魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー祝勝会ー
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しばらくの後、クロノが乗る次元艦[クラウディア]がバルダ達を迎えに来て、管理局本局にて治療を受けた。

特にバルダとギルバーは重傷だったが、普通の人間ならば全治数十年と言われる傷をたった一ヶ月で治すという異常な回復速度を発揮した。そこは悪魔の血を引く二人が成せる技(?)なのだろう。

そんなこんなで皆の傷が癒えた事により、今機動六課では祝勝会を行っていた。

 

「皆さん、先の戦いは本当にお疲れ様でした。皆さんの奮闘のお陰でこのミッドチルダは悪魔の脅威から守る事ができました。………まあ、長々と話すと嫌われそうだからこの話は終わりにしておこうか。それでは皆さんグラスを持ってーーーーーーーー」

 

 

「「「かんぱーーい!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえティア!次あれ食べよう!!」

 

「ちょっと、コラ。スバル!引っ張らないで!(ダンテさんからあのバイクについて教えて貰おうと思ってたのにーーー!!)」

 

スバルとティアナはいつも通りに騒いでいた(主にスバルが)。元気一杯にティアナの腕を引っ張りながら料理へと向かうスバルに翻弄され、ティアナはダンテの下へと行けず終始スバルに振り回されていた。

 

「あはは…スバルさん達は相変わらずだね」

 

「そうだね。あ、フェイトさん。何か取って来ましょうか?」

 

いつも通りの二人を見て苦笑いのエリオとキャロ。

そしてその二人の親代わりとも言うべきフェイトにキャロが聞いた。

 

「え?いいよ私は。それよりも私が何か取って来ようか?」

 

フェイトはそんなキャロの申し出を遠慮し、寧ろ自分がやろうとする。

 

「いえ、いつも私達を助けてくれるフェイトさんに少しでも恩返しがしたいんです」

 

「僕達は小さな事でもフェイトさんの助けになりたいから…だからやらせて下さい」

 

「(エリオ、キャロ…私の為に。嬉しいな、こんなに思われてるなんて。ならその厚意に応えないとね)……ふふっ、そう。それじゃあアレを取って来てくれないかな?」

 

そう言ってフェイトは自分が欲しい料理を指差す。

 

「「はい!!」」

 

するとエリオおキャロはすぐさま料理を取りに駆けて行った。

 

「ふふっ」

 

その二人の様子をフェイトは微笑みながら見守っていた。

 

「はい、はやてちゃん」

 

「ありがとうなシャマル」

 

はやてはシャマルから料理を受け取る。

 

「主はやて、お飲物をお持ちしました」

 

「はやて!デザートも取って来たよ!」

 

そしてシグナムとヴィータもやって来た。

 

「うん、皆ありがとうな。さっ!食べよか!」

 

「「「はい(うん)!」」」

 

はやて達が料理に手をつけようとすると…

 

「う〜ん…何か良い匂いがするです〜」

 

さっきまで眠っていたリインが目をこしこしと擦りながら起き上がった。

それに気付いた八神家一同。

 

「む?目を覚ましたかリイン」

 

「リインちゃん、グッドタイミングね」

 

「んん〜。おはようですぅ〜シグナム〜シャマル〜」

 

軽く伸びをしながら徐々に意識を覚醒させていくリイン。

 

「食いもんの匂いで起きたか。卑しい奴だな〜リインは」

 

ヴィータは食べ物の匂いに釣られて起きたリインに少し呆れ気味だ。

 

「まあまあヴィータ。そんな事いわんの。おはよう、リイン」

 

はやてはヴィータを宥めながらそう言った。

 

「あ!はやてちゃん!おはようです〜!!」

 

リインは完全に目が覚めた様で、元気に飛び上がり、満面の笑顔ではやての肩に飛び乗った。

 

「そういえばザフィーラはどないしたん?」

 

「ザフィーラなら男性局員達の方へ向かいましたよ」

 

はやての問いにシャマルが答えた。

 

「う〜ん。しゃあないなぁ、本当はザフィーラも一緒が良かったんやけどなぁ」

 

「全く、主を放っておいておくとは…騎士としてあるまじき行為だな。私が喝をーーーーー」

 

シグナムがザフィーラの方へ向かおうと席を立とうとすると。

 

「私なら此処にいるぞ」

 

テーブルの下から男性局員の所にいたはずのザフィーラが現れた。

 

「あらザフィーラ。もうよかった?」

 

「ああ。私の居場所はここだからな」

 

ザフィーラの言葉に皆は顔を見合わせて、笑った。

 

「ふふっ。それじゃあ皆食べよか」

 

「「「はい(です)/うん!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダンテさん、ギルバー君」

 

食事中、クロノが二人に神妙な面持ちで言う。

 

「何だ?」

 

「何です?クロノ提督」

 

そんなクロノの様子を怪訝そうに見るダンテとギルバー。

 

「今回の件の名は【D.A(devil.assault)事件】と呼ばれる様になりました。そして、御協力頂きありがとうございました。恐らく貴方達の協力無しでは戦いに勝利する事は難しかったでしょう…ですから私達で何かお礼をさせて貰えませんか?」

 

それは今回の戦いについての礼だった。

 

『おい、ギルバー』

 

ダンテは面倒くさそうにギルバーにふった。

 

『はいはい。わかりましたよ』

「いえ、お気になさらないで下さい。俺達は当然の事をしたまでですから」

 

「しかし…」

 

クロノはまだ不服そうだ。それもそうだ…自分達は悪魔達に襲われ、なのは達のピンチに駆けつけられなかったのだから。ダンテがあの場にいなかったら彼女達は無事では済まないどころか、戦いに勝つことが出来なかっただろう。

 

そんなクロノを見てギルバーはこう提案する。

 

「そうですね…なら、バルダへの管理局勧誘は待って上げてください。恐らく勧誘するつもりだったでしょう?」

 

「…そうだが、何故だい?」

 

ギルバーの言葉に怪訝そうに聞いた。

 

「あいつには出来るだけ普通の生活を送らせてあげたいので。正直、小さな子供を戦線に参加させるってのは俺にはあまり良いとは思いませんから。バルダはまだ小さな子供だ…だから学校に行ったりして友達を作ったりしてすくすくと育って欲しい」

 

「確かに…管理局には魔力資質が高ければ小さな子供でも勧誘するほど人材不足だが。まあ本人の意志が優先されるからね、その点は大丈夫だよ」

 

「そうですか。なら良かったです」

 

安心したように胸を撫で下ろすギルバー。

 

「あっ、あともう一ついいですか?」

 

「?」

 

クロノはただ首を傾げる。

 

「俺を管理局に入れてくれませんか?そちらも人材不足で困ってるんでしょうし」

 

それに対し、クロノはダンテに「いいのですか?」と目で訴える。

ダンテはピザを食べながら「好きにしろ」と手でジェスチャーした。

クロノはそれに苦笑いしながら

 

「わかった、手続きはこちらで済ましておくよ。ようこそ…時空管理局へ。歓迎するよギルバー君」

 

手を差し出し、握手を求める。

 

「いえ、こちらこそ。これからお世話になります、クロノ提督」

 

ギルバーもしっかりとクロノの握手に応じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいヴィヴィオ。あーん」

 

バルダはヴィヴィオにオムライスを食べさせようと…ヴィヴィオの口元に運ぶ。

 

「あーんっ、もぐもぐ…」

 

「美味しいか?」

 

「うん!おいしー!!」

 

「そうか♪」

 

満面の笑顔のヴィヴィオに思わずバルダも笑顔になる。

 

「ふふっ」

 

そんなバルダがヴィヴィオに料理を食べさせている所を微笑ましそうに眺めるなのは。

 

「ヴィヴィオ、口にケチャップが着いてるよ」

 

そしてヴィヴィオの口に着いているケチャップを拭き取る。

 

「ありがとう!なのはママ!」

 

なのはがケチャップを拭き終えると、ヴィヴィオははにかんだ笑顔を見せる。

 

「どういたしまして♪」

 

それになのはも笑顔で返す。

 

「…………」

 

そんななのはとヴィヴィオの微笑ましい光景をただ見ているバルダ。

 

「ん?どうしたのバルダ?」

 

「バルダお兄ちゃん、どーしたの?」

 

なのはとヴィヴィオが心配そうに顔を覗かせる。

 

「え?あ、いや…なんか、家族みたいだなって思ってさ」

 

バルダの言葉に二人はクスッと笑い、

 

「「もう家族だよ」」

 

と、微笑みながら言う二人にバルダは少々呆気に取られていたが…

 

「ふふっ、そうだった。俺達はもう家族だったな」

 

すぐに笑顔になり、

 

「これからもよろしくね。二人共」

 

なのはとヴィヴィオに手を差し出した。

 

「もちろん!こちらこそよろしくね♪」

 

「よろしくお願いしまーす♪」

 

それに対し、二人も笑顔でバルダの手に手を重ねたのだった。

 

 

説明
四十三話目です。
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