特務戦隊 Lパワード! 第5話 登場! 後期型バトルスーツ!
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 Lパワードが基地に帰っている間に、クトゥルフとリンは宇宙船に帰ってきていた。

 

(暗黒帝国 ブッチギリーン、元本部宇宙船内)

 

 パコパコパコパコ・・・カチャカチャカチャ・・・

 

 クトゥルフは、コンソールパネルに向かって、VY1と同時進行で、早急に学歩達の母星“イネット”への帰還プログラムを組んでいた。宇宙船には外傷が全くなかったので、問題なく最短の帰還ルートを取る事が出来た。

 

 ンーンーンー

 

 リンはクトゥルフによって玉座に縛り付けられていた。クトゥルフが言っていたように、クトゥルフにとってリンは“人質”以外の何物でもなかった。姿だけだが、実の弟にしてやられたリンの心は正直複雑だった。しかしやたらに抵抗すれば、自分だけでなく、レンの肉体も崩壊させられてしまうので、騒がずおとなしくしていた。

 

 パコ・・・・ウィーーーーーン!

 

クトゥルフ「さてと。これでイネットへ直通運行ができるな。さすが母星への帰還プログラム、しっかりしたものが用意されていた。大質量の長距離ワープ機能はないようだが、それでも到着までそれほど時間はかからないだろう」

 

 ンーーーーーー、プハァ! はぁはぁ・・・・

 

 リンはとりあえず会話がしたかったので、サルグツワだけはなんとか取って、しゃべり始めた。

 

リン「クトゥルフ、どうして“レンの体”を選んだの? あの時の宇宙船の中には、シテヤンヨと怪人を除いても、私、学歩、めぐみの3名がいたはず」

クトゥルフ「戦闘能力と頭脳性能がずば抜けて優れていたからだ。我々は話したとおり、本体が肉体の支配細胞1つと精神を支配する情報しかない。能力は“寄生した相手に依存する”わけだから、当然“より有能種”を選ぶのだよ」

リン「レンが有能なのは認めるわ。だからといって、私の弟の体を使って会話している現状は、まともに考えると、おかしくなりそうよ」

クトゥルフ「おまえらにとっては残酷な事なのだろうが、そうやって我々は個体数を維持してきたのだ」

リン「どうしても聞いておきたいことがあるの。レンをこれからどうするつもり?」

クトゥルフ「これだけ有能なのだから、より有能種が現れない限り、この体を使わせて貰うが?」

リン「手放す気はない・・・・やっぱりそういうわけなのね・・・」

クトゥルフ「諦めるのだな。私へ攻撃が加わって、肉体が可動不能になった時点で、このレンを破壊して、そうだな、お前に寄生して生き延びる事にするかね」

リン「・・・打つ手無しなのね・・・」

クトゥルフ「とにかく最低でもイネットに着くまでは静かにしておくべきだ」

 

 リンにとって、絶望的で1つしかない選択肢だったので、諦めてリンはこれ以降、静かにしていたのだった。

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(Lパワード基地 コントロールルーム)

 

 エル以外のLパワードの面々、学歩、めぐみ、怪人トニオ、シテヤンヨ、そしてメイコとオペレーター達が全員、コントロールルームに集まっていた。

 

メイコ「ここにいる限り、人間型でいる方が色々面倒でないので、名前も姿もそのままにしていてくれるかな?」

学歩「はい。私とめぐみはこの姿が人間型です。名前は学歩と申します」

めぐみ「私はめぐみ。あ、それと、」

 

 ピーーーー

 

 めぐみは未来風のライトで怪人トニオに光線を照らすと、怪人トニオも、人間型のトニオに変身した。

 

トニオ「? あれ? 普通に話せますね。あ、皆さん、トニオです、宜しく」

メイコ「こちらこそ宜しく」

学歩「それとシテヤンヨは、こうしておきましょう」

 

 カプッ・・・シューーーーン!

 

 学歩は小型の球形カプセルで、シテヤンヨを全員吸い込んでしまった!

 

学歩「使いたいときになったら、カプセルから出しましょう。まぁ、「カプセル怪人」ってとこです」

 

メイコ「前処理は終わったとして、とりあえず自己紹介しておきます。あ、名前はさっき言ったとおり、短い方だけにします。私はLパワードの総司令官の“メイコ”です」

ルカ「私がLパワードのリーダーで、あの喫茶店のウェイトレスのルカだ」

リリィ「私はLパワードのメカパイロットにして、喫茶店のコックのリリィよ」

ミク「ミクは、Lパワードの医療班にして、喫茶店のウェイトレスのミクです」

海斗「俺はLパワードの美しきブレインにして、喫茶店で広報漫画を書いている海斗だ」

ミキ「なんか今でも心中複雑ですが、私がLパワードのアンドロイドのミキです。メカニックもやってます。喫茶店にはいません」

 

学歩「私は、学歩。帝国ではリン様の右腕だった。めぐみの兄です。刀剣マスターで、武術に長けていた。メカも扱える」

めぐみ「私は、めぐみ。帝国ではリン様の左腕でした。学歩の妹です。魔法など超常的な力も扱えますが、どちらかというとメカを扱うことの方が多いです」

トニオ「私は元・怪人のトニオです。怪人モードでは色々な道具を仕込まれているので、何かとお役に立てると思います」

学歩「後、カプセルに入っているのが、怪人戦闘員のシテヤンヨだ。多少外見は不気味だが、100%忠実なので、役に立つと思うぞ」

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 それから基地内のオペレートをしていた“3人娘”が挨拶をした。

 

ネル「僕がここの攻撃と防御システムをオペレートしている“ネル”だ」

学歩「僕?」

ネル「あ、“僕”って言っているけど、女の子だぞ♪ 宜しくな!」

 

ハク「私がこの基地の通信システムをオペレートしている“ハク”です。宜しくね」

めぐみ「うわー、白髪でゴージャス体型の綺麗な人」

学歩「う・・・綺麗だ・・・」

めぐみ「あー、お兄ちゃん、ルカさんにふられたからって、ハクさんを狙っちゃダメですよ!

ハク「ははは、面白い人ですね」

 

テト「(。・ω・)ノ゙」

学歩「? もしかして喋れないんですか?」

 

 テトはポータブルの小型電子ボードを取り出し、言葉を打ち込んで、学歩達に見せた。

 

テトのボード「すみません、喋れないんです。以降、顔文字で喋りますので、宜しくです。私は、この基地のシステム保守をオペレートしてます」

 

学歩「なるほど、解りました」

 

メイコ「で、本来はここでエル・・・あ、レン君が自己紹介するはずだったんだけど、今回の作戦がその彼を救出する事だから、まぁ、ないと言うことで」

ルカ「ところで、その作戦ですが、ほんと、どうしましょうか? 学歩、宇宙船の位置はわかるんだよね?」

学歩「はい。こっちに来るときに小型端末は持ってきてあるので、向こうの位置は丸わかりです。しかし・・・」

リリィ「そうなんだよね。エルの体が乗っ取られていて、やたらに攻撃するとエルを破壊するって言っているし・・・」

メイコ「そこら辺はミキさんから聞いてます。そちらの総大将のリンさんも人質になっているそうだし」

学歩「どうしましょうか? 手を出せないけど、救出はしないといけませんし」

メイコ「とりあえず、当然だけど、喫茶店は長期休業です。そして私たちLパワードも、地球防衛軍の一環から一時期離れます」

ルカ「え!? つまり・・・」

 

メイコ「そう、私たちも彼らを追いかけます」

ネル「まぁつまり、この基地全体が宇宙戦艦に変形しちゃうわけよ!」

 

ルカ「え・・・えーーーー!!!!! そんなの知りませんよ!」

メイコ「今まで指令に“宇宙”が無かったから、使ってなかっただけなんだけどね。保守はしてたのよ? ただね、この宇宙戦艦、“パワー”、が足りないのよ。おそらくイネットとかいう星まではたどり着けないと思うの。でもって、ここで学歩達の出番なわけ」

 

学歩「わかってます。こちらの技術で、イネットまで行って帰ってこれるように、増幅装置を装着します」

ミキ「え!? でもそんな大型装置、持ってないんじゃ・・・」

 

 学歩はポケットから小型の箱を取り出した。

 

学歩「私たちの宇宙船用に作った装置のコピーですが、これを出力ユニットに取り付ければ、十分でしょう。この星では、“アーティファクト”の中の“オーパーツ”の範疇に入る物だと思います」

ミキ「う・・・・科学力の差を見せつけられたわ・・・・」

 

めぐみ「あと、宇宙船を追いかけるための追加システムも取り付けさせてもらいますね」

 

 めぐみは持ってきていた端末を、3人娘が使っているコンソールに取り付け、キーボードをパコパコ操作して、メインモニターに宇宙船の位置を表すウィンドウを1つ追加で表示した。

 

めぐみ「操作は従来のもので大丈夫です。出来ますか?」

 

 3人娘は席について基本操作を行ったところ、全く問題なく操作できた。

 

ネル「僕の方は大丈夫だよ」

ハク「私もOK」

テト「d(・∀<)」

めぐみ「大丈夫のようですね」

学歩「ところで、宇宙に出るのですが、この艦の気密性は?」

メイコ「あ、それは問題ないわよ。いつも使っている設備とは切り離して変形するから」

 

 その時、オペレートしていたハクが何かを見つけた!

 

ハク「あ! ターゲットの宇宙船ですけど、今、大気圏を突破しました!」

メイコ「予想以上に速い行動ね」

学歩「レン様の能力に依存していると思います。レン様は“ずば抜けて”いましたから」

メイコ「それは私も知ってるわ。うーん、クトゥルフめ! 味方にすると最高なのに、敵に回ると最悪な人を乗っ取っちゃったわね!」

ルカ「メイコさん! 急ぎましょう!」

 

メイコ「ほんじゃま、学歩とミキは装置を取り付けていって、各人は宇宙用のノーマルスーツに着替えて、終わったらここに戻ってきて」

全員「了解!」

 

 こうして、予想外の“宇宙でチェイス”な展開になったのでした。

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(10分後・・・)

 

学歩「うむ、ちゃんと出力と単位当たりのエネルギー消費も計測して、往復しても十分に耐えうる事を確認した。どのみちヤツには攻撃出来ないから、問題ないだろう」

ミキ「凄いです。まさにミラクルパーツでした!」

 

メイコ「準備いいわね。じゃあ、変形してここから離脱するから、全員席について」

 

 各人、クルー用の座席に座り、頭部をちゃんと固定した。

 

メイコ「ちょーーーーっと、Gがかかるから我慢してね。それじゃ、ネルちゃん、ハクちゃん、テトちゃん、発進シークエンス開始!」

ネル「発進シークエンス始動!」

ハク「戦艦部分の艦内に、基地関係者、存在しません! オールグリーンです」

テト「(≧▽≦)ノ」

 

メイコ「Lフォートレス、はっっっっっっしん!!!」

 

 ギューーーーーーーン!!!!

 

 なんと、メイコ達がいる基地の一部が、下部のバーニアを噴射しながら分離し、空中で、大型バーニアが後ろに倒れ、鋭角三角形の両翼がスライドして展開し、艦橋が少し本体にめり込み、本体から戦艦前部がせり出して、海上戦艦のような形に変形した後、前部が上に向くように回転し、大型バーニアから青色の光が出てきて、ゆっくりと戦艦は、真上に移動していった。

 

学歩「ぐううう、やはり我々の宇宙船とは科学力の差があるな・・・もの凄いGだ」

めぐみ「ぐうう。時間があればこういうのにも手を入れたかったけど。仕方ない、耐えるわ」

トニオ「ト・・・トニオ・・・」

 

 一方、慣れてない組では・・・

 

ルカ「くぅぅううううううう!!!!!」

リリィ「ぐぬぬぬぬぬ・・・・・!!!!」

ミク「すぅぅぅうううごいミクゥゥゥ!!!!

海斗「ぶるぅわぁぁぁおぉぉぉぉ俺のぉぉぉぉ美しいぃぃぃ顔がぁぁぁぁ歪むぅぅぅぅ!!!!」

ネル「こぉぉぉ工作しておけばぁぁぁよかったぁぁぁ!!!」

ハク「くぅぅうう、凄いG!」

テト「ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ」

メイコ「くぬぬぬ、訓練では耐えられたけど、す、凄いわね。でも二日酔いに比べたら」

 

 こうして宇宙戦艦“Lフォートレス”は、花火が上がるかのような挙動で、一気に宇宙まで飛び出していったのだった。

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(宇宙空間)

 

 地球を飛び出し、大気圏を突破し、ようやっと巡航状態になったLフォートレスは、とりあえずクルーが安定するまで自動制御していた。

 

メイコ「みんなー、大丈夫〜?」

ルカ「す・・・凄かったわ・・・・」

リリィ「ぅううう、まだ体がきしむわ・・・」

ミク「ツインテが浮いているミク〜♪」

海斗「ま・・・まだ顔が歪んでいる・・・・うう」

ミキ「私のシステムには異常なしです」

 

学歩「やはり皆さん、宇宙には慣れてないようですね。ところでターゲットの位置は?」

ネル「ふぅ・・・あ! ごめん! えっとターゲットは・・・、あ、ちゃんと捕捉しているよ!」

ハク「向こうから何も信号ないし、コッチも見つけられてないわね」

テト「(^-^)/」

めぐみ「艦は大丈夫みたいね。正直、大気圏突破の時は、マジで死ぬかと思ったけど」

 

メイコ「さて、みんな、こっちも見つけられてないけど、この状態のまま、ターゲットを捕捉し続けて、見つからないように付いていって、こっそりイネットに入ることにするわ」

学歩「ヤツとは違う港に、私が着艦ビーコンを出して貰うように通信を送るから安心してくれ」

 

ルカ「と、ところで、イネットまでどのくらいで着くの?」

めぐみ「うーん、途中で短距離ワープするから、5日もあれば着くと思うけど」

ルカ「5日か・・・あれ? この艦、ワープなんてできるの?」

学歩「最初に付けた装置に“跳躍技術”があるから、大丈夫です」

メイコ「な・・・なんかこのLフォートレス、凄い戦艦になっちゃったわね・・・」

めぐみ「とりあえずターゲットも、このエリアでの跳躍は出来ないと知っているのか、ワープ機能使ってないし、このまま捕捉していきましょう。私と学歩もオペレーションしていますから、安心して下さい」

ネル「助かるよ。こんなの訓練でもやったことないよ」

ハク「お願いします」

テト「ヾ(^▽^)ノ」

 

メイコ「さて・・・・元々戦闘力もある、学歩とめぐみとトニオはいいとして、Lパワードの4人には、“地球外空間用パワードスーツ”に慣れてもらわないとね」

ルカ「え?? そんなのあるんですか!?」

メイコ「使うことがなかったけど、ちゃんと用意されているわよ。実戦向けだから、いつものとはちょっと姿が違うけどね。とにかくミキちゃんに各自の部屋に用意してもらったから、着替えてココに戻ってきてよ」

ルカ「わかりました」

 

 こうして、各自が各自の部屋に移動したのだった。

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(ルカの部屋)

 

 スーツ(?)は確かに吊されていた。

 

ルカ「・・・・・・こ・・・・・これを着ろと・・・・・」

 

***

 

(リリィの部屋)

 

 スーツらしき物が用意されていたのだが、スーツと呼べるか、リリィには自信なかった。

 

リリィ「これ・・・・・スーツじゃないわよね・・・・」

 

***

 

(ミクの部屋)

 

 スーツ・・・・・というか、ちょっと・・・・

 

ミク「ミク〜、恥ずかしいミク〜・・・・」

 

***

 

(海斗の部屋)

 

 海斗はちょっとワクワクしていた。いつものノーマルバトルスーツは正直好きでなかったので、今度こそと思っていたのだった。

 

海斗「ワクワク! 今度こそ、俺の美しさが際だつような、露出の多いバトルスーツだろう! いっそ、裸マフラーだけにしたいところだが、「いくら文章表現だけとはいえ、それはまずい」と、天の声が聞こえてきたからな。どんなかなぁ〜♪」

 

 しかし用意されていたのは、海斗が思っているようなものではなかった。

 

海斗「? なんだこれ?」

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(10分後・・・ コントロールルーム)

 

 Lパワードの面々が帰ってきた。何故か面々、色々複雑な感情を表に現していた。

 

メイコ「あ、戻ってきたわね。ど〜お、宇宙用のバトルスーツは?」

 

学歩「ん?・・・・ぶふぉ!」

 

 学歩の鼻から赤い球体が沢山噴射された。鼻血の無重力空間での挙動である。

 

ルカ「あの・・・これ・・・本当にバトルスーツですか・・・」

 

 ルカは両手で体の前を隠して、真っ赤になってもじもじしていた。それもそのはずである。ほとんど“布類”が着いてない『黒いラインが施されているピンクのビキニ』だったからである。あげくにピンクのシューズを履き、両手にタコのマークがしてある“バトルグローブ”を付けているだけだった。

 

メイコ「ええ、勿論! 機動力が15ゲインも上がり、高速移動が可能で、オーラバリアーが施されているから常にバリアー装備だし、両手のバトルグローブは、タコのようなリーチの長さがあると同時に飛び道具すら飛ばす事が出来る、リーダーとしての能力をふんだんに盛り込んだ、スペシャルなバトルスーツよ」

 

ルカ「説明されると強そうに思えるのですが・・・・この外見、なんとかならなかったんですか?」

メイコ「あ、そのビキニスタイルは、相手を魅了して隙を作る機能もあって、あなたにピッタリの装備だったのよ」

学歩「メイコさん、GJすぐる! ルカさん! これからずっと、ソレで行きましょう!」

ルカ「じーーーーーーーー、えっち」

学歩「はっ!・・・・・すみません・・・・・」

めぐみ(兄さん、これじゃ、ふられても仕方ないよね・・・)

 

 しかし、学歩が鼻血を出したのは、それだけではなかった。ミクも凄い姿だったのだ。

 

ミク「あの〜メイコさん・・・私も訊きたいミクけど・・・・」

 

 ミクも凄い姿だったのだ。ほとんど布1枚のグレーのワンピースだが、真ん中がおへそ当たりまで開いており、腰にはメカメカしい機械が装備されていて、靴は透明で薄いニーソックスのようなものだった。両腕には小型の機関銃のような物が着いており、背中には小さい天使のはねのようなものがついていた。

 

メイコ「あら、ミクちゃん、可愛くて似合っているじゃないの! ミクちゃんのは、私たちが“アペンド”って呼んでいる物で、“ヒーリング機能”を付与したスーツなのよ。“細胞修復オーラ“って機能がその腰の機械についていて、仲間の回復能力を高めてくれるのよ。それに天使のはねで短時間だけ飛べるし、何と言っても軽量だから、移動力はずば抜けて高いわよ」

 

ミク「ルカさんと同じく、説明されれば納得行くミクけど、その・・・、この外観もやっぱり魅了効果ミクか?」

メイコ「いえ、この外観はヒーリング機能を追求していった究極形態なのよ。ごめんね」

ミク「わかりました、我慢するミク・・・」

学歩「うぉ! ミクさんも素敵です! これからずっと・・・」

 

ミク「じーーーーーー、えっち」

学歩「はぅ! す、すみません・・・・」

めぐみ(はぁ・・・・)

 

リリィ「とーーーーーこーーーーーろーーーーでーーーーーー」

メイコ「あら、リリィちゃん、可愛いじゃないの!」

リリィ「なんで、私はセクシー系じゃないんですか?」

ルカ(その方がいいじゃないの・・・)

 

 リリィの姿は、セクシー系とは全く縁のない、“女王ミツバチの着ぐるみ”だった。黄色と黒のストライプ色、大型の針型の槍を持っており、お尻にもちゃんと針がついていた。頭も着ぐるみで、触覚が2つ出ていた。小さい蜂のはねがついており、背中にはハニカム構造の造形物が付いていた。

 

メイコ「あ、それは説明が必要だったわね。それ、別名、ミツバチスーツで、あなたと組み合わせることで、“ハリィ”って名前になるの。その槍は当然、突攻撃できて、お尻の針からもレーザー光線が出るし、背中の羽根で長時間飛べるし、そのハニカム構造物は、エネルギーミサイルランチャーなの。あなたの性格にあわせた、攻撃特化のスーツなのよ」

 

リリィ「それはわかりますが・・・うう、なんで私だけセクシー路線じゃないのよ・・・・」

海斗「リリィ! お前だけじゃない! 俺もだ!」

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 ガショーン ガショーーン ガショーーーン

 

メイコ「あー、エル君は少年だし、海斗が唯一の“大人の男”だし、“男の夢”を体現したスーツにしてあげたのよ?」

 

 海斗のスーツは、まさしく“スーツ”だった。そう、スーツ・・・・

 

 複数の白い箱で構成された全身プロテクター、白い大きな強化プラスティック製の盾、大げさな大型ライフル、背部にはバーニアと、上に2本白い柄が出ているランドセル、そして、額には黄色いVの字アンテナ・・・

 

海斗「こ・・・・こ・・・・こ・・・・これは、ガ(ピー)ムじゃないかーーーー!!!!!!」

メイコ「だから、男の夢でしょーが。それ。ロボットのコスプレ。まぁ正確にはコスプレじゃないけどね」

海斗「お、俺の肉体美が全然生かされてない・・・・・」

メイコ「あ、でもそれ、強いのよ。ライフルは試作型だけどビームが出るし、盾は相当の強度を持っているから物理武器は当たらないし、ボディも強化ラバー製だから柔軟に動けるし、背中のバーニアは本当に高速移動できるし、その柄は引き抜くと、レーザーブレードになるし」

海斗「こ・・・この“Vの字アンテナ”は何の意味が! 俺達、全員インカム付けているから通信機械、いらないでしょう!」

メイコ「あー、それ、“飾り”。偉い人にはわからんのですよ」

海斗「か・・・かざり・・・・」

メイコ「でも、全体的に強そうじゃないの! それ、攻撃&防御特化だから、最前線で頑張って頂戴よ」

海斗「俺は盾扱いかい・・・」

 

ルカ「ところで、エル君のも用意していたんでしょ? どんなのか一応聞きたいんだけど」

メイコ「あー、エル君のはショタ装備だから、半ズボンでランドセル背負っていて、」

ルカ「あー! 聞きたくない!聞きたくない! もういいです!」

メイコ「そう? んじゃ、これからそれで訓練しましょう。3人娘と学歩とめぐみには、オペレートを頼むから、みんなは訓練部屋に行きましょう」

ルカ「あの・・じゃあ、なんで訓練部屋に直接行かなかったんですか?」

メイコ「そりゃもう、皆さんの姿を学歩達に見て欲しかったからよ。んじゃ、行きましょうか」

ルカ(メイコさん、鬼だ・・・・)

 

 こうして、Lパワードの面々は訓練部屋に移動したのだった。

 

(続く)

 

CAST

 

ルカ:巡音ルカ

エル=レン=クトゥルフ:鏡音レン

リリィ:Lily

ミク:初音ミク

海斗:KAITO

メイコ:MEIKO

ミキ:miki

 

リン:鏡音リン

学歩:神威がくぽ

めぐみ:GUMI

(怪人)トニオ:Tonio

下っ端隊員“シテヤンヨ”:シテヤンヨ

 

その他:エキストラの皆さん

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第12作目の” 特務戦隊 Lパワード!“シリーズの第5話です。
○今回は戦隊モノです。
○ギャグあり、涙あり、ワクワクありの、戦隊モノの王道をボカロ達に演じて貰いました。
○まぁ、今回もカイトにーさんは、ギャグ要因で不憫な役なんですけどね・・・。
○Lパワードの“L”が何を意味するのか? お楽しみに。

☆今回はちょっと第1弾のノリを入れてみました。ギャグも毎回、入れてみなければ・・・。
☆クトゥルフ側はシリアス、Lパワード側はギャグ多めでいこうと思います。
☆しかし、新スーツのルカさん・・・・
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