真・恋姫無双-道
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第2章−壱話 『嵐の前触れ』

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玉座の間、華琳の家臣を始め、立華組からは和輝、元昭、太白、白妙、白雪の五人を含めた面々が集まっていた。その全員の顔を見渡し、華琳は口を開く。

 

「集まったわね。それでは桂花。始めて頂戴。」

「はい。ではまずこちらを。」

 

そう言って、桂花は目の前に地図を拡げる。

 

「今朝方、国境近くの邑が壊滅させられたと報告が有りました。金品、食料等が根こそぎ無くなっている事から賊によるものだと思われます。」

「その根拠は?」

「各地方で、同様の被害が出ているので、まず間違い無いかと。」

「しかし、今まで成りを潜めていたのに何故今になって出てきたのだ?」

「別に成りを潜めていた訳ではないわ。この辺りの賊は殆ど立華組に降っている。つまり、外部から流れて来た事になるわ。」

 

春蘭のその問いに、桂花は和輝を見やりながら答える。事実、太白達三人が組に加わってから賊の被害は減り、入組者(にゅうそしゃ)が後を絶えなかった。太白達が元々賊の頭目だったためだろう。となると、必然的に今回の賊は外部という事になる。とそこで、

 

「そういやよぉ。」

 

と、今度は和輝が切り出す。

 

「この辺の事はある程度理解してたが、他の領地(シマ)に関しちゃ、どうなってんだ?」

 

その問いに再び地図に視線を落として答える。

 

「隣接する領地だけでもかなりの数があるわ。」

「って事は、大陸全体なら数倍…下手すりゃ数十倍って事か。」

「あら、何故断言出来るのかしら?」

 

鋭い眼光と共に、華琳が問う。…が、一刀が割って入る。

 

「その前に…桂は、その賊って何か共通する特徴はなかったか?」

「えっ?えぇ、確かに、共通する特徴として、全員が身体の何処かに黄色い布を巻いているらしいわ。」

 

尋ねられた桂花は一瞬驚きながらも答える。それを聞いた一刀は華琳に目配せをして、それにより、華琳は今後の状況を理解する。つまり、

 

「後世に残るような乱が起こる…。二人はそう言いたい訳ね?」

「ああ、どういう流れになるかは解らないけど、少なくともこの流れは変わらないと思う。」

「そう。なら今後は暫く軍備の増強に務めて。各人も直ぐに動ける様に、それと一刀。」

「ん?」

「強くなりなさい。せめて、自分で自分を護れる程には。」

「…解った。」

「では、これで解散。早速、取り掛かりなさい。」

 

各々が出て行く中で華琳はこれから先を見据えていた。

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玉座の間を出てすぐに、一刀は木刀を持ちある人物の元へ向かっていた。

『強くなれ』

その為に自分に出来る事などたかが知れている。誰よりも弱い自分が少しでも強くなるには誰かに教えを請うしかない。その中でも、状況に向いていると思う人物。

 

「和輝!」

 

橘 和輝。自分と同じ未来の人間。居合いと剣道ではかなりの違いがあるにせよ、自分に合う得物を考えた際やはり刀に行き着いた。それ故の人選だった。

 

「俺に居合いを教えてくれ!」

「…太白。」

「はいッス。」

 

ガンッ

 

傍らにいた太白を呼んだと思った途端、攻撃されたのを咄嗟に手にしていた木刀で受け止める。

 

「いきなり何するんだよ。」

「まぁ、気にすんな。それより稽古だったな。…暫くは凪のとこでも氣の運用でも学んでろ。こっちの準備が終わったら呼びに来る。」

「教えてくれるのか!?」

「おう、だから今は凪んとこに行け。先ずは体作ってこい。」

「…解った。」

 

その場を後にして離れて行く一刀を背に、和輝達もまたその場を後にする。

 

「組長、あれで良かったッスか?」

 

隣を歩く太白が少し心配気に尋ねてくる。

 

「ああ、おかげで色々解ったしな。」

「さて、これから暫くは忙しくなるぞ。」

「何するんスか?」

 

太白の問いに和輝は煙管の煙を吐きニヤリと笑い答える。

 

「刀を打つ!お前ぇ達も手伝えよ。」

「了解ッス!」

 

和輝の言葉にこの時代に似つかわしく無い敬礼のポーズで太白は応える。

 

「一刀…てめぇは俺が責任もって強くしてやるよ。」

 

それは、静かな、和輝だけの誓いだった。

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あとがき

 

前回、「次は拠点だ」と言っておきながら、色々有りまして新章突入です。(いつになったら拠点が出るのか。( ̄▽ ̄;)

まぁ、2章の途中ででも投稿します。m(__)m

では、また次回(^o^)/

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※お知らせ

 

えぇ〜、知ってる方もいるかもしれませんが、このだび恋姫SS作家のお友達であります。

九条様、(真・恋姫†無双〜家族のために〜)

と、

雪月様、(真・恋姫†無双〜孫呉千年の大計〜)

のお二人と共に『夏モノ』をテーマに作品を創る事となりました。\(^o^)/

詳細は後々、お二人の所でもお知らせされる事と思います。

 

良ければ、この作品を読んでまだお二人の作品を読んで無い方等は是非読んでみてください。

自分なんかよりもハイレベルな作品ですので。

 

ではでは、今回のお知らせは以上。また次回もお楽しみに(^o^)/

説明
結局、拠点より先に新章突入( ̄▽ ̄;)

※今回はあとがきにてお知らせがあります。(^o^)/
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