでいた。

「なんだったらランディ君とでもいいけれど………その時は連絡してね?そういったジャンルを読んでバッチリ鍛えておくから!」

(かかかっ!甘いな………ロイドの場合は全員を攻略してハーレムを作るんだぜぇ!)

「どんなジャンルだよ……(何、人聞き悪い事言っているんだ、ギレゼル………)」

真剣な表情で言ったセシルの言葉を聞いたギレゼルは陽気に笑い、ロイドは疲れた表情でギレゼルに念話を送りながら溜息を吐き

「いや〜!セシルさんが喜んでくれるなら俺の方は構わないッスよ!」

「いや、構おうよ!?」

ランディの冗談か本気かわからない言葉を聞いたロイドは大声でランディに突っ込んだ。

「ふふ、それじゃあ私はここで失礼しちゃおうかな。みんな、気を付けて帰ってね。」

「―――うん。」

「お世話になりました。」

そしてセシルは病院の中へ入って行った。

「はあ、いいなぁ………」

「暖かくって包容力があって頼りがいもあって……ふふ、とっても素敵な人ね。」

「はは………そう言ってもらえると嬉しいよ。ルファ姉同様、世話になってきた人だからさ。」

ランディとエリィのセシルに対する感想を聞いたロイドは優しげな微笑みを浮かべ

「………それで、ロイドさん。セシルさんとは実際にはどういう関係なんですか?」

ティオは興味深そうな様子でロイドに尋ねた。

「へ……」

ティオの質問を聞いたロイドは驚いてティオを見つめ

「そうね………ちょっとだけ気になるわね。あなた、ルファディエルさんと接しているのと同じくらい弟君って雰囲気だったし。」

エリィは微笑んだ後、口元に笑みを浮かべてロイドを見つめ

「な、なんだそりゃ………」

「フフ、姉としてはセシルの方が上だけどね。」

見つめられたロイドは戸惑い、ルファディエルは微笑んでいた。

「ロイド、てめえ………!ルファディエル姐さんがいるにも関わらずあんな素敵なお姉さんとベタベタ甘々な関係ってか!?そうだよな!?そうに違いない!なんせ、お風呂を一緒にした仲だものな!うらやましい!身体を交換してください!」

(クク………嫉妬はみっともないよ、ランディ。)

ランディは悔しそうな表情でロイドを睨んで言い、その様子を見ていたエルンストは口元に笑みを浮かべていた。

 

「出来ないから。それに言っておくけどセシル姉、恋人がいるからな。」

「ガーン!!」

「えっ、そうなの?」

「………………」

そしてロイドの話を聞いたランディはショックを受け、エリィは意外そうな表情をし、ティオは驚きの表情でセシルが入って行った病院棟を見つめていた。

「クッ………あんな素敵なお姉さんとイチャイチャできるうらやまけしからん男はどこのどいつだ!?」

「あのなあ…………ただ、セシル姉、恋人の詳しい事に関しては教えてくれないんだよな…………話を聞いている感じ、リベールに住んでいる裕福な人みたいなんだけど………」

悔しそうな表情で言ったランディの言葉を聞いたロイドは呆れた後、考え込みながら答えた。

「あら………あれだけ親しいのに教えてくれないんだ………」

「………………」

「おのれ………!まさか金でセシルさんの心を騙しているのか!?」

ロイドの説明を聞いたエリィは意外そうな表情で呟き、ティオは真剣な表情で考え込み、ランディは悔しそうな表情で言った。

「セシル姉に限ってそれはないって。」

「ええ。あの娘はかなりの天然だけど人を見る目はあるわ。」

そしてロイドとルファディエルが答えたその時

「あの………ちょっと用事ができたので、待っていて下さい。すぐに終わらせてきますので。」

「え?ティ、ティオ!」

ティオはロイド達の返事も聞かずに走り出して病院の中に入って行った。

 

〜ウルスラ病院・受付〜

 

「――――セシルさん!」

「ティオちゃん?」

病院の中に入ったティオはエレベーターを待っているセシルを見つけて呼び止め、走って近づいた。

「どうしたの?忘れ物かしら。」

「いえ、セシルさんに聞きたいことがありまして………」

「私に?何かしら。」

「………先程ロイドさんからセシルさんに付き合っている男性がいると聞きましたが。」

「ええ。いるけどそれがどうかしたのかしら?」

ティオに尋ねられたセシルは意外そうな表情で答えた後、尋ねた。

「……………………その男性って、まさかあの人ですか?」

「??一体誰の事を言っているのか、わからないのだけど………」

そしてティオの質問を聞いたセシルは不思議そうな表情をしたが

「――――前メンフィル皇帝にして現メンフィル大使、”覇王”リウイ・マーシルン。………そして貴女はリウイ陛下の側室の一人であったティナ・パリエ………その人が生まれ変わった人なのでしょう?」

「!!………………………」

真剣な表情のティオが自分を見つめて言った言葉を聞いて眼を見開いて驚いた後、真剣な表情で黙ってティオを見つめ

「そっか。そう言えばティオちゃんは”影の国”で”過去の私”と一緒にいて、”過去の私”自身は誰に生まれ変わったかみんなに教えていたものね………」

納得した様子で頷いた後、ティオに微笑んだ。

「!じゃあやっぱり、貴女は………!」

(………どうやら既に自分が”影の国”で出会ったイーリュン教の聖職者の生まれ変わりであることを自覚しているようだな………)

セシルに微笑まれたティオは驚きの表情でセシルを見つめ、ラグタスは冷静な様子でセシルを見つめ

「………屋上で話しましょうか。」

見つめられたセシルは苦笑しながらティオを扉が開いたエレベーターに乗るように促した。

 

その後セシルとティオの2人はエレベーターで3階に上がり、屋上に向かった……………

 

 

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今回の話で驚いたと思いますが次回は”影の国”を知る者同士であるティオとセシルの対話です!!……感想お待ちしております。

説明
第512話
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コメント
感想ありがとうございます。 本郷 刃様 これも全て3rdの影響かとww(sorano)
うおぉ、まさかのセシルが既にティナと統一していたとは・・・驚きました!(本郷 刃)
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