英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 545 |
〜星見の塔〜
「はあはあ………どうだ!?」
「や、やったの……?」
「強かったよ〜!」
「ええ……分け身とはいえ、あそこまで強いとは……」
「これが伝説の暗殺者の力……話に聞いていた以上の強さでしたね……」
戦闘を終え、地面に膝をついている銀を警戒しながらロイドとエリィは息を切らせ、シャマーラとエリナはそれぞれ溜息を吐き、セティは真剣な表情で呟き
「……結構強かったです。」
「でも、これで何とか……」
ティオは静かに呟き、ノエルは安堵の表情で呟いたが
「……いや、駄目だ。」
「ええ。まあ、貴方達にとっては上出来な方よ♪」
「え………」
厳しい表情で言ったランディとランディの言葉に頷いた後口元に笑みを浮かべて呟いたカーリアンの言葉を聞き、呆けた。すると
「そちらの彼はなかなかできるようだな。そして……やはり噂以上の強さか、”戦妃”。」
銀の声が聞こえて来た後、地面に膝をついた銀は消えて一枚の符になった。
「な……!?」
「”符”……!?」
「これは一体……!?」
それを見たロイドとティオ、エリナが驚いたその時、空間から銀が現れて剣を構え直した。
「い、いつの間に……!?」
「き、気付かなかった………」
「戦闘中に分身だけ残してそこで高見の見物ってわけか。恐ろしく腕が立つようだが………あまり良い趣味とは言えねぇな?」
驚いているエリィとノエルにランディは説明した後、目を細めて銀を睨んだ。
「ふふ………気に障ったのなら謝罪しよう。それに見物はそちらも言えるのではないか?”戦妃”。」
「ええっ!?」
「まさか……気付いていたんですか?」
口元に笑みを浮かべて呟いた後、カーリアンに視線を向けて呟いた銀の言葉を聞いたロイドは驚き、エリィは驚きの表情でカーリアンに尋ねた。
「ええ、伝説の暗殺者を相手に貴方達がどこまで食い下がれるか見物のついでに気付いていたわよ♪」
「……道理で分け身を倒したのにこっちを手伝ってくれないわけだ……」
「………悪趣味です。」
悪びれもなく答えたカーリアンの言葉を聞いたランディは溜息を吐き、ティオはジト目でカーリアンを見つめて言った。
「しかし戦闘中に私の動きを見切れるとは。なかなか大した動体視力だ。そしてティオ・プラトー………貴様の活躍には私も予想外だったぞ。」
「ま、これでも実戦経験はそれなりに積んでるんでね。それで………まだ、やんのか?」
「……どうも。まだやるのでしたら、今度はラグタスやラテンニールを呼ばさせてもらいますよ?」
「フフ、今度は私も混ぜてもらうわよ♪」
「フ………まあ、いいだろう。」
ランディとティオ、カーリアンの言葉を聞いた銀は口元に笑みを浮かべて呟いた後武器をしまい、それを見たロイド達も武器をしまった。
「………あんたの強さは本物だ。今の俺達じゃ勝てないだろう。そんなあんたが、俺達に何の用だ?」
武器をしまったロイドは溜息を吐いた後、真剣な表情で尋ねた。
「フフ………ロイド・バニングス。薄々、見当は付いているのであろう?」
「!………………………」
そして銀に尋ねられたロイドは驚いた後、真剣な表情で黙り込んだ。
「え……」
「どういうことですか……?」
「ロイドさんは私達が銀に呼ばれた理由を知っているの??」
銀の言葉を聞いたエリィは驚き、ティオとシャマーラは不思議そうな表情でロイドに視線を向けた。
「お前のことは調べている。どうやら捜査官としてそれなりに勘が働く上、あの”叡智”の教えを受けていると聞く。ならば私の用件もわかるはずだ。」
「ああ、そうだな………あんたの用件というのは―――最初にアルカンシェルのイリアさんに宛てた脅迫状………それについての話だな?」
「クク、その通り………では、その脅迫状の”何”について話があるというのかな?」
「それは………あの脅迫状を送った人物。それは、あんたじゃないんだな?」
「え………!?」
「どういう事だ……!?」
「まさか………」
ロイドと銀の会話を聞いていたエリィやランディは驚き、ティオは信じられない表情で銀を見つめた。
「ふふ、その通り……あれをイリア・プラティエに送ったのは、この”銀”ではない。私の名を騙(かた)る何者かというわけだ。」
「……やっぱりか。……捜査をしている最中、どうも違和感があったんだ。伝説の凶手……東方人街の魔人……調べて行けば行くほどその存在感は強くなっていった。だが、それに比べて最初の脅迫状は何というか………あまりにコケ脅しな匂いがした。イリアさんがイタズラだと決めつけてしまうくらいに。」
「ふふ……その通り。イリア・プラティエは天才だ。おそらく直感的に、あの脅迫状が本気で自分を狙ったものではないと気付いたのだろう。だが―――ならば何故、あんなものがアルカンシェルに送られたかという話になる。」
ロイドの話を聞いた銀は不敵な笑みを浮かべて答えた。
「そ、その……よくわからないんですけど。それこそアンチあたりのただのイタズラじゃないんですか?」
そこにノエルが自分の考えを言ったが
「いや、”銀”がこのクロスベルに来ていることを知っている者は限られているんだ。黒月、ルバーチェ、ラギール商会、捜査一課……あとはその関係者くらいだろう。」
「なるほど……そうなると確かにイタズラって線は無さそうですね。」
ロイドの説明を聞き、溜息を吐いた。
「そう……だが脅迫状一つで、アルカンシェルが新作の公開を中止することはありえない。さらに名指しでイリアを狙うと宣告したことについても不可解だ。その結果、捜査一課の介入を招きイリア周辺の安全に関しては万全の体制が敷かれる事になった。それこそ舞台中に狙われても未然に防げるくらいにな。」
「という事は……脅迫状を送ってこの状況を作り上げることで何か別の狙いを達成した………あるいはこれから達成しようとしている……?」
「!ルファディエルさんの推測通りではありませんか!」
銀の話を聞いたティオは考え込みながら呟き、ティオの言葉を聞き、何かに気付いたエリナは声を上げた。
「ほう、”叡智”も気づいていたか………お前達の言う通り、その可能性は高いだろう。―――改めてお前達に依頼する。我が名を騙ったその何者かの企みを阻止してもらいたい。」
「なに………!?」
「私達に依頼……ですか?」
「おいおい。何、ムシのいい事言ってやがる。」
銀の依頼を聞いたロイドとセティは驚き、ランディは目を細めて銀を睨んだ。
「クク……そんな事を言っていいのかな?その誰かが、何を狙っているのか私にも見当は付かないが……ロクでもないことであるのは目に見えているのではないか?」
「チッ……」
「確かにその可能性は高そうね。でも……どうして私達にわざわざそんな依頼を頼むの?あなた自身がやればいいのでは?」
しかし銀の話を聞いたランディは舌打ちをし、エリィは頷いた後、真剣な表情で銀を見つめて尋ねた。
「………………………フフ、こう見えても私はそれなりに忙しくてね。たとえばルバーチェどもの相手とか。」
「っ………やっぱり”黒月”に協力してマフィアと暗闘しているんだな………俺達クロスベル警察が手を出せないことをいいことに……!」
エリィの疑問に答えた銀の話を聞いたロイドは表情を厳しくして、銀を睨んだ。
「クク、そう恐い顔をするな。ギルドも面倒だし、一応民間人は巻き込まぬように配慮しているさ。もっともルバーチェの方がそこまで殊勝かどうかは知らないが。」
「お前………」
「いずれにせよ、我が名を騙って勝手な事をさせるわけにはいかない。依頼を受けるか否か――――答えてもらおう。」
「………わかった。あんたの頼みに応じる訳じゃないが真犯人の企みの阻止には協力しよう。」
そして銀に答えを迫られたロイドは考え込んだ後、依頼を受ける事を答えた。
「ふふ……それでいい。」
ロイドの答えを聞いた銀は口元に笑みを浮かべながら呟いた。
「………でも、どうするんですか?いつ、誰が何をしようとしているのか全く見当も付かないというのに……」
「いつ、というのは心当たりがある。もしその犯人がアルカンシェルに関することで何かを仕掛けてくるとすれば………本公演の初日か、プレ公演だろう。」
「本公演の初日か、プレ公演………」
「そいつは同感だな。やっぱり最高に盛り上がるとしたら本公演の初日になるだろうが……」
「……関係者一同が招待されて、お披露目をするプレ公演も格好のターゲットというわけね?」
銀の話を聞いたロイドは考え込み、ランディは頷き、エリィは真剣な表情で尋ね
(…………何故、アルカンシェルの公演の時に限って、自分が真犯人の狙いを阻止する事ができないのかしら?………そして何故標的でもないイリアの性格をそこまで熟知しているのかしら?………―――――――!なるほど……どうやら銀の正体である人物はアルカンシェルの関係者の可能性が出て来たわね………一番の有力候補は最近アルカンシェルに入ったという”彼女”ね。銀がクロスベル入りしたという時期とも合うし。………フフ、今回の件が終わって上手く行けば銀の正体を暴いて、銀と”取引”ができるかもしれないわね。)
話を聞いていたルファディエルは考え込んだ後、ある事に気付き、不敵な笑みを浮かべていた。
「フフ、その通りだ。お前達に頼みたいのはその両日における警戒行動………捜査一課が裏をかかれた時のため、劇場内を密かに巡回するという事だ。そして、いざ何かあった時は迅速な対処をしてもらいたい。」
「……勝手を言う……けど、筋は通ってるみたいだな。」
「元々あたし達は独自で動くつもりだったしね〜。」
「アルカンシェル方面に頼めば劇場内の巡回は問題なさそうね。万が一、一課に見つかったとしてもルファディエルさんがダドリー捜査官に独自行動をすると言っていたから、それで見逃してもらえるしね。」
銀の話を聞いたロイドは溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべてシャマーラやエリィと共に頷いた。
「フフ、引き受けてくれて何よりだ。―――それでは私はこのあたりで失礼しよう。朗報を期待しているぞ。」
ロイド達の答えを聞いた銀は口元に笑みを浮かべた後ロイド達に背を向けて呟き
「え……」
「ちょ、ちょっと………」
銀の言葉にロイドとノエルが呆けたその時、銀は走り出した!
「ま、待て……!」
「逃がすかよ……!」
「逃がしません!」
それを見たロイドとランディは仲間達と共に追いかけ、エリナは翼を羽ばたかせて銀を追って行った。しかし銀の足の速さはあまりにも速く、ロイド達は引き離されて行き、銀が逃げた場所―――屋上に到着するとそこには誰もいなかった。
「ここは………」
「どうやら屋上にある鐘楼部分みたいですけど……」
「野郎……どこに行きやがった!」
「ティオ、サーチしてくれ!」
「はい………!アクセス……!」
ロイドの指示に頷いたティオは魔導杖を掲げて、少しの間周辺を探った。
「え……」
「何かわかったのか?」
「……地上のあたりにわずかに反応がありました。どうやら直接、ここから飛び降りたみたいです。」
「なっ……」
「そんな………」
「チッ……化物かよ。」
「人間の身でそこまでできるなんて……」
「もう、あたし達と変わらない身体能力じゃない……」
ティオの報告を聞いたロイド、エリィは驚き、ランディは目を細め、セティは信じられない表情をし、シャマーラは溜息を吐いた。
「その……なんていうか。皆さん、とんでもないヤツを相手にしているみたいですね……」
一方考え込んでいたノエルは真剣な表情でロイド達に言った。
「それにしてもあれほどの身体能力があるなんてね〜……フフ、本気だとどのくらい戦えるのかしら?」
その時、階段を昇って来たカーリアンが不敵な笑みを浮かべながらロイド達に近づいてきた。
「………カーリアンさん。何で一緒に追いかけてくれなかったんですか?貴女の身体能力なら、銀に追いつけたと思うのですが。」
「何でこの私がそこまでしてあげないと駄目なのよ。やる気もない奴と戦う気なんてないわ。」
ジト目のティオに言われたカーリアンはつまらなさそうな表情で溜息を吐いて答え
「ティ、ティオちゃん。カーリアン様は私達と違って、そこまでする義理はないんだから、そこまで言わなくても。」
「そうそう。あの野郎の分け身を2体も相手してくれただけでありがたかったッスよ。」
2人の会話を聞いて冷や汗をかいたエリィはティオを宥め、ランディは頷いた後口元に笑みを浮かべて言った。
その後ロイド達はノエルの好意によって、警備車両でクロスベル市内に送ってもらった…………
今回の話で驚いたと思いますがルファ姉、まさかの推理をしちゃいました(大汗)下手をすれば銀………ルファ姉に脅迫されるかも?(冷や汗)………感想お待ちしております。
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第545話 | ||
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コメント | ||
感想ありがとうございます。 THIS様&本郷 刃様 ルファディエルは知識面ならホントに恐ろしすぎです(大汗)そんなルファディエルに色々と教えられているロイドだからこそ推理面でスペックが高いロイドの能力をさらに上げています♪(sorano) ルファ姉ホント怖ぇ〜・・・相変わらずの叡智無双なルファ姉ですねw(本郷 刃) ・・・・・・うわ・・・ルファ姉・・恐ろしい。まさか銀が動けない理由から正体に勘づくとは。彼女の存在がロイドの成長を後押しさせているし・・。(THIS) |
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