真・恋姫†無双 〜孫呉千年の大計〜 第2章 9話
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第2章 反董卓連合編 09話 『 反董卓連合・水関攻防戦 三英雄が一人 その名は呂奉先』

 

 

 

 

曹操軍が関へと攻城を開始し、軍勢を押し出す中

 

それとほぼ同時に、連合軍後方から大きなドヨメキが連合軍の周囲へと伝わる

先頭に赤い馬に乗った人物が先導する一軍が、一騎討ちに勝利し余勢を駆り、皆が前傾姿勢となっている連合軍の後方に姿をみせた

 

恋は連合軍のドヨメキを他所に、ねねへと突撃する旨を伝える

 

「いく!」

「はいなのです! 皆の者! 恋殿に続くのです!!」

恋の言葉は短くとも、ねねとの二人の間には何の問題もなかった

 

恋の命を受けたねねは、深紅の呂旗をサッと翻し恋の後を追う

深紅の呂旗を翻し、兵糧を預かりし連合軍最後尾に位置している袁術軍へと牙を剥いた

 

「あれは深紅の呂旗! 呂布だぁーーーーーーーーーーー 呂布がきたぞぉぉぉぉぉlーーーーーーーーーー」

襲われた袁術の軍勢は大混乱に陥り、阿鼻叫喚が渦巻く中を恋が敷いた蜂矢の陣は、颯爽と袁術の陣を易々と切り裂いていく

 

ねねとしては当初、袁術が受け持っていた連合軍の兵糧を狙うものだと思っていたのだが

兵糧を率い逃げ惑う袁術軍には眼もくれず、敵対する者達だけを薙ぎ倒し、恋は関へ向かって一心不乱に赤兎を駆る

 

軍師としての性なのだろうか ねねは先行く恋に向かって声高に叫ぶ

 

「恋殿ーーーー 連合軍の兵糧を狙わなくてもよいのですか−−−−−−」

「そんな暇・・・ない! 急がないときっと霞も危ない!」

 

・・・・と、雪蓮とは違った野生の嗅覚と呼べるものであろうが、こうして恋が口にした直感は外れた試しがない

 

野生の嗅覚・直感が、仲間、恋にとって家族とも呼べる親しき者達への不安と焦燥が

今もこうして一心不乱に赤兎を駆らせている理由なのであろう

 

ねねとしては、予想を完全に超越した事態の推移を口にする恋に対し

頭では判っていても、どうしても信じられず聞き返してしまう 理屈では理解出来ない本能と呼べる行動をねねに取らせた

 

「ええっ! 霞や華雄は関に篭ってるのではないのですか!?」

「いない 霞は出てきてる 華雄・・・の気配はしないから負けたのかも・・・」

と勘であろうが、今の状況を恐ろしいまでに正確に言い当てた恋である

 

「何ですと!? あれほど詠に関から出ないように釘をさされていたというのに!

 霞がいながら何をしていたというのです!」

 

「ねね 文句はあと! 皆を急がせる!」

「はいですぞ! 恋殿!」

ねねとの遣り取りが終ったのを見計らったように、赤兎は駆ける速度をさらに速め

ねねは恋とは逆に速度を少し緩め、後方へ急いで後に続くよう味方を煽り急がせる

 

赤兎を駆る恋が、次々と混乱する袁術軍の軍勢を割って進んでいく その様は雪崩や津波に例える事が出来よう

雪崩や津波が迫り来る様子に、ちっぽけな人などどうして敵う筈があろうか? 大きな力の前に人は無力でしかなかった

 

成す術などある筈もなく、ある者は無残に斬り棄てられ馬に踏みつけられ、阿鼻叫喚の地獄絵図の様相を呈し、辺りを兵達は逃げ惑う

袁術軍の死傷者が、雪ダルマ式に増えていくという惨憺たる有様であった

 

その兵達の様子を瞬時に見て取った七乃は、危ういと感じ美羽の天幕へと飛び込み紀霊に指示を飛ばす

 

「紀霊さん! 天幕から急いで出て、呂布さんの侵攻を少しでもいいから、ココからズラしてください!

 このままではお嬢さまの天幕へと直進してしまいます!」

 

「心得ました それでは美羽さまをよろしく」

 

そう言うと紀霊は天幕を飛び出していく

 

寝ぼけ眼をこする美羽の頭を一撫ですると、七乃は自身も外へ行き、少しでも兵を集め方円陣を天幕外へ敷くべく奔走する

 

しかし、恋の突撃は少しも止まる事を知らず、紀霊と対峙する距離へと近づく

紀霊は恋ではなく、赤兎の足を両断するべく距離を詰め前進し、三尖刀の渾身の一撃を赤兎に見舞う

 

しかし、紀霊の一撃は見事なまでに恋に読まれており

方天画戟の石突で、紀霊の三尖刀の渾身の一撃の軌道を変え

地へと突き刺した反動を利用して、赤兎は大きく跳躍し何事もなかったように直進する

 

紀霊は地に突き立つ三尖刀の柄を苦々しく見つめ、最後に強く握り締め悔しさを顕にする

 

紀霊が悔しがる間も恋の突進は止まる事を知らず、終には美羽のいる天幕へと突入されてしまう

今も尚寝ぼけ眼であった美羽も、さすがに恋と赤兎の人馬が猛然と突進してきたのだから、たまったものではなかった

 

「ぴぃーーーーーーーーーーーーーー」

 

迫り来る赤兎と眼があった美羽は、悲痛な叫び声を上げ、寝具に立ったままの状態で躯が硬直してしまう

 

「赤兎!」

 

恋がひと声かけると同時に、赤兎が跳べるように方天画戟を素早く投擲して天幕を裂いていく

そして硬直し動けない美羽の眼前で、見事な跳躍をみせ飛ぶ赤兎

 

跳んでいる赤兎と見上げる美羽の視線が再び合うと・・・

赤兎は”小水”を美羽へお見舞いして、関方向へと猛然と走り去っていった

 

恋と赤兎が走り去り、一人とり残された美羽は、赤兎の”小水”を”下半身”に盛大に浴びたことに構う余裕などなく

腰が抜けへなへなと寝具へ呆然とヘタリ込むのであった

 

 

美羽のいる天幕の異変を感じた七乃は、急いで引き返してくるものの・・・

紀霊は呆然と跪き動かず、美羽がいたはずの天幕はズタボロとなっていた様子に狼狽する七乃であったが

紀霊の頬を容赦なく叩き、正気に取り戻させると共に、美羽の安否を気遣いつつ天幕内部へと足を踏み入れる二人

 

「お嬢さま! お嬢さま! 大丈夫ですか!」

との聞きなれた七乃の声に

「七乃! 七乃!」

と呆然と寝具に座り込んでいた美羽は、漸く正気を取り戻し、近づいてきた七乃に両手を差し出して縋りつき泣き声を上げる

 

 

七乃と紀霊の二人は主が無事であった事に、深く息を吐いて安堵するものの・・・

 

 

「わっわらわと違う! 断じて違うのぢゃ! そっそうぢゃ! 飛び去った赤い馬がしたのぢゃ!」

 

美羽の言は真実なのであるが、普段のおねしょに対する美羽の見苦しいまでの言い訳が

結果、二人に疑いの目を向けられてしまう悲劇となってしまう

 

「美羽さま・・・こんな緊急の時にまで誤魔化さなくても・・・」

「・・・・・ですよね」

と同時に呟く七乃と紀霊

 

赤兎が放った小水で下半身が冷たかったけれど

美羽にとって七乃と紀霊の眼差しの方が、ひじょ〜に痛くて冷たくてより一層惨めに感じた美羽であった・・・

 

「わっわらわと違うのぢゃ!」

 

「はい はい ここはまだ安全といえませんし、兵達にそのお姿をお見せする・・・・・・訳にも行きませんしね!

 ちゃっちゃと隅でお着替えしてから、安全な処へ避難しましょうね〜♪

 その間、紀霊さん 引き続き護衛お願いしますね」

 

「心得ました ごゆるりとお着替えなさってください」

 

七乃は美羽をいじって満足できたのであろう 

ボロボロとなった天幕にあった美羽の衣服を探しだす七乃と

今度は誰も入れはしないと硬く決意を滲ませ、一人天幕の外へ出て三尖刀を構える紀霊

 

こうした会話の遣り取りをしている間にも、董卓軍の騎馬は天幕横を通り過ぎていくものの・・・

恋のように愚直なまでに直進する者はいなかったようである

 

この時の恋率いる董卓軍の面々には、先を行く恋に置いていかれないように必死で、袁術軍の相手を悠長にしている暇などなかったのである

天幕を囲む方円陣と刀を構える紀霊を避けるように、必死に追いすがるべく自身の馬を駆る後続の董卓軍の面々であった

 

引き裂かれてしまった天幕の隅で、いそいそと赤兎の小水で濡れた衣服を着替える美羽は

漸く人心地つけたのであろう、先程七乃の言の”間”に疑問を持ったので聞いてみる

 

「ところで七乃! なんで途中で変な”間”があったのじゃ?」

と無邪気に七乃に問い返してくる美羽に対して

 

「さっ さぁ? 美羽さまの勘違いじゃないですか〜♪ そんな事よりささっっとお着替え済ましちゃいましょうね〜♪」

「うむ? そうかえ? 七乃! ベタベタして気持ち悪いから早く手伝うのじゃ!」

 

「はい はい 美羽さま そんなに急かさないでくださいよう〜〜〜」

としばしの間、いそいそと着替え始める美羽の身形を整える七乃

 

衆人環視に恥ずかしがる美羽様に萌え、試してみたいとは口が裂けても言えませんとも!

と妄想に浸っていた至福の時を思い出し、身をよじり悶える七乃でありましたとさ

 

 

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袁術軍を易々と半崩壊へと導いた赤兎を駆る恋は、只ひたすらに前進を続ける

次なる獲物を連合軍中央に位置していた袁紹軍へと、研ぎ澄まされた牙を突き立てるのであった

 

「文ちゃん どうしよう? 呂布さんが突っ込んで来てるみたい すでに袁術さんの軍を抜いたって報告が入ったので

 そのまま伝令さんに援軍要請に走ってもらったけれど、とても間に合いそうにないみたい

 姫を非難させた方がいいよね?」

 

「え〜 メンドクサイし、いいじゃん? ちゃっちゃと呂布をあたしと斗詩の二人で片付けようぜ」

と打ち合わせをしてる間にも、赤兎に跨った恋が砂塵を撒き散らしながら、猛スピードで軍勢を割いて突進してくる様子が窺えた

 

猪々子は大剣『斬山刀』を手に構え、斗詩は大槌『金光鉄槌』を手に両者の視線が合うや、猛然と恋に向かって駆け出した

 

近づき正面にまわった猪々子は、赤兎の首ごと恋を切断するべく大剣『斬山刀』での一撃を見舞う 

恋の後方に回り込み、猪々子との阿吽の呼吸で大槌『金光鉄槌』を振り下ろす

 

二人によるコンビネーションは、長年の付き合いもあり、まさに隙の無い一撃を恋に見舞った筈・・・であった

 

しかし恋は、大剣『斬山刀』の一撃を難なく弾き返すと

後方を確認する事なく返す一撃で後ろに迫り来る斗詩の大槌『金光鉄槌』の一撃を石突で弾き飛ばしてしまう

袁紹軍の二枚看板の一撃を苦も無くあしらう姿に唖然とする二人

 

二人の渾身の一撃が防がれ、次に来る恋の攻撃を予想し、防御姿勢を取り二人が恋を攻めあぐねている間に

恋は二人を放置して予想外の行動に出ていた

 

恋の視線の先には・・・神輿に大仰に座る麗羽が、どこで手に入れたのか希少なワインを入れた器を手に

こちらに視線を移すことなく背を向け、前線を見つめたままの姿を、恋は苦々しく思ったのだろう

 

恋の怒りを買い、赤兎を進めた恋に漸く気付き、視線を恋へと向ける麗羽とかち合うや・・・

 

「目障り・・・」

と眉を顰めて言い放ち、麗羽に向けてそう毒づくと 

 

方天画戟の容赦のない一撃を喰らわせる

先ほどまでワインを優雅に嗜んでいた、麗羽が座していた豪華な意匠を散りばめた台座を、木っ端微塵に切り刻む

もはや誰の者か何か判別不能なほどの大量の赤い雫が、神輿周辺の大地を徐々に染め上げていく

 

その光景を目の当りにした袁紹軍の者達は、総大将の麗羽の死を切欠に四分五裂の大混乱に陥ってしまう

 

「麗羽さまの仇!」

その光景を目の当たりにした二人は、力が抜けそうになるも・・・

猪々子と斗詩は涙を溜め気力を振り絞り、適わずとも攻めて一太刀なりとも浴びせようと恋へと突進しようとしたその時・・・

 

「斗詩さん? 猪々子さん? わ・た・く・しを勝手に殺さないで下さいます?」

と聞き覚えのある声が、武器を構える斗詩と猪々子の後ろから聞こえてくる

 

「え゛っ!?」

と鼻水まで垂れ流しながら振り返る猪々子と斗詩二人の目に飛び込んできたのは・・・

怪我すらした様子もなく、腕を組みピンピンとしている麗羽が立っているではないか!?

 

「麗羽さまーーーーー生きてたんですねーーーーーー!!」

「だ〜か〜ら! 勝手にこ・ろ・さ・・・ぶっ」

麗羽の言葉を最後まで言い終わらせることなく、抱きつき喜びを露にする猪々子と斗詩

 

鮮血が大地を染めて抜いていたと思われたのだが、それは猪々子達の早とちりで、大半が孫呉産ワインの雫だったというオチのようだった

 

麗羽より神輿が目障りだったのであろう 神輿を破壊し尽した事に満足した恋は

「・・・・・まだやる?」

と麗羽、斗詩、猪々子の3人へ方天画戟を突き出し問いかける

 

その恋の問いかけに、麗羽に抱きついたままの猪々子と斗詩も含めた3人は、恋に向かって急いで首をブンブン横に振って否定の意を告げる

 

その3人の様子を見届けた恋は、大将である麗羽の首を獲ることなく、次なる標的を孫呉の陣へ見定めて赤兎を駆る

事ここに至り、ねねはあれこれ考えるより、今は恋に黙って従っていた

 

連合軍の食糧を断つ事も、連合軍の大将の首すら奪えた可能性すらあったというのに・・・と心の奥底で苦々しい想いが燻るねねであった 

 

しかし実際の処、ねねの推測は近からずも遠からずと言った処であった

連合軍の兵糧を一時的に断つ事は可能であったろうが、逃げ足の速い麗羽の首を断つ事は、到底無理であっただろうからだ

 

富の蓄えもある総大将の麗羽を殺せない以上

連合軍を一時的に退ける事は可能でも、瓦解させ解散させることに到ることはまずないであろう

 

例え連合軍の兵糧が一時的に乏しくなろうとも、周りは連合軍の領地ばかりが広がっている訳で

総大将を麗羽が務めていることからも、資金は潤沢にある訳で、尚且つ周囲の連合軍都市より食糧を買い付ければ済む話だからだ

 

そうした事情も含めてだが、何より連合軍がこんな処で負けるわけにはいかない諸事情を、各勢力が抱えている事が最大の理由ともいえる

負けてしまえば各諸侯の思惑など、簡単に霧散してしまうからだ

 

ねねの連合軍が安易に瓦解するだろうと考えることに、少し無理があると言わざる負えない

 

時間稼ぎをした処で味方が増えるというのならばいざ知らず・・・

今よりも警戒され態勢を整えられられては、時間稼ぎなど悪あがきに等しい行為と言えるからだ

 

だが、詠の考えは違う 悪あがきをしてでも・・・崩壊する事を先延ばしにして連合軍を瓦解へとなんとか導きたい

そうしないと大事な月の命が失われてしまうから・・・藁にも縋る思いで、この度の奇襲作戦に切り札である恋を使ったのだ

 

月が大事で護りたいという認識では、皆が一致していたものの・・・作戦に取り組む各将の認識のズレはここに到ろうとも修正できず・・・

各将が独自の判断のもとで命を下してしまうという、董卓軍内部で以前より孕んでいた不安要素を

この度の戦で露呈してしまう格好となってしまっていた

 

 

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そうした不安要素の抱えた董卓軍の内情など、恋にとってはどこ吹く風

恋にとっては洛陽にいる大勢の家族達の為、そして親しき皆を守るというのが、今の恋の行動原理であった

 

恋の突進は今も尚、弛むことなく襲いかかって来る敵を次々に薙ぎ倒しながら進んで行く

 

孫呉の陣へ襲い掛かろうとしたその時、孫呉の軍勢と脇を固める白蓮と桃香の軍勢は

恋と刃を交える事無く、左右へと静かに分かたれて行く

 

桃香や愛紗、白蓮といった将の視線を集めながらも・・・恋の視線の先には・・・

一刀が武器も抜かずに『青』の背に跨り、静かに恋へと視線を向けて佇んでいたのだった

 

赤兎は駆けるような事はせず、むしろゆったりとした歩調で、『青』に騎乗する一刀へ歩み寄った

そうしている内に漸く、ねねを始めとした後続が次々に追いついてきた

しかしその誰一人として、恋と一刀が対峙するのを邪魔しようとする者は皆無であった

 

それは恋やねねより、一刀と一騎討ちを行う事を皆、すでに承知していた為であった

この度の奇襲に選ばれた一軍は、長きに渡って恋と戦場を共に駆け抜けた同士とも戦友とも呼べる

気心の知れた者達で構成されている一軍であった

 

「やあ 久しぶりだね 恋 過日の約束 ちょっと時期尚早かなと思うけどやるかい?」

との一刀の問いに、恋は首をブンブン振って否定する

 

「一刀との約束も大事・・・ 今は霞の事が心配 だから・・・」

と話が上手でない恋は、たどたどしくも・・・今度はハッキリと一刀にも聞こえる音量の声を出して答える

 

「そうか 霞の事が大事なんだな おれも母さんの治療をして、全力にはほど遠い状態だから気にする事はないさ

 恐らくこのまま直進したその先に霞ならいるだろう 早く行ってやるといい」

と敵である恋に対して、過日会った時と同じようなぽかぽかとする笑みを浮かべながら、情報を提供してくれた一刀を即座に信用する恋

 

「ゴメンなさい 一刀」

と敵である一刀に対して素直に頭をペコリと下げる恋に

戦場でもなんら変わらない素直な恋に可笑しくなって、笑顔のままで首を左右に振り、気にするなという意を伝える

 

そして赤兎に乗った恋と交差する間際に一刀は

「君達にとって大切であろう華雄は、応急処置を終え今も無事生きているが・・・

 残念ながら、新たな主も得た今はもう・・・君達の下へは戻れないと、霞にそう伝えてやってほしい」

と恋にだけ聞こえる声量で伝える

 

その直後、主の意を汲み取ったのか、赤兎がその場で突然停止する

当然のことながら、恋と一刀の視線は、その場で尚も暫くの間、互いに視線を交錯させたまま、まんじりとも動かず不動の状態となる

 

この状況に1番困ったのがねねであった

霞を急いで助けに行こうとしたのに、敵である男とすれ違い様立ち止まり、戦場で見詰め合っている異様な光景に戸惑った

 

いつもの調子なら、ここで”ちんきゅーきっく”を男へとお見舞いする処であったのだが

一転して思い直し、数度瞬きして二人を交互に視線を移し観察してみると

愛し合う二人という甘い雰囲気などではなく、恋が相手の意味を探ろうとしているといった印象を受けたねねであったので

素早くさっと横に手を伸ばし後続を静止させる

 

一刀から視線を外し眼を瞑った後、恋の中で状況の整理が突いたのだろう

「赤兎 先を急ぐ!」

と恋は赤兎へ一声かけ終えると、赤兎は恋の意を汲み駆け始める

そしてねねを始めとした後続も恋の後に続く

 

『青』は察したのか馬首をサッと返し、恋達が駆ける後姿を去った今もしばし見つめる一刀に、そっと馬を近づけ声をかける亞莎

 

「一刀様 見逃してもよろしかったので?」

「亞莎か ご苦労様 別にいいさ 俺達の”目的”はすでに終えている」

 

「いえ・・・そうではなく・・・」

と亞莎の言い淀む様子に、素早く察しをつける一刀

 

「桃香と白蓮の軍勢もいるから、ここで恋を押さえ時間稼ぎをすれば、華雄同様、もしかしたら霞も捕まえれるかもしれない

 例え、霞を捕まえれたとしてもだよ? 俺はここで討ち死し、孫呉を含めた軍勢に多大な被害を被るだろうけどね

 それでも通す価値は見出せないかい?」

 

「一刀様が討ち死に!?」

敬愛する一刀から信じられない言葉を聞き、驚愕の色をみせる亞莎

 

「ああ 今闘っていたら間違いなく討ち死にしてたろうね 

 今の恋に挑むなど絶対してはいけない愚考だよ 霞・・・仲間?家族?に近しい者を救いたいという必死さが見え隠れしていたから

 俺の今の氣の残量を勘案してみても・・・恋に勝てる要素など一つも見出せなかったよ

 正直避けてくれて助かったくらいなんだけど?」

 

「出すぎた真似を致しました お許しください一刀様」

と一刀の言を聞き入れ、素直に頭を下げ謝る亞莎

 

「あはは 全幅の信頼を寄せてくれるのは素直に嬉しいよ ありがとう 亞莎

 でも恋とは全力でぶつかって負けたとしても、全然不思議じゃないくらいさ 正直なところ強さの底がみえないんだよね〜」

といつもの笑みを浮かべながらも、恋が去った方角へと今も尚視線を漂わせている一刀

 

亞莎はそんな一刀の横顔を見つめつつも・・・

それは一刀様にもいえることでもありますが・・・と今も尚、内心では敬愛する一刀の勝利を全く疑わない頑固な亞莎であった

 

 

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雪蓮に急かされた蓮華、星、鈴々の3人は霞の動きを狭めるべく

霞の動きを事前に予測し、空振りであろうと構わない体力の消耗を考えない一撃を繰り出してまで

華雄同様、捕縛しよう躍起になり、押さえ込みに来ていた

 

しかし相手はどうやら、霞を殺す気はないようであった

もしそうであったのなら、この強敵である4人に囲まれた時点で、すでに霞の命運はすでに尽きていた事だろう

 

霞は昏倒されないよう4人の攻撃を避け、絶えず馬を動かし飛龍偃月刀を繰り出し必死の抵抗をみせる

全ては一騎討ちに健闘した華雄を救い出したいという一心からであった

 

しかしその抵抗もむなしく・・・4人の包囲はまさに完成の時を迎えていたまさにその時

 

ぐっ これまでか!?と霞は無念に歯噛みしつつも、4人に囲まれ自身の敗北を受け入れざるを得ない

無様にもがく自身の姿にも嫌気がさしていた

 

しかし、その4人の包囲が突然弛むのを感じとった霞は

急ぎ4人から距離をとった所、信じられない光景を目の当たりにする

 

「っ!? 恋!?」

「霞 助けにきた」

 

霞の頭は、突然目の前に現れた恋や味方の軍勢に理解不能に陥り、しばし思考が完全に停止してしまう霞

 

連合軍の後方が騒がしいとは思ってはいたが、華雄が一騎討ちで倒れ・・・弩弓砲を放たれた衝撃により

今の霞に、事態の推移を正確に把握せよというのは、少々酷というものであろう

 

詠の作戦通りだと、恋達は大半の兵を引き連れて虎牢関へと入る手筈なのだから・・・

 

水関に恋を始めとした皆が来る事など一言も聞いてない!

詠のドアホッ! こんな重要な事一言言っとけ!そう思わないでもなかった霞であったが

詠としても、”関から出て危機に陥っているなんて一言も聞いていないわよ!”

と文句を言い返すだろうことは、容易に想像できうんざりする霞

 

しかし恋が連れてここまでやってきた軍勢は、よく見かけた古参の者が多く含まれた編制であるが

兵数にして1万にも満たない連合軍と対峙するには心もとない極少人数と言えた

 

華雄や霞を信頼してない訳ではないが、詠としては

水関へと全力で攻城する連合軍の背後を霍乱し、少しでも連合軍の進行を遅らせたいと思って秘密裡に恋達だけを動かしたのであろう

恋達ならば少数であろうときっと切り抜けるだろうとの詠の判断だったのだろう

まだ戦いが始まってそう時間が経っていないこの時に、恋という最強のカードを切ってくる辺り、敵にとって嫌らしい奇襲と言えた

 

恋が関の前線までほとんどの兵を失わずに来れた事が、詠の作戦の有効性を示していたといえる

 

味方であり前線指揮官である霞には、今回の奇襲は寝耳に水の出来事であり、一言欲しかったと愚痴を零したくなる場面と言えなくもないが・・・

恋の奇襲を頭に入れて、行動するなんて芸当が出来るとも思えなかったので

今回の奇襲は華雄には間に合わなかったものの・・・霞が敗北するという命運をギリギリの処で繋ぎとめた訳で・・・

 

詠の策に対しての評価は、恋達のこの度の奇襲の成功により、連合軍の諸将達の間に董卓軍侮りがたしとの認識で一致したに違いない

 

霞の思考が漸く落ち着きを見せ始めた頃

恋のいつもと変わらぬのんびりした舌足らずな口調で忘れていたが、ふと恋の軍勢が通ってきたルートを思い愕然とする霞

 

「そら有難いけど・・・ 一杯軍勢いたんとちゃう? それに途中一刀おれへんかった!?」

「一刀なら途中で会った 話も少しした その他を蹴散らしながらここまできた 」

 

「え!? その他・・・って恋にとったら連合軍の大軍勢も”その他”かいな・・・

 じゃ こんな短時間で一刀達を倒してここまで来たんか? そんな訳・・・」

 

「そうじゃない霞 一刀と会うまで・・・その他を蹴散らしながら駆け抜けてきた

 けど一刀は・・・すんなり恋を通してくれた・・・」

 

恋ががんばって霞に判る様に説明している姿からは

3万もの黄巾の大軍勢を、共に蹴散らした人物とは到底思えない可愛らしさが滲み出ていた

 

「へぇ〜 一刀がねぇ やっぱり私の勘が的中したわね・・・ 悪い意味でだけど・・・」

と恋の愛らしさ?に負けたのか?霞と恋の会話に割り込んでくる雪蓮

 

「趙雲、張飛 手伝ってくれたのに悪いわね

 三人とも張遼の『捕縛』の事は諦めて、ここは素直に帰りましょう」

 

雪蓮の言葉を聞いて、やはりうちの捕縛を狙っていたか・・・

通りで今まで4人と互角と思え戦えた筈や・・・と不思議に思っていた事に漸く思い至った霞であった

 

「ねっ姉様!?」

と蓮華が驚きの声を姉に対してあげるものの・・・

 

「張遼と呂布が相手 しかも後続が続々集ってきてるのよ?

 この状況下でも蓮華は戦うつもり?」

と丁寧に状況を雪蓮に説明されては・・・ぐうの音も出ず・・・

 

「・・・はい」

と渋々ながらも姉の言に了承する蓮華

 

「まぁ 孫策殿のおっしゃる通りでしょうな 

 今一歩という惜しいところまで、張遼殿を追い詰めはしたのですが・・・いやはや残念ですな〜

 このままでは我らが囲まれ、あたら若い命を散らすことになるでしょうな〜」

 

4人にこれ以上かかずりあっている暇など霞達にない事も承知の上で

蓮華を戒める狙いもあるのだろうか? それとも4人の身の上を考慮した故の事だろうか?

星は心にはない悔し紛れ?ともとれる内容の言葉を、霞や恋達に吐いた

 

将不在の水関は今も尚、刻一刻と曹操軍に侵食されていっているのだから当然の事といえよう

星の胆力が言わせたと言える心憎いまでの”口撃”といえた

 

「ううっーーーー 残念なのだ」

と鈴々としては、素直に暴れ足りないという感想を残し、4人は自身を待つ夫々の居場所へと馬を走らせ帰還するのであった

 

                                ・

                                ・

                                ・

 

雪蓮が突然会話に割り込んできて、話が途切れて腰を折る形となってしまったが

雪蓮、蓮華、星、鈴々が去りし後、今度はごく親しい者達だけに聞こえる声量で囁く恋

 

「恋 ほんまか!? それ!」

「恋殿 まことですか!?」

霞とねねは驚きの余り声が大きくなってしまい、二人の頬は紅潮のあまり赤くなっている

霞にいたっては、華雄を救うべく関を飛び出し、仲間の安否を気にしていたのだ

その反応は当然の事であるといえた

 

「うん そう一刀から聞いた」

「じゃ あの時恋殿と見詰め合ってたのは・・・」

ねねは先程の戦場にいながら不謹慎極まりない光景を思い出しながら恋に問い返していた

 

「うん 華雄の事を聞いてたから・・・」

ねねの問いに肯定の意を返す恋

 

「そっか・・・そういう事なら本当の事やろな 今更華雄を奪い返せるとは思えんし、一刀がうちらに嘘つく利はないしな〜

 まぁ〜 出来たら取り返したかったけど無理そうやしな

 

 華雄も生きてるんなら・・・そのうちどっかでひょっこり会えるやろ!

 それじゃ 華雄の事はスッパリと諦めて・・・関に取り付いている曹操軍を蹴散らしに関にもどろか!!」

と落ち込み気味だった霞はすでになく、元気一杯に恋とねねの二人に接している様子を見て安堵する恋とねねの二人だった

 

「・・・うん」

「ですの〜」

と華雄がいなくなった事は、水関戦において董卓軍の多大な損失と言えるが

戦場においていつ何時、命を失うのも覚悟の上で戦場に身を置いているのだから、どこかに仕方の無い事と割り切っている処はある

しかし少なくとも生きていると判れば、残された者達の後悔、心の負担は幾分マシと言える

 

霞が言ったように”いつか会える日を信じて”

 

今は全力で連合軍を退ける!再びそう覚悟を決め闘志を燃やした霞、恋、ねねの三人であった

 

 

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水関の攻城に全力を傾けていた事と、例え奇襲されたとしても連合軍の人数を勘案してみても

こちらが関を落とすまでは、来れないだろうとタカを括って安心していたともいえる曹操軍の面々

 

しかし蓋を開けてみれば・・・

 

連合軍は中央を切り裂かれ、軍勢が撒き散らす砂埃はもはや前線近くまで接近していたのだ

後方の状況が混乱し、こちらにまで詳細な情報が届いてこない始末に歯噛みしながらも

攻城の手は緩めず、ひたすら関を落とすべく攻め立てていたが、さすがの華琳も無視できない状況に陥っていた

 

そこへ桂花が息を切らせながら華琳の下へと転がり込んできた

 

「華琳様! 後方から袁紹軍と袁術軍を蹴散らした軍勢は呂布軍だったとの事

 しかも前線にいた孫呉も被害を抑える為、呂布軍及び張遼を押さえ込むのを放棄した模様です!

 このままでは我が軍は、張遼を含めた呂布の軍勢と水関を守る軍勢とに挟まれる最悪の事態となってしまいます!」

 

「なんですって! マズいわね 相手があの三英雄の一人、呂布が相手だったなんて・・・ 関を攻めた事が裏目に出るなんて・・・

 しかも張遼と呂布を含めた軍勢がこちらに向かってきてるなんて・・・

 敵の軍師と将が水関にいない事が判ったから、関へと迷わず単独で攻略し始めたんだけど・・・見通しが甘かったわね・・・

 

 攻城を即時中止! 一端引くわ! 撤退の準備を急がせなさい! 攻城している凪、沙和、真桜に直ぐに伝令を出しなさい!」

 

「ハッ!」

伝令も事の重大さに気付いたのだろう 急いで攻城を続けている前線へと走り出す

 

重苦しい空気が漂う曹操軍陣内で、慌しく撤退の準備に奔走する者達を一向に気にする様子もない歴戦の将達

 

自身の先見の明の無さに苛立つ華琳の前に臆する事もなく、拱手し跪き請う春蘭がいた

 

「華琳様! 殿はこの春蘭めにお任せを!」

「呂布もいるのだ 姉者だけでは心もとない 私も残ろう!」

「じゃ ボクも・・・ いい?流琉」

 

「しょうがないわね 華琳さまの事は任せて」

 

窮地に陥ろうとも春蘭を含めた我が軍の将達の変わらぬ態度に、いつしか苛立ちも収まり頼もしさを感じていた華琳である

「皆、この窮地を脱して生きて戻ってきなさい! 死ぬ事は許さないわ!」

 

「ハッ! 華琳さま」

「はい! 華琳さま」

と居並ぶ将達は、華琳の思い遣りに感動しつつも素早く拱手する

 

曹操軍の危機的状況を察知した諸将の団結が増したようであるが・・・

霞と恋達がこちらに突撃してきている現在、悠長に事を構えていられる余裕もなかった

 

「本隊が撤退を終えるまで負ける事は許さんぞぉーーーーーーーーーーーーーー!!」

吠える春蘭の檄に呼応して勢いが増す殿軍

 

「遅くなりました! 我らも殿に!」

「せや! やったるでぇーーー!」

「がんばるの!」

 

「凪、沙和、真桜か! ならば殿の後方へ就いてくれ!」

 

「秋蘭様! 承知しました」

「急いで秋蘭様達の軍の後方に就きや!」

「みんな急ぐのぉ〜〜〜〜〜!!!」

 

「オォーーーーーーーーー!」

攻城戦に参加していた凪・沙和・真桜の軍も加わった殿軍は、霞、恋が襲い掛かってくるのを準備万端整えて待ち構える・・・

 

しかし・・・恋と霞、ねねの三人を先頭に駆ける軍勢は、意気軒昂で待ち構える殿軍の春蘭、秋蘭、季衣達の心配をよそに

曹操軍の殿に突撃して、被害が大きくなる事を控えたのだろうか?

殿の軍勢には一切目もくれず、悠々と水関へと帰還し、再び水関の門は堅く閉ざされてしまうのだった

 

 

それからの連合軍、董卓軍共にズタズタとなった軍勢の再編制に手間取り

再び関へと手出しする程の余裕はなく、一日目を終える事となった

 

 

日も暮れその日の夕食も軽く終えた董卓軍一同に、ようやく笑みが戻ってきたのであった 

ほんの一時の安らぎを共有している中、霞と顔なじみの部下が将達が休んでいる部屋へと入ってくる

 

「張将軍 ご帰還おめでとうございます! 洛陽の賈駆様からの火急の用件との伝令が届いております!」

「うっさいわい! 皮肉はそんくらいにしとき! こんな夜更けに火急の用件?・・・ってなんやろ? すぐにこちらへ通し!」

霞は恋とねねに視線を移すものの・・・首を傾げる二人も内容を知らない事を確認した上で、伝令を招き入れるよう部下に言い渡す

 

「ハッ 承知致しました」

と霞の承諾を得た部下は急いで部屋を離れる

 

こうした霞と部下達の皮肉めいた軽口を叩ける会話も

一時の安らぎが与えてくれたものなのであろうと、心に一層の余裕が生まれ、それも悪くないと思う霞、恋、ねねの三人であった

 

しかし・・・この後、詠からの伝令が突きつけた内容に、今日何度目であろう霞、恋、ねねの三人は、愕然とするのであった

 

                                ・

                                ・

                                ・

 

水関の攻防がようやく沈静化を見せ始めた翌朝、新たな事態の推移に驚愕の色を隠せない事実が連合軍諸侯へともらたらされる事になる

その内容とは・・・

 

その夜のうちに、董卓軍は水関を放棄して、虎牢関へと向けて撤退を開始 

水関がすでに”もぬけの空”と化したのを、曹操軍が攻城戦の撤退最中、関へと紛れこませていた斥候の手の者より

いち早くその情報を掴んだ華琳は、今度は直ぐに仕掛けるような真似はせず

明朝まで待って関を”単独”で落としたという念の入れようだった

 

華琳がまたもや独断で軍を動かした事に、麗羽に直訴する諸侯も少なからずいたが

麗羽も華琳が功を得た事に不満を覚えなくもなかったが、気持ちはもはや洛陽を手中にする事に飛んでいたため

ここはあえて見逃すことにし、今度は独断の行動をしないようにと、麗羽に釘をさされただけに終った

 

水関の激戦は初期に抱いた詠の思惑とは大きく異なり、様々な思惑が蠢き、わずか”二日”にして陥落するあっけない幕切れとなった

 

 

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■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程c(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

 (背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で

  徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

 

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる 

  初期には転属させられた事に不満であったが

  一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に((蟠|わだかま))りも消え、一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前

 

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-7ページ-

 

【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつもお世話になっております

 

さて原作の呉ルートでの水関戦とは、かなり内容の違ったものとなりました 皆様いかがでしたでしょうか?

随分駆け足で区切り調整がままならず、第2章以前の文章量より長文となってしまいまして、誠に申し訳なく思っております

 

第1章が独立を含めまして10話程度なので、第2章に関しては長文構成が多い中、水関戦が終った時点でもう9話めという

・・・尺となっておりまして、随分軽く流した部分もあったのですが、第2章が最大規模となるのはもう目前のこととなっております

 

今後の第2章の流れを簡単に説明致しますと、虎牢関戦、月、詠、恋、霞、ねね達を含めました動向、

反董卓連合後を見据えた諸侯達の動きまで追うつもりでいますので、第2章終了までもかなり長くなる事が予想されます

皆様に飽きさせないよう、最後まで制作出来たらなぁ〜と思っている次第です(もう飽きられた皆様もいらっしゃるかと思われますが・・・)

 

今のペースで制作が進行したと仮定致しますと、今年の10月で『満1年』を迎える事になるのですが・・・

こちらも完結せずに更新しそうな現状の勢いとなっておりまして・・・

一年がかりで完結させようという私の初期の意気込んだ野望は、嬉しくも打ち砕かれようとしている現状であります

 

以前のあとがきに記しました通り、初期構想では呉編、魏編、蜀編とあった訳でして・・・どれだけの大作だったんだ!

とつっこまざる負えない状況に、現在、少々頭を抱えております

 

魏志倭人伝の後を制作する旨を皆様に伝えているだけに、ご期待に応え早めにお披露目したい処でもありますががが

まだまだ・・・先の事となりそうです 本当にお待たせして申し訳ありません 

 

今は孫呉千年の大計を、完結目指して一歩づつ粛々と書き連ねたいと思っております

 

最後に、コレクション、支援ボタンを押してくださる皆様、コメントを残して下さる皆様、ツイートしてくださる皆様、

そしてこの作品を読んで下さる全ての皆様に、日頃の感謝も込めまして御礼申し上げたいと思います

 

本当にありがとうございます!

 

これからも皆様のご忌憚のない御意見・ご感想をお聞かせ下さい

完結まで応援、ご支援を何卒よろしくお願い致します<(_ _)>

 

それでは次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ〜♪

説明
常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

詠の策謀が恋の手により、大軍を擁した連合軍に楔を入れる・・・
窮地に陥った霞の運命は!? 水関の攻防の結末や如何に!?

それでは心の赴くままに・・・ごゆっくり堪能くださいませ
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コメント
>今後とも皆様からのご感想、ご指摘、ご批判なんでも結構ですので、気軽にコメントしてくださいませ お待ちしております&lt;(_ _)&gt;(雪月)
>西湘カモメ様 洛陽からの内容は来週にも明かすつもりでおります この内容の影響により、董卓軍、連合軍が今後取るべき道とは? ここで明かせないのが辛いところです 更新までお待たせして申し訳ありません(雪月)
>九条様 死なないならば・・・という後ろ髪惹かれる想いで切り替えたという感じなんですけど、霞の場合だと深刻さがあの性格ですので伝わり難いです(泣  洛陽で何があったのか・・・は来週に明かすつもりでおります(雪月)
>バズズ様 乙女の都合?が優先されちゃいました(違  そうですね 新しい所属先次第で今後の動乱の行方も左右するでしょうしね 明かすのは先になるでしょうけれど、楽しみにお待ちくださいませ(雪月)
>観珪様 桃香さんと白蓮さんの軍に不審ですか なるほど〜貴重なご指摘ありがとうございます あの二人なら一刀さんの言う事をなんの疑いもなく素直に受け入れそうな気も・・・ 事実は恋さんが接近していた事もあり、時間に追われてとその辺りを省略手抜きしちゃったのですががが(滝汗  え゛っ アレ以上辱めるのデスカ? 頭から小水マミレ・・・(滝汗(雪月)
>観珪様 バズズ様 九条様 西湘カモメ様 いつも貴重なご感想、ご指摘のコメントを戴きまして、誠にありがとうございます またコレクション、支援ボタン、ツイートをしてくださる皆様、本当に感謝いたします(雪月)
さてさて洛陽からの「急急如律令」は何ぞや?その後の展開にどう影響するのか、気になる。(西湘カモメ)
華雄さんはやはりすっぱりと諦められる役なのか……さて、洛陽で何かあったんですかねぇ? 続きが気になるところです(九条)
ついに恋と衝突か!?と思いきや回避したか・・・ 董卓勢の新しい所属先も気になるし・・・ オラ、ワクワクシテキタゾ!!(バズズ)
泰然自若な一刀さん、マジカッコいいっす。 しかし、恋ちゃんと見つめ合う状況になっていて、戦うそぶりも見せないようでは、桃色さんと白蓮さんの軍には不審に思われたのではないでしょうかね? そして美羽ちゃんは気の毒にww 好きな子なだけに、もうちょっと辱められてもよかったかな、という気は起りますけれどもww(神余 雛)
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