三都フランチェスカ学園物語
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春…それは始まりと出会いの季節

 

とある通学路にとある学園の制服を着た3人の男が歩いていた。

 

「いやー楽しみですね〜」

 

少し大柄の男でニコニコしながら歩く、高野大和が話し始めた。

 

「去年まで女子校だったけど…今年からいろんな所から男子を招集して共学化になったんだよな…」

 

三人の中で一番大人びた男、真々田実がパンフレットを見ながら言う。

 

「まあ今の時代…『女子限定』って所は今の時代、贅沢だからね」

 

3人の中で大人しい男、実の双子の弟、真々田輝が言う。

 

 

『私立三都フランチェスカ学園』

 

この3人が今日転入する学校である。

 

三人が学園の校門に入ると、周りの生徒が実達をめずらしい目で見ていた。

 

「いやー本当に広くてすごいですね〜」

 

大和が視線をキョロキョロしながらハキハキと喋る。

 

「まあな…」

 

逆に実は周囲の目を気にしながら言うと、少し疑問を感じた輝が実の肩をたたく。

 

「兄さん…気づいた?」

 

耳元で輝が実に小声で話し始めた。

 

「何が?」

 

「いろんな所から男子を集めたって言うけど…」

 

そう言って輝はキョロキョロと周りを見る。

 

「女子がほとんどだよ?男子なんて一人も…」

 

「そういえば…そうだな」

 

実も輝と同じく辺りをキョロキョロする。確かに歩いているのは女子だけで男子は見られない。

 

「もしかして…表だと男子はいるって言うけど実は男子は…」

 

「まさか…そんな…いないって事は」

 

苦笑いして返事をする実に輝は少し溜め息をこぼすと、

 

「あら?あなた達、見ない顔ね?」

 

茶髪で髪を後ろにまとめた白衣姿の美女が三人を見て話し掛けて来た。

 

「ええ…僕達は今日からこの学園に転入する者です」

 

輝はさっきのことを心の中に置いて、女性に話す。

 

「ああ!米田教頭が言ってた生徒3人ね」

 

「はい!」

 

女性の言葉に元気良く返事をする大和。

 

「私は学園高等部の保健担当の藤枝あやめ、理事長室に案内するわ」

 

三人は職員玄関から入りあやめの後について行き、理事長室に到着したその時、あやめが3人に小声で言った。

 

「ここの理事長は…ちょっと変わってるから」

 

「変わってる?」

 

小声で話すあやめの言葉に疑問を覚える3人。

 

「見ればわかるわ」

 

そう言ってドアをノックするあやめ。

 

コンコン

 

「どちら様だぁ〜」

 

独特な声が理事長室に聞こえた。

 

「保健の藤枝です。今日転入する三人をお連れしました」

 

「入れぇい!」

 

扉の向こうからゾゾッとするような声に驚く3人。

 

「失礼します」

 

理事長室に入るあやめと3人。そこにいたのは筋肉質でスーツ姿の男が座っていた。

 

「私はここで…」

 

そう言って早々と理事長室を後にするあやめ。

 

「そこに座れぇい」

 

「は…はい」

 

男の言葉に返事をし、ソファーに座る3人に続いて向かいのソファーに座る理事長。

 

「えーこの私がこの三都フランチェスカ学園の…」

 

そう言って突然ソファーから立ち上がる理事長。

 

「フン!」

 

理事長のスーツが破け、ピンクのビキニパンツ一丁になった。

 

「「「!!!」」」

 

さすがの三人も突然のことに驚きを隠せない。

 

「貂蝉よっ!」

 

貂蝉がウインクをして自己紹介した。

 

「あら?いい男」

 

そう言って実に顔を近付ける貂蝉に引き始める実。

 

「ちょ!ちょ待っ」

 

さすがの実も突然の事に驚き顔を青ざめる実に他の2人も震えが止まらなかった。

 

「食べようかしらっ?」

 

そう言って実にキスをしようとする貂蝉。

 

『ガシ!』

 

キスをしようとした貂蝉の顔を掴み止める実。

 

「止めろって言ってだろがぁ!」

 

貂蝉の顔をおもいっきり机に叩きつけた実に2人は驚く。

 

「兄さん!いくらオカマでハゲでゲイな変態でも一応理事長だから落ち着いて!」

 

そう言って実を止める輝がさりげなくきつい事を言う。

 

「いや!輝さん、それフォローになってませんし、さりげなく暴言発言しましたよ!?」

 

輝の毒舌にツッコミながらも同じく実を止める大和。

 

「ハア…ハア…」

 

落ちついたのか息を切らせながら貂蝉から手を離す実だった。

 

 

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5分後

 

「失礼なところをお見せしたぁ」

 

スーツ姿ではなくピンクのビキニパンツのまま謝罪する貂蝉。

 

『『『結局そのままなんだ…』』』

 

そんな貂蝉に心中冷たくつっ込む3人。

 

「改めて…ようこそ我が三都フランチェスカ学園へ…真々田一馬(かずま)と遥(はるか)さんは元気ですか?」

 

「えっ?どうして父と母の名を?」

 

理事長の言葉の中に実と明の父、一馬と母、遥の名前が挙がった事に驚く2人。

 

「聞いてない?私は二人の高校の頃からの同級生よ〜」

 

「嘘!マジでか!?」

 

理事長の言葉にさらに驚く実に輝はあの質問をぶつけてみた。

 

「学園長、質問があります」

 

真剣な顔つきで挙手をする輝にそれを悟ったのか貂蝉も真剣な顔つきになる。

 

「この三都フランチェスカ学園の高等部にいる男子の数を教えてください」

 

輝の質問に実と大和も察した。今の輝は本気と書いてマジで真剣だった。

 

「何故、そんな事を?」

 

腕を組んで貂蝉が言い返す。

 

「僕達三人がこの学園の高等部の門を入った時、高等部の女子達は僕達を見て、ヒソヒソ話やらを始めたんです」

 

「そりゃあ見かけない男子三人のあなた達を見て…」

 

「おかしいんですよ…」

 

貂蝉の言葉を遮るように呟く輝。

 

「この学園は三都学園とフランチェスカ学園と統合し、女子校から共学校になった。もちろんその両方の学園の生徒達は知っている筈です。なのに何で男子三人の我々を蔑んだ目で見ていたのか?」

 

「・・・・・」

 

輝の言葉に目を瞑って黙る貂蝉。

 

そしてついに輝が確信をつく一言を言う。

 

「この高等部に男子は10人もいないのでは?」

 

『!?』

 

輝の言葉に驚く貂蝉と大和だが、実は驚いてはいなかった。

 

「なるほど…輝の言葉が本当なら辻褄が合うな…」

 

腕を組んで実が言う。

 

「どうなんですか、学園長!?」

 

輝が大きい声で言うと、貂蝉は顔を上げたその時だった。理事長室から1人の男が入ってきた。

 

その男も貂蝉と同じ筋肉質の体をしていて、スーツ姿のじじいだった。

 

「流石は真々田一馬の息子だ…」

 

「あら!卑弥呼校長!」

 

貂蝉は卑弥呼と言う男性の名を呼んだ。

 

「ワシはこの学園の校長、卑弥呼だ…」

 

「どうも…」

 

三人は卑弥呼に挨拶を済ませた。そして輝がさっきの話題を話した。

 

「それで…さっきの事なんですが」

 

「うむ…話そう」

 

そう言ってさっき貂蝉が座っていたソファーに座る卑弥呼。

 

 

「この学園が統合し、男女共学化したのは聞いてるな?」

 

「はい…」

 

「だが実際は高等部の男子の数が10人もおらん…」

 

「10人もいないって、一桁!?しかも高等部だけって」

 

大和が驚いた様子で言い返した。

 

「おかしいと思うのが当たり前だ…だが、そうしなければならない理由があった。」

 

「理由?」

 

実が卑弥呼の言葉に疑問を覚えた。

 

「権力…圧力だ」

 

「権力・・・」

 

卑弥呼の言葉にやはりと思った反応する実と輝。

 

「この学園には大手企業の令嬢を始め、名門の貴族の娘も多数この学園におる、しかも高等部にな…」

 

「なるほど…でも何故高等部だけなんですか?」

 

納得した輝がさらに質問をぶつけてみた。

 

「沢山の男子の入学が決まっていたのだが…その殆どが取り下げだったんだ」

 

「と、取り下げ!?」

 

卑弥呼の言葉に驚きを隠せない大和。

 

「ええ…その貴族やら大手企業の娘が大の男嫌いが多いと言うか…」

 

「免疫がないって事か…」

 

貂蝉の言葉に実が割ってはいるように言った。

 

「おそらく金使って取り下げるようにしたのが目に見えてる…」

 

「ちょ!それは無いですよね?」

 

輝の言葉に大和が言うが、貂蝉と卑弥呼は確信を突かれたような顔をした。

 

「マジなんですか…」

 

「うむ…我々独自の調査でわかった事だ…」

 

 

そう言って卑弥呼と貂蝉が暗い様子になり、場の空気が重くなった。

 

 

「でも何で俺達三人をこの学園に呼んだんだ?」

 

実がもう一つ思ったことを貂蝉達にぶつけてた。

 

「それはわたしが彼(一馬)に事情を話して頼んだら息子2人とその親友一人を紹介するって」

 

貂蝉の言葉に実と輝がため息をつき、大和は苦笑いしていた。

 

 

 

 

 

その時、ドアを叩く音がした。

 

「失礼します」

 

入ってきたのは若い男性とその男性より、少し大人びた男性で片手には出席簿を持っていた。

 

「この2人が今日から貴方たちのクラスの…」

 

「担任のマイケル・サニーサイドです!担当教科はイングリッシュ、英語です!よろしく!!」

 

部屋の中なのにグラサンに近いめがねをしているマイケルが実達に握手をしてきた。

 

「ああ…」

 

突然の事に動揺する実。

 

「どうも…」

 

実と同じく動揺しながら握手をする輝。

 

「よろしくお願いします!」

 

マイケルと同じテンションで握手をする大和。

 

「そして彼はクラス副担任の…」

 

握手をやめたマイケルが隣にいた青年を紹介した。

 

「副担任の華佗(かだ)だ、担当科目は保健体育だ」

 

マイケルと違って落ち着いた様子で挨拶をする華佗に少しホッとした実と輝だった。

 

「それじゃあ教室に案内するからついて来てくれ!」

 

テンションMAXな状態で理事長室を出るマイケルとその後に続く華佗、そして3人も理事長室を後にした。

 

 

「大丈夫かしら?」

 

心配そうに見送る貂蝉に卑弥呼が真剣な顔になった。

 

「心配するな…第一貴様が心配してどうする」

 

「あら?そうだったわ〜」

 

「とにかく貴様はさっさと着替えんか!馬鹿者!!」

 

「あら失敬〜」

 

そう言って予備のスーツに着替え始める貂蝉だった。

 

 

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学園の廊下を歩るき、教室に向かう一同。

 

「君達3人のクラスは漢女組(おとめぐみ)だからね」

 

「漢女組?」

 

大和がストレートに返事をした。

 

「知ってると思うけど…漢女組は高等部の男子だけが数人しかいないクラスだ…」

 

「なるほど…」

 

 

そして一同が到着したのは一階の端に位置する場所にある1年漢女組と書かれた教室だった。

 

「それじゃあ待っててくれたまえ…」

 

「「「はい」」」

 

3人は教室の前に立ち、紹介されるのを待った。

 

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相変わらずの駄文ですがよろしくです(汗)
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