一刀の晋王転生録 第五章十九話 |
姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:ケ 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
事件が起きて、二日ほど経った。その頃になると、居なくなった皇帝の座に誰が付くのか、それが現在洛陽中で騒がれている事だ。
普通ならば劉協がなって然るべきなのだが、劉辯の他者に対する過剰な暴言のため、民の漢の対する関心はほぼ皆無の状態だった。
「おい、お前はどうなると思う?」
「どうって……劉協様が皇帝になるんじゃねえか?」
「いや、オラは司馬昭様になってほしいな」
「同感だね! 僕はもう漢を信用出来ないよ。いっそ此処で漢を潰してもらって司馬昭様に本格的に国を治めて貰いたいよ」
「いや、でも司馬昭様がそこまでするお方ではないと思う」
「あー、そうだなー、俺達の事を考えてくれて、そういうお方だから人気があるんだよな」
民の間でいろいろな予想を立てる。そして予想の中には全て、ある共通点があり、誰もが周知していることがある。
それは、それらを決めるのは間違いなく司馬昭の意思であるという事である。
当の本人である一刀は、今、闇那にある話を持ちかけられていた。
「俺に?」
「はい、我等配下、そして多くの民がそれを望んでいます」
「俺はそんなつもりで劉辯を斬った訳じゃないんだけどな」
「ですが問題ばかりを起こしている漢に任せ続ける訳にはいかないかと」
「そしてそれも君達と民達が思っていることでもあると?」
「そのとうりです」
司馬昭は少しばかり考える。だが、考えても答えは変わる事は無かった。
「いや、駄目だ。やはり皇帝になる訳にはいかない」
「何故です!?」
そう、話とは一刀が皇帝になるか否かである。一刀の応えは否だった。
「理由はさっきも言ったが皇帝になるつもりで先の事件を起こした訳じゃない。国を守るためだ。だと言うのに帝位略奪に目的を変え
る事は出来ない。それに劉協様ならば大丈夫だ。あの方は聡明だ。問題が起きるような真似はしない」
「ですが!?」
「そしてこれが最大理由……五胡の侵略だ」
「え!?」
闇那は五胡が出来てた事に一瞬驚くが、すぐに意味を理解する。
「……なるほど……如何に兵や民の多くが一刀様が帝位に就くことを望んでいたとしてもしばらくの混乱は免れない。そんな状態で五
胡と戦う事になったら不利になってしまう」
「そうだ、それにある三つ勢力の事もあるしな」
「あ、そうか。一刀様が帝位に付いたら、略奪者討伐と言う大儀で攻めてくる、それも五胡との戦いの最中に」
闇那は改めて考えると、今がどれほど危険な状態なのかに気付く。そして今の時点でも危険が迫っている事に。
「あ! ですが帝位以前に、今でも他の勢力が攻めてくるのでは!? 劉辯を討った不義者として!」
「ああ、だからこそ劉協様を擁立するんだ。あの方に力を貸して貰う為に」
数日後、一刀は劉協を帝位に就かせることを推薦。献帝・劉協が誕生した。
即位式が終わった後、すぐ劉協に五胡討伐を、決戦を上奏する。
「ふむ、よかろう! わた……ゴホンッ! 朕としてもいい加減、奴等はどうにかせねばと思っていた。全力を尽くしてくれ!」
「はっ! ではさっそく参ります!」
(そなたとの打ち合わせどうり、あの者達は朕がどうにかしよう、頼んだぞ司馬昭)
そして一刀は自身の軍、董卓軍、袁家軍、公孫賛軍の主力全てを連れて討伐に向かった。
「漢の心配は無くなった、さらにしばらくは他の侵略も無い、これで姜維に全力を向けることが出来る! これで終わりにしてやる!
姜維よ!」
司馬昭と五胡との最後の戦いが今、始まろうとしていた。