真次元ゲイムネプテューヌ 波動の戦士 第一話 |
第一話「事件は唐突に」
あれから、ネプテューヌは記憶喪失? の青年を放っておく訳にもいかなかったので、とりあえず、自身のプラネテューヌの教会へと連れてくることにした。
そこで青年は女の子っぽい部屋に案内されて、少し待つようにと言われ、待っていた所、小さな妖精みたいな少女が少し危なそうにお茶を運んできてくれた。
「はい、粗茶ですがどうぞ。」
「ああ、これはご丁寧に。君は?」
「はい。私はプラネテューヌで女神の補佐、つまりネプテューヌさんの教祖をしている史書のイストワールです。あなたのことは、帰り道にネプテューヌさんから、事情を聞いていますで、大丈夫です。」
「そうか、お手数掛けてすまない。」
「いえいえ、こういう行動の一つ一つがシェアに影響されるんですから。お気になさらないで、下さい。」
「その、一つ質問を良いか・・・?」
「ええ、何でしょうか?」
「小っちゃいんだね・・・」
「お、大きなお世話です!それに初対面の人に対して失礼です!」
そう言って、イストワールは「怒ってます!」といった感じに両腕を振り上げている。しかし、その怒った仕草さえも可愛く見えてしまった
。
「まったく、いきなり何を言うかと思ったら・・・あなた本当に記憶喪失何ですか? それにしては、少し冷静過ぎてはいませんか?」
「そう言われてもな〜〜分からない物は分からないし・・」
「・・・・」
そんな変なやり取りを行う中、イストワールは少し疑う様な視線で、青年を見つめる。それもその筈、昨晩の隕石騒ぎでいきなり、こんな訳の分からない記憶喪失っぽくない人物がそこに居たのだ。タイミングが良すぎる上、この青年が取る態度はイストワールにとって、怪しい物でしかなかった。
一方、青年自身もそんな冷静な態度を取れる自分に疑問を感じていた。
「(最初は愛想よく振る舞いましたが、失礼な言動といい、妙な落ち着きといい、何かありそうでなさそうな・・・判断し辛いタイプですね)」
「(何か疑われてるようだが、おれ自身、何も覚えていないのにどうしてこんなにも冷静な対応しているんだ・・?)」
二人は無言になりながら、別々のことを考えていた。そんな時、空気を変えるかの如く、ネプテューヌが笑顔でお菓子の袋を二つ持ってきてのんきに部屋へと入ってきた。
「やほっー! ただいまー! あれ、何この空気?」
「ネプテューヌさん。お帰りなさい。それと、急に扉を開けたらびっくりするじゃないですか。」
「そんなのいつもの事じゃん。それより何で、こんなに静かだったの」
「それは・・・」と言って、イストワールは口を濁らせる。すると、そこで、青年が口を開く。
「実はさっき、この子の事が気になって、小さいねって、失礼なことを俺が言ったから、怒らせてしまってね。それで、ちょっと怒られていたんだ。」
「何〜だそんな事かあ。」
「むっ・・そんな事とは何ですか、ネプテューヌさん。」
「いや、だってさあ。いーすんが小さいのなんて、今更だからさ〜〜別に気にする程でもないじゃん。」
その言葉を聞いた途端、イストワールのこめかみがぴくっと動く。
それ様子に気づいた青年は、すぐに自分の湯呑みを持ち上げる。
その時、タイミング良くイストワールが小さな手でテーブルを思いっきり叩く。
そして、叩かれたテーブルは勢いよく反動して、地面から少し浮かぶ。
「わあ、びっくりした。突然何なのさ!」
「ううう〜〜、私、もうキレました。ええ、キレましたとも、ああもうとことんキレました!!」
「意味も分からなくなってきたな・・・」
「まったく、ネプテューヌさん! あなたという人はいつもいつも、面倒事を起こしては、みんなに迷惑を掛け! 天津さえ、今日の依頼は調査だというのに、こんな失礼で怪しそうな人まで拾ってくる始末・・・長年、あなたと一緒にプラネテューヌを支えてきましたが、ここまで、面倒なことは初めてです!!」
「お、落ち着いてって・・・そんなこと言ったって、ゲイム業界に居ながら、私のこと知らないって、相当ヤバいことじゃん。それに怪我だってしてるし、放っておくってのも、女神として、人としてもどうかと思うよ。」
「そ、それはそうかと思いますが、別に教会へ連れて来る必要は無い筈です。それこそ、プラネテューヌの病院に送ることが正しい判断だと思います。」
「う、それはそうだけど、もしかしたら、昨日の隕石のことについて、何か知っているかも知れないんだよ。それこそ、今回の仕事にも繋がるし、この程度の怪我なら、家で治せるじゃん。」
「ネプテューヌさんの意見はわかりますが、それはメリットだけの話です。それこそ・・・・」
そう言って、どんどん、二人の口論をお互いのメリットと相手のデメリットと言い合いながら、二人はどんどんとヒートアップしていく。
それを見て、青年は小さく目を閉じて、決意するかの様に、手に持っていた湯呑みに入っている親お茶を一気に飲み干して、空になった湯呑みを、テーブルに置くと、スッと立ち上がる。
すると、いきなり立ち上がった青年に二人は気づいて、口論をやめ、青年へと視線を向ける。
「ど、どうしたのいきなり立ち上がって・・・トイレ貸してほしいの?」
「いや、そうじゃなくて、もうお世話になったから、行こうかと思って。」
「え、行くって、どこへ?」
「さあ・・・?」
それは考えてなかったと思いながら、青年は右手で、頭を掻く。
「でもまあ、何とかなるから、大丈夫だよ。」
「それなら、せめて傷の手当でも・・・」
「大丈夫、もう瘡蓋で血は止まっているから。じゃあ、お世話になったね。ありがとう。あと、イストワールちゃん。失礼なこと言ってごめんね。」
「い、いえ・・そこまで、気にしてはいませんから・・」
「それじゃあ、さよなら。」
そういうと、青年はドアの方へ歩いて、この部屋を出ていった。
「さてと、これからどうするかな・・・」
プラネテューヌの教会を出た青年は街の彼方此方を見ながら、歩いていく。
街並みを見ていくと、一言で言うなら、未来を思い浮かべる様な街並みで、住んでいる住人もどこか、のんびりとしていることから、自分を助けたネプテューヌを連想させる。
「本当に、あの娘にそっくりなんだな・・」
そう呟きながら、街を歩いていると、何か街の外へと通ずる所から、声が聞こえてきた。
「何かあったのか・・・?」
気になった青年は騒ぎが聞こえる方へと足を向けて歩いていく。
集まった野次馬の波を避けて歩いていくと、そこには重傷ともいえる傷を負ったプラネテューヌの警備員が横たわっていたのだ。
傍にフワフワした少女が警備員を治療している所から見ると、命の方は無事らしいことがわかる。
青年が安心したその時、警備員が力を振り絞って、少女に何かを伝えているのが聞こえた。
それを聞くために、青年はすぐさま警備員の横に行き、何があったのかを尋ねる。
「おい、何があったんだ?」
「ああ・・・早くパープルハート様に・・・」
「おい! しっかりしろ! 伝えてやるから、内容を話してくれ! 頼む!!」
「だ、駄目です! これ以上喋ったら傷口が増えちゃうです!」
そんな少女の声を無視して、青年は頼み込むように、警備員に声を掛ける。
すると、警備員は最後の力を振り絞るかのように震えた声で懇願するかの様に呟く。
「・・昨晩・・・隕石騒ぎがあった場所の・・・・近くにあるプラネテューヌが管理している工場跡地を・・・視察していたら・・・見たこともない・・・モンスター・・・が・・・」
「見たこともない・・危険種のモンスターですか!?」
それを聞いていた少女は警備員に口を出す。すると、警備員は答えるかのように首を横に振り、口を開く。
「違う・・・あのモンスターは・・・違っ・・・うう・・・」
そう言って、警備員は力を使い切ったのか意識を失って、倒れる。
すると、それを聞いた青年はその場から静かに立ち上がる。
「すまない。彼が言った事をネプテューヌっていう子に伝えてくれ。」
「ねぷねぷにって・・・あなたはどこへ・・・?」
「ちょっと、その工場にね。それじゃあ!」
「え、ちょ・・・待って・・・行っちゃったです・・・」
青年そう言って、少女の言葉を無視して、人ごみの方へと走っていき、とんでもない脚力で地面を蹴り飛ばして、30uは埋まっている人ごみを易々と飛び越えていった。
「はううっ!!!」
それを見た少女と周りに居た人々は口をポカンと開けながら、固まってしまった。
すると、人ごみの中から、別の少女が抜け出してきて、少女の元へと駆け寄っていきながら、少女の名前を呼ぶ。
「コンパ! 大丈夫!?」
「あ、アイちゃん!? 今日はお仕事じゃなかったんですか?」
「私は今、ちょうど帰って来たところ・・・それよりも、コンパこそどうしたの? ナースの仕事があったはずじゃ・・・」
「今日は病院から患者のことで呼び出しがあっただけなんで、すぐに終わったんです。」
「そうなの。あと、さっきの男、何者・・・すごいジャンプして、プラネテューヌから出ていったけど・・・」
アイエフにそのことを言われたコンパはすぐさま、今までのことを思い出し、今すべきことを口に出す。
「そうです! 早くねぷねぷに伝えなきゃ!!」
説明 | ||
え〜と、久しぶりの投稿にリハビリとして、ネタが思い浮かんだので投稿してみました。 ネプテューヌの性格を少しシリアス目にしたら、別人に思えてきました。 あと、まだ主人公は当分名無しのままなので、ご了承を・・・ |
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