IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode191 守護者が守っていた産物
デストロイが両腕を射出して指先のビーム砲を放ってくるが、颯はビームをCファンネルで防ぐとすぐにダイダルバズーカを放つも、ビームはデストロイの腕にあるリフレクターに阻まれて弾かれる。
「攻撃を防いだその次には―――――」
と、颯はCファンネルを全て後ろへと飛ばすと、後ろで颯の背後を狙っていたデストロイの左腕に突き刺さり、そのまま貫いて破壊する。
「背後を取る。定石だね」
そのまま瞬間加速を掛けて飛び出すと左腕よりビームサーベルを出して振るい、デストロイの右腕の指を切り裂く。
直後にCファンネルを全方位より飛ばしてデストロイの右腕を貫いて破壊する。
両腕を失ったデストロイは慌てて胸部のビーム砲を放とうとするが、その前に颯がダイダルバズーカを放ってビーム砲に直撃させ、チャージ中のエネルギーを誘爆して大爆発を起こさせた。
デストロイはそのまま胴体を吹き飛ばし、各パーツが周囲にばら撒かれ、直後に自爆する。
(兄さん達が束にならないと倒せなかったデストロイほど力は無いみたいだけど・・・それでもでか過ぎる)
ダイダルバズーカのユニットを収納してスタングルライフルにすると、暴風の中体勢を保ちながら周囲を警戒する。
(それに、少しばかり風の強さが弱まっていると言っても、この環境下じゃなければCファンネルだって支障なしに使えたのに)
と、内心で色々と考えていると―――――
「・・・・?」
その瞬間脳裏に何かが走る。
(なに・・・この感覚?)
脳裏に一瞬声がして周囲を見渡す。
しかし同時に覚えのある感覚でもあった。
(誰かが・・・助けを・・・?)
颯はとっさに周囲を見渡すと―――――
「っ!!」
すると、暴風の中をとある機体が飛行していた。
その腕の中には一人の見覚えのある女の子を抱えていた。
「ヴィヴィオ!?」
颯はすぐにそれがヴィヴィオである事に気付くのに時間は要らなかった。
「っ!!!」
颯は勢いよくその場から瞬間加速を掛けて飛び出す。
「ヴィヴィオを・・・返せぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
左腕のビームサーベルを出して振るうも、その機体はすぐに横に飛んで攻撃をかわす。
「っ!」
颯はすぐに体勢を立て直し、その機体の正面に立つ。
「おやおや。誰かと思ったら、中々懐かしいものですわね、ベータ」
と、シスターは颯を見る。
「・・・今は神風颯。そんな記号みたいな名前じゃない」
颯はムッとして、苛立った声で言う。
「それは失礼しましたわね」
シスターは素っ気無く言う。
「それより、ヴィヴィオをどうするつもりなの!」
スタングルライフルをシスターに向ける。
「あなたが知る必要はありませんわ」
「・・・・」
「最も、あなたのような出来損ないに言った所で理解などできないでしょうから」
「・・・・」
怒りが込み上げて来て、引き金に指を掛ける。
「・・・どう言った所で、ヴィヴィオを返す気は無いんだね」
「それで『はいそうですか』って言う馬鹿はいませんわ」
「だろうね。・・・だったら――――」
と、AGE-FXは蒼く輝くと、Cファンネルがパージされてエネルギー刃が放出される。
「力づくでもヴィヴィオを返してもらう!!」
颯は蒼い光を纏って飛び出すと、右腕をより放出されているエネルギー刃を突き出すも、シスターはその前に回避する。
その瞬間颯は急旋回し、シスターの背後を取ろうとするが、シスターは宙返りのようにして攻撃をかわす。
「くっ!」
すぐに旋回するも、シスターは背中のビームキャノンを放つも颯は左腕のエネルギー刃を振るってビームを切り裂く。
「このぉぉぉぉぉ!!」
直後に飛び出してエネルギー刃を振るうが、シスターの前に何かが横切る。
「っ!?」
颯の目の前には、レギルスが左掌よりビームサーベルを出してエネルギー刃を交えていた。
「bO1!?」
「あら、クライン姉さま。相変わらずいいタイミングですわね」
「・・・・」
「分かっておりますわ。後は頼みますわ」
シスターは後ろを向き、そこから飛び出して離れていく。
「待て!!」
颯はレギルスを押し返してシスターを追いかけようとするが、その瞬間目の前で爆発する。
「っ!?」
その爆発で吹き飛ばされた直後に、レギルスはツインアイを露出させるとシールドより大量の光球を出す。
「くっ!」
颯は全身のエネルギー刃を更に大きくさせると一気に飛び出し、光球を打ち消していく。
そのまま右腕のエネルギー刃を突き出すも、レギルスは光球を前方に集中させて爆破させ、颯の進行を阻む。
その直後にビームライフルを放ち、AGE-FXの左肩に直撃させる。
颯はとっさに体勢を立て直そうとするが、その瞬間背後にレギルスが回り込み、回し蹴りを背中に入れる。
更に前に回り込んでシールドの先端を腹部に殴りつける。
(どうなっているの!?以前より動きが速い!?)
レギルスの動きが以前とは比べ物にならず、その動きに戸惑っていると、FXバーストの制限時間が切れて輝きが無くなる。
「しまっ―――――!?」
その瞬間、周囲に膨大な量の光球が出現し、その瞬間颯は眩い光に包まれる。
「・・・・」
レギルスは爆発を確認してから後ろを振り向き、海域を離脱する。
その直後に爆煙よりボロボロになったAGE-FXが出てきて、そのまま荒れ狂う海へと墜落する。
「ふん。どうやらあの人形は目的を達せたようだな」
クイーンは海上を見下すと爪を持つ無人機を自分の下に来させ、そのまま変形させて最初の時の様にコートを羽織っているような形態になる。
「どの道例のメモリーはやつらの手に渡るか。まぁマテリアルが手に入った以上用はない」
残った二体のデストロイに撤退命令を出すと、上空に割れ目が出来てクイーンはそこに入り込み、デストロイの上にも割れ目が出来てその中へと入っていく。
「・・・・」
その近くの海上に倒れているデストロイの残骸の上には、全身を切り刻まれ、レヴァンティンが半分から折られ、中破したエピオンが横たわっていた。
――――――――――――――――――――
シノンは両足の魚雷を放つと、シャルロットも両肩、両脚のミサイルポッド、両サイドアーマー、背中の大型バックパックより大量のミサイルを放ってシドに向かわせる。
シドはアームより赤いビームを放つと翼型ユニットよりミサイルを放ってミサイルを撃ち落すも、三分の一が弾幕を潜り抜けてシドに直撃して爆発を起こす。
「「っ!!」」
二人はとっさにその場から飛び去ると、さっきまで居た場所を赤いビームが横切り、そのまま二人を追いかける。
その間に輝春とアーロンがシドに接近し、輝春が両腕のシールドライフルを放つと直後にアーロンは両脚の魚雷を放つ。
シドはアームより赤いビームを放って魚雷を撃ち落すが、シールドライフルのビームがシドに直撃するも、ビームは散り散りとなって弾かれる。
その直後にシドは景色に溶け込むように姿を消す。
「また光学迷彩か!」
「・・・・」
二人は背中合わせになって警戒する。
「どうする?隼人が無茶してまでやつの戦闘力を削ぎ落とす事はできたが・・・これじゃ時間の問題だぞ」
「分かっている」
アーロンは神経を集中させて周囲を見る。
(やつの動きが分かればいいんだが・・・)
と、アーロン達の近くに突然シドが現れる。
「っ!」
輝春はとっさにグラストロランチャーを展開して高出力ビームを放つも、海中によりビーム減衰とシドの装甲に阻まれて散り散りに弾かれる。
アーロンはランスを向けてマシンガンを放つも、弾丸はシドの装甲に阻まれて弾かれる。
「・・・こうなったら!」
アーロンは両肩のバインダーをシドに向けると、アンカーを射出してシドの足に巻き付ける。
するとシドは再度姿を消すが、アンカーはそのままシドに巻きついたままだった。
「よしっ!捕らえた・・・!?」
しかしその瞬間物凄い力でアーロンは引っ張られる。
そのままダークハウンドは岩に衝突させられる。
「ぐぅ!!」
全身に痛みが走るも、アンカーのワイヤーを掴む。
「アーロン!」
輝春はとっさにアーロンの後を追う。
「この先にやつが居る!誰か砲撃を頼む!」
「た、頼むたって、やつの装甲を撃ち抜ける武器なんかは―――――」
「あるさ。ここにな」
と、遠くの岩の上に、ビームマグナムを構える隼人が立っており、その右側に隼人を支えるラウラが居た。
「・・・さすがに・・・腕が震えるな。ラウラ、頼むぞ」
「任せてください、師匠!」
狙いを付けようにも損傷から腕が震えており、ラウラは横からバンシィ・ノルンの腕を持って狙いを支えていた。
「そろそろ来ます」
「・・・あぁ」
隼人は狙いを定め、アーロンが引っ張られている先が来るタイミングを見計らう。
(水中でマグナムほどの出力のビーム兵器を使うのは何が起こるか分からない。それも五発分全部を使っての射撃となれば、尚更だ)
それ以前にマグナムがそれに耐えられるかどうかも怪しい点だが・・・
「・・・・」
隼人は深呼吸をし、海中の僅かな水流の変化を見つけ、マグナムの引き金を引く。
すると通常よりも膨大な量のビームが放たれ、それによって水流が乱れて二人はバランスを崩し、更にマグナムが膨大なエネルギーに耐えられず爆発する。
「「っ!!」」
二人は勢いよく吹き飛ばされると、ビームはそのままダークハウンドのアンカーの先に居る所を通り過ぎると、シドが現れる。
シドの左側の翼型ユニットが撃ち抜かれており、直後に放電が起きて爆発する。
「っ!」
その衝撃でアンカーがシドから離れるが、アーロンはすぐに飛び出すとシドの本体の目の前に来ると、左手にリアアーマーのナイフを抜き放ってシドのモノアイにナイフを突き刺す。
シドは目が見えなくなってか暴れるが、アーロンはすぐに真上に向かう。
「ここなら、どうだ!!」
アーロンは一気に降下し、右手のランスを左手にも持って渾身の力で突き出し、シドの本体の関節部に突き刺す。
しかし突き刺さっても奥までは刺さりきれなかった。
「くっ!!」
アーロンは右脚を振り上げると、勢いよく踵落としでランスの刀身を根元まで押し込む。
直後にシドの全身より放電が起き、アーロンはとっさにシドから全速力で離脱すると、シドは光を放ち、大爆発を起こす。
「・・・・」
アーロンは肩で息をしていたが、深呼吸をして整える。
「・・・やったな、アーロン」
と、隼人はラウラに支えられながらアーロンの元に来る。
「あぁ」
アーロンは身体から力を抜き、隼人の方を見る。
――――――――――――――――――――
「・・・・」
「・・・・」
その頃、ユニコーンとバンシィは海底都市である物を見つけて息を呑んでいた。
「バインドがここを調べていたのも、シドが守っていたのも、これだったなんて」
「・・・・」
ユニコーンは少し戸惑い、バンシィは険しい表情を浮かべていた。
海底都市を調査していき、中央広場と思われる場所にてそれを発見した。
「Gシステム78といい、アルタートゥムといい、この世界にGの産物が多く流れていたなんてね。予想外だったよ」
「そうだね。最も言えば、これはある意味危険な代物だけどね」
「・・・・」
二人の目の前には、岩に包まれたカプセル状の何かがあった。
「様々な世界のあらゆる技術を詰め込んだ永久保存端末機器―――――」
「・・・『EXAメモリー』」
「恐らくシドはこのEXAメモリーから作られて、コレを守っていたんだろうね」
「・・・守護者って所、か」
「とにかく、バインドより先にこれを回収出来てよかったよ」
「そうだね。これをバインドの手に渡したらどうなるか分かったものじゃないからね」
バンシィがEXAメモリーを抱えると、ユニコーンは周囲の警戒をしながらバンシィの護衛について隼人達の所に向かう。
その後、隼人達は上で何かが起きていたのかを知らされ、ヴィヴィオが誘拐された事も伝えられた。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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