鳩 |
君
「ほら!君とて飛べぬじゃないか
僕と一緒に((餌|え))を((突|つつ))こう」
君
「従順下僕で((居|い))れば((良|よ))い
勤め果たして褒められて
咎め((苛|さいな))め無い上に
切り売るこの身その代価
余暇に使って万々歳」
君はそうして豆を突いて
((忙|せわ))しく羽根を研ぎました
僕
……誰かに足輪持たれたままに
空を知らずに((頭|こうべ))下げ
肥ゆるのみなど((遣|や))り切れぬ。
それを自ら望むだなんて
とても僕には遣り切れぬ。
身の丈超えた一仕事
たった一度のその為に
君のようには振る舞えぬ。
突く餌場は己で決める
この背に備わるもの故に
この背に備わるもの故に。
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