ミドラとお出かけ2
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「オマタセシマシタ」

インド人の店員が注文した料理を運んできた。

「うっ、…おいしいけど辛いね」ミサラちゃんは一口食べるたびに水をがぶ飲みしている。

 僕もグリーンカレーをすくっておそるおそる口に入れる。使われているお米は日本のものより細長く、唐辛子が丸ごと入っていて、普段スーパーで買っているのよりかなり辛い。舌がヒリヒリするな。

「ミドラも一口食べてみ」

「ん、…みっ!?」

 ふと、ミドラがこの激辛カレーを食べるとどんな反応するかなと思って、グリーンカレーを一口ミドラに食べさせてみた。

「ふぅーっ!」

 ミドラの尻尾がブワッと太くなり、僕を睨んだ。

「…こめん」

 

「みゃ……」

私は更にチャイを注文する。辛いグリーンカレーのせいでチャイを飲んでもまだ舌がヒリヒリする。ユウは私を時々いじってくる(=^人^=;)。

 気を取り直してチーズナンを食べる。チーズナンはナン生地の中にトロッとしたチーズが入っていて具なしのピザみたいだ(=^〜^=)つ△

「ガーリックナンは辛くないから食べてみる?」

 「……ん」

 迷ったが今度はそこまで辛そうじゃないし、せっかくなのでひと切れ食べてみる。口の中にガーリックの風味が広がる。

「おいしい」

「チーズナンひと口もらってもいい?」

「ん、いいよ」

「あっ、私もいい?ピザみたいでおいしいね」

 豆カレーを食べ終わったミサラちゃんも皿に残っていた最後のチーズナンを丸ごと一個取って食べる。ちょっと図々しいと思ったけど、そのぶん会計で多めに払ってもらえばればいいか(=^人^=#)

「あっ!」

 ミサラちゃんがテーブルの端に置いてあったスプーンを落とした。ミサラちゃんがスプーンを取ろうとした時、ミサラちゃんのツインテールみたいな長いたれ耳がカレーの皿に入る。

「ミサラちゃん、ちょっと」

 ミサラちゃんの長いたれ耳を掴んでナプキンで拭いた。

「ありがとー。いつも耳にご飯がつくんだよね」

「ん」

 ミサラちゃんの長いたれ耳は見た目とさわり心地は可愛くていいんだけど、食事中はよくお皿についちゃっているから大変だ。それにしてもミサラちゃんの耳はファーみたいにフサフサでさわり心地いいなぁ(つ=^д^=)つ

「…ねえ、そろそろ離してよ」

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「ミドラ、お姉ちゃんに買い物頼まれてるから、そろそろ行くね」

「みゃ」

「じゃあね、ミサラちゃん」

 僕とミドラは、ミサラちゃんと離れて、アジアン雑貨の店「亜細庵(アジアン)」に入った。アジアン雑貨の店特有の様々なお香の香りが充満した店内にはカラフルな雑貨や医療が並んでいる。

「けっこう広いな」

ミドラに引っ張られて商品をかき分け奥へと入っていく。外からだとこじんまりとした店に見えたが中はけっこう奥行きがある。ミドラは子猫みたいに尻尾を立てて雑貨や服を興味津々に見定めては、買い物かごに雑貨を入れていく。

「みゃ……」

ミドラは立ち止まって青緑のカーディガンを手にとった。買おうかどうか迷っているらしく尻尾が左右にゆっくり揺れている。

 ミドラがカーデの前から動かなくなったので、僕はミドラから離れて別の棚に目を移した。ミドラにそっくりな緑のバリ猫の人形や、深い緑で蓮の模様があるタバナン焼きのコーヒーカップが気に入ったので買い物かごに入れた。

「綺麗な色だし、買ったら?」ミドラはまだ迷っている。

「……ん、……ちょっと高いけど」

ミドラはすでに色々な雑貨が入っている買い物かごに同じカーデを二着も放り込んだ。

「え、二着も?」

「だって洗い替えも欲しいし」

 

 亜細亜庵から出てすぐに、カーデを袋から引っ張り出して着てみる。前は膝まで届くロング丈だが、後ろに向かうにしたがってお尻ぐらいまで短くなっているので尻尾を動かしやすい。さらに肘にボタンがついていて袖をまくるのに便利そうだ。もう一着ぐらい余分に買えばよかったかな(=^人^=)

「いいね」

「うん、あとコーヒーが欲しいんだけど」

「じゃあ、あそこに行こう」

 ユウは輸入食品の店「カルーア」に入っていった。

 私も店先で配っているコーヒーの試飲をしながら様々な調味料、お菓子が並んでいる薄暗い店内に入った。喉が渇いてたからちょうどいい(=^д^=)ゴクゴク

 目当てのコーヒーや、カルーアミルク、黒糖、メープルシロップをかごに入れる。こういう商品が天井まで並べられた薄暗い店内の雰囲気は落ち着くから好みだ(=^人^=)

「これ、ミドラが好きなやつだろ?」

 モッツァレラチーズの試食をしていると、ユウがペットボトル入りのカフェモカ、オリーブオイルを持ってきた。

 カフェモカはほんのりチョコの風味がするのと飲み終わって底に残ったチョコシロップを舐めるのが好みだ。それにオリーブオイルはパスタにたっぷりかけて食べると美味しいからすぐになくなるんだよね(=^〜^=)Ψ

「お、グリーンカレーもあるぞ」

「……辛いから、こっちのナシゴレンの方がいい」

 さっきの「クリシュナン」で食べたのと同じような料理もたくさん売っていたが、すでにカーデ等を買って諭吉さんが一枚消えたのでここで買い物は止めてレジに並んだ。まあ、欲しいと思ったものがいろいろ手に入ったから満足満足(=^д^=)

 

「僕もお金がなくなってきたしどうする?」 

 ミドラが目を離したすきに食器やお菓子等いろいろ買ったから所持金が少なくなったし、また何時間もバイクに乗るからそろそろ帰るとするかな。

「…ん、せっかくだし違う道を通ろらない?」ミドラはスマホをいじりながら答える。

「じゃあ、加段海岸沿いを通ろう。ちょうと夕日が沈むのが見られそうだし」

 僕達はメットインに荷物を押し込み、走りだした。普段めったに通らない道を走るのは迷う危険性があるからなるべく避けたいが、ミドラも一緒だし、いざとなったらスマホで調べれば大丈夫だな。

 

 スクーターって座席の下に荷物を入れられるから便利だよね。普段から何かの時役立つかな〜と思って水、工具、タオル等いろいろ詰め込んでいるから買い物したものが入りきらずに、ハンドルにS字フックでかけて走っているけど。

「ヤッホ〜〜〜ミドラ〜」

「みゃ!?」

 私達が走っている道路と並走している電車の窓からミサラちゃんが乗り出して手をふった。対向列車が来てないとはいえ危ないなぁ… (=^人^=;)

 こっちは時速30キロのスクーターだから電車からはどんどん離されていき、あっという間に見えなくなった。

 ショッピングモールを出発して一時間半ぐらいで加段海岸に着いた。

 私達はスクーターを道ばたに止めて海岸沿いに広がる岩場に降りた。潮が満ちている時間帯だから潮干狩りに来ている人もほとんどいなくて、二人だけで貸し切ったみたいだ(=^人^=)。

「そうだ。さっき買ったカフェモカあるけど飲む?」

 喉が乾いたけど、水筒はすでに空になっているし、近くには自動販売機もないしどうするかと思っていたからちょうといい。飲もう(=^ー^=)

「うん」

 

 

 

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