真・金姫†無双 #50 |
#50
雪蓮ちゃんからの情報を受け、俺は再度店へと戻る。
「今度は取り乱さないでくださいよ」
「わーってるって」
「でも、なんだか凄いお店でしたね」
「俺もそう思う…」
引き連れるのは、月ちゃんと波才。詠たんねねたんは軍師として(詠たんに関しては名前を変える予定)、恋たんは武将として城に残った。ま、それも月ちゃん達を助ける条件だったし。
月ちゃん? この娘はもう表には出られないからな。ウチで働いてもらう事にしたよ。波才とも仲がいいし、大丈夫だろ。
「――という訳で戻ってきたわけだが」
「へぅ…やっぱりすごい外観です……」
「っすね」
やはりアレは幻覚ではなかったようだ。白とピンクの建物。ポップな看板。扉を開ければ――――
「お帰りなさいませ、ご主人様! ……って、お兄ちゃんだ!」
――――やっぱりメイド服の天和。
「一刀さん!」
「おにぃちゃん!」
そして立ち上がる元祖妹たち。よかった。この2人は以前と変わらぬ服装だ。
「亞莎ぇっ、雛里ぃ!」
「おにぃちゃん! おにいちゃぁん!」
「一刀さぁああん!」
駆け寄ってきた妹たちを抱き締める。
あぁ…俺は帰ってきたんだな……。
2人の抱き心地を再認識していれば。
「えぐっ、あぅ……」
「ひっく、うぅぅ……」
「……っ」
啜り泣く声。
「……えっ?」
「お兄ちゃん、私たちじゃ、駄目なの?」
「あ゙にぎぃ……」
「兄さん、ぃやだ……」
そこには、涙を瞳に溢れさせたメイド服の三姉妹。
「……亞莎、雛里」
「はい」
「うん…」
俺の呼びかけに、亞莎と雛里は俺から離れる。俺は、1歩前に出た。
「……ごめんな、天和、地和、人和」
「「「……」」」
「あまりに驚きだったから、どう反応すればいいか分かんなかったんだ」
「お兄ちゃん…」
「どんな場所で働いてても、どんな格好でも、お前達だって俺の妹だもんな」
「あにきぃ…」
「おいで」
「兄さんっ」
俺の胸に飛び込んでくる天和達。この抱き心地だって、忘れるはずもない。
「……ただいま、みんな」
「うん…」
「会いたかったんだから……」
「おかえりなさい」
…………可愛いなぁ、もぅ。
「感動的っすねぇ」
「そうですねぇ」
波才と月たんは波長が合うようだ。
帰還したばかりだが、寂しくさせた詫びとして、俺が人数分の茶を淹れる。
「おにぃちゃんのお茶、久しぶりだね、亞莎お姉ちゃん」
「そうだね、雛里ちゃん」
天和とかぶるので、ロリぃな雛里の呼称は『おにぃちゃん』に。
「やっぱりお兄ちゃんにはまだまだ敵わないなぁ」
「兄貴の味がするー」
「おいし…」
天和は『お兄ちゃん』で。というか地和、発言がエロイ。
「わぁ、向こうとは味が違います」
「茶葉の違いっすかね」
月ちゃん達もまったり。
「――さて」
全員が落ち着いたところで、俺は切り出す。
「なんで、店がこんな風になってるんだ?」
俺の問いに天和たち3人は顔を見合わせ、代表して人和が口を開いた。
「まず、兄さんが一番心配してるだろう事から解決していくけど」
流石は人和たん。不安要素を解消してくれるらしい。
「このお店は期間限定だから」
「……そなの?」
俺が疑問符を浮かべていると、天和が口を開いた。困ったような、哀しげな瞳で。
「うん、お姉ちゃんも料理頑張ってたし、地和ちゃんや人和ちゃんも歌とか給仕とか頑張ってたんだけど……」
「何かあったのか?」
「うん…」
見た目の通り、何やら懸念事項があるようだ。
「反董卓連合から帰ってきてからなんだけど、お店を休業している間に新しいお店が開いたの」
「新しい店?」
「うん」
はて、ここのメニューやらレシピやらは周りにバレる訳もないし、そこらの飯屋に客を盗られそうになるもんだろうか。
「ちぃ達が定期的に歌を聴かせてたじゃない?」
「だな」
地和たんもようやく言葉を発する。
「それを真似てか分からないんだけど、踊りを披露するお店が出来たの。そこにお客をとられちゃって」
「マジか。……ん? でも踊りくらいなら負けるとは思えないんだけど」
「それが……」
口籠る地和たん。天和と人和は静かにしてるし、この2人だと口にし辛いことなのかも。
「その踊り子なんだけど、どうも雛里くらいの年頃らしいの」
「oh……」
世は〇リコンばかりなり。
要するに、だ。
「うちの3姉妹はかなりの美処女だが――」
「いやーん、美少女だってー!」
「ふんっ、当然じゃない!
「兄さんに言われると恥ずかしい……」
テレテレしつつ話の腰を折る妹たち。
「はゃ…一刀さん……」
「おにぃちゃん……」
おっと、こっちの妹たちはじぇらしぃ。
「なに泣きそうになってんだ。お前らだって可愛いんだから自信を持て」
「はやっ!」
「あわわ…」
相変わらず耐性がない。が、話が進まないので放置。
「敵情視察には行ったのか?」
「うぅん、お店も2人じゃ回せないし」
そりゃそうだ。
「要するに、客をとられそうになったから新しい((目玉|アイデア))を考え、その結果が今の恰好な訳だ」
「うん」
理解した。そうと分かれば話は早い。
「んじゃ、今日は臨時休業。敵情視察にでも行くとするか」
「お兄ちゃん、食材を準備しちゃってるんだけど……」
「そうか、うーん…ま、夜でも大丈夫だろ」
火も通すし。
「さて、ロリータに会いにレッツゴーだ」
タイトルを変えろとの※が多いので、商売に走ってみたり。
あとがき
という訳で、#50でした。
最近、「タイトル変えろや、ハゲ」という※が多いので、
変えないべく商売な感じに走ったり。
来週後半は出張で、再来週はタイに旅行に行くので投稿できないんだぜ。
また待っていただければ幸いです。
ではまた次回。
バイバイ。
説明 | ||
なんとか#50までやって来た。 ……まだ連合しか終わってねーじゃねぇか。 どぞ。 |
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