恋姫 華陀紀行58
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 そろそろ夜明けという頃に目が覚めました。

 

 

 特に誰かがこの部屋には入って来ることはありませんでした。

 

 

 たまに、近くを通っていたようですが、恐らく警羅か何かでしょうか?巡回していっています。

 

 

 そのような人を雇うと言うことは、それなりの豪商か豪族のところでしょう。

 

 

 しかし、まだまだ警備が甘いと言わざるをえません。

 

 

 さくさくっと自分の小屋へと戻ります。

 

 

 小屋に入って固まってしまいました。

 

 

 部屋が荒らされています・・・。

 

 

 しかも、現在進行形で・・・。

 

 

 誰か引っ越し業者でも雇ったんですかね?

 

 

 やっぱり、さっきの少女の手配だったんでしょうか?

 

 

「そこにたってたら邪魔だよ!」

 

 

「ああ、すいません」

 

 

 何故、謝ってしまったのでしょう?ここって一応借りてるとはいえ俺の家ですよね?

 

 

 それにしては、みんな思い思いの方向に持っていっているような・・・?

 

 

 中に残っている人に話を聞いてみますかね。

 

 

「すいません。何してるんですか」

 

 

「見てわからないのかよ!ここのものは、なんでも早いもの勝ちで持っていっていいらしいぞ!」

 

 

 そう言いながら男は手を止めません。

 

 

 他の人達も止める気はないようです。

 

 

 俺そんなこと言った覚えは無いですよ?

 

 

 取り敢えず!

 

 

 【パン!パン!パン!】

 

 

 気を乗せた手合わせでみんなの気を惹きます。

 

 

「皆さん我が家にどういった御用件でしょうか?」

 

 

 やっぱりみんな固まっちゃいましたね。

 

 

 ちょっと・・・と言うか一晩開けただけてこれですか・・・。

 

 

 固まって誰も動かなかったところに、この小屋を貸してくれた商家の人が息をきらして走ってきました。

 

 

「あんた大変だよ!」

 

 

「ええ、現在とても大変なことになってます」

 

 

 今の小屋の状況を見る限り、大変ですね・・・なんか他人事っぽいですが・・・。

 

 

「知ってたのか!?」

 

 

「今知りました・・・」

 

 

 ため息混じりに商家の人をよく見ると、立看板を持っています。

 

 

「立看板を勝手にとってきたら捕まりますよ?」

 

 

 随所に設置された立看板は、太守などの施行が多々触れてあるので、それをとるということは、反逆の意思ありと見られてしまいます。

 

 

「これはうちの前のやつだからいいんだよ!それよりこの内容ほんとなのかい!?」

 

 

 はて?何か俺に関することがあっただろうか?

 

 

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 立看板をの内容を何度も読みなおします。

 

 

 熟読です。

 

 

 しかし、内容を見れば見るほど理解したくありません。

 

 

 なぜこのようなことになったのでしょう?

 

 

 短い文字で分かりやすく書いてあります。

 

 

 きっと識字率が低いから分かりやすくしてるんでしょうね。

 

 

『華陀医、曹家、連、報償、食糧十斤』

 

 

 あそこ曹家でしたか・・・実際、声だけじゃ気付かないもんです。

 

 

 くそう!顔さえ見れていれば!よく考えるとあの喋り方には確かに覚えがあります。

 

 

 それにしても指名手配ですか?

 

 

 昨日の段階でこんな立て札無かったですよね?

 

 

 手回し早すぎません?

 

 

 もしかして、この惨状もあなたのせいですか?

 

 

 外堀埋めて逃げられないようにする気ですね・・・。

 

 

 もうすぐ冬ですもんね・・・あの短時間でたいしたものです・・・はあ・・・。

 

 

「あんた自分のこと華陀って言ってたよな?それが本当なら俺と来てくれるよな!?食糧十斤はでかいんだ!」

 

 

 どんどんとヒートアップしていってます。

 

 

 その言葉を聞いたのでしょう、小屋の中にいる人達もこちらへと近付いてきました。

 

 

 なんか、みんな獲物を狙うかのような目をしてますよ?

 

 

 少し落ち着きましょうか。

 

 

 というか、俺の価値って十斤なんですか?低くないです?もっと大盤振る舞いしてもいいじゃないですか。

 

 

 ゆっくりと包囲網が縮まっています。

 

 

 町の人の、この阿吽の呼吸・・・アイコンタクトで全て意思疏通できそうです。

 

 

 なんでこんなところで、そんな一体感を出すんですか?あなたたちそんなに知ってる仲じゃないんでしょう?

 

 

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 結局、みんなを避けてしばらく麻痺させ倒します。

 

 

 ただの町人に負けるはずがありません。

 

 

 小屋にはいってみましたが、高そうなものはなくなっていました。

 

 

 特に食糧はゼロです。

 

 

 医療用の鍼が無事だったのが救いでしょうか?

 

 

 護身用の短剣は持っていたので良かったですが、それ以外の武器が見当たりません・・・。

 

 

 飢饉がきただけで、ここまで人の心の荒廃は進むんですね・・・。

 

 

 ここにいても仕方ないので、使えそうな物を持っていきます。

 

 

 路銀は床下に隠してあったので大丈夫でした。

 

 

 まあ、飢饉のときにこんな金属が役に立つかは不明ですが・・・ないよりましでしょう。

 

 

「ここにあるものは、全てどうぞ。ではさようなら」

 

 

 夜が明けています。今日は雲ひとつない晴天です。

 

 

 しかし、肌寒いな・・・。

 

 

 もうすぐ冬・・・ここの町で越えようと思ったのに・・・ここからだともう少し上にいけば、大きなところもあるかもしれませんが、向かうは真西です。

 

 

 途中の町・・・なければ村にお世話になるしかないですね・・・。

 

 

 防寒具でも作るためにも、山へと入りつつ、西に向かいますか・・・。

 

 

説明
本作品は華陀への転生ものです。
【注意事項】
素人の書きなぐりです。
はっきり言って自己満足なだけのものです。
一応昔に恋姫はしたことありますが、うろ覚えですので、改変が多々あると思います。
また、不愉快に感じる場面も多々あると思われますので、その時点で読むことをやめるのをお勧めします。
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コメント
…今まで読んでいて、傲岸不遜な連中が多いなとは思っていたけれど、流石に度が過ぎてきた感じがする。この頃の曹操は、まだ職に就ける年齢ではなかったのかもしれないが、御触れが暴徒を顕在化させるようじゃどうしようもない。乱世の姦雄の片鱗を、こんな事で示さなくとも良かろうに…。(クラスター・ジャドウ)
私の心が荒んできました・・・どこかで洗浄せねば・・・(Peru)
これは恩を仇で返したって事で悪評をばらまけば良いと思うな。今後こうゆう事が起こらないように教育的に。(陸奥守)
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