IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode185 真実と別れと復活

 

 

 

「どういう事だ・・・」

 

「・・・・」

 

 ネェル・アーガマにいた千冬と輝春は驚いていた。

 

 

「心して聞くがいい、か。どこか偉そうな言い方だな」

 

 隼人は腕を組んでフリーダムを見る。

 

(だが、さっきまで戦っていたのに、いきなり話すとは・・・何か理由がありげだな)

 

 

 

(だが、これで分かりそうだな。なぜ一夏や千冬さん、輝春さんの両親が三人を捨てて行ったのかが・・・)

 

 ある意味疑問に思っていた事なので、それが晴れるのはこちらとしても助かる。

 

 

 

(・・・しかし、フリーダムのエネルギーの減少が一向に止まらんな。このままだとエネルギーが尽きるのも時間の問題だな)

 

 フリーダムの謎のエネルギー現象を見ながら話に耳を傾ける。

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「・・・・」

 

 一夏は息を呑む。

 

 

 

「最初も言った通り、私と杏子はお前達を捨てたくて捨てたわけじゃない。捨てざる得ない状況だったのだ」

 

「・・・・」

 

 

「・・・事の始まりは・・・今から二十年前。お前達がまだ生まれてない頃だ」

 

 フリーダムはゆっくりと語り出した。

 

「・・・・」

 

「私はまだ情報捜査員として活動をしていた」

 

「情報捜査員?」

 

「依頼主より課せられた情報を捜査するのが私等の捜査員の役目だ。それが何を齎そうとも、私には関係の無いことだった」

 

「・・・・」

 

「だが、それから五年後・・・ちょうど千冬が生まれた頃に、それは起きた」

 

「千冬姉が生まれた時に・・・」

 

 

 

「私は捜査員最後の仕事として、その依頼をこなし、捜査員を引退した。

 だが、その依頼が後に私達に災厄を及ぼす事になってしまうとは、その時は思いもしなかった」

 

「・・・・」

 

「その依頼内容はある人物からとある組織を探る事だった」

 

「・・・・」

 

「その組織は第二次世界大戦に創設され、宗教、人種を問わず、そのメンバーの人数、及び目的は不明」

 

「・・・その組織って・・・」

 

 

 

「・・・『亡国機業』だ」

 

「亡国機業!?」

 

 一夏は目を見開く。

 

「連中の重大な秘密を手に入れたことで莫大な報酬を受けた。その依頼主の事は全く分からないがな」

 

「・・・・」

 

「だが、それによって連中に目を付けられてしまった」

 

「・・・・」

 

 

 

 

「やつらに見つからないように、密かに暮らしていたのだが、やつらから逃げ切る事は出来なかった」

 

「・・・・」

 

「私達はお前達を危険に晒したくないと一時はお前達を置いていこうとした。

 だが、それではやつらがお前達に手を出す恐れがあって出来なかった」

 

「・・・・」

 

「結局やつらに見つかって一緒に来るように言われた。

 私達は付いて行く条件にこう言った。『私達の子に二度と関わるな』と・・・」

 

「・・・・」

 

「それを条件に、私達はやつらと共に行ったのだ。

 まだ一夏が物心が付く前だった」

 

「・・・そう・・・だったのか」

 

 一夏はかなり動揺し、声を震わせていた。

 

 

 

 

「だが、やつらに連れて行かれた後―――――

 

 

 

 

 

 

―――――私達は殺された」

 

「っ!?」

 

 一夏は目を見開いて驚愕する。

 ネェル・アーガマに居た千冬や輝春、隼人も驚いていた。

 

 

 

「ど、どういう事だよ!?父さんと母さんが殺されたって・・・!?」

 

「さっき言った通り、私は連中の重要な秘密を知ってしまった。連中がみすみす連れて行くだけで済ませるはずがない。

 確実に口止めをするには、それが一番だ」

 

「・・・・」

 

「だが、私は杏子を巻き込んでしまったのが、今でも悔やんでいる。私だけで済むはずだったのに・・・」

 

 フリーダムは両手を握り締める。

 

 

「だ、だけど、殺されたのに、何で父さんはここに居るんだよ・・・」

 

「・・・・」

 

「あんたは本当の父さんじゃないのか?」

 

「いいや。意思は本物だ。身体が違うだけで」

 

「・・・どういう事だよ」

 

 

 

 

「私には遣り残したことがあった。それを遺したままでは、死のうにも死に切れない」

 

「・・・・」

 

「その想いが届いたのか、私の魂はこの機体に宿ったのだ。そして僅かな時間が与えられた」

 

「・・・そんな事って・・・」

 

 普通ならありえない現象だ。だが、それよりも凄い例が既にいるので、別にそこまで信じ難い内容ではなかった。

 

「その遣り残した事こそが・・・お前達に真実を伝えるのと、成長を見たかったからだ」

 

「俺達の成長を・・・?」

 

「そうだ。ただお前達が大きくなる姿を見るだけではなく、お前達が強くなっているか、その成長が見たかったのだ」

 

「・・・だから、千冬姉や輝春兄、そして俺に戦いを挑んだのか」

 

「そうだ。まぁ、普通の父親らしからぬ事だろうな」

 

「・・・・」

 

「だが、特に一夏。お前が強くなったのを見れたのが、この短い時間で成し得たかった事だ」

 

「俺が・・・強くなったのを?」

 

「あぁ」

 

「・・・・」

 

「お前は輝春と千冬には無いものがある。特別な何かがな」

 

「特別な・・・何か?」

 

 一夏はその意味が分からなかった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「親父・・・」

 

「亡国機業から・・・私達を守る為に・・・」

 

 真実を知り、二人は俯く。

 

「なのに俺達は・・・親父にあんな事を・・・」

 

「・・・・」

 

 

(我が子を守る為に自らを犠牲にしたのか・・・)

 

 腕を組んだまま息を吐く。

 

(執念に近い想いが魂をフリーダムに宿らせたと言うのか。そもそもフリーダムがなぜあったのかが気になるが・・・)

 

 

(こんな事をしたのも、神によるものか、それとも、ただの偶然か・・・)

 

 色々と考えていると、千冬と輝春は甲板から飛び出してフリーダムの元へと向かう。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「来たか」

 

 それからして二人は一夏の近くに止まってフリーダムを見る。

 

「・・・親父。お、俺達は・・・」

 

「・・・・」

 

 二人は話を聞いて少し申し訳なさそうにしていた。

 

「何も言わなくていい。正直に言わなかった私の方が悪い」

 

「・・・・」

 

「それと、三人に聞いて欲しい事がある」

 

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

 

 

「今更許して欲しいとは言わない。恨んだって、罵ったりしてもいい。私のやった事は親として失格だ」

 

「・・・父さん」

 

「だが、これだけは言わせてくれ」

 

「・・・・」

 

「どんな事があろうとも、どんな姿になろうとも、お前達を愛している。連れて行かれた後も、この想いは変わってない」

 

「・・・父・・・さん」

 

 千冬はぎこちなく言う。

 

 

 

「最後に、一夏」

 

「な、何だ?」

 

「お前には、大事な事を伝えておかなければならない」

 

「俺に・・・?」

 

「親父?」

 

「一体何を・・・」

 

 

 

「こうなるならもう少し早く言うべきだったかもしれない」

 

「・・・・」

 

「一夏。お前は―――――」

 

 

 

 

 

ザンッ!!!

 

 

 

 

 

「―――――!!」

 

「「「っ!?」」」

 

 

 その瞬間、フリーダムの胸部より幅の広い刀身が突き出る。

 

「ぐ、がぁ・・・」

 

 刃が突き出てきた胸よりオイルが大量に漏れ、フリーダムは震える。

 

「ふん・・・」

 

 フリーダムの後ろには、マスターフェニックスがバインダーソードを手にしてフリーダムの背後から突き刺していた。

 

「ボサッと突っ立っている方が悪いんだよ」

 

 それからマスターフェニックスはバインダーソードを引き抜いてフリーダムを蹴り飛ばす。

 

「「父さん!」」

「親父!!」

 

 一夏は飛んでくるフリーダムをとっさに受け止める。

 

「さてと、こいつに邪魔された後の続きだ」

 

 と、周囲の海中よりバインドのレギナが大量に飛び出てきた。

 

「バインドだと!?」

 

「こんな時に・・・!」

 

 千冬と輝春は周囲を見渡す。

 

「覚悟しな!」

 

 マスターフェニックスは左手にもバインダーソードを展開すると一夏達に向かって飛び出す。

 

 

 

 

「っ!?」

 

 しかし直後に左側より、デストロイモードになったバンシィ・ノルンが体当たりをする。

 

「く、黒獅子!テメェ!!」

 

「少しは空気を読んだらどうだ、バインド!!」

 

 そのまま一気に飛び出してマスターフェニックスを三人より離す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さん!父さん!!」

 

 一夏は腕の中に居るフリーダムを揺さぶる。

 

「う、ぐぅ・・・」

 

 ゆっくりと顔を上げてインフィニティーを見る。

 

「い、一夏・・・」

 

「何も言わないでくれ!これくらいすぐに直るから!」

 

「む、無駄だ。・・・心臓部を貫かれた・・・もう、手遅れだ・・・」

 

「な、何だって?」

 

「・・・・」

 

「ど、どの道、私に残された時間は・・・一日も、無い」

 

「・・・・!」

 

「何だって!?」

 

「そんな・・・」

 

 それを聞いて三人は驚愕する。

 

「お前達に真実を伝える事と成長を見る為に与えられた時間だ。それが早くなっただけだ」

 

「・・・・」

 

「だが、これでいいんだ」

 

「何が良いんだ。こんなのが言い訳ないだろ!!」

 

 千冬は声を荒げてフリーダムに向ける。

 

「私はもう死んだ身だ。それがいつまで・・・生きているわけには行かないのだ」

 

「何だよ、それ。意味が分からねぇよ!!」

 

「・・・・」

 

「そんな・・・こんなのって・・・無いよ!父さん!!」

 

「い、一夏・・・」

 

 何時事切れるか分からない状態で、フリーダムはノイズが走るツインアイで一夏を見る。

 

 

 

「すまなかったな・・・」

 

「・・・・」

 

「生き残るんだぞ・・・。この世界を・・・守る為、に・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・姉弟を・・・守るんだぞ、輝春」

 

「親父・・・」

 

 輝春はゆっくりと頷く。

 

「千冬・・・お前も・・・家族を大切に、な」

 

「父さん・・・!」

 

「・・・一夏」

 

「・・・・」

 

「・・・もっと、強くなるんだぞ。みんなを守る・・・希望として」

 

「希望・・・」

 

「そうだ。お、お前が・・・最後の希望だ」

 

「最後の・・・希望?」

 

 一夏は唖然とする。

 

 

「・・・杏子・・・ようやく・・・会える・・・な。待たせた・・・な―――――」

 

 

 それを最後に、フリーダムの腕は力を失ってうな垂れ、黄色いツインアイが消えると、全身が灰色に染まっていく。

 

 

「「「っ!」」」

 

 千冬と輝春は俯くと、拳を握り締める。

 

「そ、そんな・・・」

 

 一夏は声を震わせて言葉を漏らす。

 

「お、親父・・・!」

 

 マスクの中で輝春は涙を流す。

 

「・・・・」

 

 千冬は涙を堪えるも、小刻みに震えていた。

 

 

 

「・・・と、父さん・・・」

 

 一夏は頭の中が真っ白になっていた。

 

 目の前の事が現実の事だと受け入れたくなかった。信じたくない。

 

「なんでだよ・・・何でだよ!!」

 

 そのまま空に向かって叫ぶ。

 

「ようやく会えたって言うのに!もうお別れなんて、あんまりだろ!」

 

 もはや鉄の人形と化したフリーダムに向かって怒声を向ける。

 

「何で・・・何で・・・」

 

 

 

 

 その瞬間、インフィニティーの背中に怪しい光が一点輝き出した。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 隼人は左腕のビームトンファーを展開して振るい、マスターフェニックスは右手のバインダーソードを振るい刃を交える。

 

「くぅ!」

 

「ぬぅ!」

 

 両者は同時に弾かれるように離れると、隼人は右腕のアームドアーマーBSを向け収束したビームを照射するも、スラスターを噴射して照射されるビームをかわす。

 直後に勢いよく飛び出すと、両手に持つバインダーソードを振るうも、左腕のアームドアーマーVNを前に出して斬撃を受け止める。

 

「王の言う通りだな!すげぇ力を感じるぜ!」

 

「・・・・」

 

「おもしれぇ・・・おもしれぇぞ!!」

 

 マスターフェニックスはバインダーソードを振るって飛び出し、勢いよく両方を同じ左へと振るうも、隼人は左腕のアームドアーマーVNを前に出して斬撃を受け止める。

 

 そのまま押し返してアームドアーマーVNを展開し、そのまま刃を突き出すもすぐに後ろへと下がってかわす。

 

「はっ!」

 

 マスターフェニックスはバインダーソード先端を前に向け、高出力のビームを放つも、ビームはデストロイモードの発動によるサイコフィールドに阻まれて弾かれる。

 

 隼人はアームドアーマーBSを向けて照射するも、バインダーソードで弾く。

 

「ちっ。やっぱり一筋縄じゃいかんか」

 

 アームドアーマーBSを収納形態にすると、マスターフェニックスを見る。

 

(こうなったら、最大出力で一気に決めるか)

 

 隼人は身構えて行動を移そうとするが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 と、空気を震わせるかと思う位の声を上げ、一夏がマスターフェニックスへと向かっていく。

 

「っ!」

 

 隼人の隣を通り過ぎ、一夏はアロンダイトを勢いよく振るうが、マスターフェニックスは驚くもとっさにバインダーソードで受け止める。

 

「お前・・・!」

 

 

「何でだよ・・・」

 

「なに?」

 

「何で・・・何で父さんを殺したぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 強引にマスターフェニックスを押し飛ばすとアロンダイトを素早く横に振るうも、とっさにバインダーソードの刀身の腹で受け止める。

 

「ようやく会えた父さんなんだぞ!!それをお前はぁっ!!」

 

 直後にバインダーソードを蹴って宙返りをしながら離れると、すぐに飛び出してアロンダイトを振り下ろしてバインダーソードに叩き付ける。

 

「俺は戦いの邪魔をしたやつに借りを返しただけだ。それがてめぇの父親だろうが俺の知った事じゃない!」

 

 一夏を押し返してバインダーソードを振るうが、一夏はとっさに体勢を立て直してアロンダイトを振るい、バインダーソードを交える。

 

「たった・・・たったそれだけの理由で・・・!」

 

 そのままマスターフェニックスを押し返すと連続でアロンダイトを振り下ろしてバインダーソードに叩きつける。

 

「くだらねぇんだよ。そんなものはな!」

 

「お前・・・!」

 

 マスターフェニックスの言葉に一夏の怒りは限界を超える。

 

「お前だけは・・・お前だけは!!!」

 

 すると、背中に光り輝く怪しい光の輝きが増し、周囲に撒き散らす。

 

 

 

「っ!」

 

 隼人はその瞬間見覚えのある感覚に襲われ、右手で頭を押さえる。

 

(この感覚は・・・・・・まさか!?)

 

 

 

 

「絶対に許さねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 そして光は更に量を増し、インフィニティーに怪しい赤い電流が流れる。

 

「―――――!!!!」

 

 もはや声にならない身体を裂くような叫びを上げると、インフィニティーの純白の装甲が足から上へと黒く染まっていく。

 

「な、何だ・・・!?」

 

 その現象にマスターフェニックスも驚きを隠せなかった。

 

 インフィニティーは闇の様な漆黒に染まり切り、ツインアイが血の様に赤く染まると全身に血管の様な赤いディティールが浮かび上がり、背中の光の翼も青白さが消え、血の様に真っ赤に染まると、同じ翼がもう一組出現する。

 

「・・・馬鹿な。こんな事が・・・!」

 

 隼人はその姿を見て目を見開く。

 似ているのだ。自らが滅ぼした存在と・・・

 

「『ナハトヴァール』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ
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ユニコーン バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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