春香「マージャンですよっ!マージャンっっ!」 P「え?」 第1話 |
春香「マージャンですよっ!マージャンっっ!」
P「え?」
春香「ですから、マージャンです!プロデューサーさんはご存知ですか?」
P「ああ。大学時代にちょっとハマっていたけど……どうしたんだ急に」
春香「私、昨日ドラマロケに行ったじゃないですか」
P「ゲスト役で出たアレか」
春香「で、ちょっと待ち時間が長くなっちゃった時に、俳優の方々が『暇だなー』って言いだして」
P「よくあるパターンだな」
春香「そうしたら急にかばんの中から道具を取り出して、『どうですか?』って」
P「珍しいパターンだな……」
春香「でもすぐに人が集まってきましたよ?」
P「すごいな。ああ、でもこの業界は好きな人が多いから」
春香「だからなんですかね?みんなすっごい真剣にやっているんです。でもその真剣さと同じくらい楽しそうで」
P「愛好家が揃ったんだな。いい面子だ」
春香「私ずっと見ちゃってて。しばらくはそのままだったんですが、面子の方が一人、出番で呼ばれちゃったんです」
P「あー……そりゃ仕方ない。物足りない空気になっただろ?」
春香「ええ。それで牌を持ってきた人が、見ていた私に気付いて『興味あるの?』って声をかけてきてくれて」
P「あの出演者の中なら……それ、悪形待ちが大好きなHさんじゃないか?」
春香「当たりです!すごいですね、プロデューサー」
P「お、当たったか。それで、Hさんはどうだった?」
春香「もうすごく丁寧に教えてもらっちゃったんですよ」
P「好きだもんなあ、あの人」
春香「道具を持ち歩いているくらいですもんねえ」
P「愛好家なら、牌とマットを車に入れっぱなしの人とか、わりと珍しくないぞ」
春香「はあ〜、なんかすごい世界ですね。まあ、そんなわけで私もやってみたいなーと」
P「うーん。事情はわかったけど、いきなり言われても面子がなあ」
春香「事務所で誰か出来る人とかいたらいませんかねー」
P「そうだな。ここにいる中で出来そうなのは……おーい律子」
律子「呼びました?プロデューサー」
P「律子は麻雀出来るのか?」
律子「小さい頃、親戚に教え込まれて、たまーに打っていましたけれど。それが何か」
P「春香がドラマロケで麻雀に興味を持ったらしいんだ」
律子「なんですか、それ」
P「まあ、詳しくは本人から聞いてくれ。後は……おーい伊織」
伊織「麻雀なら知ってるわよ。でも、やらないから他当たって」
P「ちょっ」
伊織「はぁ……いい?あんたの予想通り、年寄りくさいゲームも嗜んではいるわ。でも、今の春香とはまずいのよ」
P「もしかして、けっこう打てちゃったりするのか?」
伊織「あまり他所でやらないからわからないけれど、手積みでも50分切るペースで楽に回せるわよ」
P「先ヅモなしで、だよなあ」
伊織「当たり前ね。しかも私、ちょっと加減がわからないから……それって良くないでしょう?」
P「わかった。時間取らせて済まなかった」
伊織「いいわよ。遊べそうになったら、私も混ぜてね。ゲーム自体は嫌いじゃないから」
P「ああ、約束する。後は、おーい雪歩……」
P『いや、待てよ?土建屋の麻雀って、ガチの可能性があるな。ちょっとマズいか』
P「じゃなかった。えーと、えーと」
小鳥「私でよかったらお相手しましょうか?」
P「お、小鳥さんは麻雀もいける口ですか」
小鳥「ゲームをちょこちょこやるくらいですが、それでもよければ」
P「よし、じゃあこの面子でやってみるか。終業時間も近いから、すぐにできるぞ」
春香「でも道具がありませんよ。雀荘ってところに行くのは、ちょっと怖いんですけど」
P「その辺は任せろ。車まで行けば一式揃ってるから。律子は会議室にいい感じの卓を用意しといてくれ」
律子「はいはい、わかりましたよ。はぁ……もう。ねえ、春香」
春香「えへへー、マージャンができ、え。なに、律子?」
律子「プロデューサーはきっと強いわよ。気軽に始めちゃって大丈夫かしら」
春香「え……え?」
小鳥「いざという時のために、麻雀セットを車に積んでおく程度の愛好家。ほら、Hさんと一緒でしょ?」
春香「ああっ!」
律子『ま、そういうことなら、ちょっとは楽しめるかな?』
P「と、いうわけで」
律子「用意が出来ちゃったわけだけど、春香はどこまで麻雀を知っているの?」
春香「えーっと。昨日知って、ネットで一人打ちを試してみたばかりです」
P「役とか、わかるか?」
春香「Hさんが『最初は大事な役だけ覚えればいいよ』って教えてくれたので、それでやっています」
律子「タンヤオ、チートイ、トイトイ、ホンイツ、各種役牌、それにリーチってところかしら?」
春香「うーん、そんな名前だったような?それからチャンタっていうのと、国士無双を教わりました」
律子「試しに一つづつ解説してくれるかしら?」
春香「えーっ!もう用意も出来て席にもついたのに、こんなの生殺しですよお」
律子「これも、用意の一つなの!じゃないとあんたが楽しめないんだから」
春香「うう……なんだか怒られているみたいな気分になってきましたよ」
(春香、解説中)
P「さて、小鳥さんはその辺。どうなんですか?」
小鳥「一応、役は一通り覚えているつもりです。でも、ネットの天○ってゲームで2段をうろうろしているレベルでして」
P「なるほど。○鳳で2段限界なら、”基本的な牌効率ならまあまあ”ってところでしょうね」
小鳥「えっ、そんなので何かがわかったりするんですか?」
P「精度はイマイチですが、おおよそのレベルくらいならつかめたりもします」
小鳥「……ひょっとして、プロデューサーさんってとっても強かったりしますか?」
P「いえいえ、俺なんて。ちょっと麻雀が好きなだけの、凡人です」
小鳥「ちなみに、天○ならどのくらいなのでしょうか」
P「あれ、課金してないと途中で段位が上がらなくなりますからねえ」
小鳥「あ。じゃあ、あのRっていうのは、いくつぐらいでした?」
P「レート、ですか。えーっと……確か二千は超えてたんですが、あまり気にしていなかったので覚えていないんですよ」
小鳥「ピヨッ?!」
P「じゃあ始めようか。とりあえず、俺はみんなが楽しめるようにやるから、律子も自由に打ってくれ」
律子「まあ、プロデューサーがそう言うなら、ちゃんと打たせて頂きますが」
P「あんまり偏るようなら、そこで考えてくれればいいさ。春香も小鳥さんもトップ目指して頑張ってください」
春香「もちろんです!麻雀でも目指すはトップアイドルですよっ!!」
小鳥「それはいいんですが、牌を触るのが久しぶりなので山を積めるかどうか……」
P「ああ、その問題もありましたね。春香はまあ無理として、律子は34トン積み出来るか?」
律子「いとこと一緒に挑戦していた時期もありましたが、私の手じゃあ上手くいきませんでした」
P「そうか。んー、じゃあ24トン積んでくれ。小鳥さんは10個の牌を上下に並べておいてください」
小鳥「積む前の段階、ってことですか?」
P「そうです。で、春香は積まなくていいから、みんなの手をよく見ておくこと」
春香「手、ですか?」
P「ああ。続けるなら、積めるようになった方がいいからな。積み方を見ておいて欲しいんだ」
春香「わかりました。じゃあ一番上手そうなプロデューサーさんを」
P「いや、それはおススメしない」
春香「えっ?!なんでですかっ!」
P「何やってるかわかんないだろうからなあ。まあ、出来そうな人のを見ていればいいんんじゃないか」
律子「じゃあ、私は少しゆっくり積もうかしら」
小鳥「私のは見ても参考にならないわよ。昔はちゃんと積めたんだけど」
P「じゃあそんな感じで、記念すべき765プロの第一局目を始めましょうか」
(ジャラジャラ)
P「こうやって牌を混ぜて、こうやって牌をざっと裏返して」
春香「は?あの、触ってるだけで牌が裏返っているんですけど……」
P「いや、ちゃんと一牌一牌、丁寧に裏返しているぞ。そしてそれを集めて、また裏返して」(カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ
律子「春香、いいからこっち見ときなさい。打つ前から混乱しちゃうわよ」
春香「そうですね、そうします……あ、ちゃんとつまむわけじゃないんだ」
律子「そうね。説明し難いけれど、親指と中指で力を込めずに弾く感じかな」(カチャカチャ
春香「弾くかあ。ちょっとやってみますね。あ、ふっとんじゃった」
律子「力を込めちゃうとそうなるのよ。力を入れていないから、あんな風に触ってるだけにも見えちゃうってこと」
春香「へえ。なんかカッコイイですね。あ、小鳥さんも、ちゃんと出来てるじゃないですか」
小鳥「ええ、意外と覚えているもんね。これなら10くらい楽に積めちゃうかも」
P「やってみますか?」(カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ
小鳥「うーん。いえ、遠慮しておきます。崩しちゃって”あーあ”みたいな空気になるのは辛いので」
P「あはは。じゃあ、もうちょっと慣れてからにしましょうか」」(カチャカチャカチャカチャ (チャッ
律子「うわ、もう34トン積んでる」」(カチャカチャ (ジャッ
小鳥「律子さんだって、24をあっさり積んでるじゃないですか」
律子「そりゃまあ、このくらいは」
P「はは。律子もやるなあ。じゃあ半分を春香の前に持って行って、律子のとこから小鳥さんのところに7トンを」(チャッ
春香「うわ、横向きでも楽々ですね。これなら片手でも積めそうです」
P「たまに言われるんだけどな。片手じゃあ、どうやったって片手の幅ほども積めないんだよ」
律子「端と端を抑えて、やっと浮かせられますからね」
P「こればっかりはな。よし、じゃあ春香!」
春香「はいっ!」
P「サイコロを2個振ってくれ。仮親決めから始めよう」
P「じゃあ律子、小鳥さん、俺、春香の順に親が回るからな」
律子「で、開門場所は7と」
P「お、山を切らなくても配牌を取れるのか。律子、やっぱりそこそこ打ち慣れてるんじゃないか」
律子『しまった。つい癖で』
P「じゃあ律子が走ったら止めることにするか」
律子『気付かれる前に頑張りたかったんだけど、失敗しちゃったなあ』
小鳥「律子さん、お手柔らかにお願いしますね」
律子「大丈夫ですよ。私なんてきっと、プロデューサーの足元にも及びませんから」
律子『しっかり見られてるわね。プロデューサーはきっと、一挙手一投足を読みに加えるタイプ』
春香「…………」
P「春香の配牌は俺が取ろうか?」
春香「いえ、えっと、プロデューサーの後で4牌取ればいいんですよね」
P「そうだ。だいたい俺の真似をすれば配牌は揃っているぞ」
春香「やってみます」
P「うん。春香はやる気があっていいなあ。やる気のある人と麻雀を打つのって、好きなんだよ」
春香「そ、そうなんですか?」
P「ああ。楽しもうとする人と打つのが一番楽しいな」
春香「えへへ。じゃあそのうち、実力でも打ち負かしちゃいますからね」
P「そうだな。楽しみにしてるよ」
律子「ホントに春香は、相変わらずなんだから」
(東一局) 親:律子
律子『参ったなあ。ダブ東・白・中のどれかが鳴けたら、ソーズのホンイツ付きで親満テンパイなんだけど……』
P「ああ、久しぶりだなあ。この牌の感触がたまらないよなっ」
春香「え、これってただのプラスチックじゃないんですか?」
P「いやまあ、うん。それはそうなんだけどさ……あ、でもこれはなんかの樹脂だったと思うぞ」
春香「樹脂?うわあ、木の脂ですか。なんだか途端にぬるぬるしてきたような気が」
小鳥「もう、春香ちゃんはすぐ悪乗りするんだから」
P「ははは。まあ、あれだ。実際の感触ってよりも、”麻雀やってる”って気分になるって感じだな」
小鳥「私、混ぜる時の音が好きなんですよ。あのジャラジャラって」
P「へえ。じゃあ、小鳥さんは牌の扱いに慣れている方と打っていたんですね」
小鳥「えっ?!ななな、何を言ってらっしゃるのですかしら私はとても初心者ですからそんなまさか」
P「打ち慣れている人が混ぜると、不思議といい音が鳴るんですよねえ。だから」
小鳥「やだなあ。女の過去を探っちゃダメですよ」
P「うーん、そんなつもりは無かったのですが……」
律子『なんてバカ話をしていても、切り出しに乱れが無い。ってゆーか、これって』
律子「プロデューサーさん。もしかして、配牌から降りてませんか?」
P「おおっと、ダメだぞ律子。いくら読みに自信があっても、口に出しちゃいけない。他の人の迷惑になるからな」
律子「でも、普通は東一局の配牌から降りないですから。もしかして、相手にされていないのかなあと」
P「まさか!俺はいつだって本気で打つ。それだけは信じてくれ」
律子「わかりました……あ、ごめん。その東はポンね」
律子『やっとテンパれた。じゃあ、この三元への変化をフォローしていた発を切って親満を決め』
P「ロン」
律子「えっ?!」
P「ん?その発、ロンだぞ。チートイで1600点」
〜プロデューサーの手牌〜
二二223377白白発中中 ドラ 北
律子「はあっ?!」
律子『え、チートイ?ちょっと待って、その七対子はおかしいでしょうが!!』
〜Pの捨て牌〜
九(7)(9)(5)八南
11北(5)三(4)
律子『1ソウの対子落としって何よ!ドラの北は合わせ打ちとしても、後の(5)ピンとか手出しでしょうが』
P「はあ?!ってのはよくないぞ」
律子「すみません……」
律子『絶対に七対子の手順じゃない。1ソウは私が切った直後の合わせ打ち?にしても二マンを切ればいいだけの話』
P「じゃあ次に行くぞ。春香、一局打って何か問題はあるか?」
春香「うーん、何切っていいのかさっぱりわからないっていうのはあるんですが。それよりも」
小鳥「それよりも?」
春香「律子さんがびっくりしているみたいなので、なんでなのかなって」
小鳥「振っちゃったからじゃないの?」
律子『プロデューサーがメンホンチートイをわざと捨てている上に、妙ちくりんな手順で私の親を蹴ったからよ!』
律子「えっと……ごめんなさい。なんでもありませ……いえ、違うわ。これっ!」
P「あー。まあ、なんだ。律子、一言で言うと、俺は”この半荘をプロデュースしたい”んだ」
律子「プロデュース、ですか?」
P「そうだ。点数に開きがある麻雀は、難易度が高いからな」
律子「だから、ああ。最初から私をマークして、抑えて打って、点数を」
P「ライブのネタばれは厳禁、だぞ」
律子『私が露骨な一色手狙いを始めたから、色を合わせながら字牌を止めていったってわけですか。自分の点数も抑えて』
春香「プロデューサーさんが何かをして、上手くいって、律子さんがびっくりした。ってことでいいのかな?」
小鳥「たぶん、私たちが考えている以上に、何かがあったのでしょうねえ」
律子「一つだけ教えてください。これ、全部狙ってやったんですか?」
P「答えるのが難しい質問だが……そうだな。狙ってはいた。だけど、あがれたのはたまたまだ」
律子「……どういうことでしょうか?」
P「意図はさっきの通りだ。だけど、その意図に沿った牌がきてくれたのも、発で当たれたのも偶然さ」
律子「……」
P「納得いっていないようだけどな、麻雀ってそんなもんだぞ。打ち手が足掻ける部分なんて、そう多くない」
律子「でも、私は!」
P「律子ってさあ」
律子「……なんですか?」
P「麻雀、好きなんだな。そういうの嬉しいぞ」
律子「…………笑顔でそんなこと、言わないでくださいよ」
P「後でいいならいくらでも話を聞いてやる。今はまず、純粋に麻雀を楽しんでほしい」
律子「……わかりました」
春香「うわあ、律子さん。顔真っ赤」
小鳥「これはいいものを見させてもらったわねえ」
(終局)
律子「ふぅー。いや、参りました」
春香「わあ、律子さんに参りましたって言わせちゃった!」
律子「春香にじゃあないんだけど……でもまあ、トップだもんね。初麻雀で初トップ、おめでと」
春香「ありがとうございます!やっぱり麻雀って楽しいですね。ハマっちゃいそうかも」
P「いいじゃないか。これからもやりたくなったらいつでも声をかけてくれよ」
小鳥「と言っても、そうそう時間は取れないと思いますよ。みんな忙しいですから」
春香「うう。なんなら明日にでもまたやりたいくらいなのにー」
律子「わがまま言うんじゃありません。遊んでばかりいたら、トップアイドルになんてなれないわよ」
春香「うーん。どこかにマージャンのお仕事とかないかなあ」
P「あったとしても、今の春香より向いているアイドルはたくさんいるだろうからなあ」
春香「初心者アイドルにマージャンを教えよう、とか」
P「うん。ぶっちゃけて言うとな、そんな仕事があっても春香にはやらせないぞ」
春香「ええっ、なんでですかプロデューサーさんっ!」
P「アイドルとしての春香が麻雀をやっていたら幻滅するファンがいるからだ」
春香「え。幻滅、ですか?」
P「そうだ。麻雀は一部の人たちにとても悪いイメージを持たれているんだ」
律子「ギャンブル性、ですね」
P「ああ。点数のやり取りでゲームの勝敗が決まるからか、賭けごとの対象として使われやすいという一面がある」
春香「でも私、賭けごととかやりませんよ?」
P「残念ながら、麻雀自体にそういうイメージが付きまとうんだ」
律子「雀荘を作ろうと思ったら、パチンコ屋と同じような届け出をしないといけないそうよ」
春香「でもそれって、ぱちんこと同じくらいのイメージってことですよね?」
P「ちなみに俺は、春香が”パチンコやりたい”って言い出したら体張ってでも止めるぞ」
小鳥「アイドルはパチンコなんかやっちゃいけません」
律子「春香、外で麻雀をやるのは控えなさい。パチンコなんてもっての外よ」
春香「ええー、マージャンはいいじゃないですかー」
P「まあなあ、うん。初心者として興味を持っているってくらいならいいんだ」
律子「でも、これから私みたいにちゃんと遊ぼうって思っているなら、控えた方が賢明よ」
P「そうだな。というか、律子。俺、律子が麻雀を知っているとか初めて知ったぞ」
律子「やるからには、徹底するのが私のやり方ですから。ちゃんと隠させて頂きました」
P「もうアイドルじゃないからオッケー、ってことか。にしても、なんだかちょっと寂しい気はするなあ」
律子「そういうプロデューサーも、こんなに打てるなんて聞いたことがありませんでしたけど?」
P「いや、まあな」
律子「まあこれからは、事あるごとに話題に出して教えを乞おうと思っていますけれど」
P「うわ、律子。おまえ本気だな」
律子「ええ。プロデューサーには負けそうですが、私もけっこう好きですから」
春香「ああー律子さんずるいずるい。私も、私も本気でやってみせますよ!」
小鳥「春香ちゃん。さっき”そんなに時間は取れない”って話をしたばかりでしょう」
P「そうだぞ。まずはアイドルとしての活動が一番だ。その合間であれば、何も言わないけどな」
律子「私もアイドルを優先してくれるなら何も言いませんよ」
小鳥「うーん。なんだか、麻雀人口を増やそうと画策している人たちがいるような」
P「エーマサカー」
律子「ソンナコトナイデスヨ」
小鳥「なんという棒読みっぷり……」
春香「よーし!そうと決まれば特訓ですよ、特訓っ!!」
P「とはいっても、ここに俺の麻雀セットを広げておくわけにもいかないしなあ」
小鳥「はぁ……わかりました。でしたら、私が持っている麻雀ゲームを提供しましょう」
P「え、小鳥さんそんなの持っているんですか?」
小鳥「ええ。ネット麻雀がちゃんとするまではよくやっていましたから」
P「ちなみに、そのゲームのタイトルは?」
小鳥「”極(きわめ)”だったと思います」
P「うん、いいですね。春香もそれでいいか?」
春香「はい。マージャンができるならなんでもいいです」
P「じゃあ小鳥さん、よろしくお願いします」
小鳥「わかりました。事務所のテレビに接続だけしておきますね」
春香「やったー!」
〜注:このページは読み飛ばしても大丈夫です〜
(律子が伊織に対局の流れを解説するだけです。ややこしいなと思ったら斜め読みしてください)
律子「とまあ、こんな感じよ。終始プロデューサーの掌の上だったって印象ね」
伊織「律子にそこまで言わせるなんてねえ。しかも、それでいてトップが春香なんでしょう?どんだけなのよ」
律子「アレは、偶然だと思いたいわ。あ、でも……そうかも?あ、そうだ。やっぱそうだあああああ!」
伊織「ちょ、ちょっと!いきなり壊れないでよ」
律子「うわー今になって思えば南場だけがノーテン親連荘で、そのくせあがり止めありとかおかしいじゃない!」
伊織「一人で納得してないで、ちゃんと解説しなさい!あと、車の運転だけはちゃんとしてよね」
律子「その辺は大丈夫よ。ウチの子たちを乗せている時だけは、絶対に事故を起こさないって誓っているもの」
伊織「何言ってんの。あんた一人の時も事故っちゃだめに決まってるじゃない。イヤよ、そんなの」
律子「あはははは!わかってる。わかってるから。まったく、伊織は心配性なんだから」
伊織「もうっ!そんなことはいいから、さっさといいから話を進めなさいっ!!」
律子「はいはい。えーっと、そうね。まずすっとばした局の進みをざっと説明するわね」
伊織「東一局の打ち込み。律子からプロデューサーに1600以降ね」
律子「私もあれからプロデューサーのマークに入ったわ。もちろん効率的な打牌選択をしながらね」
伊織「まあ、律子の効率至上主義は今までにもさんざん聞かされているから省いていいわ」
律子「言うわね。で、東二局は春香の早いリーチが流局。東三局が」
伊織「ちょっと。他にテンパってる人はいなかったの?テンパイ料がわからないじゃない」
律子「ないわよ」
伊織「ないって、どういうことよ」
律子「初心者って圧倒的にテンパらないから、テンパイ料だけでもかなり不利になるのよ」
伊織「だからって無くすのもおかしくない?」
律子「私は別に不自然にも思わないわね。終盤に無理することも減るだろうから、初心者向けの優しいルールってとこかな」
伊織「そんなものなのかしら?まあいいわ。私には関係のない話だし。それで?」
律子「東三局。プロデューサーの親番」
伊織「律子は流しに行くつもりでしょう?」
律子「実力者の親ほど怖いものは無いわ。みんなの点数調整をするにも、点棒を持っておいた方がやりやすいからね」
伊織「で、結果は?」
律子「うーん。たぶんアレ、ブラフだったんでしょうねえ。東一局で私がやったような一色手の仕掛け」
伊織「見え見えでも、親にやられるとやり難いのよねえ」
律子「しかも、まずはピンズをバラ切り。次にいらない字牌が出てくるからソウズかマンズかがわからなかった」
伊織「とりあえず役牌の字牌を抑えながら、ドラ色の受け入れを広くしていきたいわね」
律子「そんなに手も良くなかったから、控えめに打つつもりだったのよ」
伊織「だった、ということは。何かあったの?」
律子「8巡目くらいにドラ色のマンズが切り出されてね。ソウズ一色なんだって思ったわ」
伊織「プロデューサーの仕掛けは?」
律子「西の一鳴き。私の風牌ね。だから、その時点でもう役牌かホンイツ。次にトイトイ、チャンタを想定したわ」
伊織「オタ風から仕掛けた三色、なんてレアケースまでケアしてられないものね」
律子「で、8・9巡目に三マン一マンと切り出されて、10巡目に8ソウが出てきたのよ」
伊織「これならチャンタのケアからホンイツへ移行ってところかしら。親につき、遠い喰い仕掛けで両天秤狙いとか?」
律子「役牌のありかはわからなかった。だから私は、色を合わせるために三・五マンのカンチャンを嫌おうとした」
伊織「そうしたら?」
律子「小鳥さんが三マンでロン。タン・ピン・ドラ1で3900は4200よ」
伊織「へえ。その手でリーチをかけていなかったわけね」
律子「なーんかねえ。小鳥さんもニコニコしながらとぼけてたけど、本人が言うほど下手じゃないような気がするのよ」
伊織「どうなのかしら。こんなことなら後ろで見ておくんだったわ」
律子「あの後すぐに迎えが来てたじゃない。”麻雀見たいから帰って”とか、さすがに我儘がすぎるでしょう」
伊織「新堂も一緒に見ればいいのよ。ちなみにだけど、新堂は私に麻雀を教えてくれた先生だから実力は折り紙つき」
律子「あの人も、穏やかな顔して何やってたんだか……」
伊織「知らないわ。仮に何かあったとしても、今の新堂はきちんと仕えてくれているもの。私からは聞く気もない」
律子「ああそういう意味じゃないの。ごめんね。ちょっと見かけによらないな、って思っただけ」
伊織「ま、新堂の方からは色々とアレな話をしてくれるんだけどね」
律子「ちょっ、いーおーりーっ!」
伊織「にひひっ。家の者を変な目で見た罰よ。で、プロデューサーを警戒し過ぎて小鳥に躓いてからはどうなったの?」
律子「さすがに春香の負けが込み始めたわ。東四局の親番では小鳥さんに満貫の打ち込み」
伊織「初心者は守りが効かないからしょうがないわね。いくらプロデューサーでも完全に防御はできないか」
律子「他家でノーガードの初心者を完全防御とか。そんなのイカサマ以外じゃ無理でしょ」
伊織「律子が最初に褒めすぎるからいけないのよ。本当にすごい人なのかと思っちゃったじゃない」
律子「ごめんね。言い過ぎたかも。で、南一局。私の親はプロデューサーがツモピンドラ一の700・1300」
伊織「あっさり流されたのね」
律子「南二局。春香が私に満貫の打ち込み」
伊織「容赦ないわねえ。これで春香は−17700だから12300点。ちょっと厳しいわね」
律子「南三局開始時点で、私が+900。小鳥さんが+12500。プロデューサーが+4300」
伊織「律子もプロデューサーも好位置にいるから難しい局面になりそう。小鳥がどう逃げるかが見物ね」
律子「私は沈みの三着だから、積極的にあがりに行く必要がある。だから南三局で最悪でも3900は欲しかった」
伊織「暫定二着、っていうよりも次の局の満貫あがりでトップになる状況が欲しかったってとこ?」
律子「両方欲しかったわね。それに5200でもあがれば、オーラスで6400か5200ツモでも逆転」
伊織「可能性が広がるわねえ」
律子「でもそうはいかない。プロデューサーが小鳥さんからダマで2900を直撃。ちなみに春香のを見逃してる」
伊織「+900、+9600、+7200、−17700」
律子「プロデューサーに連荘されたら厳しい局面。私は無理な喰い仕掛けをして強引にあがった」
伊織「点数は?」
律子「ツモあがりの600・1100」
伊織「律子は不満が残るでしょうが、点数的には悪くない。+3200、+9000、+6100、−18300」
律子「なんとかトップが狙える状況にはなったわ。でもこれ、下手をするとラスまで落ちるのよ」
伊織「南四局、春香の親。+3200と−18300で21500。確かに親の満貫を打ち込めば転落ね」
律子「浮いているから最悪三着でも負けじゃない。二着キープならいい結果。トップが取れたら最高」
伊織「そんな感じで迎えたオーラスだったわけね」
律子「オーラス。とにかく先手を取りたかったんだけど、あいにく役牌も喰いタンも狙えない残念な配牌だった」
伊織「得てして、難しい局面には難しい手牌が来るものよ。自分を曲げた後や、無理した後は特にそう」
律子「そんな中、5巡目だったわ。プロデューサーのリーチ。私はまだ形の悪いサンシャンテン」
伊織「これはダメね。降りはしないけれど、全力で前に出るには厳しいわ」
律子「それでも私は、なるべく前へ行こうとした。どうしても、プロデューサーに勝ちたかったから」
伊織「ちょっ、まだトップは小鳥なのに……あんた何と戦ってるわけ?効率はどこにいっちゃったのかしら」
律子「私もそう思う。熱くなっちゃってたのかなあ?でも、たぶんこれはプロデューサーの予想外の出来事だった」
伊織「というと?」
律子「局の開始前の私なら、回し気味に打って浮き三着良しの構えだったから」
伊織「性格もばっちり把握されているんだから、そのくらいは読んできていたんでしょうね」
律子「ええ。対局中の会話でも、端々で”見られている””読まれている”って感じが伝わってきていたわ」
伊織「あ、でも……おかしいわね。そんだけやって、どっちもあがれなかったんでしょう?春香がトップなんだから」
律子「それよ。あーもう!今さらながら、物凄く悔しくなってきたわ」
伊織「続き、話しなさい」
律子「簡単な話よ。たぶん、プロデューサーは始めからあがる気が無かった」
伊織「はあ?プロデューサーは3900でトップよ。ちょっと打っている人なら点数を合わせてくるはずでしょうが」
律子「そうね。だからこそリーチのみか、あってもドラ一個の悪形でリーチをしていると思うわ」
伊織「それって、トップを取るつもりがない、ってこと?ずいぶんふざけた打ち手なのね、プロデューサーって」
律子「うーん、それもちょっと違うかな。ずっと真剣だったし、本気で苦心しているのは見て取れた」
伊織「だけど狙えるトップを狙わないってのは、同卓している面子に失礼でしょうが」
律子「あーまあ今回ばかりはねえ。面子が打ったことのない春香と、ずっと打っていなかったらしい小鳥さんだから」
伊織「でも、あんたがいるじゃない」
律子「私は”この半荘をプロデュースしたい”って宣言をされているもの」
伊織「それにしたって……」
律子「まあそのあたりは直接聞かないとわからない。今、こうして話しているのは全部私の想像だから」
伊織「そりゃまあ、そうだけど」
律子「続けるわね。プロデューサーはあがらなかった。私は回しながらプロデューサーを追いかけた」
伊織「小鳥は降り気味に打っているとして、親の春香はどうだったの?」
律子「変な捨て牌をしていたわ」
伊織「変って?」
律子「こんな感じ」
〜春香の捨て牌〜
一53(3)(1)7
8西北(9)(9)
伊織「なにこれ。タンヤオでもピンフでもない。七対子もチャンタ系もなさそうね。全色切れてるし、わけわかんない」
律子「わかんないでしょ。私もイマイチつかめていなかったのよ。しかも(9)ピンは両方手出し」
伊織「無茶苦茶ね。気にした方が負けっぽいかも。ああでも、そうね。万が一のマンズ一色とかあったら笑うわね」
律子「伊織、それ正解よ」
伊織「えっ?!まさか、これで一色手が入っちゃってるの?ちょっと言ってみただけだったんだけど……」
律子「12巡目。春香は山から牌を引くと、ウンウン唸ってからリーチをかけているプロデューサーを呼んだの」
春香「あの……プロデューサーさんは、リーチをかけているから手を変えられないんですよね?」
P「ああ。だからちょっとしたことなら春香の手を見て教えてやれるぞ。みんなもかまわないよな?」
小鳥「私はかまいませんよ。昔はリーチ後の手牌覗きアリってルールでもやってましたから」
律子「初心者に教える時にはよくやりますよね。私もいいですよ。でも、節度は守ってくださいね」
P「ああ、そのあたりは任せろ。で、春香は何を聞きたいんだ?」
春香「あの、この手なんですけど……ごちゃごちゃしてわかんなくなっちゃって」
P「こりゃ、すごいな。何引いてきたんだ?」
春香「これです。できれば自分で考えたかったんですけど、その、いらないものが全然わからなくなっちゃって」
P「わかんないかー。よーし!じゃあ春香、大きな声でこう言うんだ」
春香「?」
P「”ツモ。やったー私のトップ!”」
春香「ツモッ!やったーーー私のトップってえええええっ!!」
〜春香の手牌〜
二二二二三三四四五六七八九 ツモ四
律子「ツモメンチンピンフイーペー。フリテンツモの8000オールで春香のひと捲りよ」
伊織「なにそれ。第一打の一マンはなんなのよ」
律子「後で二マンを四枚引いてきたらしいわ。それまでは一マンなんていらないと思ってたみたい」
伊織「なんなのよそれ……にしてもこれ、どういう手順でこうなったのかしら。まったく理解できないんだけど」
律子「私もわかんない。本人曰く、途中で『あ、これ綺麗になりそう!』と思って一色手に向かったとか」
伊織「はあぁ?意味わかんない。だって最初に一マンを切っちゃってるのよ?!」
律子「そうね。だけど、麻雀って案外そういうもんなんだってさ」
伊織「絶対、違う!」
律子「私もありえないって思うわよ。だけどプロデューサーが」
伊織「あいつがなんて言おうと、私は絶対に認めないからっ!!」
律子「はいはい。……まったく、伊織も人のことは言えないでしょうに。あんたも立派な効率主義者よ」
伊織「私のは”意思のある手順”って言うのよ。だから意思のない打牌と手順の無茶苦茶な打ち手は認めないわ」
律子「ふふふ。ちなみにコメントが『マンズばっかりツモってくるので、行っちゃえーって感じでした』だって」
伊織「初心者丸出し。春香らしいというか……あ!もしかしてこれ、プロデューサーの積み込みじゃないでしょうね?」
律子「それは違うわ。ツモ山の場所も違えばその様子もなかった。春香はただ、純粋にマンズの山を引き当てたのよ」
伊織「笑わせてくれるじゃない。引きも思考もコメントも、単純というか、なんと言うか……」
律子「一マンを切っちゃってるのも、春香らしいドジってとこかしら」
伊織「うん。まあだいたいわかったわ。つまりプロデューサーは、”その状況を起しやすくした”ってわけね」
律子「そう。小鳥さんは様子見みたいな麻雀を打っていたし、私はリスク回避を重点に置いた効率主義だから」
伊織「先制リーチで小鳥と律子を縛りにいって、自分の手を悪形の二ハンに抑えることでほぼあがれないツモ縛りにする」
律子「こうすれば見逃しても言い訳ができる。わざとフリテンにしていた可能性もあるわね」
伊織「ってゆーか、最後のはノーテンリーチだったんじゃない?」
律子「……プロデューサーならありえるかも。あ、でも流局した時に空気が悪くなるから多分違うと思う」
伊織「そっか。そうよね」
律子「プロデューサーは、そういう危ないプロデュースってしないから」
伊織「まあとにかく、アイツは局を長引かせることであがりに向かう春香をアシストした」
律子「私はたまたまその思惑には乗らなかったんだけど、残念ながらあがりには届かなかった」
伊織「しっかしねえ。聞けば聞くほど私とは相容れない打ち手って感じがするわ、アイツって」
律子「でも、実力は確かよ。どこかオカルトじみているというか、偶然を必然と思いたがっている気もしたけど」
伊織「私は律子と違ってそういうのを否定したりはしない。新堂からも色々と信じられない話を聞いているから」
律子「ん。それ、面白そうね。例えばどんな話?」
伊織「……言えない。ちょっと簡単に言える話じゃない」
律子「あ……うん。そうね。なんだか聞かないほうがいい気がしてきたわー」
伊織「……」
律子「……」
伊織「えーっと。そうっ!別の話になるんだけどね。私のおじい様って物凄い豪運持ちなのよ」
律子「運?いわゆる確率の偏りって話じゃあなくて運なの?」
伊織「確率の偏りで半荘に三回も役満をあがれるってんなら計算してみて欲しいわね。どのくらいすごいのか」
律子「うわー。それはちょっと引くわね」
伊織「しかも飛びあり。信じられる?」
律子「全部ツモ?それとも負けてるところからかしら。どちらにせよ、ちょっと考えられない話よ」
伊織「それにね、役満が出ない時も、とにかくいつも打点が高いの。しかも当たり前に手が入ってるから、スピードだけは普通」
律子「それって勝てるの?」
伊織「私とやる時は遊びだだったもの。でも、本気でやる時は絶対に負けないんだって皆が口を揃えて言っていたわ」
律子「確かに麻雀は運の要素が強いゲームではあるけど、理解しがたいわね」
伊織「ありえないでしょう?でも、嘘じゃない。そんな運もあるのよ。あれはもう”存在”って言ったほうがいいかも」
律子「キャラ、っていうなら確かにあるのかもね。私は平凡な手が得意だから」
伊織「律子はそうやって地味に勝ちを狙うのよねえ。それでも元アイドル?」
律子「鮮やかさで現役アイドルに勝っちゃったら辞めた意味がないでしょうが。私は裏方のほうが似合っているのよ」
伊織「そういうのって、案外出ちゃったりするのかしら」
律子「麻雀は人を現す、とかいう言葉もあるそうだから」
伊織「じゃあ”土壇場に強い”ってのが春香の持ち味なのかもね」
律子「ああ!それだ。多分そう」
伊織「な、なによ?」
律子「プロデューサーは、初めからその特性を信じていた節があるわ。ルール決定も座席位置も……」
伊織「ああもう!律子はちょっと考え過ぎよ。アイツもそんなに思い通りにはできやしないわ」
律子「途中もそんなことを言っていたわね。だけど私は、どうしても操られたって印象が拭えないの」
伊織「なんだか話せば話すほどイラついてきた。ちょっと律子。私にもプロデューサーと戦わせなさいよ」
律子「えっ!?でも、竜宮小町はスケジュールが一杯だから」
伊織「それをなんとかしてって言ってるの!お願いよ。ちゃんと打てる人たちだけで面子を組んで」
律子「そりゃ私もリベンジはしたいけど。でもあと一人はどうするの。春香じゃダメなんでしょう?」
伊織「え。ああ、そうか。律子も知らないのね」
律子「知らないのって、私とまともに麻雀の話ができるっのて伊織だけじゃない」
伊織「雪歩よ。私たちと系統は違うけれど、かなり強いわ」
H25.7.4 対局解説を読み飛ばせるように修正
H25.7.7 東一局を微修正
H25.9.10 誤字修正・部分的な微修正
H25.10.15 誤字修正
説明 | ||
春香さんが麻雀に興味を持ったようです。 注:『一』は一マン、『1』は一ソウ、『(1)』は一ピンです |
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