リリカル龍騎 −深淵と紅狼− |
ミラーワールド、住宅街付近…
「「「「「ヴヴヴヴヴヴヴヴッ!!」」」」」
「おいおい、いつの間にこんな増えたんだか…」
シアゴーストとの戦闘を繰り広げていたアビスだったが、現在若干の苦戦を強いられていた。
というのも、つい先程までは一体しかいなかったシアゴーストが、いつの間にか複数の群れを率いて一斉に襲い掛かって来ているのだ。幸い、どの個体も動きがゆっくりなのでアビス問題なく対応出来てはいるのだが、どれだけ倒してもシアゴーストの群れは減る様子が見えない。流石のアビスもいい加減ウンザリに感じていた。
「「「ヴヴヴヴヴ…」」」
「何処からともなく湧いて来るな、ゴキブリじゃあるまいし」
≪SWORD VENT≫
左手の召喚機アビスバイザーにカードが装填され、アビスの右手にサメの歯らしい形状をした長剣“アビスセイバー”が飛来する。
「ヴヴッ!!」
「寄るな鬱陶しい」
「ヴェゥゥゥゥ…!?」
腕を振り被って迫るシアゴースト達を、一体ずつ確実に斬り倒していく。攻撃を受け止める個体には腹部に蹴りを加えてやり、掴みかかって来た個体にはアビスバイザーから水の衝撃波を繰り出し大きく吹き飛ばす。
「はっ!!」
「ヴヴ、ヴ…ッ!?」
また一体シアゴーストの腹部をアビスセイバーで貫き、突き刺さったままその個体を蹴り飛ばす。
「…飽きた」
アビスはやる気を失くしたような口調で、殴りかかって来た個体を横に殴り倒す。デッキからまた一枚のカードを抜き取り、カードを見つめる。
(契約が続いてるなら、呼べば来るだろう…)
二本の剣を持った、二足歩行の鮫型モンスター。そんな絵柄の描かれたカードが、アビスバイザーへ装填される。
≪AD VENT≫
「「グルォォォォォッ!!」」
直後、アビスの真上を二体のモンスターが飛び越え、シアゴーストの群れに攻撃を仕掛ける。片方はアビスラッシャー、もう片方のシュモクザメ型モンスターはアビスハンマーだ。
「ほぅ、ちゃんと来てくれるとは」
アビスが関心する中、アビスラッシャーは両手に持った剣でシアゴースト達をひたすら斬りつけ、アビスハンマーは胸部の二門砲から繰り出される砲撃でシアゴースト達を蹴散らしていく。
「…そろそろか」
シアゴーストの数も残り少なくなってきた。頃合いと判断したアビスは鮫のエンブレムが描かれたカードを抜き、アビスバイザーに装填する。
≪FINAL VENT≫
「「グルルル…!!」」
「すぅぅぅぅ…」
カードが装填されるのを見て、アビスラッシャーとアビスハンマーがアビスの後方へと移動する。アビスは姿勢を低くした状態で構えてから、大きく息を吐き…
「…ハッ!!」
「「グォォォォォォッ!!!」」
アビスが高く跳躍してドロップキックの態勢になり、アビスラッシャーとアビスハンマーは口から水流を発射、空中に跳んだアビスに纏わせる。
「「「ヴヴヴヴヴ…!!」」」
シアゴースト達が逃走を謀るが、もう遅い。
「―――おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
水流を纏ったドロップキック――――――アビスダイブが、残り少ないシアゴースト目掛けて繰り出される。回避に遅れた個体が直撃して吹き飛び、他の個体も巻き込んで連鎖的に爆発するのだった。
「…ふぅ」
地面に着地したアビスが一息つく。彼の目の前ではシアゴースト達が爆発した時の炎が燃え盛り、その中からいくつかの小さな光の球が浮かび上がる。
「「グルァッ!!」」
そしてその光の球は全て、飛び掛かったアビスラッシャーとアビスハンマーが捕食、二体はそのまま何処かへ姿を消す。
「ひとまず、こんなものか」
その場にはアビスだけが残る。
「さて、あの女にはどう説明するか…」
アビスはクルリと背を向け、自分が来た道へと戻って―――
「ウォォォォォォォォォンッ!!」
「!?」
―――行こうとした時、何処からか狼の遠吠えが彼の耳に聞こえてきた。
「何だ、新手か…?」
聞こえた方向に、アビスが振り向いたその瞬間…
「ガルルルルァッ!!!」
「なっ!?」
狼の鋭い爪が、彼の目の前まで迫っていた。
一方…
「……」
部屋ではアリサが椅子に座って貧乏揺すりしながら、窓をジッと睨み続けていた。そんな彼女の傍には鮫島も立っている。
「お嬢様、少し落ち着かれた方がよろしいかと…」
「それは私だって分かってるわよ、どうしても気になってしょうがないの!!」
「…やはり、彼の事で?」
鮫島の問いにアリサが頷く。
「いきなり針が飛んで来たと思ったら、姿を変えて窓の中に入って行っちゃうし、こっちはもう訳が分からないわよ。戻って来たら徹底的に聞き出してやるんだから…!!」
(お嬢様も、こういうところは昔から変わりありませんね…)
どうやら、先程針を飛ばしてきた正体や青年の変身した姿などについて、意地でも全て聞き出すつもりでいるらしい。鮫島はそんなアリサに対して、苦笑せざるを得ない。
(…それにしても)
鮫島は胸ポケットから一枚の名刺を取り出す。住所を調べる際に少しばかり拝借した、あの青年のものらしく、名前の箇所には“二宮鋭介(にのみやえいすけ)”と書かれていた。
(見たところ、何か大企業に勤めていたようですが……まぁ、これは本人の口から聞いた方がよろしいでしょうな…)
鮫島が内心でそう考えていた時だった。
−キュィィィィン−
「うぉわっ!?」
「「!?」」
窓が歪んだ瞬間、そこからアビスが飛び出し床に転がり込んで来た。アビスの変身が解除され、青年―――二宮鋭介の姿へと戻る。
「くそ、あの犬ッコロめ…!!」
「いきなり危なっかしいわ馬鹿!!」
「痛ッ!?」
ベッドに寄り掛かりながら窓を睨む二宮の頭を、アリサが素早く引っ叩く。
「…お前、いきなり痛い事してくれるな」
「あんな風に出て来られたら、誰でもビックリするでしょうが!! 罰としてアンタの事、全部聞かせて貰うわよ!! 嘘ついてもこっちは分かるんだからね!!」
「分かったから耳元で叫ぶな、鼓膜が破れる…!!」
その後も鮫島が止めに入るまで、二宮はアリサから散々怒鳴られ続ける羽目になるのだった。
(はぁ……何かもう、色々と面倒臭ぇ…)
「ちょっと、聞いてるの人の話!!」
「うるさいから少し黙ってくれ」
−ビシッ−
「痛ぁっ!?」
『…!』
ミラーワールド、とある森林…
『この感じ……まさかとは思うが…』
金色の幻影が、何かを察知していた。
説明 | ||
第2話:紅狼、吠える | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1969 | 1914 | 3 |
コメント | ||
ガイは考えて戦えば強いんですけど、龍騎やリュウガ、ゾルダのようにトドメ刺せる必殺技が複数あるライダーが相手だとキツイかと……って、ガイさぁぁぁぁぁぁん!?(竜神丸) ガードベn・・・ガイは真面目に戦ったら絶対に上位に入ると思うんだ。パワータイプとコンファインベントの組み合わせは強力だと思・・・「近くにいた、お前が悪い」 ガイがログアウトしました(デーモン赤ペン) ohatiyo:他のライダーは…………えぇっと、その………まぁ、うん……(←若干焦ってる)(竜神丸) okaka:そのネタはもう良いでしょうww……で、主人公の戦う理由はいずれ判明します(竜神丸) これ他のライダー出なさそう。俺の好きなサイの奴とカメレオンの奴は出してほしいが…………………(ohatiyo) 情け容赦のない展開にむせび泣く男スパイダーマッ!・・・それはさて置きそういえば主人公の戦う理由は明らかになるのかな?(okaka) あ、それひょっとしてアメイジングの方ですか?(竜神丸) げんぶ:たしか、主人公の親友が死んじゃったんでしたっけ?あれもなかなか報われないですよね(竜神丸) デーモン赤ペン:本当に救いがありませんよね…。TV本編では仮面ライダーは全員死亡してますし(竜神丸) ロキ:龍騎は結構面白いですよ……ただ、鬱な展開も結構ありますが(竜神丸) 救いのない物語が好きなら、龍騎は楽しく見れると思う。救いのないライダーってのもなかなか無いから、ライダーの「BAD END」ってこんなのかな?とまで考えた程なんで(デーモン赤ペン) 龍騎詳しく知らんからよくわからねぇ、畜生( ; ; )…………寧ろ仮面ライダーとか最近まで見たことなかったし(キリヤ) |
||
タグ | ||
魔法少女リリカルなのはStrikerS 仮面ライダー龍騎 仮面ライダーアビス 舞台は海鳴市 ミラーモンスター 主人公はオリキャラ | ||
竜神丸さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |