IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode184 戦わなければならない理由
一夏は白式を展開下後すぐにインフィニティーを展開する。
「助けた次は襲撃かよ。何がしたいんだよあいつは・・・」
「全くだな」
隼人も臨戦体勢を取って、バンシィ・ノルンに変身していた。
「でも、何であいつは俺を・・・」
「・・・・」
「千冬姉や輝春兄は・・・・・あいつの事を父さんだって言うけど・・・」
「信じられないか。まぁ、当然だな」
あんな機体が父親だと言われても、すぐに信じられるものではない。
そもそもを言えば、一夏は両親の顔を覚えてないので、信じろと言う方が無理な話だ。
「一夏。あいつの強さは相当なものだ。あの千冬さんと輝春さんが二人掛かりでも歯が立たなかったんだ。
お前だとついていけるかどうかの瀬戸際だ」
「・・・・」
「まぁ、足りない部分はインフィニティーの性能で補うしかない」
「簡単に言うなよ」
一夏は苦笑いする。
「もしもの事があれば俺と千冬さん、輝春さんが向かう。思う存分戦え」
「あぁ。そのつもりだ」
一夏は左手を握り締めて隼人に突き出すと、隼人も右手を握り締めて一夏が差し出したインフィニティーの右拳に軽くぶつける。
それからしてカタパルトの方に向かい、発射台に足を置いて台に固定すると、ハッチが開く。
「織斑一夏!インフィニティーガンダム!行きます!!」
そして勢いよくカタパルトが前の方に発射され、一夏は発射台から飛び出すと同時に背中の翼を展開して光の翼を出して一気にフリーダムの方へと飛び出す。
「・・・・」
隼人は少ししてから格納庫より開いたハッチより甲板上へと歩いて出ていく。
(フリーダム。千冬さんと輝春さんに続いて今度は一夏と戦うか)
いつでも戦えるように左腕に装備していたアームドアーマーDEを装備したシールドを右手に持って切り離し、そのまま背中のアームドアーマーXCの羽部分を展開し、そこにシールドを装着して真っ直ぐの位置に変える。
それから両腕にアームドアーマーBSとアームドアーマーVNを展開して装着する。
(何が目的なんだ。自らの子と戦う理由って・・・)
「一夏」
「・・・・」
後ろにはエピオンを纏う千冬と、ようやく修復が終わったグランサを装備したAGE-1を纏う輝春が居た。
「・・・・」
それほど時間が掛からず、一夏はフリーダムの前に止まって背中の光の翼を消して翼を畳む。
「ようやく来たか、一夏」」
「・・・・」
「その様子だと、既に千冬と輝春より聞いているようだな」
「・・・あぁ」
「そうか。ならば、説明は不要だな」
「・・・本当に・・・父さんなのか」
「あぁ。まぁこの姿だと信じ難いのも無理は無いな」
「・・・・」
「お前はほとんど覚えてないだろう。物心が付く前に私はお前達の前から消えてしまったのだからな」
「・・・・」
「だが、あの二人にも言っているが、私はお前達を本当に捨てたわけではない。捨てざる得なかったのだ」
「その理由はなんだよ」
「・・・・」
「理由を言わなきゃ何も分からないだろう!」
「・・・その理由が知りたければ――――」
と、フリーダムは右手に持つビームライフルを一夏に向ける。
「私と戦え。全力でな」
と、目を細めるように黄色いツインアイが細くなる。
「何でこうなるんだよ・・・」
「・・・・」
「親子が戦わなきゃならない理由って何だよ!!」
「・・・・」
フリーダムは何も言わない。
「答えろよ!!」
「さっき言ったはずだ。私と戦え」
少しして素っ気無く答える。
「・・・そうかよ。だったら!!」
一夏は背中のマウントよりアロンダイトを抜き放つと刀身を展開してビーム刃を出して両手に持って構える。
「そうさせてもらう!」
次に背中の翼を展開して光の翼を出すと、勢いよくフリーダムへと飛び出す。
「始まったな」
隼人は顔を上げて二体が居る空域を見る。
『しかし、大丈夫でしょうか、織斑は』
その後ろにはリインフォースとツヴァイがそれぞれ戦闘形態で待機していた。
「どうだろうな。フリーダムの強さはかなりある。インフィニティーの性能があっても一夏自身が敵うかどうか」
『やっぱり最終的には操縦者の技量次第なんですね』
「まぁな。だが――――」
と、隼人は高速で移動するインフィニティーを見つめる。
「あいつなら・・・やれるさ」
『・・・・』
「何せ、俺が認めたライバルだからな。あれくらい何とか出来るだろう」
『な、何か投げやり的な・・・』
ツヴァイは苦笑いする。
『・・・・』
リインフォースは心配そうに隼人の背中を見つめる。
(・・・そういえば、隼人さんの身体。やっぱり今までの戦いの負担の影響が現れだしているんですね)
(あぁ。こうも早く現れるのは想定外だった)
二人は念話で隼人の今の状態の事を話していた。
(だが、隼人の事だから、今後も無茶をするかもしれん。その時は私達でサポートを行うぞ)
(はいです。隼人さんばっかりに戦わせるわけにはいきませんからね)
上空を激しく二つの機影が飛び交う。
一夏は一気に飛び出すと同時にアロンダイトを斜めに振り下ろすが、フリーダムは後方へと急速後退して斬撃をかわす。
直後に右手に持つビームライフルを向けてトリガーを引いて緑色のビームを放つが、一夏はとっさに左手の甲よりリフレクターを展開してビームを弾く。
「くぅ!」
とっさに左掌の銃口を前に向けてビームを放つが、フリーダムはウイングの微調整をしながらブースターを噴射してかわして行くと、ビームライフルをリアアーマーにマウントして左サイドアーマーよりビームサーベルを抜き放ってビーム刃を出し、一気に飛び出す。
一夏がアロンダイトを左へと振るうと、フリーダムも左へと振るってビーム刃同士が交わってスパークを起こす。
両者押し合いに入るも、直後に弾かれるように同時に離れると、上へと一気に飛び出してメビウスの輪を描くように刃を交えては離れるを繰り返す。
「っ!」
一夏はフリーダムを離れた直後に背中の左側のマウントラックより長距離ビーム砲を展開してトリガーを引いてビームを放つが、フリーダムはブースターを噴射して余裕を持ってかわすと、腰の両側の折り畳まれたレールキャノンを展開して音速の弾丸を放つ。
とっさにアロンダイトを振るって音速で飛んでくる弾丸を切り裂くと、直後にフリーダムが飛び出して一夏に迫る。
素早くビームサーベルを振るってくるが、一夏はとっさに左手の甲のリフレクターを展開して斬撃を防ぐ。
「反応は良し。あの二人よりかはいい動きだな」
「あぁそうかい!だったなんだよ!」
一夏は怒号を上げる。
「だが、その機体の性能に依存しているな。一夏自身がその機体の動きに付いて来れてないぞ」
フリーダムは一夏を押し飛ばすと、背中のウイングの間にあるビームキャノンを展開して高出力のビームを放つも、一夏はとっさに零落白夜を瞬時発動させてアロンダイトを振るい、高出力のビームを切り裂くと同時に消滅させる。
「何を!」
背中の光の翼を羽ばたかせて飛び出すと、アロンダイトを振るうが、フリーダムは左腕のシールドを前に出すも、シールドはアロンダイトに切り裂かれて真っ二つになる、
「っ!」
しかし向こう側にはフリーダムの姿は無い。
・・・が、直後にインフィニティーに影が差す。
(上かっ!?)
一夏はとっさに上を見上げると、フリーダムが左手に右サイドアーマーよりビームサーベルを抜き放ちながら降下し、両手のビームサーベルを振り被る。
すぐにアロンダイトを上に上げると、フリーダムが振り被っていた両手のビームサーベルを振り下ろし、衝撃波と共にビーム刃が交わる。
「ぐぅ!」
上から強引に押さえられるも、一夏も強引にフリーダムを押し返すと一気に飛び上がり、直後にアロンダイトを振り被って急降下する。
しかしフリーダムは両手に持つビームサーベルを上へと放り投げる。
「なにっ!?」
まさかの行動に一夏は驚き、そのままアロンダイトを振り下ろすが、フリーダムは少し後ろに下がると両手でアロンダイトの先端を白羽取りする。
その直後に腰の両側の折り畳まれたレールキャノンを展開し、至近距離でインフィニティーに放って直撃させる。
「ぐはっ!?」
その衝撃で一夏は思い切って吹き飛ばされ、フリーダムは放り投げて落ちてくるビームサーベルを両手に二本キャッチして再度ビーム刃を出し、一夏に向かって一気に飛び出す。
そのままビームサーベルを勢いよく振り下ろしてインフィニティーを切り裂く。
「っ!」
しかしインフィニティーは切り裂かれると同時に消滅する。
(残像か・・・)
フリーダムは動揺することなく後ろの方へ振り返って右手のビームサーベルを振るい、背後から迫ってきていた一夏が振り下ろすアロンダイトと交える。
「くっ!」
「残像を使って一瞬だけ私の目を誤魔化して回避したか。その瞬時の判断は評価に値する」
そしてフリーダムは一夏を強引に押し返す。
「だが、その程度の物では、私の目を誤魔化しきれないようだったな」
「・・・・」
一夏は奥歯を噛み締めると、アロンダイトを両手に持って構える。
『何て激しい戦闘だ』
『一夏さんも何とか対等に戦えていますね』
その戦闘を見ていたリインフォースとツヴァイは驚きに満ちていた。
「だが、インフィニティーの性能の恩恵が大きい。これだと一夏がやられるのも時間の問題だな」
『・・・やはり』
『・・・・』
(しかし、妙だな)
隼人はバンシィ・ノルンの視野をスキャニングモードにしてフリーダムを分析していた。
(以前と比べて・・・エネルギーの反応が弱いな)
前回の戦いよりもエネルギー反応が低下しており、フリーダムの方も必死にインフィニティーの性能に追いついている。
(どういう事だ。こんな弱々しい状態で戦おうとする・・・)
以前の状態ならば一夏に簡単に勝てただろうが、今の状態では技量で何とかインフィニティーに追いついている。
(それとも、時間が経つにつれてエネルギーが減少している?だが、なぜそんな事が)
目に映るフリーダムのエネルギー値を睨む。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・・」
両者とも肩で息をしている状態になり、距離を置いて身構えて静止していた。
「分からねぇ。俺には分からねぇ」
「・・・・」
「あんたの考えが本当に分からねぇ!なんであんたはこうしてまで俺達と戦うんだよ!!」
「・・・・」
「あんたは何がしたいんだよ!!」
「・・・・」
フリーダムはしばらく俯いて黙るも、顔を上げる。
「ならば、話そうではないか」
「なに?」
「私がお前達を捨てなければならなかった理由を」
「なん・・・だって?」
一夏は唖然とする。
「この場にいる者達も、心して聞くがいい」
「・・・・」
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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