地球防衛軍3/4 ロケットランチャー系 |
・スティングレイM1
スティングレイとはスウェーデンのSAAB社が開発した携帯式対戦車無反動砲である。AT-4の後継作であり発射筒の造形は似通っている。
スウェーデンでは移民の受け入れによって治安が極めて悪化しており、相次ぐ暴動によって政府は警察だけでなく軍による治安維持を決定した。警察と軍が共同してデモと暴動を抑えたが、これによって政府と移民勢力の確執は決定的なものとなった。
暴動は次第に激化し、純スウェーデン人を狙うテロへ、そして戦争へと移り変わっていった。ストックホルムでは学校を狙った爆弾テロが横行し、マルメでは反政府勢力の規模が拡大し、政府軍と反政府勢力が争う事実上の内戦と化した。
対テロ戦争を余儀なくされたスウェーデン軍は新たな携行火器の開発をSAAB社に要求した。市街戦となった内戦でAT-4は多目的榴弾によって車両や建造物の壁を破壊するなど活躍していた。しかしそのような軟目標を攻撃するにしては攻撃力が高く、余剰するエネルギーが無駄とされた。余剰するエネルギーを削減出来れば弾頭の軽量化が可能で、携行弾数が増し継続的な攻撃力を確保できるのではないかと政府軍は考えたのである。
この要求に従いSAAB社はAT-4の発射筒それ自体を一新し2008年にスティングレイという新型発射筒を開発。従来の弾頭との互換性を有しつつも、同時に開発した新たな弾頭を搭載できるようにしたのである。
新型弾頭はマガジンに内包されており、マガジンをスティングレイに装着することで砲内部に弾頭が装填される。砲それ自体も使い捨て式だったAT-4から使い回しができるように変更したため、マガジンを再装填することで何回でも発射が可能となっている。
マガジンは2発の弾頭が搭載されている。これはAT-4CSと同じようにスティングレイは市街戦が想定されており、狭い建造物内部の戦闘での制圧力を重視したためである。バックブラストはAT-4CSと同じく塩水をカウンターマスとして放出し、軽減する仕組みとなっている。
スティングレイはスウェーデン軍によって実戦投入されたが、あまり実績は残せなかった。弾頭の軽量化は確かに成功していたが、2発分の弾頭がセットになったマガジンの重量は従来の1発分を上回り、再装填も1人では困難で運用が難しかったのである。
結果、スティングレイとその弾頭はあまり生産されず内戦は終結し、スティングレイは順次退役していった。スティングレイは一過性の一風変わった兵器として軍事マニアには見られていたが、2015年に再び注目を集めることとなった。
アメリカのDARPA(国防高等研究計画局)が開発したスキンスーツとリキッドアーマーによって兵士個人の戦闘能力が向上。人工筋繊維を搭載したアーマースーツはスティングレイの運用を可能とした。
2017年の戦いではEDF日本支部の一部部隊が初戦で運用し多くの巨大生物を撃破。スティングレイの有効性を見せつけた。世界中で大量生産され、また数々の後継作が開発された。大挙して押し寄せる巨大生物を防ぎ止めるには、マガジン式で複数回の射撃が可能なスティングレイは極めて有用だった。
スティングレイは2017年の戦いが終戦した後にも用いられている。フォーリナーの技術を転用した数々のEDF製兵器は戦後の治安維持において用いられたものの、対人攻撃に使用した際に、あまりにも破壊力が強すぎ残虐であるとの批判を受けた。EDFは「2017年6月以降に開発された兵器の類はフォーリナーや巨大生物、またEDF製兵器を用いた武装集団への武力行使を除く場面での使用を一切禁ずる」として自粛し、このスティングレイM1が再び生産配備されている。
・ゴリアスD1
ゴリアスD1とはロシアで開発された携帯擲弾発射器である。ゴリアスという名前は旧約聖書に登場するペリシテ人の巨人兵士「ゴリアテ」に由来する。
対巨大生物戦闘においてEDFで用いられていた携行ロケットランチャーのスティングレイは大きな戦果をあげていたものの、シベリア方面軍での運用数は極わずかなものであった。
EDFは地球外生命体の接近によって国際協調の機運が高まったがために創設されたものであり、発祥が米国にあるEDFという存在は、ロシアにとって形式的なものに過ぎなかった。
ロシアはEDFを国境を超えた国際遊撃部隊というより、各国が相互に情報を円滑に共有するための組織と認識していた。ロシアはEDFに加わりCIS諸国によって構成されるシベリア方面軍を形成し、西側諸国と一定の距離を置きつつも一応の協調を示そうとしていた。
2017年の戦いが勃発すると、シベリア方面軍は自軍区の情報を要請に応じて審査し開示する情報伝達機関を創設し、欧州方面軍もそれに応じてシベリア情報伝達機関を創設し、緊密な連携が図られるようになった。
北欧方面軍はフィンランド政府の強い反対でシベリア方面軍との連携を図ろうとしなかったが、欧州方面軍を介して両者に情報が伝えられるなど、欧州の相互協力体制は強力なものになっていった。
欧州方面軍と北欧方面軍、シベリア方面軍はスティングレイやパンツァーファウスト3、RPG-29など各国ごとの様々な対戦車無反動砲を運用していたが、兵站への負担を考慮し装備の共通化を図ろうとしていた。
統一装備として候補に上がったのがスティングレイであり、北欧方面軍と欧州方面軍はスティングレイを推したが、シベリア方面軍はこれに反発した。
フォーリナーの空母型円盤が防衛線を飛び越え巨大生物を投下し、その巨大生物が地底に巣を作り各地に散発的に出現するようになった状況下では、兵站の維持は困難となっていた。新規にスティングレイの生産工場を置くことは難しく、既存の兵器工場を流用するという決断を下した。
シベリア方面軍は対戦車無反動砲の統一計画から離脱し、モスクワのバザルト社はRPG-7V2の工廠を流用した新たな携帯擲弾発射器の開発を開始した。
RPG-7は巨大生物相手に火力不足ではありながらも、生産性と普及率の高さから東欧や中東諸国を中心に多くの国家で使われていた。RPG-7をベースにした改良型の生産方法を周辺諸国に普及させれば、巨大生物の侵攻を遅滞できると考えていた。こうして開発されたのがRPG-7Gであり、後にEDF制式採用装備として登録された際にゴリアスと命名された。
発射筒はRPG-7と大差なく、鋼鉄の筒に中央部を耐熱性プラスチックで覆う形状となっている。クルップ式からデイビス式に変わっており、発射ガスの代わりに塩水をカウンターマスとして放出することで反動を相殺する。バックブラストが軽減したことにより、後方の兵士に気をかける必要がなくなり、閉所での攻撃も可能となった。
弾頭は主に多目的対装甲榴弾が用いられる。対ヘクトル戦を想定したものであるが、爆発時に破片を周囲に飛散させるため巨大生物相手にも有効である。
ゴリアスD1登場当時に広く使われていたスティングレイST2と比較すると、弾頭そのものが非常に巨大で火力の面で大きく上回っていた。堅固な赤色巨大生物やヘクトルへの攻撃、四足要塞のハッチへの複数人による集中攻撃など多岐に渡って用いられた。
RPG-7をベースにしたため生産工場の流用が可能であり、単純な構造と簡便な取り扱い方法から、戦時中でありながら爆発的に世界中に普及した。大戦のどさくさに紛れEDFや各国軍だけでなく民兵組織にも多数出回っており、戦後に起こった各地の紛争では必ずと言っていいほど見かける兵器となっている。
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最終更新:15/7/3 誤字修正と一部改変した上で再公開 | ||
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