酒!恋姫無双〜鬼の御子使い〜 7(改) |
反董卓連合が檄分により各諸侯に伝わる中、董卓軍もまた対策を考えていた。
霞「相手の規模はどないな感じなん?」
詠「まず、一番の勢力として袁紹。君主が無能だけど部下はある程度優秀よ・・・そして何よりも兵 力が段違い・・・質は別としてね。
次に、袁術・・・まぁこれも袁紹と似たようなもんね。
ここからが本題、まず確実に曹操と孫策は参加するでしょうね。
どちらも一度だけ見たことがあるけど、王として器は計り知れないわ。
涼州の馬騰がどうするのか分からないけど・・・最悪を見越して考えたほうがいいでしょうね。
大きいところではこのくらいかしら。」
?耶「対してこちらの兵力は?」
詠「無理をして10万・・・だけど、あまり民を巻き込みたくわないわ。」
島津「それを考慮した場合の兵力はいくらぐらいじゃ?」
詠「7万・・・これが徴兵をせずに連れて行ける限界よ。」
島津「ふむ・・・」
華雄「陛下たちはどうする?」
チラッと今も寝室で寝ているであろう陛下・・・劉協の身を案じる華雄。
詠「そうね・・・陛下には長安に「その必要はない。」・・・!?」
劉協「その必要はない・・・朕はここに残る。」
詠「陛下!それはなりません!」
劉協「いいのじゃ詠よ・・・各諸侯は今回のことで漢に見切りを付ける・・・いや、もうとっくに見 切っていたのかもしれん。しかし、朕は民を見捨てて逃げることなどは出来ん・・・漢の人間 としての最後の意地なのじゃ。」
詠「陛下・・・」
場の空気が暗く沈む・・・その時
島津「がっはっはは!これは面白い!」
詠「なっ!?」
霞「義弘!?気でも狂ったんか!?」
急に笑い出した島津に驚きを隠せない詠と霞。
しかし、華雄だけは同じように笑みを浮かべていた。
島津「なに、そのような小さな子が覚悟を決めているのに辛気臭いのは似合わん。
それに、今回の戦・・・武人ならわかるじゃろう?耶、華雄、霞、恋。」
?耶「・・・そうですね、お館!楽しまなきゃ損ですよね!」
華雄「あぁ、これほどの戦・・・楽しくない訳が無い。」
恋「ん・・・恋も楽しみ。」
霞「まぁ・・・実を言うとウチもだったり・・・」
将4名の言葉を聞いて開いた口が塞がらない詠と劉協・・・月だけは微笑んでいた。
島津「それに何も戦だけが勝負ではない・・・連合の奴らに洛陽の有り様を見せてやればいい。」
詠「・・・それは私も考えたわよ・・・でも時間が・・・」
島津「稼げばいい、お主はただこれだけ耐えろと言えばいい・・・あとは儂ら武人の仕事だ。」
霞「ええやんええやん、最高にかっこええで義弘!」
華雄「うむ、武人の心得をよくわかっている。」
恋「うん、義弘かっこいい。」
?耶「お館だからな!」
島津「まぁ、猪が多いのが難点じゃがな。」
その言葉を聞いて落ち込む華雄を見て笑いが起こる・・・決して決戦前の緊張感はなかった。
詠「さて、思いっきり笑ったら楽になったし・・・対策を練りましょう。
島津たちには最低10日間耐えてもらうわ。その間にこっちでの準備は整えておくわ。」
島津「一つ提案じゃ、民たちにその計画に合わせて祭りをさせてくれんか?」
詠「・・・理由を聞こうじゃない。」
島津「なに簡単なこと・・・民の活気を伝えるなら宴や祭りが一番というだけのこと。
そして、何も知らずに洛陽に入る連合の奴ら・・・それだけで酒の肴になるわ。」
そう言ってまた豪快に笑い始める島津・・・彼がいると暗い雰囲気は一切感じなくなる。
霞「・・・確かに面白そうやな。」
イタズラを思いついたような顔をする霞。
恋「・・・・・・ごはん。」グ~キュルルル
・・・恋は相変わらずのようじゃのう。
詠「分かったわ、民には私が伝えるわ・・・ほかに意見がなければ各自準備に入って!」
そして和やかな空気のまま軍議を終える・・・場に残ったのは島津、詠、月そして劉協。
詠「・・・なにかあるの?」
島津「うむ、2つほどな。」
月「・・・なんでしょう?」
劉協「義弘の頼みとあらば無下にはできんの・・・」
島津「いや、1つは個人的な話だが・・・もう1つは月と劉協様に覚悟を決めてもらう必要がありま す・・・よろしいですかな?」
詠「ちょっと!それって!」
月「詠ちゃん・・・・私は大丈夫です、義弘さん。」
劉協「朕もじゃ・・・漢の人間として、そしてこの洛陽のためじゃ。」
詠「月、陛下・・・ああ!もう!わかったわよ!聞くわよ!」
3人の覚悟を聞いて微笑む島津・・・戦いは近い。
霞「うっひゃ〜、壮観やなぁ〜・・・」
華雄「うむ、これは楽しくなりそうだな。」
島津「ちょっとは落ち着かんか・・・」
3人がいるのは水関、連合を最初に足止めする最初の砦である。
霞「いやいや、義弘が落ち着きすぎなんやて・・・」
華雄「霞の言うとおりだな。」
島津「確かに緊張するのはわかるが・・・お主らが落ち着かんと兵も落ち着かんぞ・・・なっ?」
そう言って兵に返事を求めれば兵が「アハハ・・」と目を逸らす。
霞「・・・次から調練倍やな。」
華雄「なら、こっちは3倍だな。」
兵士「島津の旦那ーーーー!?」
兵士が叫ぶことで周りに笑いが起こる・・・これで緊張も取れたじゃろ。
島津「落ち着いたか?」
霞「え・・・・・アハハー」
華雄「・・・・・むぅ。」
その言葉を聞いて自分が緊張していたことが分かったのか黙ってしまう2人。
島津「適度な緊張感は必要じゃが、行き過ぎれば毒・・・酒と同じよ。
緊張感が取れなければ笑え、笑ってダメなら沢山の人と一緒に笑え。
そうすれば大抵なんとかなるもんじゃ。」
その言葉を聞いた二人は顔を見合わせて笑っていた。
霞「あんがとな・・・・それは、わかったけどなぁ・・・」
華雄「・・・・その、腰に下げているのはなんだ?」
華雄と霞が指差すのは、島津の腰に掛かっている20個近くの瓢箪。
島津「・・・・酒じゃが?」
霞「いやいや、それは分かっとんねん。なんでそんな大量に持ってきとるんや言うとるんよ。」
島津「ここには10日間近く留まるんだろ?・・・酒が飲めなきゃやってらんないじゃろ。」
その言葉を聞いて二人だけでなく兵も唖然としていた。
しかし、そこは歴戦の武将・・・すぐに思考を切り替えた。
霞「ウチの分は?」
ニコニコ顔で聞いてくる霞に、島津も笑顔で返す。
島津「ない♪」
霞「義弘のドケチーーーーーー!」
水関はとても和やかな雰囲気に包まれていた・・・そこに
物見兵「伝令!関の前に各諸侯の将が集まっています!」
島津「やれやれ、やっと開戦か。」
霞「まぁ、ウチらは気長に待つだけやけどなぁ。」
華雄「そうだな・・・そういえば島津は武器はどうした?槍が一本足りないようだが?」
島津「あぁ、日本号か・・・恋の方天画戟が治ってないらしくてのう、貸した。」
霞「貸したって・・・簡単に言うなー」
島津「まぁ、簡単には折れんしの・・・おっ、なんか言っとるぞ。」
華雄「あれは・・・・孫策か!」
霞「やばっ!」
語られたのは武人としてはとても耐えられないような罵詈雑言、そして孫堅に負けたという傷に塩を塗るような侮辱の数々・・・以前の華雄ならこの時点で突撃していただろう。
しかし、今の華雄は違う。
孫策「どうした華雄、我が武を前に怖気ついたか・・・はっ、我が母孫堅文台に負けて戦が怖くなったか!?猛将華雄も落ちたものだな!」
華雄はというと・・・
華雄「・・・ふぁ〜」
あくびをしていた。
霞「・・・華雄、大丈夫なん?」
華雄「あぁ、この程度そよ風と変わらん。それに見ろあの孫策の顔・・・宛が外れて悔しそうな顔を してるではないか。」
華雄は逆に相手のことを笑う余裕すらあるようだ・・・覚醒華雄はすごいのう・・・
島津「しかし、これではつまらん・・・出んか、華雄よ?」
霞「ちょっ、義弘!」
華雄「う〜む、ここは辞退させてもらおう。」
島津「そうか・・・霞は行かんか?将一人誰か相手してくれたら酒をや「やる!」・・・お、お う。」
霞「そんじゃ、華雄。頃合見て撤退の合図だしてな〜」
華雄「あぁ、分かった。」
島津「それじゃ、行くかの。」
霞「え?義弘なんで城壁に登るん?え、なんで助走付けるん?ちょっ!?まっまさか!?・・・
いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
次の瞬間、関に霞の悲鳴が響いた・・・・「霞、生きろ」という華雄の呟きは聞こえなかった。
連合side
(呉)
孫策「出てこないわねー・・・」
黄蓋「策殿、あまり前に出ないでくだされ・・・」
(蜀)
関羽「策は失敗したか・・・」
鈴々「う〜・・・暇なのだ〜・・・」
(馬)
馬騰「感づかれたかねぇ・・・」
馬超「ん?母さん、なんか聞こえないか?」
「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!???」
連合側「!?」
孫策「ちょっ、人降ってきたわよ!」
黄蓋「・・・・諦めての身投げですかな?」
関羽「・・・あれは・・・死ぬでしょうな。」
鈴々「鈴々でも無理なのだ!」
馬騰「くっそ、砂でよく見えないねぇ。」
馬超「全員静かに!なんか聞こえる!」
その言葉に全員が落下先に視線を向け、耳を傾ける。
「こ・・・・こんの!ド阿呆おおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
それは耳をぶち抜くかのような悲鳴にも似た叫びだった。
島津side
霞 「こ・・・・こんの!ド阿呆おおおおおおおおおおおおおおっ!?」
島津「そんな大声出さなくとも聞こえとるわい。」
霞 「うっさいわボケ!なんで城壁から飛び降りるねん!普通に城門から出ればええやん!」
島津「普通じゃ面白くもなんともないじゃろが!人生派手に行かんとな!」
霞 「これは派手やのうて、死に急ぎいうんや!」
いや、そろそろ戦なんじゃが・・・と言おうとして感じたのは僅かな殺気。
島津「ちっ!伏せろ!」
霞 「何言っ・・・むぎゅっ!?」
霞の発言に耳を貸さず、自分の元へ抱き寄せ身を屈める。
今まで霞と自分の頭があった場所を正確に矢が過ぎ去っていった。
黄蓋「ちっ!仕留めそこねもうした。」
孫策「あら、祭の矢を躱すなんて相当できるのかしら?」
関羽「偶然でしょう。それよりも体勢を立て直される前に畳み掛けるべきかと。」
鈴々「鈴々も早く戦いたいのだ!」
馬騰「な〜んか、嫌な感じがするんだよねぇ・・・」
馬超「母様!敵の前だってば!?」
全員が自分の得物を構え、兵たちも一層緊張した面持ちになった時、聞こえてきたのは・・・・・・・笑い声。
島津「がっはっはっはっは、いやぁ戦開始早々に一本取られた。つい年甲斐もなく慌ててしもうた。」
その笑い声を聞いた将たちは呆れ、兵たちも訳が分からないような顔をしていた。
霞 「あのー、義弘はん?大分場違いな気がしとるんやけど・・・」
流石の張遼もこの空気にはついて行けなかった。
島津「ん?いや、久々にそれなり殺気感じてちぃっとばかり興奮してもうた。すまんの。」
霞 「あー分かる分かる。しばらく強者と会わんと、久々に強者に立ち会ったりすると興奮する。」
孫策「その意見には全面的に賛成だけど、そろそろ死合わないかしら?」
島津「おっ?お主が相手なんかの?」
孫策「惜しい!正解は・・・・私たちよ!」
その言葉を皮切りに妙齢の銀髪の女性が弓矢から手を離す。
島津「ちっ!霞!一旦分かれるぞ!」
霞 「了解や!」
霞の方には関羽、鈴々が向かい、島津には孫策、黄蓋、馬騰、馬超の四人。
島津「おっ、美人に囲まれるとは男冥利に尽きるのう。」
孫策「あら、なら美人の手で殺されるなら本望ではなくて?」
島津「悪いが、小娘に興味は無いんじゃが?」
孫策「こむっ!?・・・えぇ、いいわ。なら・・・・その小娘に殺されなさい!」
一般兵では反応できないような速度の袈裟斬り・・・しかし、相手は鬼島津いとも簡単に右手の握った御手杵で防ぐ。
そのまま片手で無理やり押し返し、鍔迫り合いから弾き返そうとすると次は後ろからの槍での突き半歩退いて躱すと左手で槍を握って防ぐ。
孫策「片手なのに・・・・んぐぐ・・・・びくともしないなんてっ!?」
馬超「こっちも両手で押しても引いても・・・ふぬぬぬ・・・動か・・・ないっ!?」
島津「ふむ、両方共速さはあるが腕力はないようじゃの。これぐらいできるようにならんと儂とは張り合えんのう。」
馬超「うわっ!?こいつ何て腕力してんだよ!?」
島津はそのまま左手で馬超ごと槍を持ち上げた。それを見た将、兵士含め全員が唖然とした。
島津「ん?これがそんなに不思議か?」ブォンブォン
馬超「ちょっ!勝手に素振りすんな!・・・・ってか高いーーー!」
連合軍「(゜д゜)」
島津「こっち見んな」
連合軍「(´・ω・`)」
島津「さて、準備運動も済んだことじゃからのう・・・ふんっ!」グルンポイ
馬超「ちょっ!?キャーーーーーー!?」
髪を一本で結んだ少女を適当な軍に投げ入れる・・・・そして
島津「なんで未だに儂の右腕と睨めっこしておる・・・」
孫策「だって悔しいじゃない!ウチの兵にも示しつかないし、少しぐらい動いたって・・・・ぐぬぬ」
島津「・・・こうか?」
そう呟いた瞬間、今まで込めていた力を抜いた。そして必然的に力の行き場を失った孫策は・・・・
孫策「キャッ!?」
ドサッという音を立てて転んだ。
呉軍「・・・・・」
黄蓋「・・・・・」
孫策「・・・・・」
戦とは思えないような静かな時間が流れ・・・・その空気を壊したのは・・・・やはり島津だった。
島津「示しはついたか?」
黄蓋「ぶっ!?」
呉軍「・・・・」ブフッ
孫策「・・・っ」カァァァァ
そして、全員が笑いを堪えていると
ジャーンジャーンジャーン!!!!!!!!
島津「むっ撤退か。まぁ、中々に楽しい死合じゃったぞ。儂の名は島津義弘。
今日みたいな恥を掻きたくないなら鍛錬を積むことじゃな。
才能にかまけた武など慣れられたら終いじゃ。
ほれ、餞別に儂お気に入りの酒をやるから機嫌を直せ。」
孫策「孫策よ・・・・この借りは絶対に返すわ。」
島津「うむ、忘れんうちに頼むぞ。そこのなんじゃったかな・・・・銀髪の女、お主にも酒をやろう。最初の矢は中々だったぞ。」
黄蓋「黄蓋じゃ、有り難く頂いておこう。策殿にもいい経験になったはずじゃしな。」
島津「そうか、なら重い腰をあげた甲斐があるというもの。」
黄蓋「冗談も大概にせい。まだ実力の半分もだしてないじゃろ?」
島津「・・・分かるか?」
黄蓋「はっはっは、幾つ死線を越えてきたと思っとる。その程度訳ないわい。まぁ、お主の底まではみえていないがの・・・」
島津「ぐっはっは、儂の底を見たものなど一人しかおらんわ。儂の底をしりたいなら、儂と同等の強さを身につけるか、それなりの戦場をよういするんじゃな。」
黄蓋「それもそうじゃの・・・・全軍撤退せよ!・・ほれ策殿もいじけてないで歩いてくだされ。」
島津「ふむ、退いたか。霞のほうは・・・・今終わったようじゃな。」
氾水関に向け歩きながら合流する。
島津「どうじゃった、関羽は?」
霞 「うーん、何か途中からやる気いうか気概みたいなのを感じなくなったんや。」
島津「ふむ、何かしら引っかることでもあったのかもしれん。」
霞 「まっ次に期待やな。ほな、門なか入ろか。」
島津「そうじゃな、これからは篭城戦じゃ。暇になるのー。」
そしてその言葉通り、董卓軍は5日間篭城し、その後虎牢関に退き氾水関陥落の手柄は呉に渡った。
説明 | ||
結構不自然な店があったと思ったので色々再編しました。 これが改悪になるか改良になるか楽しみです。 |
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