IS〈インフィニット・ストラトス〉?G-soul? |
端的に言うと、バスには間に合った。てか、バスは全然あったから若干損した気分を味わうことになった。チヨリちゃんめ、騙しやがったな。
「すっかり暗くなっちまったなぁ」
門限には間に合っているとは言っても、こんな時間に帰って来るようなやつは俺以外はいないだろ。
「荷物置いて、みんなに顔見せないとな」
きっと心配してるに違いない。早く安心させてやらねば。
そう考えながら寮に戻った矢先、一番最初に会ったのはのほほんさんだった。
「お、のほほんさん」
「え? あ、き、きりりん!?」
着ぐるみライクの室内着のフード部分の耳がビンッと立つくらい驚くのほほんさん。
「何をそんなに驚いてるんだ?」
「な、なんでもないよ?やだな?」
そう言いながら振るのは相変わらずのダルダル袖だ。暑くないのかね。
「まぁいいや。簪たちどこにいるが知らないか? 」
「か、かんちゃん?? た、多分お部屋にいるんじゃないかな?? 後お風呂とか?」
「あー、そうか、確かに入っててもおかしくない時間か」
「じゃ、じゃあ?私はちょっと用事あるから?」
「そうだったのか。悪いな、引き止めて」
「ううん?じゃあね?」
のんびりした口調とは裏腹にその歩調は早かった。
「なんだ? 相当急ぎの用だったのか?」
演習の時ならともかく、休みでも急ぎ足ののほほんさんってなんだか貴重だよな。
「布仏本音が走り出す…ってな具合のことわざが作れるな」
意味は『普段のんびり屋な人が忙しなく動く』だな。っと、そんなこと考えてる場合じゃなかった。
「しかしなぁ、どっから説明したものやら……」
やっぱりチヨリちゃんと会ったところから話さなきゃいけないよなぁ。
「ん? あれは…」
俺の部屋の前に、見慣れた三人の姿。シャル、ラウラ、簪だ。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
…何やら、みなさん真剣な表情なんだが。
「何してんの?」
「「「ひゃぁっ!?」」」
トリプルハモり、頂きました。
「え、瑛斗っ!? か、帰って来たなら連絡してよ!」
「部屋に荷物を置いたらしようと思ってたんだよ。で、俺の部屋のドアの前で何してんの?」
「あ、あわわ、べっ、別に何もしてないよねっ? ねっ? 二人ともっ?」
「う、うん…何も、して、ない……よ」
「そ、そうだな。楯無さんから瑛斗の部屋の鍵を貰い、中で待っていようかどうか考えていたなど決してない!」
うん、正直でよろしい。
「はぁ…楯無さん、そう言えば俺と一夏の部屋の合鍵持ってたな」
生徒会長権限恐るべし。
「とりあえず中に入れてくれよ。クタクタなんだ」
「あ、う、うむ。今開けるぞ」
ラウラがドアを開けてくれて部屋に入った俺は荷物をベッドに投げて机のそばの椅子に深く腰を下ろした。
「だぁ?疲れた。マジでハードだった」
「お、お疲れ様。大変だったみたいだね」
「まぁな。G-soulもセフィロトもかなり疲弊しちまった」
「戦闘を行ったのか!?」
「この話はちょっと長くなるかもな…」
そこから俺は今回のイギリス旅行の経緯を三人に話した。
「かくかくしかじか……で、やっとこさ帰ってきた訳だ」
「なるほど。亡国機業は分裂状態という事か…」
「そ。チヨリちゃんは俺に助けを求めたんだよ」
「その、チヨリという者もわからん。歳不相応の体型とは、一体どういう技術だ。私と同じ遺伝子操作ということか?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。チヨリちゃんはその事については全く教えてくれないんだ」
「水族館の日向さんも亡国機業だったんだね」
「逃げられたから、俺とオータムとの戦闘の後どうなったかは知らないけどな」
はっきり言って、日向さんのことよりもスコールやオータムがあの後どうなったのかの方が気になったりしている。上手くやってるだろうか。
「でも、怪我が無くて…良かった……」
「それで、瑛斗」
「なんだ?」
「他に隠している事は無いか?」
「へ?」
「まだ何か言ってないのではないか?」
ラウラの目は冗談を言ってるようには見えない。シャルと簪も似たような目で俺を見ている。
(…あ、そう言えば)
「まだ言ってなかったな」
「や、やはりあるのか」
「ただいま」
「「「…え?」」」
「だから、ただいま。帰って来たら言うもんだろ?」
帰って来たらいきなりドアの前でたむろしてたから言うの忘れてたぜ。
「……は、はは。そ、そうだな! おかえり、瑛斗」
「う、うんっ、おかえりなさい!」
「おかえり…瑛斗」
三人ともようやく安心した顔つきになってくれた。心配してくれてたんだなぁ。
「さてと、それじゃあ楯無さんにも報告に行かないと…」
「ま、待って!」
立ち上がろうとしたら簪に肩を抑えられた。
「え、な、何さ?」
「今日は…も、もう、疲れたでしょ? だから、ゆっくり休んで…」
「や、でも…」
「……えいっ」
「わっ」
簪が俺を押し倒した。
「か、簪?」
「お姉ちゃん…もう寮に戻ってるし、今日はもう、遅いし…ね?」
俺の手を抑えてじっと見つめて来る簪。あれ? こういうのってポジション逆じゃね?
「そ、そう…だな。簪の言う通り疲れてるし、明日ちゃんと話すことにするよ」
「……うんっ」
ぱっと簪に笑顔が咲いた。
「ご、ごほん。瑛斗、簪ちゃん」
「いつまでくっついている」
シャルとラウラのゴゴゴオーラが俺と簪を襲う!
「あ、ご…ごめん……」
簪はすごすごと俺から離れた。
「もう、簪ちゃんってば…」
「油断も隙もないな」
「す…すみません……つい…」
後の方の言葉に連れてどんどん小さくなる簪。
「や、まぁ、うん、簪も俺を思って言ってくれたんだろ。そう怒るなって二人とも」
「むぅ…瑛斗がそう言うならば…」
「そ、そこまで怒ってはないよ」
「うぅ……」
あぁ、簪が物理的に小さくなったように見えそうなくらい縮まっている。
「大丈夫だよ、二人とも怒ってないってさ」
「う、うん…ありが…とう」
簪は小さく頷いた。
「さてと、じゃあ俺今からシャワー浴びるけど、みんなどうする?」
ぐーっと伸びをして立ち上がるとラウラが俺に近寄って来た。
「どうする、とは?」
「だって事実もう遅いし、みんなももう戻っていいんだぞ?」
「そうか、ならば私が洗ってやろう」
「は!?」
微妙に噛み合ってないぞ!?
「疲れているのだろう? 背中を流してやろう」
「な、何言って…って、服を脱ぎ出すな!」
「ま、前もと言うのならそれはそれで構わんぞ?」
「話を聞け! そして前も後ろも自分でやる!」
「ラウラダメだよ!」
おぉ! 止めてくれるのかシャル!
「そ、それは僕がやるの!」
「ラウラだからって理由じゃないんだけどなっ!」
「わ、私っ、私も、その…瑛斗の身体を……ごにょごにょ……」
「止めるんだ簪! 参加するんじゃなくて止めるんだ簪!」
だぁーもう!! 一人で出来るってー!! とシャウトしたい気持ちをなんとか抑えて、三人に『大丈夫だ、問題ない』と言うと、最初に納得してくれたシャルがラウラと簪を連れて退散してくれた。
「じゃ、じゃあ瑛斗、僕達部屋に戻るけど、ちゃんと休むんだよ?」
「わかってるよ。ありがとな」
「うんっ! ほらラウラ、簪ちゃん、行こう?」
「押すな押すな。わかっている」
「え…瑛斗…おやすみ」
「おー、お休み。また明日な」
手を降ってからドアを閉めた。
「ふあぁ…」
一人になった途端急に眠気が襲って来たぜ…
「…シャワー浴びて寝よ」
考えたいこともあったけど、疲労が限界の向こう側だった。
だからこの後は、軽くシャワーを浴びてから歯を磨いてベッドに寝転んだところで意識が切れた。
rrrrrr! rrrrrr!
明け方、頭の周りで着信音が鳴り響いた。
「…ん?………」
枕に顔を埋めたまま、手探りで携帯を探す。
「だぁれだよ……」
画面に出ていた発信者の名前は、一夏だった。
「ヴぁい…もしも……」
『瑛斗っ! 大変なんだ!!』
耳元で爆発した声に顔をしかめる。俺を寝起きと知ってての狼藉か。
「…それは、俺を朝5時に叩き起こさなきゃいけない程大変なことなんだろーな」
『冗談言ってる場合じゃねぇんだよ!!』
一夏に冗談を一蹴された!? これは相当なことだ!
「何があった?」
『マドカの記憶が戻った!! 』
「は……?」
一夏の言葉を一瞬理解出来なかった。
『だから! マドカの記憶が戻ったんだよ! 千冬姉をまた殺そうとしてるんだ!!』
一夏からの電話の数分後、俺は学園を飛び出していた。
瑛「インフィニット・ストラトス?G-soul?ラジオ!」
一「略して!」
瑛&一「「ラジオISG!」」
瑛「読者のみなさんこんばどやぁー!」
一「こんばどやぁ」
瑛「前回のラジオはえらい目に遭ったな」
一「37度の中に放り込まれたもんな」
瑛「今日はなんか短かったな」
一「作者の考えがあるんだろ」
瑛「絶賛迷走中だったりしてな」
一「笑い話か? それ」
瑛「さて、じゃあ今日の質問! カイザムさんからの質問! 梢ちゃんに質問です。蘭と親友関係ですが梢ちゃんが五反田食堂で好きなメニューはなんでしょうか」
一「お、戸宮ちゃんへの質問か」
梢「…ご質問ありがとうございます」
一「うわぁっ!? いつの間に俺の横に!?」
梢「…質問を読み上げたところです」
一「お、音も無いとは…」
瑛「というわけで今日のゲストは戸宮ちゃんだ」
梢「…よろしくお願いします」
瑛「さっそくだけど戸宮ちゃん、質問の方に行こう」
梢「…どんと来い」
一「五反田食堂で臨時バイトしたのも記憶に新しいよな」
瑛「蘭に誘われて遊びに行ってたんだっけか」
梢「…はい。初めての体験でした」
一「昼飯も五反田食堂で食べたんだろ? 何食べたんだ?」
梢「…かぼちゃの煮つけ…すごく甘くて、美味しかったです。私、あれ好きです」
一「おー、あそこのは特別甘いからな」
瑛「俺も好きだぜ」
梢「…学園の料理も美味しいですけど、蘭の家の食堂の料理も美味しいです」
一「わかるわかる。俺も無償に食べたくなることあるからさ」
梢「…蘭に頼めば、作ってくれますよ」
一「本当か?」
梢「…はい。きっと」
瑛「いいなぁ一夏。俺も頼んだら作ってくれるかな?」
梢「…………………」
瑛「……なんで黙り込むの」
梢「…どうでしょうか」
瑛「え!? 俺はダメな可能性あるの!? なんで!?」
梢「…なぜでしょう」
瑛「えぇ?…」
一「な、なんかよくわからないけど、俺はいいんだ」
梢「…………はぁ」
一「な、なんで呆れたようなため息を?」
梢「…おっと、お時間のようですよ」
瑛「え? あ、本当だ。それじゃあエンディング!」
流れ始める本家ISのエンディング
瑛「今日はそこで会った女の人に歌ってもらったぞ」
一「片手にふかした芋持って、腰にでっかい装置付けてるぞ?」
梢「…ISじゃ、ないみたい……」
瑛「なんでもふかした芋が好物らしくてな。歌ってもらう代わりにあげた」
一「なんでお前ふかした芋持ってたんだよ…」
瑛「話せば、長くなる…」
梢「…遠い目をする程のことが起きた……?」
瑛「さて、今日はこれまで! それじゃあ!」
一&梢「「みなさん!」」
瑛&一&梢「「「さようならー!」」」
???「…あ! こ、こんなことしてる場合じゃなかった! ふかした芋に我を忘れていた! 行かないと!」
一「す、すごい速さでどっか行ったぞ?」
梢「…煙が……」
瑛「駆逐しに行くんだろ」
一「駆逐って…何を?」
瑛「そりゃあ、ねぇ?」
後書き
瑛斗、予想的中だよ! 絶賛迷走中だよ!
あれ!? 面白い文章ってどうやって書くんだっけ!? あははは!
…とまぁ冗談はさておき、次回はマドカの動きも書いて行こうと思います。記憶を取り戻したマドカは一体何を思うのか。
お楽しみに!
つ、次はちゃんと読みごたえあるようにするよ? ホントだよ? 頑張るよ?
説明 | ||
帰って、寝て、再出発 | ||
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コメント | ||
更新お疲れ様です!! こっちの2次小説とかプロットだけで行き詰ってますwwwww フォルテさんに質問です!! アメリカ代表候補生としての質問ですが、アメリカ代表のイーリスさんは フォルテさんに取ってはどんな存在ですか? (カイザム) 立体起動装置か…………では質問です!北海道はそろそろ寒い時期が近づいて来ました。そこで?15度の中でお湯があります。どう使いますか?(キリヤ) |
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