真恋姫†無双 優しき君主と神童と呼ばれていた男 第八幕 |
龍也の自室…そこでは龍也が思い詰めた表情で仰向けに寝転んでいた。
龍也「……」
そんな無言な部屋の中外では慌ただしくなっていることに気がつく。
龍也「…外が騒がしいな… 」
そう思ってるのも束の間、ドアがノックされる。
董卓「龍也さん起きておられますか?」
ノックしたのは董卓で龍也は起きていると返事をして董卓は部屋のなかに入ってくる。
龍也「董卓さん、どうされたんですか?」
龍也は先程までの思い詰めた表情を隠すように平然と装う。
董卓「先程、賊の大部隊がこちらに押し寄せているという報が届きました」
龍也「!?」
董卓「詠ちゃん達に伝令を向かわせましたが間に合いません、ですからどうか龍也さんのお力を…!」
龍也「…俺には無理だ…」
董卓が助力を求めるが龍也の口から帰ってきたのは拒否だった。
龍也が拒否する理由…それは桃華を失った過去によるものだからだ。
董卓「…桃華さんのことですか?」
董卓から予想もしない言葉が出たことにより龍也は驚愕する。
龍也「どうしてそれを…いや、美咲から聞いたんだな」
取り乱した龍也だったが美咲が話したと思い納得する。
龍也「なら、わかるだろ?俺には無理なんだ…」
董卓「そんなことありません、龍也さんなら絶対に出来ます」
龍也「何処からそんな根拠が…」
董卓「龍也さんは目の前の危険にさらされている人達を見殺しにする人じゃありません、それなら霞さんの時だって助言して指揮をしてくださったじゃないですか」
龍也「それは…」
董卓「どんな天才でも失敗するのは当たり前です…だから過去に縛られないでください…」
龍也「本当に許されていいのか?」
董卓「桃華さんもきっと許してくれます」
龍也「また、詰めが甘くて誰かを失うかもしれませんよ」
董卓「そうしないためにみんなで努力します」
龍也「辛さのあまり逃げるかもしれないぞ」
董卓「辛いんだったら泣いてください私の胸を貸しますから」
龍也「本気ですか?」
董卓「本気です」
龍也「……」
董卓「……」
龍也「…くっ…くくく…」
無言であった中、龍也は笑いを堪えようとしていたが堪えきれなかった。
董卓「どうして、笑うんですか〜!」
龍也「すみません…でも笑ったら、色々とスッキリしました、ありがとうございます、董卓さん」
董卓「…月(ゆえ)です…」
龍也「へ?」
董卓「私の真名です、これからは私のことを真名で読んでください、それと敬語も」
龍也「え、えっと…ゆ、月…これでいいのか?」
月「はい」
龍也「月、早速で悪いんだけど、美咲達は…」
月「美咲さん達は既に謁見の間で待っています」
龍也「わかったそらじゃあ行こう、月」
過去から解き放たれた神童は守るべきものの為に優しき君主と共に友が待つ所へ行く。
説明 | ||
押し寄せる賊の大部隊の前に董卓は龍也の部屋へと訪れる | ||
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