恋姫無双 〜〜紅と蒼の悪魔〜〜 1−4話 |
注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。
詳しくは1話を参照してください。
「なるほどな。いわれのない中傷から反董卓連合が組まれた、と」
「そうや。あの子はこんなこと出来るようなやつやない。心優しい子なんや」
いきなりの勧誘に驚きを見せたものの、事情を説明されて落ち着いたようだ。
三人とも複雑な顔をしているが、流石にその内心までは推し量れない。
「数も連合軍相手に勝てるわけもなし。せめて、将の数だけでも増やせればって思うてたんやけど、そんなときに本気ではなかったとはいえ、こちらの殺気を受け流せるやつが二人もいたんや。そら、誘いたくもなるやろ?」
「まあ、こちらの心情はともかくそちらからしたらそうだろうな」
「………」
バージルがずっと黙ってしまっているため、ダンテが返事をしている。
「どうするんだ?バージル?」
「………」
ダンテの質問にも答えようとしない。
そのとき、
「詠ちゃん!」
という声とともに小柄で豪華な服を着た女性が部屋に入ってきた。
「ゆ、月!来ちゃだめって言ったじゃない!怪しいやつかもしれないからって!」
「仲間になってくれってこちらから言ってるのに、それはないと思うよ、詠ちゃん」
「で、でも…」
迫力はあまりないものの、月と呼ばれた女性ににらまれると賈駆はうっと唸って黙ってしまった。
そして、月はダンテたちに振り返ると
「直接会わないなんて失礼しました。私が董卓です」
と、自己紹介した。
そして、その様子を見た瞬間
「いいだろう、いつまでかは分からんが力を貸そう」
と、バージルが言ったため、ダンテ以外の全員が驚いた様子を見せた。
「い、いきなりやな。そりゃうれしいけど、ホンマにええんか?」
「ああ、ずっと部屋の外でうろついている気配があってな。だんだん近づいて来ていたから様子を伺っていたんだ」
「兄貴は礼儀がなってないやつが好きではないからな」
張遼の質問にバージルとダンテが答えると賈駆はさらに唸ってしまっていた。
「ごめんなさい。詠ちゃんはちょっと過保護なんです」
「ゆ、月ぇ〜〜〜〜」
「まあ、気持ちは分からんでもないがな」
とやり取りをした上で
「では、仲間になっていただくのでしたら、私の真名を預けます。月といいます」
「ほんなら、ウチも預けとこか。うちは霞。よろしゅう!」
「すまんな、私には真名がない。華雄でいい」
「……恋」
「音々音といいますです。ねね、でいいですぞ!」
「あ、私も兄様たちに預けてませんでした。流琉といいます!」
「仕方ないわね。私は詠よ」
とそれぞれから真名を預かった。
「ほな、実力確認もかねて手合わせしようや!」
という霞の一言で現在ダンテたちは練兵場にいた。
「うち、バージルとやりたい!何か似た感じがするんよ!」
「ふむ、なら私はダンテか」
ということで、ダンテVS華雄、バージルVS霞となった。
ちなみに恋は「…今度でいい」とのことで月たちのそばにいる。
さらに言うと、現在手の空いていた文官と兵士たちも観戦している。
「ほな、まずはウチからや!」
といって、霞が中央に走っていった。
「大丈夫なのか?」
「ああ、まだ負ける気はせんよ」
そうダンテに答えてバージルもゆっくり歩いていった。
審判として、華雄が立つ。
「準備はいいか?二人とも」
「おう!」
「…ああ」
確認をとると、
「では、試合開始!」
と、開始を告げた。
「ほな、いくでぇ〜〜〜!」
先手を取ったのは霞。
持っていた飛龍偃月刀を振りかぶってバージルに切りかかった。
それをバージルは最小限の動きでかわす。
「まだまだぁ〜〜〜!」
そのままの勢いで払い、切り上げ、突きと流れるように連撃を放つ。
どれも「神速」の名に恥じぬ速度と重さを持っていたが、バージルはどれもまるで見えているかのようにかわしていく。
「なんや?よけるのは見事やけど、かかってこんのか?その腰に下げてるのは飾りかいな?」
一度距離をとって霞がそう挑発した瞬間、
周りが、ぞっとするほどの殺気があたり一面を包んだ。
周りの文官や兵士の中には気絶するものまでいた。
直接向けられたわけでもないのに、月や詠、ねねも震えてしまっているし、恋も表情には出ていないが一瞬だけ身を硬くしていた。
「はっ…。相変わらずコワい兄貴だこと」
ただ一人、ダンテだけはその飄々とした態度を崩してはいなかったが。
(なんや、この感じ…。めっちゃ重くて息苦しい…。こいつ、こんなに…!)
そう思っていた霞だったが、次の瞬間
ガッキャーーン!
という音とともに吹き飛ばされており、霞がいた位置にはバージルが立っていた。
(いつのまに……!!)
そう、今の一撃は全く反応できなかったのである。
「Don't get so cocky. (調子に乗るな)」
バージルが何かつぶやいていたがもちろん伝わるわけはなく。
ただ、何となくまだ本気ではないのだろうということは霞も感じたようだった。
「アカン、これはウチの負けやな」
そういって武器を手放したのを見て、
「し、勝者、バージル!」
と、華雄が宣言して手合わせが終わった。
「おつかれ、バージル」
「…ああ」
声をかけたダンテに対し、そうぶっきらぼうに返すバージル。
「霞さん、大丈夫ですか?」
「へーきへーき。手加減してくれたみたいやし、武器はじかれただけやからな。どこも怪我してへんよ」
駆け寄ってきた月に対し、手をぷらぷらとふって答える霞。
「…どうだったんだ?」
「速すぎてなんも分からんかった。あんなん殺す気やったらウチは今頃死んどるやろうな」
華雄に対して答える霞の手はわずかに震えていた。
「それよりも、次はアンタやろ。大丈夫なんか?」
「わからん、あの殺気の中態度がまるで変わってなかった。ということは同じくらいの技量なのかもしれんな」
「珍しいな、アンタが素直に相手を認めるなんて」
華雄の返答に対して少し驚く霞。
「自分が猪突猛進する性格なのは知ってる。が、それでもあいつらは危険だっていうのはわかる。流石に危険に突っ込みたくはないな」
そう苦笑して答える華雄。
「だが、これでも月様の軍を率いる武将なのだ。戦わずして、引くわけにはいかん!」
そういって、華雄は中央に躍り出た。
「ま、あれをみてあれだけ動けるなら上出来だな」
「フン」
そういってダンテも中央に向かっていく。
バージルも同意はしているようだが、鼻をならして黙ってしまった。
「ほな、準備はええか?」
「もちろん!」
「いつでも」
審判は霞。そして、
「試合、開始!」
開始が告げられると同時に二人は後ろに跳び距離をとった。
「ふっ、同じ行動をとるとはな」
「HA!びびったのかと思ったぜ」
今度はダンテが挑発したが、華雄は自分でも驚くほど落ち着いていた。
(バージルほどではないにしろ、あの男も相当速い。それに力はこいつのほうが上か)
(…もっと頭でっかちなのかと思ってたが案外考えることも出来るみたいだな)
ふたりとも、わずかな時間でそう考えると
「!!」
次の瞬間、華雄にむかって、ものすごい勢いでダンテが突っ込んでいった。
とっさに己の持つ武器、金剛爆斧を体の前に立てられたのはとっさの判断だった。
轟音とともに、そのままの体勢で華雄は練兵場の端まで押し込まれてしまい、壁に激突する形でようやく止まった。
どうやら、ダンテは突きの勢いそのままにリベリオンを金剛爆斧に突き出したようだ。
威力もそうだが、その衝撃に片腕で耐えてしまうあたり、かなりの剛力である。
「どうした?こんなものか?」
ダンテはリベリオンを華雄にむけて挑発を繰り返した。
「ふふ…」
衝撃で立ち込めた砂埃の中から笑い声が聞こえた直後、
「うおおおおおおおお!!!」
という雄たけびとともに、華雄が飛び出してきた。
そのままダンテのところまで走りよっていくと、金剛爆斧を勢いそのままに振り下ろした。
ダンテもこれに応戦。その場で足を止めてお互いに剛撃を繰り出しあった。
「あれは、あいつ本来の戦い方ではない」
「えっ?」
それをしばらく眺めていたバージルがつぶやくと、そばにいた流琉が聞き返した。
「あいつは本来、攻撃をさせず相手を圧倒していく。あんなふうに相手の攻撃を受け止めたりはしないんだがな」
「じゃ、じゃあ、兄様は何を?」
「おそらく華雄とやらの性格を読んでわざと挑発を繰り返し、無駄な考えを捨てさせたかったのだろう。典型的な猪突猛進なやつのようだからな」
「そして、その力量を実感したかったんだろうよ。あいつはああいうタイプ、性格は嫌いではないからな」
そういっている間に、大きな音が聞こえてあわてて流琉が目を戻すと、
金剛爆斧を弾き飛ばし、首にリベリオンを突きつけるダンテがいた。
「勝負あり!勝者、ダンテ!」
あとがき
どうも、作者のmorikyouです。
さて、今回の話はいかかだったでしょうか。
戦闘描写に力が入ってしまい、いつもよりも長くなってしまいました。
まあ、うまくはないんですがね^^;
ちなみに、今回の二人の技はDMC3を知っているなら分かると思います。
バージル:疾走居合い
ダンテ:スティンガー
となっております。
私の個人的技ランキングの1位なのでこれからも積極的に使うかと思います。
でも、バージルの台詞は違う技だったりw
まあ、本来の技もいずれ使う、というか使わせる予定です。
さて、次回はいよいよ、反董卓連合が本格的に組まれ戦が始まります。
どうなっていくのかはお楽しみに!
P.S DMC恒例のあの行事はやっぱりやりたいんですが、どこで入れれば良いのか……。
説明 | ||
この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二女創作です。 作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。 なお、今回は少々長めとなっております。 |
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