電話 |
ピピピピッ、ピピピッ、ピピピッ・・・
携帯の着信音が部屋に響く、会社支給の携帯なので鳴る音は昔ながらの単音だ。昨夜の飲みすぎのせいで瞼が上がらない。頭にガンガン響くせいでなかなか手が動かない。いつまでも鳴り止まない携帯をなんとかポケットから探り出して電話に出る。
電話の向こうから上司の叫び声が聞こえてくる。何やら休みなのにだらしないとか、会社からの電話はすぐに出ろとか言っているようだ。昨日話をしていたときはやんわりと「明日はゆっくり休んできなさい。たまには帰りに酒でも飲んで」と言っていたはすなのだが。あんたが言ったとおり、酒飲んでゆっくり休んでるだけなのに何で怒られる。
話を聞き流していると急に静かになる。耳を澄ませて受話器の音を拾うように聞いてみると、別に切れたわけではないようだ。何やら話し声が聞こえるがこちらからは小さすぎて聞き取れない。
「あぁ、悪いね休みのところ、加藤君だよね? 私は人事部の安井というものだ」
何やら会社が監査受けるらしく、一番過酷な現場だった俺がいる部署が調べられるらしい。それで俺から話を聞くことになったそうだ。確かに長くやっていた気がしていたが、もう7年もたっていたとは・・・。
「それでね、これから出てくれないかな? え?二日酔い?? なら今夜どうかな? そう19時くらいがいいかな。じゃあそれでお願いね」
適当に相槌を打っていた気もするが手帳に”19時最寄駅前”とある。日頃の癖が出たのだろう、話しや連絡を受けるときは必ずメモを取る。きつくてもやっててよかった仕事なのかもしれない。
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どもー、前回の続きのようなものを書いてみました。 | ||
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