林檎の実を食べた魔女 |
「……………終わらして…、………。………この苦痛から、………解放して…………。」
ある大魔女は林檎をある魔女に差し上げました。
その林檎は大層美味で、魔女は夢中になって食べました。
だけど、その後、魔女は白雪姫の様に暗く、深い眠りについてしまいました。
『林檎の実を食べた魔女』
「……………私は、だぁれ…?」
そんな事を言った後、私の意識は徐々に薄れて行った。多分…、あの後…青で戦人は自分の正体を言ったのであろう…。
もう今、どこに居るのかわからない、もしかしたら、死んだのかもしれない。いや…、私は戦人に殺されたのだ。そして…、死んでいる筈なのだ。
だけど、暖かい『何か』に触れてるみたいで、とても心地良い…。
死への孤独さを感じない、そんな、暖かな物。
『何か』が何かは解からなかった。
だけど、安心できた。
このまま、死ねると言うなら、今の私にとって最高の幸福かもしれない。
だって…、私の罪はもっと重いはずなのだから…、この死に方が…一番幸福で……、申し訳ないぐらいだ。
師匠…、ガァプ…、ロノウェ…、七杭…、シエスタ…、山羊達・・・、いっぱい迷惑かかっちゃったなぁ…。……ごめんなさい。
真里亞…、約束を護れなくて…、ごめん…。
戦人の妹の縁寿だっけなぁ…、ごめんなさい…、もう、お前の兄はお前の場所に帰るからな…。
そして…、戦人…。お前と一緒に…、遊べて…楽しかった……。
もう、私から離れても良い…、お前は自由だ。
妹の所にで戻るが良い・・・、本当に…私の…我が儘を…聞いてくれて…………、
……ありがとう……。
一緒に……、動物園………、行きたかったなぁ………。
「……っ?!」
「おい、動くなよ?怪我してるんだから」
何故か、自分の前に居ないはずの男が、目の前に居た。しかも…、自分の怪我を手当てしているのだ…。
私は死んだはずなのだ、私は……最後の最後に…夢でも見ているのであろうか……?
「ったくよぉ…、あんな所で寝ちまうか?失血死するんじゃないかと思って部屋に連れて来たんだが…」
「何故…、こんな所に…お前が……、さっさと……見捨てれば良かったのに…」
と言うと、戦人がぷっと吹き出してから言った。
「馬鹿か、例え誰であっても、あそこで女放り出して、家に帰る男がいるか?
そんなので、家に帰っても縁寿とや親父や霧江さん…、天国の母さんにも会わす顔がねーや」
「……くくっ!」
「何笑ってるんだよ?!」
「いやな…、妾はこんな馬鹿な男に惚れていたのかと思ってな……」
「?、なんて言った」
「今は鈍感なお主が憎い」
「?」
「まぁ、良いとするか…」
いきなり、自分の横に二人の人物がすぅ…と現れた。
「リーチェ!大丈夫?!」
「ガァプ…、ベアトは怪我をしてるのです、騒がないであげてください」
「ガァプ……、師匠……」
「あら、お取り込み中だったかしら?」
「ぷっくっく、お嬢様の愛の告白を戦人様が聞き逃したところです」
「ロノウェ〜っ?!いつからそこに…っ?!痛っ…!」
「おいおい、いきなり動くなよ〜?いっひっひっ、後はこの騎士にお任せください…、なんてな」
「うむ…、では…、後は騎士に任せるとしよう…」
心地よい『何か』それは戦人の体温なのか、心なのか、わからないが…、
私が戦人を愛していると言うのは、…確からしい。
まぁ、当分の間は教えてやらないが…、だって…、うんと困らせてから、言った方が数倍楽しいだろ?
ある大魔女は林檎をある魔女に差し上げました。
その林檎は大層美味で、魔女は夢中になって食べました。
だけど、その後、魔女は白雪姫の様に暗く、深い眠りについてしまいました。
だけど、大丈夫。白雪姫が王子のキスで目覚めるように、
魔女も騎士のキスで…、暗くて、深い眠りから覚める事が出来るのです。
Aljan
【HAPPY END?】
説明 | ||
EP4お茶会後のベアトリーチェのお話。あのベアトリーチェにせめて最後に救いをと思い作りました。 ある大魔女は林檎をある魔女に差し上げました。 その林檎は大層美味で、魔女は夢中になって食べました。 だけど、その後、魔女は白雪姫の様に暗く、深い眠りについてしまいました。 |
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うみねこのなく頃に ベアトリーチェ 戦人 ベアバト バトベア | ||
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