あの後、女神さまとこんな会話（？）をした。

「女神さま、女神さま。なんで僕の顔が安心院さんになってるの？辺りが暗かったからわからなかったけど、なんか体付きも女性っぽくなってるし、その癖胸はないし、付いてるものは付いてたし、なんか元より大分大きかったし。どういうこと？」

『ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメ―――』

「はいストップ。L5発症だけはやめてね」

『うぅ、実は貴方に転生特典として『スキル』を与えた際に、安心院なじみの使う『スキル』が多すぎたせいか、何故か貴方の容姿が安心院なじみの様に……』

「ああ……、なるほど。でも容姿が安心院さんみたいになったって言うんなら、体も女性になるんじゃないの？胸とか」

『そこは私頑張りました！女神さま頑張りましたよ！でもどう頑張っても体を元の様なムキムキにはできませんでした……』

「いや、別にムキムキだった覚えはないけど……。確かに体脂肪率５％を維持するために、毎日筋トレしてたけどさ」

『本当にゴメンナサイ。良ければ何かお要望があれば、お伺いしますよ？』

「それって、更に『特典』を付けてくれるってこと？いやいや、いいよ。流石にスキル１００個も貰ってるし」

『いえ、それでは私の気がすみません！どうぞ、何でも言って下さい！何でもしますから！』

「ん？今何でもするって言ったよね？」

『え、はい。何でもします……ハッ！エ、エッチなのは駄目ですからね！！女神さま、まだ純潔守ってるんですから！！』

「因みに何年？」

『人間換算で８９３年です』

「その数字は今度から伏せようか。ていうか女神さま達ってそんなに身持ち固いの？」

『いえ、大体は２０歳前後で結婚しますし、初体験も１０代だって方は多いですね。人間と同じです』

「じゃあ貴女はただの行き遅れなんですね」

『orz』

「あはは。まあまあ、冗談ですから。それじゃあさっき言ってたご要望なんだけど」

『あ、はい。何がいいですか？『波紋』を使えるようにしてくれでも、『Fate』に出てくる全サーヴァントのスキルや宝具が欲しいでも、なんでもいいですよ！』

「じゃあ女神さまと会話ができる電話が欲しい」

『……え？今こうしてお話してるじゃないですか』

「いや、これ面倒くさいんだよ。いちいち封筒から紙を取り出して、それに対して返答して、また封筒から紙を取り出して。電話があるなら電話がいいよ」

『そうですね……。あ、そうだ！それならデバイスをプレゼントってことでどうですか？私と会話ができる機能とデバイス同士での通信機能はもちろん、普通の電話機にも通信できるように作りますから！』

「ほう、それはいいね。丁度スマホも無くなってることだし、それを貰おうかな」

『了解です！型としてはユニゾンデバイスになりますので、お楽しみにしていてください！』

「『お楽しみにしていてください』が正しい日本語なのかはさておいて、もうひとつ聞きたいことがあるんだけど、いい？」

『はい、いいですよ〜。何が聞きたいんですか？』

「僕、目覚めたとき何も持ってなかったんだけど、財布とか保険証とかは用意されてないの？」

『あ』

「……忘れてたんだね」

『ゴ、ゴメンナサイ！すぐ用意しますから！』

「うん、お願いね。なるべく早く」

『あ』

「……今度は何？」

『……ゴメンナサイ、貴方の戸籍自体作ってな―――』

「うん、聞かなかったことにしてあげるから、早く作ろうか」

『ハ、ハイ！！じゃあ、一旦失礼します！！』

「うん、急いでね」

そんな感じで、僕の容姿が安心院さんな理由を女神さまに教えてもらった。

ついでにデバイスとか戸籍とかいろいろ用意してもらうことに。

因みにこの会話の後、ユーリちゃんに物凄い心配された。

主に頭を。