魔法少女リリカルなのは〜多分管理局全体を敵に回しても余裕で勝てる転生者 その3〜
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「こ、ここは何処なんでしょう……」

 

 

 

日は完全に沈み、辺り一面真っ暗となった道を歩く一人の少女。

周りは草木が生い茂り、上を見上げても生えている樹木によって空を拝むことができない。

 

 

 

「どうしよう……。魔力切れで空も飛べないし、皆さんと連絡も取れない……」

 

 

 

今にも泣きそうな少女。

その声は震え、体はそれ以上に震えている。

別に気温が低くて寒い、というわけではない。

 

今の季節は麗らかな春。

寧ろ暖かいくらいなのだ。

それなのに体が震えているということは、それだけ少女が今の状況に恐怖しているということに他ならない。

 

時折少女の腹部から空腹を知らせる音が鳴る。

一体彼女はどれだけの時間、この鬱蒼とした場所で彷徨っているのだろうか。

 

 

 

「うぅ……。おなか、減ったよぅ……」

 

 

 

腹部に手を当て力なく呟く。

空腹すぎて腹痛を起こし始めたのか、少女の足取りは今までよりも更に重くなる。

 

その姿はあまりにも痛ましく……って

 

 

 

「もう限界じゃぁぁぁああ!!何が悲しゅうてこんな可哀想な女の子の姿をナレーションせんにゃならんのじゃぁぁぁああ!!」

 

「えッ!?キャッ!?だ、誰ですかぁッ!?」

 

 

 

※ナレーターの我慢が限界突破しました。しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

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皆さんどうも今晩は。由崎安野、23歳男です。

 

まさか半年ぶりに出てきて、あんな原稿読まされるとは……。

もう、僕のハートはガラス細工並に繊細なんだから、あんな文章読ませないでよ!

 

 

 

「……あの、さっきから誰に向かって話しかけているんですか?」

 

「ん?ああ、ごめん。ちょっと作者に向かってクレームをね」

 

「え?作者?」

 

「いや、こっちの話」

 

 

 

あんまりメタな発言はしない方がいいかもしれないね。

 

 

 

「それよりまだ自己紹介してなかったね。僕の名前は由崎安野。君は?」

 

「あ、えっと、私はユーリです。ユーリ・エーベルヴァインです」

 

 

 

はい。

ということで、ユーリちゃん登場です。

スキルの確認をしてる時に、どこからか○スミスボイスが聴こえてきたから、辺りを探してみればこの子がいたってわけ。

 

 

 

「ユーリちゃんね。宜しく」

 

 

 

この子のことはPSPのリリなのGODである程度知ってるけど、今僕が彼女のことを知っていたら変に警戒されるだろうから、勿論のこと初対面の様に振舞う。

 

まあ初対面なのは間違いないしね。

 

そういえばA's編終了しちゃってるのかな?

GODはA's編の後のお話で、ユーリちゃんが出てくるのはGODだけだから、必然的にA's編がもう終わってるってことになる。

 

もしもA's編が本当に終わってたらどうしよう……。

折角『大嘘憑き《オールフィクション》』があるんだし、アリシアちゃんの事故を無かったことにしたりして救いたいしなぁ……。

 

 

まあ最悪の場合、『時系列崩壊道中膝栗毛《エブリタイムスリップエブリディドリーム》』を使って無印の時間軸まで飛ぼう。

 

 

とりあえず、どうしてユーリちゃんがここにいるのか聞いておこうか。

確かGODにはこんな鬱蒼とした森林の描写は無かったはずだし、ユーリちゃん自身もこんなに弱弱しくなかった。

 

 

むしろ強かった。

だいぶ強かったですよホント。

 

 

防御が硬い、というより皮膚が硬いんじゃないだろうかってくらいにHPが全然減らなかったのを覚えてるよ……。

通常攻撃じゃ少しもダメージ与えられないから、一生懸命投げ技でゴリゴリ減らして、半分以上ゲージが減ったところで必殺技。

シグナムさん使って倒したけど、50〜60回くらいはコンテニューしたなあ……。

 

そんな若干トラウマになりかけるほどに強い筈の子が、なんでこんなところで彷徨っているのか。

 

うーん、気になる。

 

 

 

「単刀直入に聞くけど、どうしてユーリちゃんはこんなトコで彷徨ってたの?」

 

「あ、あの……、それは……」

 

 

 

何故か言い淀むユーリちゃん。

 

……いや、何故かじゃないな。

全身黒尽くめで見た目殺し屋にしか見えないとはいえ、一般人に対して魔法のことを教えてもいいのか迷ってるんだろう。

 

別にこっちは魔法に関しては一応知っているから、話してくれても問題ないんだけどなあ。

 

しかしここで「もしかして魔法絡み?」とかって切り出すと、それはそれで警戒されそうな気がするしなあ……。

 

 

 

ぐぅ〜……

そんなことを考えていると、ユーリちゃんの可愛い腹の虫が鳴った。

 

 

 

「う、うぅ……//////」

 

「ああ、そういえばお腹空いてたんだっけ?」

 

「は、はい……、ペコペコです……」

 

 

 

腹の虫が鳴ったかと思うと、腹部を押さえ、恥ずかしそうに笑うユーリちゃん。

だけどその笑顔は少し引き攣っていて、それが空腹の痛みから来るものだとすぐに分かった。

 

空腹時のあの腹痛ってキツいよね……。

昔5つのバイト掛け持ちしてた時に3日間水しか飲まずに生活してたけど、あの時はホント死ぬかと思ったし。

 

ちなみにその後、当たり前のごとく救急車に運ばれました。マル。

 

 

流石にこんな小さい子に、僕が味わった苦痛を味あわせるわけにはいかない。

けど、僕の手元に食べ物は無いし、周りに果物なんて実ってない。

 

じゃあどうするか。

無いなら作ればいいじゃない!

 

 

 

「っていうことで、『控え目に描いた勿論《ドローイングオフコース》』!!」

 

 

 

僕が一つのスキルを発動させると、さっきまで何も持っていなかった僕の手にはいつの間にか一房のバナナが存在していた。

 

物質具現化のスキルであるこの『控え目に描いた勿論《ドローイングオフコース》』は、こういった食べ物も具現化できる。

スキルのチェックしておいて良かった。

 

本来なら具現化する物の情報をしっかり頭に入れておく必要があるんだけど、そこは記憶のスキルである『記憶操失《メモリーソート》』があれば無問題だ。

 

ユーリちゃんもこれには驚いたようで、目を見開いてバナナを見てる。

お腹空いてるからガン見してるだけかもしれないけど。

 

 

 

「た、食べ物……!!」

 

「うん、心配しなくてもちゃんとあげるから落ち着いて」

 

「は、はい……//////」

 

「バナナだけだと物足りないかな?それじゃあもっとバリエーション豊かに……」

 

 

 

バナナの他にもリンゴ、オレンジ、メロンなど、様々な果物を具現化していく。

 

あ、ちゃんと皮を剥くためにナイフも具現化……。

いや、ナイフは『見囮刀《ソードルックス》』で作った方がいいか。

 

お皿も用意して、そこに皮を剥いた果物を並べていく。

まあ並べていくと言っても、並べた端からユーリちゃんが食べていくんだけどさ。

 

 

 

「お、おいしい……!!すごく、おいしいです……!!」

 

「そっか。それは良かった」

 

 

 

今ここに出ている果物は、全部僕の記憶の中にある果物の情報を元にして具現化されたものばかりだ。

勿論、味や匂いも一緒に具現化される。

 

要するに『具現化した果物の味=僕が今まで食べてきた果物の味』ということになる。

ここまでユーリちゃんに喜んでもらえるということは、生前の僕は中々良いもの食べていたみたいだね。

 

生前は色々な飲食店でバイトしてたからねえ……。

それなりに食材とか料理にはうるさかったりする。

 

 

 

「はむッ!んぐんぐ……ッ!!けほッけほッ」

 

「そんなに一気に口の中に突っ込むから……。はい。お水」

 

 

 

水を司るスキル、『水肢体《ウォーターボディスラム》』を使って飲料水を用意し、それをコップに注いでユーリちゃんに差し出す。

ユーリちゃんはコップを受け取り、すぐさま口へ運ぶ。

 

 

 

「んぐッ……んぐッ……んぐッ……ぷはぁッ!」

 

「うん、良い飲みっぷりだ」

 

 

 

次からはちゃんと噛んで、ゆっくり食べようね、とユーリちゃんに注意しつつ、僕は果物の皮を剥いていった。

 

 

 

 

 

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(ユーリちゃんの)食事が終わり、(ユーリちゃんの)空腹が収まった頃

 

 

 

「あの、本当にありがとうございます!おいしかったです!」

 

 

 

ユーリちゃんが凄く幸せそうな表情でお礼を言って来た。

 

 

 

「うん、それは良かった。まだまだ出せるから、欲しかったら言ってね」

 

 

 

少女の幸せそうな顔を見れただけでも、スキルを使った甲斐があったね。

 

『控え目に描いた勿論《ドローイングオフコース》』様々だね!

このスキル便利すぎ!

 

 

でもまあ、万能ってわけじゃないんだよ。このスキル。

 

さっきも触れたように、このスキルは僕の記憶にあるものを具現化できる。

しかし逆を言えば、記憶に無いものは具現化できないんだ。

今回具現化した果物だって、『味』『形』『色』『匂い』『食感』『重さ』等の情報で作ったものだけど、一番重要な『栄養素』は具現化できてない。

はっきし言って、お腹が膨れておいしい思いをしただけだ。

 

一度勉強してしまえば『記憶操失《メモリーソート》』で即記憶してしまえるから今後は問題ないとしても、勉強していない物を具現化しようとするのはやめた方がいいかも。

 

 

それと、人間や動物を具現化することは『基本』できない。

 

人間は生命に対して無知すぎる。

生命は人間にとって未知すぎる。

 

知らない物を具現化しようなんて、土台無理な話だね。

 

 

でも今言ったように、これはあくまで『基本』だ。

実は『あること』をすれば、この『控え目に描いた勿論《ドローイングオフコース》』で人間や動物を具現化させることができる。

 

 

まあやるつもりはないけどね!

そんなことできたらチートどころじゃ済まないし!

 

 

 

「あの、ところでさっきから気になっていたんですけど……」

 

 

 

さっきまでの緩んだ笑顔を真剣な表情に変えて、ユーリちゃんが話を切り出してきた。

一瞬なんのことかと思案したけど、そういえば僕、ユーリちゃんの目の前で思いっきりスキル使っちゃってたね。

多分そのことについて聞きたいんだろう。

 

 

 

「多分だけど、さっき僕が使ったスキルのこと?」

 

「あ、確かにそれも聞きたいことの一つなんですけど……」

 

 

 

ん?あれ?

てっきりスキルのことだけかと思ってたんだけど、まだ他にも聞きたいことあったの?

 

 

スキル以上に聞きたいこと、ねえ……。

あ、何か嫌な予感がする……。

 

 

 

「さっきから男性の様な喋り方ですけど、あんのさんって男性なんですか?」

 

 

 

……………………。

……………………。

……………………。

……え?

 

 

 

「凄くお綺麗なお顔なのに、喋り方がちょっと合ってない様な気がしたので……。でもやっぱり女性の方なんですよね?」

 

 

 

……………………。

……………………。

……………………。

……ん?

 

 

 

「ちょっと待っててね。『控え目に描いた勿論《ドローイングオフコース》』」

 

 

 

僕は素早くスキル使い、手鏡を具現化して覗き込む。

 

 

 

……………………。

……………………。

……………………。

……ほう。

 

 

 

するとそこには一人の綺麗な女性が映っていた。

 

 

っていうか、安心院さんが映っていた。

 

 

 

 

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はい、皆様お久しぶりでゴメンナサイ。

半年以上も失踪しておりました。

いや、普通にTINAMIで他作者さんの作品見てましたけど。毎日のごとく。

 

いやぁ、大分難産でした。

仕事が忙しいとか家庭の事情とか色々理由はあったりするんですけど、一番の理由はやっぱり、『話が上手く纏められない』ってことでしたね……。

 

「そろそろ原作キャラだそうか」とか、「もうこのタイミングで女神さまからデバイス渡してもらうか」とか、本当に色々考えていたんです!

 

でも纏められなかったら意味ないですよねゴメンナサイスミマセン……。

 

これからはなるべく書けるように努力しますが、何分文章を纏めるスキルを僕は持っていないようなので……。

 

でも流石にまた半年以上も時間掛かるなんてことはないでしょう。

 

……あれ、これってフラグ?

 

 

こんな能無しですが、宜しければこれからも宜しくしていただけると幸いです。

 

 

じゃあちょっと私は主人公に『痛い系《パッチテスト》』(ダメージを与えず痛みだけを与えるスキル)でボコにしてもらいに行くのでノシ

 

 

 

 

 

説明
※この作品の主人公はガチート、バグキャラです。
※この作品の主人公の口調は基本標準語ですが、時々広島弁が混じります。
※この作品の主人公は男の娘にも女の子にもなれます。

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コメント
続きが楽しみです!(ya)
待ってました!続きを楽しみにしてます!(biohaza-d)
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