一刀の晋王転生録 第四章拠点・闇那
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  拠点、闇那

   「私にも撫で撫でを」

 

 

「闇那、すまないがこれについて至急調べてほしい」

 

「はい、畏まりました! あっという間に終わらせて見せます!」

 

 一刀から任務を受けた闇那はすぐさま現地を向かっていった。

 

 そんな彼女の様子を見て、彼は僅かに首を傾げる。

 

(何か、いつもより気合入っていたみたいだなぁ)

 

 それにはとある理由があった。

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 彼女は羨ましかった。あの孤児院の子供達が。

 

 子供達を優しい瞳で見つめる一刀の姿が、今でもあの光景が頭の中から離れない。

 

(羨ましい……羨ましい!)

 

 何度も思い出しては、悶々とする日々。ついに彼女は決意した。

 

(私も……一刀様に撫で撫でしてもらうのです!)

 

 彼女は走る速度を速める。だがその表情はだらしなく、にやにやしたもので、何とも締まらなかった。

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 そんな彼女の仕事は今まで以上に早いものだった。

 

 だからと言って彼女に手抜かりなどは無い。彼女にとって一刀の依頼は命を掛けて果たさなければならない物。

 

 一刀の気になるところを一切の漏れは無く、隅々まで調べつくし、それに関わる人物も徹底的に調べた。

 

(これだけでは足りません、まだまだ調べないと。それも徹底的に! そして早く!)

 

 そしていつも以上の成果を上げるため、確認も怠らない。

 

 すべては一刀に頭を撫でて貰うために。

 

 ……その動機はいささか不純かも知れないが……。

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 数日後、闇那は一刀に報告書を持ってくる。

 

「よくやった。内容もかなり良い物だし、早く来てくれたから対処する時間も余裕が持てる」

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

「言葉だけじゃこの成果に対して報いることは出来ないなぁ、俺に何か闇那に出来る事は無いかな?」

 

(!? き、来た!)

 

 闇那は深呼吸して、自分の兼ねてからの望みを言った。

 

「わ、私の頭を撫で撫でしてください!」

 

 一刀は呆気に取られる。

 

「え、えっとそんなので良いのかな?」

 

「そんなのではありません! 是非! お願いします!」

 

 彼女の力強い発言に一刀は若干引くが、すぐに微笑みの表情をする。

 

「分かったよ」

 

 一刀は闇那の頭を撫でる。

 

 闇那は気持ちよさそうに一刀の手の感触を楽しむ。

 

 ――しばらくしてそれが終わり、闇那は実に幸せそうに顔を緩ませていた。

 

「一刀様、ありがとうございます! では私はこれで!」

 

 彼女は疾風の如く、一刀から離れていった。

 

 そんな彼女を見つめながら一刀はまた撫でて見るかと呟いた。

説明
投降分その四。
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コメント
賈充とは思えないぐらい可愛い(ohatiyo)
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