サトシ「レッドさんが失格!?」 |
サトシ「はははっ、冗談だよな、タケシ」
タケシ「何と言っていいか......」
サトシ「第一、あのレッドさんがどうして失格になるんだよ」
タケシ「......」
サトシ「そうだよな、冗談だろ?」
タケシ「……ドーピング……あと……くっ……ポケモンの改造だ」
サトシ「……タケシ、いくら冗談でも言って良いことと悪いことがあるぞ」
タケシ「……」
サトシ「なぁ、冗談なら冗談と――」
タケシ「事実だ」
サトシ「……嘘だ」
タケシ「サトシ、どこでそんな話を聞いたか知らんが、今は」
サトシ「嘘だ! そんなの嘘だ!」
タケシ「今は、グローバルショーダウンに向けて全力を尽くせ」
サトシ「……タケシ、俺、直接確かめてみる。 なぁ、レッドさんが今どこにいるか知っていたら教えてくれないか」
タケシ「サトシ……分かった。 そこまで想ったらもう、聞かないもんな」
サトシ「……」
タケシ「シロガネ山に行け」
サトシ「ありがとう、タケシ」
タケシ「大会まで3日、絶対に戻ってこいよ」
サトシ「ああ!」
アイリス「ねーねーサトシ、電話で誰と話してたの?」
サトシ「ああ、ちょっとね……」
アイリス「……」
サトシ「ごめん、ちょっと用事があるから、ここは頼む」
アイリス「サトシ、ちゃんと戻ってきてね」
サトシ「ああ」コクッ
アイリス「……泣いてた? それとも怒ってた……?」
サトシ「レッドさん、俺はあなたに憧れて……ポケモンマスターになりたいと……」
サトシ「はぁ、でもここは寒いな。 夏なのに長袖で」
サトシ「なんだか耳も痛いし」
サトシ「こんなところにいたら凄いよな」
サトシ「……いなかったら、そのまま帰れるのにな」
サトシ「はぁ、はぁ……」
レッド「良く来たね」
サトシ(ついに、ここまで来てしまったのか)
レッド「どうしてこんなところに来たの?」
サトシ「……噂を聞いたんです……悪い噂を」
レッド「……」
サトシ「はは、嘘ですよね。 ……ポケモン達を改造していたなんて」
レッド「そうだよ」
サトシ「良かった……」
レッド「そうだよ、ポケモン達を改造した」
サトシ「そんな……」
レッド「この前、大会を失格になって……考えを改めたんだ」
サトシ「ほ、本当ですか! また、一からやり直しましょう! レッドさんなら出来ますよ!」
レッド「……そうだね、やり直そう」
サトシ「俺、どうしようかと」
レッド「ピカチュウ、サトシのピカチュウにボルテッカー」
ピカチュウ「ピィィィカァァァァ」ババリバリッシュ
ピカチュウ「!?」チャァァッ!
サトシ「色違いの、ピカチュウ!?」
レッド「……そう、最初からやり直すことにしたんだ」
レッド「ピカチュウ、下がれ。 デオキシス、君に決めた!」
サトシ「なんだって!また……クソッ! ハハコモリ、頼む。糸を吐くで相手の動きを止めるんだ!」
ボトッ
サトシ「!? モンスターボールを拾わないと!」
サトシ「あれ……? 俺の……手が えっ……」 ボタボタボタボタ
アイアント「……」キチキチ……
レッド「変だと想わなかったのかい? ここまでポケモンが出なかったこと」
サトシ「あ、そんな……」ボタボタボタボタ
レッド「サトシ、ポケモンマスターへの道は遠いな。 デオキシス、サトシにれいとうビーム」
デオキシス「……」
サトシ「えっ……」
「……」
「……」
「……サトシ……サトシ」
サトシ「……うーん、デント…もう食べられないよ」
アイリス「起きなさいよ! サトシ!」
サトシ「ん……? アイリス?」
アイリス「寝ぼけてこんなとこで寝るなんて、サトシってまだ子供ね−!」
アイリス「……いたの?」
サトシ「ううん、バトルしたと思ったら、いなくなちゃった」
アイリス「何それ? 帰りましょ、明日はもう大会なんだから。 しょうがないから私のカイリューに乗せてあげても良いわ!」
アイリス「あと、こんな山のてっぺんで眠ったら、風邪引いちゃうんだからね!」
サトシ「ああ、ありがと」
アイリス「ところで服に血がついてるみたいだけど、けがでもしたの?」
サトシ「いやあははは、実を言うと転んじゃってさ」
アイリス「ホント、サトシって子供ね!」
サトシ「……振り向かない、うつむかない、へこたれない、あきらめない」
アイリス「どうしたの、サトシ?」
サトシ「ああ、気合いをね」
サトシ「いつも……遙かな夢、目指して…… あははははっ!」
おわり
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