詩集「奏詞」終巻
[全11ページ]
-1ページ-

【必象】

 

見つめなくてはいけない必ず訪れる事象

 

ただこれを意識しはじめると

頭の中は軽いパニックをおこし

ちょっとした恐怖で支配される

 

幼いときはそれがあまりにも

怖くて怖くてどうにかなりそうだった

 

かく言う今もそんなには変わらない

ただ意識していたことを

強制的に忘れられるようになっただけ

でも意識しておかないと後悔する

 

いつ訪れるか分からない

極端に言えば1秒後かもしれないし

何十年も先の事なのかもしれない

誰にもそれはわからない

 

-2ページ-

 

【先にあるもの】

 

いつかはたどりつく先

その先に待つものは何なのか

もしかしたら何も待ってはいないのか

誰も知らない

 

先はいつかは必ず体験する

それまで知る事が出来ない

それはもどかしくそして恐ろしい

 

-3ページ-

 

【今昔】

 

何だかよく分からない事ばかり

嫌違う分かりたくもない事ばかり

今まで生きてきた世の中は変化している

 

殴る蹴る叩くは私の学生時代もあった

でもそれらの限度は知っていた

 

喧嘩も乱闘もあった互いに殴られたし殴った

でも互いに次の日は五体満足だった

 

けど今は限度を知らないだから悲劇がおこる

 

-4ページ-

 

【生現】

 

辿り着く場所は誰もがきっと同じでも確かじゃない

だってついた場所から帰ってきた人は誰もいないから

 

だから誰も辿り着く場所を知らない

もしかしたら辿り着く場所なんてないのかもしれない

 

あったにしろなかったにしろ

それはそこに辿り着いたときにしかわからない

 

けれでそれはその時までの楽しみにと

言えるだけの強さはさらさらない

 

だから精一杯に今をすごす

 

-5ページ-

【終姿】

 

花火のように

鮮やかに咲き

同じように

消えていく

 

最後が綺麗なら

どんな風に

軌跡を描こうとも

 

それは限りなく

美しい

 

-6ページ-

 

【追音】

 

静かに近づいてくる足音

今はまったく気にならない足音

まだまだ遠い足音

誰しもが最後は追いつかれる足音

いつ来るのかがわからない足音

 

でも着実に一歩一歩近づいている

まぁこれはどうしようもなくしかたがない事

 

今は足音に気がつかないフリして

面白可笑しく楽しくフラフラといってみようか

 

-7ページ-

 

【慎心】

 

サラサラと崩れていく

きっかけはちょっとしたこと

 

ずっと続くと思っていた

でも永遠なんて約束はされてない

よく使われるフレーズ

 

思い出すしては後悔する

信じていたから

 

いつかは終わる

それを前提に一生懸命

気遣い思いやる

 

終わらないように

 

-8ページ-

 

【海?人々の思い一つの時代】

 

海に浮かぶ 紙風船が一つ 流れにまかせてゆられてる

遠い所にいる あの人に会いにいくみたいに

私もあの風船みたいに 海に浮かんで あの人の所へいきたい

 

なぜ私を残していってしまたの あなたの声をきかせて

私は紙風船になって あの人の場所までいきたい

何も言わないで 私をのこしていくことないでしょう

 

かなわない願いと知っていても 願わずにはいられない

波にゆられて流れていく紙風船よ

あの人の場所までつれていってください

 

-9ページ-

 

【流風車】

 

時には 少し静かに

空を眺めよう

今まで 見えなかった

何かが見えるから

 

傷ついた心も 少しは慰められる

 

大きな白い雲が流れていき

あの日の事を思い出させる

 

好きな子に気持ちを伝えた日

あの日は 雨が降って

今 見てる大きな白い雲はどこにもなかった

 

大きな白い雲が流れていき

あの日の事 思い出させる

 

プールに浮かんでいた

僕の上を通りすぎていった

その雲に似ていた

 

あの雲 明日(あす)は

どこでなにしている

 

またどかで

会うことあるのかな

 

-10ページ-

 

【暖かな時】

 

春の風が柔らかく吹く頃に

海に貴方と一緒に行きたい

 

約束しましたね私と、覚えてますか

 

貴方は微笑んでいいよって言ってくれました。

 

私が無理を言っているのを承知で

 

あの時の笑みは

涙でぼやけてはっきりしない

涙脆い性格が恨めしいかった

 

貴方と一緒にいられた時間は

愛しすぎてそして

過ぎていくことが怖かった

 

最後までそばにいてくれてありがとう

私にくれた貴方の大切な時間

貴方に感謝しています

 

あの日の約束を果たすため

今日一人でこの場所にやってきました

二人で見ることのできなかった

春の海はとても穏やかで寂しい音色を奏でていました

 

-11ページ-

 

【明最】

 

明確に表示されていない最後

その最後に向かって一歩一歩

 

時には小走りに時には全力で

時にはゆっくりと歩んでいる

 

いっそのこと立ち止まれたら

いっそのこと進み続けれたら

いっそのことUターンしたら

 

考えるだけ無駄だとわかっていても

ついついそんな事を考える

 

説明
詩集「奏詞」の第七巻。詩集「奏詞」はこの巻が最後になります。自分が思っていた以上に書き綴った詩がありました。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
561 529 1
タグ
詩集 奏詞 

華詩さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com