英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 672 |
ヴァイス達がジオフロントを進み始めたその頃、ロイド達はオーバルストアの中に入り、依頼人であるオーブメント職人でありロイドの幼馴染でもあるウェンディの所に向かった。
〜オーバルストア・ゲンテン〜
「ロイド、待ってたわよ。それに皆さんも……って半分は馴染みのない顔だけど。」
「ああ、このメンバーでは活動し始めたばかりだからな。」
ウェンディの言葉にロイドは頷き
「初めまして、ノエル・シーカーと言います。」
「リィン・シュバルツァーだ。これからしばらくよろしく。」
「ワジ・ヘミスフィアさ、よろしく。そういえば君―――ロイドの幼馴染なんだってね?よかったら、今度ぜひロイドの幼き日の面白可笑しいエピソードを聞かせてもらいたいんだけど。」
ウェンディと初対面なノエルとリィンと共に自己紹介をしたワジは口元に笑みを浮かべて言った。
「ふふ、いいですよ〜!ロイドの弱みを握りたいのね?」
ワジの話を聞いたウェンディはからかいの表情になり
「な、なんの話だよ……――――とりあえず、さっさと本題に移ってくれ。エニグマUの講習をしてくれるんじゃなかったのか?」
ロイドは溜息を吐いた後話を戻した。
「あっと、そうだったわね。オッホン、ではさっそく……―――ロイド達も、既にエニグマUを使っているから知っているとは思うけど。エプスタイン財団が行った、今回のバージョンアップの唯一にして最大の変更点……それは何といっても、中心のスロット構造にあるわ。そして、その中心に嵌める特別なクオーツの事を『マスタークオーツ』と呼ぶの。」
「ああ、この文様が刻まれたクオーツのことだよな。」
「そう、その球状のクオーツよ。そして、そのマスタークオーツが従来のクオーツと決定的に違う点は『成長する』ということにあるの。オーブメントにセットした状態で戦闘を重ねることで練磨され、段階的に強化されていくそうよ。」
「何ていうか……少し神秘的な感じがしますよね。」
「ええ、まるで命を持っているみたいね。」
「それに常に携帯するからパートナーと言ってもおかしくないかもしれないな。」
「フフ、ちなみにこれからその原理やなんかを講義してくれるのかい?」
ウェンディの説明を聞いたノエル、エリィ、リィンは感想を言い、ワジは尋ねた。
「あ、ううん、そういうのは残念だけど研究者じゃないから私も詳しくは知らないの。そもそも本来は成長というより、秘められた力を引き出しに行くイメージアップらしいんだけど……それはともかく、皆さんに覚えて行ってもらいたいのはエニグマUの扱い方―――つまり、論より実践というヤツね。というわけで、まずはこちらを受け取ってくれるかしら。」
尋ねられたウェンディは答えた後エリィとワジにマスタークオーツを渡した。
「これがマスタークオーツ……」
「ふむ、確かに普通のクオーツとは存在感みたいなものも全然違うね。でもいいのかい、もらっちゃって?」
「ええ、いいもなにもそれは元々警察本部から皆さんに支給された品だから。ちなみに、マスタークオーツは普通の工房では合成できない上に量産できる物じゃないらしいの。ウチでも財団の研究所から幾つか入荷はしているけれど……基本的に、1種類につき1個しか売る事ができないからくれぐれも丁重に扱ってね。」
「なるほど……それだけ希少な品ということですね。」
「へえ…………じゃあメンフィルの戦術オーブメントの技術は進んでいる証拠だな……」
ウェンディの話を聞いたノエルは頷き、リィンは意外そうな表情で言った。
「へ?一体どういう事だい、リィン?」
リィンの言葉を聞いたロイドは不思議そうな表情で尋ね
「メンフィル軍では訓練兵にまでオーブメントを支給される上、マスタークオーツも一つだけだけど好きなマスタークオーツを選べる上、その選んだマスタークオーツを支給されるんだ。」
「え…………メンフィル軍ってどういう事??」
リィンの話を聞いたウェンディは不思議そうな表情でリィンを見つめ
「えっと……リィンはメンフィル軍から特別に期間限定で出向しているんだ。……それよりリィン、今の話は本当なのか?」
ウェンディの疑問にロイドは答えた後驚きの表情でリィンを見つめ
「ああ、本当だよ。実際に俺もクロスベルに来る前にマスタークオーツを支給してもらったし。……ほら。」
「本当だ………」
「す、凄いですね、メンフィルは……量産できないって話なのに既に量産しているなんて……」
「私がもらったマスタークオーツと同じ色ね……だったら属性も同じなのかしら?」
見つめられたリィンが見せたオーブメントの中央に嵌めこまれてある緑色のマスタークオーツを見て驚いているノエルと共に見つめ、エリィは自分が持っているマスタークオーツと見比べ
「その紋様は確か……『クサナギ』だね。へ〜………噂には聞いていたけど、メンフィルの戦術オーブメントの技術って凄いのね〜。」
ウェンディはリィンのオーブメントに嵌めこまれてあるマスタークオーツを見て呟き、興味深そうな表情で言った。
「それで話を戻すけどウェンディ。実践って一体何をすればいいんだ?」
「そうね、まずはその前に全員、マスタークオーツをオーブメントにセットしてもらえるかしら。誰がどれを付けても構わないから5人全員セットしたら声をかけてちょうだい。ちなみにマスタークオーツにも特定の属性があるけど、スロットに”縛り”はないの。つまり、マスタークオーツは人を選ばずにセットできるって寸法よ。」
「なるほど、それは便利ですね。」
「フフ、それじゃさっそくセットさせてもらおうか。」
その後マスタークオーツをセットしていないエリィとワジはそれぞれのオーブメントにセットした。
「オッケー、どうやら全員ちゃんとマスタークオーツをセットできたみたいね。」
「で、次はどうするんだ?」
「ふふ、単純明快―――今度はマスタークオーツの効果を実際に確かめて来て欲しいの。」
「それは……戦闘を通してという事ですか?」
ウェンディの話を聞いたエリィは尋ね
「ええ、そういう事です。ロイドのノエルさん、リィン君は既に経験済みみたいだけど、改めてよろしくお願いしますね。」
尋ねられたウェンディは頷いて答えた。
「了解です。」
「わかった。」
「ちなみに何か条件はあるのか?戦う場所とか、回数とか。」
「ううん、特にないわ。場所も相手も完全にお任せね。戦闘の回数も1度で十分だけど、ただし逃げずにちゃんと戦ってね。」
「フフ、ごもっともだね。」
「それでロイド、場所はどうするの?」
「そういえば、メゾン・イメルダに手配魔獣がいるんだったな。それを片付けるついでに試してみるのがいいかもしれないな。後はリィンの武器や戦い方も把握しておきたいし。」
「確かに、そこなら手っ取り早く試せそうですね。」
「ふふ、どうやら場所も決まったみたいね。じゃあ、次はこのクオーツを持って行ってちょうだい。」
ロイド達の会話を聞いていたウェンディは微笑んだ後クオーツを渡した。
「これは……」
「ええ、それも警察本部からの支給品よ。通常のスロットにそのクオーツを嵌めると、エニグマU用の新アーツ、『アナライズ』が使えるようになるから。情報を制する者は戦いを制するっていうしね。ぜひ戦闘に役立てて。」
「ああ、了解だ。(今はティオがいないし……しばらく魔獣の情報集めはアーツやバトルスコープに頼る必要がありそうだな。)」
「それじゃ、気を付けて行ってらっしゃい。オーブメントの改造やクオーツを合成したい時はいつでも言ってちょうだいね。」
その後ロイド達はアパートのオーナーから鍵を借りた後、アルカンシェルが近かったのでイリア達に挨拶をする為にアルカンシェルに向かった……
リィンのマスタークオーツを知って、オイッ!と思った人達もいると思います♪1週目の序盤から欲しかった…………(つーか、マジでアリオスが持っていたクサナギを奪いたかった……後、グラールロケットも(期間限定しか仲間にならん奴にはもったいなさすぎる!(激怒)或いは軌跡シリーズ恒例、スポット参戦したキャラは別れるとき、装備やクオーツを残していく事を期待していたのに(泣))……感想お待ちしております
説明 | ||
第672話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
感想ありがとうございます 本郷 刃様&Kyogo2012様 まあ、国力があまりにも反則すぎですからねww(sorano) メンフィルってところは、不可能といわれていることを可能とするところですねメモメモ(Kyogo2012) リィンはマスタークオーツまで強力なものだなんて・・・メンフィルはやはりさすがですww(本郷 刃) |
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