仮面ライダー Rainbow of the oblivion―忘却の虹― 24話
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超銀河ダイグレン内…ここではアンチ・スパイラルおよびバミューダの本星へ行く間、時間があった。

あるものはふざけあい、あるものは深交を深めている。

シモンにツナ、リトもそのひとつだっった。

 

「へぇ…そのニアって子、料理が上手なんだ」

 

「うん。なんでも王宮料理?ってやつなんだってさ」

 

「おーきゅー?」

 

「えっと…王様とか食べてるやつ…とか?」

 

「そうなんだ…」

 

現在、リト達は囚われの身となっているニアのことを話している。

特にシモン曰く、料理が上手いとのこと。

だが、他の大グレン団のメンバーはその話を聞いて顔をしかめていて……ロシウは腹を押さえつけていた。

 

「それに料理だけじゃなくてすっごく可愛いんだ!やっぱりお姫様だからかな?」

 

「へぇ〜」

 

「シモンはニアのことが好きなのか?」

 

「ブッ!?」

 

突然のリトの発言に思わず噴き出すシモン。

その顔は赤く染まっており、誰から見ても分かりやすかった。

 

「そそそっそりゃあ、すっ好きだよ!?だって!大グレン団の一員だから!?」

 

「(わっかりやすっ!)」

 

「そっか…じゃあ早く行かないとな」

 

ツナは心の中でつっこみながらもストレートなリトに少しあきれぎみだった。

 

「さあ、そろそろつく頃よ!準備はいい!?」

 

「「「おうっ!!!」」」

 

どうやらもうつくようだ。

乗組員全員が身構える。

そして、次元の先にあったのは宇宙……そしてすぐさま目映い光が放たれる。

 

「なっ!?」

 

『とうとうきたね……愚かな螺旋族の末裔に、ボンゴレの末裔……。この宇宙の均衡を乱す存在』

 

「なんだ、あの声は…?」

 

『あれこそが…アンチ・スパイラル…』

 

「あの声がか!?」

 

光から聞こえる声はロージェノム曰く、アンチ・スパイラル…少し子供のような声だ。

 

『君たちが進化に快楽を覚え、均衡を崩す……その罪の重さ、自らの身で味わうがいい』

 

そう言った瞬間、目の前から津波が押し寄せてくる。

そう、宇宙なのに津波があるのだ。

 

「何で宇宙に津波が…!」

 

「超銀河ダイグレン、沈没します!?」

 

「「「だから何で宇宙に津波があんだよォォォォォォォォォォォォォ!?」」」

 

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誰もがそう叫んだ瞬間、その海は超銀河ダイグレンを飲み込みこんだ。

ダヤッカ達はすぐに上昇しようとするが、何故か上昇しない。

しかも、超螺旋エンジンの出力が上がらない。

 

「どういうことだ!?」

 

「これは水ではないな。超圧縮されたものとでも言おうか…」

 

ヴェルデが冷静に分析している最中、リトはシモンに連絡を取った。

本人曰く、力が吸いとられる感じだという。

 

「どうなってんだ!?」

 

『どうやらここはデススパイラルフィールドのようだな…』

 

「デススパイラル?」

 

『螺旋が吸収され質量に変換されている…螺旋力を使えば使うほど、この空間は密度を高めていく』

 

「大変です!超銀河ダイグレンのあちこちが圧力で潰され始めています!」

 

「ええ!?」

 

「落ち着いて……まだ時間はあるわ。対策を……」

 

「おお!?なんだあれは!?」

 

リーロンが皆を落ち着かせようとするが了平の台詞に一斉に外をみる。

 

「クローズアップします!」

 

「これは…ラガン!?」

シモンは外をみると色が落ち、所々かけているラガンを大量に見つけた。

 

「何なんだよ、ありゃあ」

 

『あれはかつて、アンチ・スパイラルに戦いを挑んだ…螺旋の戦士達だ』

 

「それじゃあここは……螺旋の戦士の墓場…?」

 

『その通りだよ…』

 

「「「!?」」」

 

モニターに再び光が現れ、アンチ・スパイラルの声がする。

 

『愚かな螺旋の民…君たちだけが特別とは思わない方がいいよ……僕と螺旋族の戦いの歴史の中では君たちはちっぽけな存在に過ぎない。この光景こそ、螺旋族の敗北の歴史だよ』

 

アンチ・スパイラルの言葉に一同は少し臆してしまう。

 

『そこは銀河螺旋海溝……さっきいっていた通り、螺旋の墓場…』

 

「最深部に何かあります!」

 

ロシウの言う通り、底のほうに何かあり、超銀河ダイグレンは引き寄せられていく。

 

『デススパイラルマシーン……この海溝を作り上げているのはそこだ!』

 

「水圧…いえ、宙圧でぺちゃんこになるわね…このままじゃあ…」

 

「何か手はあるのですか?」

 

『叩き潰せばいいんだよ!それが俺たちのやり方だ!』

 

骸がリーロンに質問をしているとシモンから通信が入ってくる。

 

「出来たとしても…この船のエネルギーが持てばね…」

 

『やるしかないだろ…!』

 

シモンはグレンラガン内で螺旋力を込める。

 

「わかってるの!?超螺旋エンジンの核は…貴方なのよ!?」

「ああ…だからこそ……やるしかないんだよおおおお!」

 

「ぶぅぅぅぅぅぅ!」

 

シモンの叫びに答えたようにブータも螺旋力を放出する。

どうやらブータは長い間シモンと一緒にいたからか螺旋力を放出できるようになったようだ。

 

『突然変異だな…成長エネルギーが螺旋力に変換されているようだ』

 

「ブータ頑張れ!!お前も大グレン団のメンバーだ!!」

 

「ぶう!」

 

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数分後……デススパイラルマシーンの解析が終了した。

デススパイラルマシーンの周りにはエネルギーフィールドがあり、そのエネルギーフィールドを突破して超螺旋ミサイルを撃ち込むという作戦を作成した。

シモンが疲れているのもあり、製造できるミサイルは二発。

そうもしている間に、グレンラガンのドリルが折れてしまうことがあった。

そして、デススパイラルマシーンの射程距離に入る。

アーテンボローは待ってましたと言わんばかりに発射ボタンを連打していた。

 

「発射あああ!!」

発射されたミサイルは半分の距離で宙圧に押し潰される。

どうやら計算を上回ったらしい。

リーロンはレイテに強度をアップさせるように言う。

 

「大変です!螺旋エネルギーが0に…」

 

『シモンの螺旋力の放出より吸収の方が上回ったんだ!」

 

「くそ…俺にはなにもできない…」

 

「リト…」

 

 

 

 

「くそっ…俺達ぁ何にもできねえのかよ…!」

 

一方、レイテやガンメンのパイロットがいる動力室。

ここでもキタンがリトと同じような言葉を言った。

その中でヨーコは何かを決めたようにレイテのもとへ行く。

 

「……レイテ、スペースダヤッカイザーに残りの螺旋弾を積み込んで」

 

「待てよ、ヨーコ……そいつは俺の仕事だ」

 

「「「だったら俺達も…!」」」

 

なんとキタンがヨーコの代わりになるつもりだ。

さらには他のメンバーも行くと騒ぎ出す。

 

「そういうわけにはいかねぇんだよぉ……レイテ、こん中で一番圧力に強いのは?」

 

「……スペースキングキタンのダイガンメンモードだよ…」

 

「「「……………………」」」

 

「と、言うわけだ。……へっ、シモンが死に物狂いで造った超螺旋弾…無駄にするわけにゃいかねーだろ」

 

「キタン……おめぇまさか…」

 

「特攻する気か!」

 

キタンが死ぬ気でいることにヨーコ達は驚く。

 

「おめぇよぉ!死ぬのが怖くねぇのか!?」

 

「ぶわぁかか、テメェは!どこに死ぬのが怖くねぇ人間がいる!?」

 

「キタン……」

 

「でもなぁ……仕方ねぇんだよ!こうやって俺達は前に進むしかねぇんだよ…!」

 

キタンの言葉に誰もが言葉を失う。

 

「でもなぁ…これだけは言っとくぞ……お前らがいるから無茶ができるんだよ。お前達が後ろにいるから前に進めるんだ。シモンが上から引っ張って、俺が下から押し上げてりゃあ…そりゃあ、俺の背中をお前らが押してくれたからだ!お前らがどこまで行けるのか、楽しみにしてるぜぇ…」

 

「………キタン…」

 

「ヨーコ」

 

「えっ?」

 

突然、ヨーコの目の前が真っ暗になる。

そしてすぐにそれがキタンが目の前にいて……キスをしていることがわかった。

長い沈黙の後、キタンは覚悟した顔をしていた。

 

「すまねぇ……これも俺のワガママだ…」

 

「……ぁあ……」

 

ヨーコは驚いた顔をしながらもキタンを優しく抱きしめる。

 

「……バカね……こう言う時、謝らないで…」

 

 

 

 

「ありがとうよ……」

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「お兄ちゃん…!?」

 

「ええ!?」

 

「うそ!?」

 

超銀河ダイグレンからミサイルを搭載したダイガンメンモードのスペースキングキタンが発進する。

黒の兄妹のキヨウ、キノン、キヤルは驚く。

そしてそれは制御室の全員も同じだった。

 

「あばよ、ダチ公………なーんて、キザなセリフは言わねぇ…。行ってくるぜ、野郎共ぉ!!」

 

センサーで誰もが成功を祈る。

頼む……その言葉が誰かは知らない。

むしろ全員の言葉だ。

 

 

 

「コイツかぁ!」

 

スペースキングキタンはまずフィールドを破壊し発射の準備をする。

「いまだ、ミサイル発射ぁ!」

 

だが、予想を裏切りミサイルは発射されない。

圧力で発射口が潰されたのだ。

 

「クソ…肝心な所で………く……うう…ぁぁ……うああああああ!?」

 

そしてすぐさま、スペースキングキタンは押し潰され、爆発した。

 

「フィールド内で爆発を確認!」

 

「やったか!?」

 

「いえ…… デススパイラルマシーンは健在です…」

 

「キタン……」

 

「お兄ちゃん…」

 

「!!犬死にかよ……バカヤロー…!」

 

「―――待って!あのエネルギー反応は…」

 

誰もがキタンの死に悲しむ。

だがヨーコはセンサーであるものを見つける。

 

「このサイズ……スペースガンメンの中の、ガンメンです!」

 

そう、キタンは押し潰される寸前脱出……キングキタンのままで飛び込んだのだ。

 

 

「まぁーーだ、キングキタンが残ってるぜぇぇぇぇぇ!!!!」

 

キングキタンの腕には先程折れたグレンラガンのドリルがあった。

 

 

「御守り変わりに拝借してきたグレンラガンのドリル!……使わせて…もらうぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

キタンのその目には、ロージェノムと同じものに…。

そう、キタンは螺旋力に覚醒したのだ。

 

「キタァァン!!!!」

 

 

 

「コイツはシモンのッ…大グレン団のッ…人間のッ……いや!この俺様の魂だあああああああッッッ!!!テメェごときに…食ぅい尽くせるかあああああああッッッ!!!!」

 

キタンの叫びに反応し、持ってきたドリルがキングキタンと一体化する。

そして、シモンの…いや、シモンとカミナの必殺技の体勢に入る。

 

 

 

「キィィィィィングッッッ!!!キィタァァァァンッッッ!!!ギガドリルゥゥゥゥ…ブゥゥゥゥレェェェェェェェイクゥゥゥッッッッ!!!!」

 

キングキタンのギガドリルブレイクはデススパイラルマシーンに激突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが螺旋の力かよ……大したもんじゃねぇか……へ…へへへ…」

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爆発の後、 超銀河ダイグレンの中で……悲しんでいた。

ヨーコがキヨウがキノンがキヤルが…涙を流しながら。

守護者やアルコバレーノも黙祷している。

 

 

『この作戦の成功確率は0パーセントだった。だが、お前たちには机上の計算は無駄なようだな…」

 

その時、モニターに緑の光が溢れる。

ざわめきながらもロシウは分析した。

 

「どうなってるんだ!?」

 

「膨大な……とてつもなく膨大な螺旋エネルギー反応です…」

 

『デススパイラルマシーンが破壊されたことで、この暗黒の海は総て螺旋エネルギーに変換される。当然の既決だ。これだけのエネルギーがあれば奴のいる隔絶宇宙に着くのもたやすかろう…』

 

「どんどん螺旋ゲージが上がっていく…一万…十万…百万…!シモン、行けるわよぉ!!」

 

 

グレンラガン内……

 

 

「…キタン……お前の意思は受け取った……行くぞ…!」

 

シモンはゴーグルをつけ、気合いを入れた。

そう、今は亡きキタンのために…

 

「変形だ!!」

 

「その言葉…待っていた!!」

 

「ぶう!」

 

超銀河ダイグレンは海の中から上昇する。

そして上昇しながら変形する。

 

衛星サイズの超銀河ダイグレンはあっという間に人形へ変わる。

そして頭部と胴体にサングラスが装着されていた。

 

 

 

 

 

『戦友(とも)の想いをこの身に刻み…』

 

 

海から『それ』が上昇する

 

『無限の闇を光に帰るッッ!!』

 

 

超々弩級ダイガン…超銀河ダイグレンが変形した『それ』はまさに黒金の魔神

 

 

『天ッ上ォォォ天下ッッ!!一騎ッッ当ォォ神ッッ!!超銀河グレンラガンッッッッ!!!!』

 

超絶螺旋・超弩級ガンメン  超銀河グレンラガン

 

 

『人間の力…見せて…やるぜぇぇぇ!!』

 

 

ムガンの一体を葬りながら戦う顔には、キタンの死を悲しむかのように…赤い血を流していた

 

 

「やっぱり質量保存の法則をけなしてるな…」

 

「ほんとっすね…」

 

リボーンと獄寺の言うことはさておき、そこからはあっという間だった。

グレンブーメランを放ち、超銀河ギガドリルブレイクをした超銀河グレンラガンは敵をあっという間に倒した。

 

「これで行けるわよ…ニアのところへ」

 

「ああ、行こう!」

 

『驚いたね…まさかあっという間にやられるとは』

 

再出発しようとすると再び光が現れ、アンチ・スパイラルの声が響く。

 

「アンチ・スパイラル!」

 

『まさか螺旋の戦士一人に銀河を生み出すほどの螺旋力を持つものがいるとは…予想外だ、危険だね』

 

「何が危険だ!お前は俺たちの星を襲ったまでもか…リト達の星まで!」

『わかっていないようだね…君たちが、宇宙でどれだけ危険なのかを…。どれ、見せてあげるよ』

 

「何…あ、ああ…」

 

シモン達に異変が起きる。

地球出身のリト達以外…つまり大グレン団のメンバーが何かを見ているかのように動かなくなったのだ。

 

「シモン!ヴィラル!ブータ!」

 

「起きてください!」

 

「テメェ何しやがった!」

 

『なにも?ただ見せてあげてるだけだよ…末路をね』

 

「末路……?」

 

『まあ、君たちは実際に話したいんだけどね。特別に招待するよ』

 

その瞬間、リト達の足元に黒い穴ができる。

リト達は叫ぶ暇なくその穴に落ちていった。

 

 

 

 

――――。

 

「いててて…」

 

「大丈夫ですか、十代目!?お怪我は!?」

 

「ありがとう、獄寺君…大丈夫。それでここは…?」

 

そこは見渡す限り不思議な空間だった。

宙に浮いているようで、あちらこちらに石のような物体が浮かんでいる。

 

「よくきたね、歓迎するよ」

 

「「「!?」」」

 

「お前……まさか…」

 

声のした方向を向くと、そこにはアルコバレーノのような須方をした顔を包帯で巻いている黒い格好をした赤ん坊がいた。

そしてその胸には…

 

 

「はじめましてだね。僕は螺旋族からアンチ・スパイラルと呼ばれる存在で、君たちからはバミューダ・フォン・ヴェッケンシュタインと呼ぶ存在さ」

 

透明なおしゃぶりが付いていた。

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次回作とかやろうかな…
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