仮面ライダー Rainbow of the oblivion―忘却の虹― 21話
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「なんだよ……これ…?」

 

 

その光景は悲惨だった…

突如現れた円盤にブロックを合わせたようなUFO達。

そのブロックから変形した『鉄機兵』。

それに立ち向かう体力を消耗した仮面ライダー達と警察特殊部隊。

 

 

そして何より……周りに転がる死体があった。

 

 

「う…ぉえ……」

 

「ツナ!?」

 

ツナはこの光景をみて嘔吐してしまう。

ツナはいくつもの戦いをしてきたが、実際に死体をみるのは初めてだ。

リトはツナを介抱しているが実際には自分も吐きたい…そんな気分だった。

安全な場所にツナを運び、リトはクウガ・ライジングドラゴンに変身し、戦場にむかう。

 

「どらっ!!」

 

『ギ!』

 

「リトさん!」

 

「はは…おせーぞ、リト…」

 

「すまない…あとは俺に任せろ」

 

始めの一撃はまったく効果がないが、少し威嚇に成功したクウガRDは店の暖簾をライジングドラゴンロッドに変化させる。

――鉄機兵は7体程度……この姿ならいける

そう思いクウガRDは目の前の鉄機兵を凪ぎ払う。

その間に特殊部隊は負傷者を運ぶために撤退…他の仮面ライダーは後ろに下がっていた。

 

「そぉぉぉりゃぁぁぁ!!」

 

『『『ギギギ!』』』

 

最後にクウガRDは鉄機兵を上空へ高く叩き上げ、ライジングドラゴンロッドの刃の部分を突き刺し撃破。

終った、と一息ついたのも束の間、再び上空のUFOから鉄機兵達が表れる。

 

「クソッ!まだいるのか……」

 

「……………おかぁ…さん…」

 

「!??」

 

クウガRDは再び身構えるが、どこからか声が聞こえる。

見渡して見ると、店があったのであろう、その場所はコンクリートが崩れていた。

さらに目を凝らして見ると、そこには頭から少し血を流しているまだ幼い少女が瀕死の状態の母親を必死に運ぼうとしていた。

クウガRDはそれに気付き、助けようとしたが目の前にいる鉄機兵達が邪魔で進めない。

 

「どけッ!!どけよ…!……どけぇぇぇぇ!!」

 

「平沢氏…俺が!」

 

進めないクウガRDをみて、響鬼は親子のもとに向かう。

響鬼は少女を抱き上げ、次に母親を担ごうとするが手を鋭い剣にした鉄機兵の一体が切りつける。

いつもはこの程度の攻撃はかわせるが今は体力を消耗ている上、少女がいる。

響鬼は少女だけは守ろうと身を挺して庇ったのだ。

だが、もう一方は……守れなかった。

 

 

 

ザシュッ

 

 

 

 

「………………………は?」

 

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クウガRDは一回思考を停止してしまった。

 

「(アイツ……今何を、したんだ?)」

 

その疑問は少しずつ……いやクウガRDにとってはかなり長い時間に感じたが、今の光景をみて理解した。

それと同時に体の奥底からドス黒い感情が沸いてくる。

 

「(何で…何で殺した!?何で…何で!?誰がやった…誰だ!?アイツらか……憎い…憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!)」

 

次の瞬間、シモン=コザァートの体から出てきたアマダムがクウガRDのアークルの中に溶け込むように融合する。

クウガRDは鉄機兵達を蹴散らしながら、ライジングマイティに超変身する。

どこか凶暴な戦いかたで先程母親を殺した鉄機兵のもとへ行くと、その頭を掴み地面へ容赦なく叩きつける。

鉄機兵はもがくが、クウガRMは馬乗りになりそのまま顔面を殴り続ける。

何発も何発も……鉄機兵は活動を停止したが、それでもクウガRMは殴り続ける。

そしてようやく鉄機兵の頭が割れた時に、殴り終えた。

 

「リトさ…」

 

「まちなさい!」

 

「な、何しやがる骸!?」

 

「様子がおかしい…」

 

「はぁ…はぁ……!…ああ……あああああああああああああああああぁぁ!!!!」

 

クウガRMは突然叫びだすと鉄機兵の集団の中へ走り出す。

そこからは単純だった。

殴る蹴るの繰り返し………ただそれだけだった。

だが唯一違っていたのは、クウガRMのからだが黒く染まってきていることだった。

さらには足のマイティアンクレットも両足に装着され、戦闘能力も上がってきている。

アメイジングマイティ……とでも呼ぼうか。

クウガAMは金成の勢いで鉄機兵を減らしているが、それ以上の数をUFOは投入してくる。

クウガAMは肩で息をしている状態だった。

 

「は…あ……はぁ…」

 

『ギギギ!』

 

「!平沢!後ろ…」

 

 

 

「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッッッッ!!!!!!」

 

了平が声をかけた瞬間、クウガAMから黒い衝撃波が放たれる。

周りにいた何体かの鉄機兵はその衝撃波にやられ爆発…残った大勢の鉄機兵達は身構える。

 

そこにはいつものようなクウガは居なかった。

体には血管のようなものが張り巡らされている黒く、強固で禍々しいものに。

アークルは金のライジングの時と同じものがあるが中心の部分は光を寄せ付けないような黒に。

角は四本になり、クラッシャーは鋭くなり………その目は闇より深い色に染まっていた。

 

『究極の闇』

 

それが一番今のクウガに相応しいだろう…

仮面ライダークウガ・アルティメットフォーム…悪魔のような存在が誕生した。

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「あれは…」

 

「じゅ、十代目!もう平気ですか!?」

 

ツナは少し回復した後、ファイズ達のところへ来ていた。

ファイズの言葉は耳に入っておらず、ただひたすらにクウガUFを見ていた。

遠くから見るとその輪郭は未確認生命体0号とほぼ一致している。

――もし、姿だけじゃないなら…

 

「みんな!リトから離れて!」

 

「?どういう…」

 

「フン…!」

 

『ギギギギギィ!?』

 

カブトが言い終わる前にクウガUFは手をかざし、鉄機兵達を燃やす。

その火力は相当のもので十秒もしないうちに鉄機兵達は爆発…全滅していた。

 

「やった……のか?」

 

「……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!」

 

「「「な!?」」」

 

ほっとした次の瞬間、クウガUFは仮面ライダー達に襲いかかってきた。

最初に龍騎、次にキバ…アギト、電王の順に襲ってくる。

攻撃を受けた仮面ライダー達はあまりの威力に一発で変身解除…人間の姿に戻っていた。

カブトとブレイドはなんとか避けて戦闘体制に入る。

だが、その一瞬の隙をついてクウガUFは背後に周り攻撃…カブト達は人間の姿に戻っていた。

 

「ヴヴヴ…コロス……コロス…」

 

「リトッ!もうやめて!」

 

生身の獄寺達に襲いかかろうとしたクウガUFの前にディケイドライバーをつけたツナが立ち向かう。

ディケイドライバーをつけているがツナは戦う覚悟ができていなかった。

一歩一歩確実に近づくクウガUF…ツナは変身しようとした。

 

 

 

――だがその空気を壊したのは空間を越えてきた一機のロボットだった。

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『ギィィガァ!!ドリルゥゥゥ…ンン!ブレイクゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

そのロボットは右腕から巨大なドリルを出し、体ごと高速に回転しながらUFOの集団に突っ込む。

その攻撃は命中…UFOは爆発していた。

 

「なんじゃ…ありゃあ!!?」

 

「おっきー…」

 

そのロボット人型でボディの部分にサングラスをかけた顔があり、飛行ユニットがついている赤いロボットだった。

 

「……フッ…!」

 

「リト!?待って…」

 

「オ゛オ゛ッ!!!」

 

『うわッ!?なんだ!?』

 

クウガUFはまだ折れていない電柱を使い、ロボットの方向に高く跳び上がり回し蹴りをする。

突然のことでロボットは反応が遅れるがすぐに体制を取り戻す。

クウガUFは先程と同じ動作をするがロボットは即座に反応し、クウガUFをその手で掴む。

 

「ヴヴ…ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

 

『この…ッ!大人しくしろォォ!!』

 

『ダメです、シモンさん……逃げられます!!」

 

クウガUFのパワーはロボットのパワーと同等かそれ以上のようで、逃げようともがいている。

ロボットの指を押して、とうとう脱出……するかに思われた。

 

 

 

 

『Final Attack Ride DE-DE-DE-DECADE!』

 

「ハアアアアアアァァッ!!」

 

 

 

ディケイドは上空に跳び上がり、【ディメンションキック】を繰り出す。

脱出することだけに集中していたクウガUFはまともにそれをくらう。

相当のダメージを受け、クウガはリトの姿へと戻り気絶してしまう。

ロボットは突然人間になったことに驚き、ゆっくりと地面に着地。

気絶しているリトを地面におろした。

 

「平沢!」

 

「リトッ平気か!?」

 

「……大丈夫だ、気を失っているだけだ」

 

獄寺達がリトの周りに集まり状態を確認する。

一方、ディケイドは自分が攻撃したということもあり近づけずにいた。

すると、ロボットの頭部が開き、青いジャケットとゴーグルをした年齢がツナとそれほど変わらない少年が出てきた。

 

「その人、大丈夫なの!?」

 

「て、テメェ何者だ!?どうしてそんなロボットに乗ってやがる!?説明しやがれ!!」

 

「あ、ちょちょっと待って…」

 

「獄寺!やめろって!」

 

急に少年に掴みかかった獄寺を山本が放す。

そしてふう、と一息ついて少年は言葉を発する。

 

「えっと…俺はシモン……でこのガンメンはグレンラガン。何て言ったららいいのか……俺、別の星から来たんだ」

 

 

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