忍殺風東方合同寄稿「シンレイビョー・ヘル・オン・アース」プレビュー |
あらすじ
ヨウカイスレイヤーとセンニン集団ショートク・シャドーギルドとの戦いは熾烈を極めていた。ゲンソウキョー各地から神霊を奪い集める彼女達の目的は何か? そんな中コチヤ・サナエが道教に感化されギルドの本拠地シンレイビョーに拉致されてしまう。
奴等はリアルゴッドであるサナエの力を用いて、ギルドの総帥タイシ・オブ・ショートクの復活を目論んでいる。危険を感じたヨウカイスレイヤーは(モリヤの神々に泣きつかれて嫌々ながら)シンレイビョーへの侵入経路特定を急ぐ。メイカイアタックによりサイギョウジ・ユユコからシンレイビョーに通じるバックドアの存在を聞いた彼女は、ユユコの部下、コンパク・ヨウムをも巻き込んでシンレイビョーへの突入を敢行した。
シンレイビョーに通じる地下通路でキョンシーウォリアーを擁したタオタイドー・ダンマクを操る強敵イーブルセンニンを爆発四散させたヨウカイスレイヤー達であったが、タイシの操る「ヨクボウテンカンホー・ジツ」はなお強大であった。ニューロンに潜む欲望を書き換え増大させる恐るべきジツによりヨウカイスレイヤーは賽銭十円で神器・聖なるオンミョダマを売却してしまい、モノクロームはハッケロダンマクを知り尽くしたスタチューバーナーに完膚なきまで叩きのめされる。かくしてタイシの元に三種の神器が揃いシンレイビョーは幻想郷の空を舞う……超自然光線により欲望を吸い取られ賢者状態となる里の人間達……その最終目的はセンカイに至るゲートを開き、センニン達によるゲンソウキョーの実効支配を実現すること。
ヨウムは全ての欲望を断ち切る霊刀ロウカンを用いて、タイシ・オブ・ショートクのアンブッシュを試みるが……
――――――――
マリサは、キリサメ魔法店の室内で目覚めた。懐かしい魔法触媒で埋もれた研究室。
後はヨウカイスレイヤー=サンが巧くやるだろう。彼女はそう直感した。私の仕事はここまでだ。KNKテキーラでも飲んで寝っ転がって、キリサメ魔法店は営業終了だ。
不意に店のドアがノックされる。マリサは眉根を潜めた。リズムが聞こえる。暗号だ。知っている人間は少ない。
ままよ。マリサは鍵を開いた。パチパチと、外を照らすカンテラが明滅し、レトロ調青ローブの女を照らし出す。長身で艶のある美女。長い三角帽子で目元は見えない。
「なんであんたが帰って来るんだ、ミマ様」
「あたしゃここにいるよ」
マリサはしどろもどろになる。
「ウェイッ! ウェイウェイウェイ! 私はもうあんたの助けなんて……!」
「修行のやり直しだ、バカタレめ。……イヤーッ!」
ミマは有無を言わさずマリサの体を背負い投げした!
「ブッダ!?」
マリサは魔法店から放り出され虹色の空の世界をスカイダイビング姿勢で下降した!
「ウワーッ! ウワーッ! ウワーッ!」
マリサは叫び……着地する。ここはマカイ荒野だ。沈まない火の玉めいた夕陽が照りつけ、黒衣妖精が旋回する。
「オイオイオイオイ、どうなってんだ!」
黄色いキャニオンの間、地上数十メートルに長大な丸太が渡され、その上にミマとマリサは横並びに立っていた。
「ハッケロを構えろ」
ミマは有無を言わさず言い放った。そして手に三日月のスティックを構え、ハッケロダンマクの基本ムーブを繰り返した。マリサも慌ててそれに従った。
「「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」」
――――――――
「タイシ様……申し訳ありませぬ……我、我が隙を見せたばかりに我が……申し訳ありませぬ……」
タタミを汚す赤い血、天井を穿つ侵入口、唸り泣くスタチューバーナー。墓標めいてヨウムの背に突き立つ霊刀。
「クルシュナイ」
タイシ・オブ・ショートクは穏やかに言った。
「今や、私のダンマク少女性は神聖不可侵だ」
内側から発せられる光は彼女の欲を断ち切る筈であったヨウムのアンブッシュを完全になかったものとした。
スタチューバーナーがサラ・ディスクを取り出す。
「この者を今すぐカイシャクさせて頂きたい」
「許可する」
タイシは興味が失せたとばかりに宙の天球儀を見上げた。スタチューバーナーが歩く。決断的に。サラ・ディスクをヨウムにギロチンめいて突き立て、首を切り取る為!
「イヤーッ!」「!」
スタチューバーナーは反射的にサラを持たぬ手をかざす。そこへ蛇が巻きついた。サナエだ!
「何をなさる。カゼハフリどの」
「私は……私は納得がゆきません。カナコ様、スワコ様まで手にかけようなど」
その目は怒りに見開かれていた。彼女の道士服に突如、鋭い風が浮かび上がった。風はタツマキめいて彼女の体の周囲を螺旋状に舞う。一瞬後それは彼女の体を包む、威厳に満ちた白と青のカゼハフリ装束となった!
「成る程。カゼハフリ自らによるダンマク」
スタチューバーナーは興味深げに言った。
「我はそれに道教の風水術を組み合わせたダンマクに習熟しておるがな」
「イヤーッ!」
サナエがオオヌサを振るうと刃めいて風弾がスタチューバーナーを襲った。
「イヤーッ!」
スタチューバーナーは弾丸の隙間に入ると、走り出した。
「マイティウインド、そしてそこからの」「イヤーッ!」
サナエがオオヌサを構え直し一点集中。
「ウィンドブラスト。セオリーよな」
スタチューバーナーの手に風が絡みつく。小竜巻で強化されたスクリューパンチ! サナエの目が燃える!
「私はカゼハフリ。同時に、モリヤを祀る者!」
「ヌゥッ!」「イヤーッ!」
サナエの眼前に五芒星が描かれる! 次の瞬間、スタチューバーナーの身体は宙を飛んでいた!
「グワーッ!」
ゴウランガ! 至近距離からのカウンター・ダンマク、グレイソーマタージ・ジツ! そして!
「Wasshoi!」
疾風怒涛の直線的突入! 瞬時にスタチューバーナーの頭上へ飛んだ紅白のミコは天地逆さになり、半回転しながら踵を叩き落とす!
「イヤーッ!」「な……これは……グワーッ!」
KRAAAAASH!
白いタタミが衝撃で跳ね飛ぶ! 紅白のミコはそのまま着地すると、電撃的にアイサツした。
「ドーモ。ヨウカイスレイヤーです。ショートク・シャドーギルド、滅すべし」
タイシ・オブ・ショートクは手を後ろで組んだまま、彼女を振り返った。
「私の復活を祝いに参ったか、愛しきマジックモンキーよ」
ロードはヨウカイスレイヤーに聖徳聖徳聖徳ヨウカイスレイヤーはドゲ聖徳聖徳聖徳ウカイスレイヤーは訝った。サナエ。スタチューバーナー。なぜ自分がここへ来たか、認識せよ。ニンジャスレイヤーはド聖徳カイスレイヤーはダンマクを構えようと聖徳聖徳聖徳聖徳ヤーはダンマクを構えた! タイシはヨウカイスレイヤーの胸に掌を当てた。
「ヤンナルネ」
ヨウカイスレイヤーの身体はくの字に吹き飛んだ。
「グワーッ!」
ヨウカイスレイヤーは、強く思い起こした。この打撃に至るまでの己の動き、その理由聖徳聖徳聖徳聖徳タイシのダンマクがヨウカイス聖徳聖徳聖徳抗え! そして抗え!
「ヨウカイスレイヤー……ヨウカイスレイヤー! ヨウカイスレイヤーッ!」
「何と」
タイシが小首を傾げた。ヨウカイスレイヤーはタタミを踏みしめ、立った。抗った。抗った!
「いじましき努力」
タイシは呟き、再び掌をヨウカイスレイヤーに0101011101
「グワーッ!?」
ロードがのけぞった! 何が起こっている? ヨウムの背中に刺さったカタナがひとりでに垂直に引き抜かれて、空中で静止した。ロウカンの刃が鳴り響く。
「グワーッ!?」「タイシ様! タイシ様ァ!」
スタチューバーナーが制御水盤に駆け込み、コマンドを入力した。焼き切られかけたタイシのニューロンが修復!
(((今ですヨウカイスレイヤー=サン!)))
ヨウカイスレイヤーのニューロンを、ヨウムの声がどよもした。
(((私がタイシのヨクボウテンカンホー・ジツを抑えます。好き勝手はさせません!)))
ロウカンが天井に登っていく。その周囲には、オバケめいた何かがまとわりついている!
考えるより速くヨウカイスレイヤーの身体が動いた! タイシ目掛けて、踏み込みながらハラエグシを叩き込む!
「イヤーッ!」「グワーッ!」
タイシが回転しながら吹き飛んで、白いタタミをウケミして着地! 二者の視線がぶつかり合った。
「異な事を」
「マイロード!」
「よい。神霊はゲート解放に回せ」
タイシは帝のマントを脱ぎ捨て、紫のダンマク少女装束となった。その周囲に、天井から天球儀が下りてくる!
「イヤーッ!」
ヨウカイスレイヤーは霊符を二枚同時投擲!
「イヤーッ!」
タイシはコマめいて回転! タツマキめいた星弾回転が霊符を相殺する! イカルガ・ホロスコープ・ジツ!
「おのれーッ!」
制御水盤を操作し終えるとスタチューバーナーはサラ・ディスク無慈悲投擲によるインターラプトを行おうとした。
「イヤーッ!」「グワーッ!?」
モリヤ! サナエは必死のウィンドブラストでスタチューバーナーを吹き飛ばす!
「私が相手です!」
「なぜ黙って死なぬ! ズンビーめがァー!」
襲い来るホロスコープ弾をヨウカイスレイヤーはハラエグシで逸らし、その勢いで回転打撃を放つ!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」
タイシは打撃を潜り、自らも回転するとホロスコープ弾も同調回転!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」
ヨウカイスレイヤーはホロスコープ弾を潜って、自らもムソー・フーイン・ジツを繰り出す!
ゴウランガ! なんたる二つの弾丸がぶつかり合い雷雨を撒き散らす荘厳かつ恐るべき天災めいたダンマク応酬! だが! ヨウカイスレイヤーの体軸がブレた! 胸の負傷が重いのだ! 一瞬の隙をついたタイシが不意に両手を構えて、ヨウカイスレイヤーに重ねた両掌を当てた!
「イヤーッ!」「グワーッ!」
ヨウカイスレイヤーはタタミ上に倒れ伏す!
「クルシュナイ」
タイシは装束を手で払い、侮蔑的に埃を払う仕草をした。
「手負いであるにも関わらず流石のダンマクであった」
「タイシ様」
スタチューバーナーの前でヤソヒラカ・ジツのダメージを堪えていたサナエが膝をつき倒れ伏した。
「スゥーッ……ハァーッ」
ヨウカイスレイヤーが起き上がる。スタチューバーナーがダンマクを構えた。
「往生際が悪いわ……」
「スゥーッ……」
スタチューバーナーが止めを刺すべく決断的にスプリントする。しかし彼女は、突然回転ジャンプを繰り出しヨウカイスレイヤーを飛び越した。
「イヤーッ!」
ヨウカイスレイヤーの目と鼻の先をマジックミサイルが通過した。スタチューバーナーは幾つかを回避し、幾つかを空中チョップで叩き壊して着地した。
「またしても下郎……」
怒りに満ちた視線の先には白黒のエントリー者がいた。
「ドーモ、スタチューバーナー=サン。モノクロームです。あンた実際、禍根を残したねェ」
――――――――
ヨウムはナメクジめいた血の筋を引きずりながらブザマに這い進み、フスマを開け放ち、最上階を脱していた。
「……ハァーッ! ……ハァーッ!」
彼女は欄干の隙間からトコロテンめいて這い出しカワラ屋根で仰向けになった。そしてオヒガンとネンリキめいた対話を行った。
(((ヨウム?)))
(((聞こえておりますよ、ユユコ様)))
(((まだ行けるわよね?)))
(((少々きついですかね)))
(((まだまだ半人前ねえ)))
クスクスと笑う声。
(((でも貴方の力はそんなものではない。サイギョウジ家の御庭番、コンパク家末裔の本領を見せて御覧なさい。というわけで、なんかディセンションめいたダンマク少女ソウルの一撃〜)))
(((え、それはどういう御都合主義「グワーーーッ!?」
説明 | ||
■ヨウカイが出て退治する!■ドーモ。こちらはニンジャスレイヤー風文体で東方プロジェクトを表現する合同誌「ZINJASLAYER http://roombutterfly.web.fc2.com/zinjaslayer/ 」に寄稿した文章のサンプルーウーである■一目でそれと判る一大エンターテインメントを追求した結果こうなったのでごあんしんください■しよう■ | ||
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