超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST
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ゲイムキャラの協力を得たこと、転送装置の使用許可を得る為に教会に着たシンヤ達を、ケイが若干驚いたような表情で出迎えた。

「やあ、お疲れ様。驚いたよ。まさかあの頑固者の協力をとりつけてくるなんてね」

 

「…一応報告に来てるんだから、先に言うのはやめてくれないかしらね」

すでに協力を得られた事を知っていたようで、労いの言葉がかけられ、アイエフは少し怒ったように返事をした。

 

「それで、解析は終わりましたか? 多分終わったと思うんですが」

 

「ああ、すでに解析は終わっている……だが、未だに信じられないね。あんな生物が存在するなんて」

とても信じられない、と言った様子でケイは言う。それはシンヤも同じだった。

 

「同感ですが、そのアラガミのデータを解析してしまったんです、認めるしかないでしょう。それにゲイムキャラの協力を得られた事を知っているのなら虎の様なモンスターも見ている筈だ。あれがアラガミです」

実際に目撃し報告したのは武装した教会の職員だが、その職員もとても信じられないといった表情を浮かべていた。

 

「そうか、あれがアラガミというものか……。分かった、確かに情報を提供してもらえたしアラガミの存在も確認できた。これからは自由に転送装置を使ってくれても構わない」

 

「本当ですか? 感謝します」

と頭を下げ、早速神機を転送しようと転送装置がある部屋に向かおうとした時、ケイの懐から音楽が聞こえてきた。恐らく通信端末の着信音だろう。しかしケイの顔色が少し変わった。

 

「失礼」

ケイは軽く謝り通話に出る。

 

「一体どうしたんだ、緊急時の回線を使って……新種のモンスター?それなら態々報告してこなくても……何? 攻撃が効かない?」

そして直後、ケイとシンヤの顔色が変わった。

 

「一体「ちょっと変われ」あ、ちょっと!」

シンヤは無理やりケイから通信端末を奪い取り代わりに通話に出る。

 

「攻撃が効かないというのはどういう事だ、説明しろ」

 

『だ、誰だお前は!?』

 

「いいから、さっさと話せ」

途中で割り込んできたシンヤに教会の職員は怒鳴るが、それを無視し少し威圧を含んだ声で状況を話すように命じる。

 

『う……わ、分かった。攻撃が効かないというのは言葉道理の意味だ。いくら弾を撃ち込んでも弾かれてしまって、ロケットランチャーを撃ち込んでも無傷だったんだ。それに奴からの攻撃で、警備部隊も壊滅状態……しかも街に向かって今も進行しているんだ!」

 

「……(アラガミか……少しマズイな)場所は何処だ?」

街に進行している、と聞いて少し焦りながらアラガミの出現場所を聞く。

 

『え?』

 

「そのモンスターの出現場所を教えろ。今から倒しに行く」

 

『な、何を言っているんだ!? 攻撃が効かない相手を倒せる訳「俺なら確実に倒せる。さっさと教えないと、街の人間が犠牲になってしまう。それでもいいのか?」なっ……』

軽く脅しをかけると、ようやく素直に教えてくれた。

 

『わ、分かった。場所はリビートリゾートの入り口近くに居る。倒せると言ったな、なら早く来て……な!? ユ、ユニ様!? 何故ここに!? だ、ダメです!? そいつには攻撃が―――――』

次の瞬間、何かが爆発したような凄まじい轟音が響き、通信が途切れた。

 

「おい!? ……クソッ」

毒づきながら通信を切り、ケイに返す。

 

「……彼は何と言っていた?」

 

「リビートリゾートにアラガミが出現した。今も街に進行中。防衛部隊は壊滅した。そして、最後に聞こえたが……ユニもそこに居るらしい」

 

「ユニちゃんが!?」

 

「姿が見えないと思ったら、そんな所に……」

ユニが居ると聞いて動揺を隠せないようだ。

 

「だから今からアラガミを討伐しに行って来る!」

そんなネプギア達をよそに神機を肩に担ぎ、教会からリビートリゾートに向かう。

 

(ユニ……無事でいろよ!)

そう心の中で祈りながら。

 

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そしてリビートリゾート入り口付近。強制活性剤などを使い強制的にバーストを発動させ、ここまで全速力で駆けてきたので10分も掛からず到着した。途中ザイゴートの堕天種が2体ほど襲ってきたが速攻で撃退し捕食。そのうち一体を生きたまま捕食したのでバースト時間が延長。丁度バーストが切れていたので「いい補給になった」と感謝の念がまったく感じられない感謝をしながら全力で駈けて来たので10分も掛からなかったという訳だ。

 

そして、入口付近に到着したシンヤが目にした物は、半壊し、炎に包まれたリビートリゾートの姿だった。そのすぐ近くには警備部隊の車両と思わしきものと、通信機器が壊れた状態で置いてあった。その近くに一つの死体がバラバラになって転がっていた。恐らく、シンヤの通信相手だったであろう教会の職員の死体だろう。

 

(……通信の最後に爆発音が聞こえてたから、恐らくそれに当たって亡くなったのだろう。爆発物と言うと、代表的なのはクアドリガ種か)

職員の死体を確認した直後、近くから銃声と爆発音、そして悲鳴が聞こえてきた。悲鳴のした方向を見ると、そこには巨大なアラガミの姿があった。そして先程のシンヤの予想は当たっていた。そのアラガミはクアドリガ種だったからだ。しかし、それは無表情な顔に冠を付け、顔の横には四対八枚の放熱板。黄土色の前面装甲に笑みを浮かべた顔を付けたアラガミ。その名は……

 

「ポセイドン!?」

ギリシア神話の海を司る神の名を冠した第二種接触禁忌種のアラガミの一体だ。非常なまでの火力を誇り、ひとたび力を解放すれば周囲は瞬く間に焦土と化すと言われている。

そんな相手に対し、ユニは戦っていたのだ。女神と言えど、無事ではないだろう。

そんな事を考えていると、ポセイドンがゆっくりと歩き始めた。その先に居るであろうユニを捕食するために。

 

「させるか……!」

ユニを助けるべく走り出すシンヤ。だが、ポセイドンが居る場所に通じる道は壊れてしまっている。だが幸いにもバーストが発動しているのでその程度の欠落など助走を付けたジャンプで一気に反対側に跳び移る。その途中神機を銃形態に変形させており、着地と同時にポセイドンの顔面にバレットを放つ。そのまま綺麗に顔面にヒットし小規模な爆発を起こす。

 

「ウォオオオオオオオン!?」

ユニに気を取られていたのか、予想外の攻撃に絶叫するポセイドン。その姿を確認すると倒れているユニ……いやブラックシスターの元へ向かう。

 

「ユニ!」

 

「え……シン、ヤ……?」

弱弱しい声で話すブラックシスターの体はボロボロだった。ポセイドンの攻撃により腕や足のあちこちに軽い火傷や擦り傷が出来、そこから血が流れ落ちている。幸い体には大きな傷は無いようだ。

 

「……とりあえずお前を向こう側に移す。ちょっと我慢しろよ」

 

「え……? きゃあああ!?」

そう言うとシンヤはブラックシスターの体を抱きかかえ、助走を付けて反対側に移る。いきなりの事に驚くユニだが今はそんな事を気にしている暇はない。着地と同時に脚を動かし警備部隊の車両の影に向かって走り身を隠す。

 

「……大丈夫か?」

 

「え、えぇ。大丈夫よ……」

心なしか、ユニの顔が赤く染まっているように見える。どこか具合でも悪いのかと思ったが、それどころでは無くなった。ポセイドンがシンヤ達を見失ったらしい。逃げた獲物を探しているらしく、辺りを見渡している。

 

「(……俺達を探している、か)ユニ」

 

「な、何?」

 

「俺は今からアイツを討伐しに行って来る。お前はここでじっとしてろ。その怪我じゃ、まともに動けないだろ」

 

「…………」

シンヤの言葉に不満もあったが、どれも正論な為、言い返せなかった。と言うより、アラガミを倒せるのは同じアラガミかゴッドイーターだけなので、例えユニが万全な状態でも戦いに参戦させる事は無いのだが。

 

「だからこれでも飲んで待ってろ」

と手にシンヤのポーチから赤い色の丸薬を二つ渡された。

 

「回復錠改だ。それを飲めば体力も大分回復するだろう。……じゃあ、行って来る」

そう言い残しシンヤはポセイドンが居る場所に跳び移る。それと同時にバーストが解除されてしまう。そんなシンヤをポセイドンが発見したらしく、咆哮を上げる。

 

「さて、始めるか」

そう言うとシンヤはポセイドンに向かい走り出し、ポセイドンもそれに応えるべく咆哮を上げた。

 

説明
第十三話 戦慄の巨人(前篇)
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