暖かい人、冷たい人 |
真選組にすっかり居ついた、女戦士一人。
彼女の名前は鈴鳴桜、もうすっかり真選組になじんでいる・・・・、
はずなのだが。
『暖かい人、冷たい人』
ある日の真選組縁側にて。
「桜、なんでこんな所にいるんですかぃ?」
「・・・総悟、私は先月からここに居候させて貰ってて、しかも、もう真選組の隊士なの!」
「それは知ってまさぁ、俺はどうして俺の昼寝特等席に居るのか聞いているでさぁ」
「・・・それ、誰が決めたの?」
「俺」
「・・・えっと、一番隊隊長さんにはそんな権利が用意されてるの・・・?」
「用意はされてないに決まってまさぁ」
「・・・それは自分勝手って言うんじゃ・・・、しかも、総悟今日非番じゃないでしょ!」
「ちっ、ばれたか」
「ばれたか、じゃないでしょ」
やはり真選組に一人ぐらい彼女の苦手な人、一人二人居るものだ、そして沖田総悟もその一人でもある。
元々真面目な桜は不真面目で考えてることが解からない沖田に悪戦苦闘していた、今もその真っ最中なのである。
だが同時に、剣術に関しては尊敬できる存在でもある。
「退いてくだせぃ」
「いやよ!私は非番なんだから、ゆっくり本ぐらい読ませなさい!」
「じゃあ、少し移動してくだせぃ」
と言われて少し右側の方に移動したら、総悟は桜の横に座ってきた。
「じゃあ、俺しばらく寝るので、起こさないでくだせぇ」
「うん、解かった、・・・ってちょっと!あんた見回りは!?」
と桜が言ったときは遅かった、総悟は目を閉じていて、完璧熟睡状態だった。
「総悟は一瞬で眠れる術でもあるのかしら・・・?」
もう一回持っている本の方に目を向けようとした時気付いたことがあり、もう一度総悟の方を見ている。
「総悟、珍しくアイマスク付けてない・・・」
男の人の寝顔って始めて間近で見るな・・・とか思いながら桜は、
総悟の男にしてはかわいい寝顔をまじまじと見ていた。
「こうしたら、静かで可愛いのにね」
と言いながら周りを確認して桜は総悟に近づいて、総悟の頬に手を添えて。
そしたら、周りに誰も居ないはずのところから、聞き慣れた声が聞こえた。
「桜、やっと捕まえましたぜぇ」
「へ?」
と言った時には、もう美鈴は総悟の両腕の中に居た。
「な、何するの!」
と言い腕から離れようとしたが、所詮女戦士と言われても男の腕力には敵わない。
「桜このまま寝て良いですかぃ?」
「な、何馬鹿な事言ってるの!?」
「だって、すっげー、抱き心地良いんでさぁ」
「誰かに見られたらどうするのよ!」
「そん時は、そん時で考えまさぁ」
「ちょっ!待ちなさいよ!」
「じゃあ、おやすみでさぁ」
と言い、寝たのか、またもや狸寝入りか解からないが、すぐに寝てしまった。
桜は少し殴ってやろうかとも思ったが、可愛い寝顔を見せられると殴るに殴ることができなかった。
総悟の腕は予想以上に大きく、女の自分なんてすぐ捕まってしまった。
その腕は温かくて、すぐにでも眠ってしまいそうだ。
そういえば総悟の青い血と言う噂を聞いたことがある、
あんなの嘘だ、だってこんなにも温かい。
総悟は怪物なんて言われていると言うのを耳にしたが、
それも嘘だ、怪物ならもうとっくに私は食われて腹の中だ、
その証拠に私はコイツの腕の中で安心しきっている。
コイツは強いだからこそ恐れられる、だけど一途に何かを守ろうとする力は強く美しい。
だからこそ、尊敬され、恐れられるそれが自然の原理と言う物だ。
「そーご、起きてる?」
「なんですかぃ」
「・・・やっぱり、人間だ」
「はぁ、なんですか、少し頭いかれましたかぃ?」
「あんたよりかはましよ」
・・・コイツなら任せられる、コイツだからこそ、安心できる・・・
次第に桜は意識が薄れていき総悟の腕の中で眠ってしまった。
(・・・少し、コイツの事が嫌いじゃ無くなった・・・かも?)
【END】
説明 | ||
夢小説用に仕上げた作品。 名前変更される前の物なので、桜=自分名前と想像してください。 |
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銀魂 総悟 | ||
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