サバイバルゲーム決勝:秋蘭編
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弓を構え、狙いを定め、互いを警戒したまま時間がたつ。

この後どう動くか、どう攻めるかなどなど様々なことを考えているのだが、

5人の中で一人孤立している者がいた…秋蘭だ。

 

状態としては全員同じようなことをしているが秋蘭以外は少々違った。

5人の配置は、

 

   祭    桔梗

 紫苑       小蓮

     秋蘭

 

となっていて、秋蘭は壇上にいる2人と客席の脇にいる2人を見ているのだが、

彼女らの視線は自分のように全員に向けてはいなかった。

視線を追うと、祭と小蓮、紫苑と桔梗がお互いを見ていた。

頷き合った彼女らは、全員その視線を秋蘭に向ける。

そして気付く、この4人の敵が考えたことに…自分を標的に絞っていることに…

 

メンバーは蜀の紫苑と桔梗の2人、呉の祭と小蓮の2人、そして魏の秋蘭…1人。

二国の武将達はアイコンタクトにより作戦を立てる。その内容は…

「(我ら同国、この場はひとまず結託、孤立している者を先に屠るべし)」

と言った感じだ。アイコンタクトだけでそんなの出来るか!#て突っ込まれそうですが…

彼女らなら出来てもおかしくない!と、MiTiは思うのです。

 

敵の意図を察した秋蘭は直ぐに行動に出る。

自分ひとりが狙われている以上、この場に留まっていては格好の的だ。

直ぐ近くの安全を確保できる場所、幕の影に隠れようとするが、それを許すものはこの場にいない。

行く手を阻むかのように秋蘭の進行方向の先に矢が刺さり、

反対側並行と振り返ると、その眼前にも矢が刺さる。

 

左右がダメならば残る逃げ道は前方、壇上から降りるしかない。

視線を前に向けたとき、紫苑と桔梗が今にも矢を放とうとしているところだった。

だが、相手が自分の進行方向に放とうとしているとわかっていてもここは突っ込むしかない。

初歩を踏み出すと同時に矢が放たれ、秋蘭は矢が当たる直前にスライディングしそのまま壇上から下りる。

下りてすぐさま転がるように移動して座席の影に隠れる。

 

「くっ…やはり2対2対1では明らかに不利…何とか1対1にもt(ガラガラガラガラ…)

 ?何の音d(ガシャン!!)!?」

 

不可解な音を聞き何かと思った瞬間、自分の直ぐ横の椅子が隙間の無い列を作って壇のほうに移動し衝突した。

この劇場室の椅子は、清掃員の負担を軽減するべく椅子はキャスターが付いた移動式で、縦一列が繋がっている。

縦15席、横10〜20席が3階前方に三部分、後方に3部分。これが椅子の配置だ。

椅子は折りたたみ式で、ばねを使ったカラクリにより重りが無ければ常に折りたたまれているもの。

映画館にある椅子と同じようなものだと思ってください…

 

椅子と椅子の間の隙間から敵の様子を窺ったところ、桔梗が反対側の一列の椅子を移動しようとしていた。

椅子程度の高さなら飛び越えるなど問題ないが、そこを狙われたら対処が遅くなる。

逃げ場をふさがれる前に、狙われるのを覚悟して移動開始。

姿を見せた途端矢が飛来してくるが走ることで避ける。誰が撃ったかなんて確認する暇も無い。

 

横目で矢が飛んでこないか確認しながら全力で壁まで移動し、証明を吊り下げている紐につかまる。

紐を巻き取っている歯車の支柱を蹴り飛ばし照明の重さを利用して自身の体を持ち上げ4階へ避難しようとする。

が…目の前で逃げようとしている獲物を逃がすなんざ、そんなことはありえない。

 

「祭ーー!」

「おう!いきますぞ!!」

 

両手を挙げて祭に向かってダイブ!小蓮を受け止めその場で回転し、落ちてくる照明に向かってブン投げる。

呉一番の怪力により放たれる小蓮のドロップキックにより、照明は通常の落下地点からかなり離れる。

これにより秋蘭を引っ張り上げる紐も計算より大きく変わってしまい、秋蘭は4階に降り立つタイミングを逃してしまう。

そしてそのままターザンのように紐にぶら下がりながら劇場を一周、途中撃たれるが何とか当たることはなかった。

 

回転の勢いがおさまるのを待って下りたら成す術も無くやられるので、秋蘭は舞台の幕に向かって飛び降りる。

幕を利用して地面に降り立ち、そのまま影に隠れる。

 

「(私を狙っている間は隙だらけであるにもかかわらずこちらだけを狙ってくるか…

  どうやら2対2対1どころかいつの間にか4対1になってしまったか)」

 

秋蘭にしては珍しく焦っている。流石に彼女らを相手に勝てる見込みは薄そうだ。

 

この後どうするか、などを考えているといつしか秋蘭は何故ここまで必死になっているのか?と考え出した。

 

答:祭の期間中ショタ一刀と過ごすため…

 

考えてみれば、華琳に身も心も捧げている自分にとってそこまで必死になることではないのではないか?

どうせ遊び(とは言えない様な惨状を出しているが…)なのだから別にいいか…

と考え出した所で、秋蘭のなかにあるヴィジョンが浮かび上がる。

 

それは子供になった北郷一刀…

 

純粋無垢なつぶらな瞳で輝かしい笑顔で自分を見つめる(ショタ)北郷…

 

捨てイヌのような可愛らしい上目遣いで自分に甘えてくるであろう北郷…

 

自分の腕(あるいは膝)を枕に安らかに眠る北郷…

 

自分はまだ…姉をしばいた時のあの笑顔しか見ていない。

なのに、こんな所で勝利を投げ出し諦めていいのか………否!!

 

 

先ほどまでの悲観的な考えを否定したとき、秋蘭の頭の中で種が陶器が割れるような音を立てて割れた!!

 

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幕から飛び出し即座に敵の位置を確認、一番近くにいるのは…小蓮!

彼女に向かって駆け出すと同時4方向から矢が飛来してくるが、秋蘭は勢いを殺さない。

一本の矢を顔を横にずらすことでかわし、一本の矢を身を低くして避け、一本の矢を弓で弾き、一本の矢を自らが放つ矢で相殺する。

相殺したことで一瞬空中にとどまった矢を掴み取り弓を構えずにそのまま特攻を仕掛ける。

援護しようにも、椅子と同じ高さまで姿勢を低くしているので、中々当たらない。

小蓮は後ろに引きながらも矢を放つが、時にはかわされ時には弾かれ、ついには自分の目の前に立たれた。

秋蘭も弓で矢を放っていたならまだ対処できたが、彼女はそうせず手で持ってここまで来た。

ならば自分もと思うが時既に遅し…矢を取り出したときには、小蓮の未発達な胸に矢がつきたてられていた。これで一人…

 

これを見ていた残り三人は驚いていた。命中精度、反射速度、移動速度、何もかもが向上していた。

驚き呆けている間に秋蘭は次のターゲット、その場所から一番近くにいる祭にロックオン!

椅子と椅子の間の歩行者スペースの先に彼女はいた。

 

歩行者スペースまで移動し、祭を正面に捉えて全力疾走。

真正面から来る秋蘭を迎え撃つべく矢を放つが跳躍で避けられる。

避けるにしてもこのような狭い所なら避ける場所は限られてくる。

そう考えて、次は避けた後のことも考えてうとうとするが、それは適わなかった。

秋蘭は跳躍したのち、椅子を蹴り反対側の椅子へ跳躍、そしてまた蹴り再び反対側の椅子へ…

二枚の板の間を高速で跳ねるスーパーボールのような動きで椅子の間を壁ジャンプして一気に距離がつめられていく。

直射だろうが同時撃ちだろうが放たれる矢は擦り抜けていくかのようにかわされていく。

結界展開!と言わんばかりに矢筒に入った残りの矢をぶちまけるが最後の一歩だけ違う行動をとられた。

椅子を蹴らず、座席に足をかけることで椅子を展開し、そこから跳躍する。

ばねの力も利用され、展開された矢の結界を軽々と飛び越え、秋蘭は祭の真上に来る。

すれ違いざま矢を放つ。至近距離で撃たれ抵抗しようと差し出した腕に矢が刺さる。二人…

 

すぐさま残りの二人、紫苑と桔梗の位置を確認。二人は落ちてきた照明の影に隠れていた。

遠くから援護するのではなく、二人同じ場所に立ち片方がやられても、もう片方がしとめることにしたようだ。

 

二人の行動を予想し、自分に有利な状況に運ぶためにどうすれば良いかを考え…ることも無く秋蘭は駆け出す。

今の秋蘭には無駄なのではと思いつつも、矢を放ち迎え撃つ。予想通り矢はことごとくかわされ弾かれ秋蘭には届かない。

それでも二人は撃ち続ける。姿勢を下げようと壁ジャンプ(この場合は椅子ジャンプか?)しようと何しようと撃ち続ける。

秋蘭は二人のところまで後大また3歩と言う所で若干高めに跳び椅子の背もたれを超えて、椅子の上に着地する。

障害物の照明を飛び越えるのだと考えた二人は空中で隙が出来た所を狙おうとする…が、

秋蘭は椅子のばねを利用して高く飛ぶ所までは先ほどと一緒だったが、跳んだ先には照明の紐が垂れ下がっていた。

跳躍の勢いを利用して紐にぶら下がりながら照明を回り込み、そこで自分達に向かってくる秋蘭に向けて矢が放たれるが、

紐から手を離してこれを回避。

弓を持つ手を上げ体を捻り回転させ、弓を二人に向けるような体制で、頭上で一瞬静止する。

そして、体を横に回転させ、そこから大量の矢が降り注ぐ。

弓で放つ矢、手で直接投げる矢、普通に落とす矢、威力・飛来速度様々な攻撃が紫苑と桔梗に襲い掛かる。

何とか回避して反撃しても、回転する弓が盾となって届かない。

むしろその反撃が止めに繋がり…これで全員が脱落した。

 

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脱落した者達が次々と受付に戻り、最後に秋蘭が戻ってきた。

4対1という苦難を乗り切り、勝利を掴み取った彼女の表情はかなり嬉しそうであった。

 

これから祭の間一緒に過ごす一刀(ショタ)を迎えに預かり部屋に行き、

入ってすぐに先ほど打ち倒した4人が一刀をちやほやしている所を見つけた。

どうやら今のうちに一刀分を補給しようとしているらしい…

 

秋蘭が部屋に入ってきたことに気付いた一刀は、満面の笑みを浮かべながら駆け寄り、

 

「シュウランおねえちゃーん!おめでとーーー!」

 

秋蘭のことを褒め称えながら彼女の胸に向かって飛び込んでいく。

これがいつもの(大人の)一刀であれば平手打ちなどのカウンターを喰らう所だが…

今の一刀は子供…自分になついてくる幼子を拒否る者はこの場にはいない。

飛び込んでくる彼を秋蘭は優しく穏やかな笑みを浮かべながら抱きとめる。

(う、羨ましくなんかないもんね!by作者)

 

「ふふ、ただいま。さて、今から祭の間は私と一緒に過ごすことになるが、何処か行きたいところはあるか?」

「シュウランおねえちゃんと?」

「ああ…と、そういえばもう夜遅いな。とりあえず今日はもう部屋に戻って休もうか」

「うん!」

 

握ってきた手を握り返して、秋蘭は一刀と共に自分にあてがわれた寝室に向けて歩いていく。

これから始まる、一刀と共に過ごす祭りの期間がどのようなものになるのか?期待を胸に…

 

 

あとがき

 

えー…どうでしたでしょうか?サバゲー決勝、秋蘭編。

もう自分でもなんかいろいろ入りすぎじゃね?って思えるようなものになっちゃいました…

苦手なバトル描写を必死に書こうとしたんですが、やっぱり難しいですね…

足りなくなった部分はもう他所からちょっとネタ貰っちゃいました。

機動戦士のあの方達だったり、某ヒゲのある赤い男だったり、DMC(デトロイトじゃない方です)のあのアクションだったり…

でも、自分の脳内で秋蘭がやってるところを想像してみると…なんか予想以上にカッコいい描写に!?

やっちゃった…と思いつつも後悔はしてません!!

 

さて、次回はいよいよお祭秋蘭ルート!

クールな彼女がどのように壊れちゃうか!?お楽しみに!!

……とは言うものの、結構難しいんですよね〜…

説明
パロネタが含まれます…
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コメント
う、羨ましくなんかないもんね!(詩)
おもしろかったです(零壱式軽対選手誘導弾)
>タンデムさん 一応他の4人も書く予定です。設定兼今後の予定で書いたとおり皆と楽しんで勝負して勝った人が一刀を独占てな感じで…一人一人のストーリーを書かなきゃなのでちょっと時間かかるかもですが…(MiTi)
お〜〜〜楽しみにしてましたがこれほどとわ・・・。秋蘭がすんげえカッコイイ!!それと思ったんですけど『秋蘭編』ってことは他の娘のもあるんですか?(タンデム)
>カツオ武士さん ん〜…もとネタは某機動戦士のあの方達ですけど、これ使おうって決めたのはフルメタふもっふのメガネ君が脳内で種割れならぬパンツ割れしたところを見て思いついたんですがねw(MiTi)
>@@さん スーパー…やったほうが良かったですかww?(MiTi)
>munimuniさん いくら4対1だからって強くしすぎたかな?(MiTi)
>タタリ大佐さん ほんとに…自分で書いて手なんですが、理屈じゃないっすねええ(MiTi)
>Poussiereさん くっ…想像しただけで鼻時ブーとは…果たしてその想像を超えられるか!?頑張ります!!(MiTi)
>影亜さん 予想通りでしたか…この後他の4人が勝つところを考えると…OTZ 秋蘭の壊れ具合って結構難しいんですよね〜…(MiTi)
まさに執念のなせる業ですな、いきなり種割れにはwきましたが;いつのまに君はこーでぃねーたになったんだい?秋蘭さん…(カツオ武士)
く…色々と理屈じゃない。恋(?)する乙女は理屈じゃない(タタリ大佐)
秋蘭が勝って良かったです!! 冷静沈着な秋蘭がショタ一刀にメロメロにされて萌え悶える秋蘭を想像して、鼻血ぶっーした俺はもう病院逝きですね。分かりますw(Poussiere)
秋蘭が勝ったかぁある意味予想通りかな〜でもどれほど壊れちゃうかが楽しみだ周りの反応もw(影亜)
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真恋姫†無双 秋蘭  小蓮 紫苑 桔梗 ショタ 一刀 

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