ヤンデレ無双 五・五
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外伝扱いになるので、「五」とは繋がりはありません。

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「……、なぁ斗詩」

「……、なに文ちゃん」

 

 

二人の少女は、互いに目をあわす事なく口を開き始めた。

 

 

「やっぱり、お前もなんだろ……、斗詩」

「……」

 

 

文ちゃんと呼ばれた少女、・・・真名は猪々子と呼ぶ少女からの問いに。

斗詩は身体を僅かに震わすが、先ほどまで開いていた口は閉じ言葉は出ずにいる。

 

 

「隠さなくていい、アタイが何年斗詩と一緒にいると思ってるんだよ。「アイツ」を見る斗詩を見ていれば分る。……それがさ、気づきたくなかった事であってもな」

「……、ごめんね」

 

 

斗詩からの返答は「謝罪」。

長年の親友の問いに対し、無言の返しとはいえ真意を明かさず、「嘘」を付いた事への謝罪か。

 

それとも、猪々子が気づきたくなかったと評した。

・・・一つの「想い」を斗詩が持ってしまったことに対するのか。

 

 

「謝らなくてもいい。アタイも同じ「想い」だから」

「・・・」

 

 

だが、それが、その「想い」が謝罪すべき罪であらば。

二人は互いに、「謝られる」側の人間ではなく、「謝る」側の人間。……即ち、二人の間は「謝る」側同士で、その「謝罪」等なんの意義もなかった。

 

 

「それに、本気で謝るぐらいなら諦めてくれよアイツを。・・・アイツを私に譲ってくれよ」

「……ごめん」

 

 

繰り返される謝罪に、猪々子は言葉に力を込め・・・用意した選択肢を示す。

 

 

 

「斗詩、決めてくれ。謝罪を止めるか、アイツを諦めるか……そのどちらかを」

 

 

 

だが、そんな猪々子の覚悟に対しても……。

 

 

「……ごめん」

 

 

斗詩の、親友の返事は結論では無い物であった。

 

 

「それも駄目なのかよ!」

「・・・…ごめん、ごめん、文ちゃん」

 

 

その二つの選択肢に対しても謝罪を続け取り合おうとしない斗詩に苛立ちを感じた猪々子は、怒気を含めた声で斗詩を責めるようにするが。斗詩の返事は相変わらず「ごめん」という、会話の意義が成り立たない「謝罪」の言葉のみであった、ただ、その手は・・・きつく爪により血がでそうなぐらい握られており。この成り立っていない会話の原因であるその謝罪。斗詩の猪々子に対する罪の意識と、猪々子が「アイツ」と評する人物を「諦められない」事が、嘘偽り無き斗詩の真意である事を示していた。

 

 

 

「斗詩・・・・・・、一つだけ言っておく」

 

 

そんな、斗詩・・・親友の様子に。

そして、そんな親友に謝らせるばかりの、自分自身への嫌悪を内に秘めながら。猪々子は、覚悟を決めたように、今まで合わせなかった目線を斗詩へと向ける。

 

 

「アタイは、諦めないぞ!」

「・・・」

 

 

この返事ですら、「謝罪」であらば猪々子は斗詩を斬るつもりであった……。

自分への憚りなら許す、だが、あの者を想う事に中途半端な者は猪々子は認めない、猪々子自身も驚いたあの想い人への強すぎる執着が、…情念が許さないのだ。

…だが。

 

 

「わ、私も、…諦めない」

 

 

言葉はたどたどしくも、覚悟を決めた瞳で真っ直ぐ猪々子を射抜いた斗詩の返事は、同意であった。

 

 

「なら、親友でも会っても。あいつの事に関してはアタイ達はライバルだ」

「うん」

 

 

親友二人は、一人の男を巡って…。

下手な三文芝居のような設定であるが、その三文芝居に巻き込まれに進んだ二人は、互いに覚悟を決めた。

親友を失うかもしれない覚悟を。

 

だが、覚悟をしあった時から。

二人は、久々に真っ直ぐ互いを見つめ笑いあった。

 

 

 

・・・・・・まあ、とはいえ。

 

 

「おっほほほ! 北郷さん! 今日は街に買い物に行きますわよ!!」

「はっ、分かりました麗羽様」

「というわけで、斗詩さん、猪々子さん、あなた達二人は今日もお留守番ですわ! 私達二人のあーばんちゅるちゅるの邪魔ですし」

「アバンチュールです、麗羽様」

 

 

袁家に拾われた北郷は、二人の主君である麗羽が独り占め状態なので。

実際のところは、二人がどんなに悩もうと、あんまりどうにもならなかったが。

 

 

「「(ぜ、絶対あの馬鹿を殺す!)」」

 

 

まあ、とにかく。

文醜・顔良間で『麗羽、抹殺同盟』が組まれた。

 

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後日談(というか、麗羽と北郷が出て行った後)

 

 

「ふっふふふ……、じゃあ、早速、麗羽様、いやっ麗羽、ううん、袁紹、……やっぱり、あの「馬鹿」をどうやっちゃおうか考えようか文ちゃん」

「お、おう」

 

 

何も写していない瞳をしながら、そのくせヤケに笑顔満面な顔で剣呑な台詞をはく斗詩に猪々子は若干引いていた。

 

 

「(といより、あの馬鹿よりコイツ先にやらないと不味くないか)」

 

 

てか、危険を感じすぎて自然刃物に手が伸びてたが……。

 

 

「まだ早いよ文ちゃん……あの馬鹿を潰してから、私たちで殺ろうよ、……ねっ」

 

 

更に笑顔が増した斗詩に。

呂布と戦場で対した時以上の、人を縛る「威」を、有体に言えば「恐怖」を感じ動きを止めた。

 

 

 

「(あー、あ、アタイ、最悪なやつをライバルにしちゃったかもしんねー。まじめに、汗がとまんねー)」

 

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ヤンデレシリーズ久々です。

そして、…うん、微妙な出来です。

説明
恋姫がソフトヤンデレ化したssです。
思いつきなので、余り期待はせずに。

※コメント返しをしません。その事をご理解ください。
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コメント
……………………一話から一気に読みましたが、蜀や呉だととんでもないことになりそう。董卓も忘れちゃいけないし。ぶっちゃけ、一刀巡って桃園三姉妹や孫三姉妹による争奪戦(殺し合い?)(頭翅(トーマ))
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恋姫†無双 ヤンデレ 斗詩 猪々子 麗羽 頑張れ猪々子 

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