IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode208 変わらないもの
バインドの秘密前線基地攻略から二日が経った・・・
「それにしても、こんな凄い物があるのに黙っていたなんて」
「すいません。でも、これだけは出来るなら見せたくは無かったの」
ユニコーンと束は、ネェル・アーガマの甲板上である事を行っていた。
「・・・私達がそんなに信用が無かったの?」
「そういうわけじゃないけど・・・」
「じゃぁ、一体?」
「・・・このアルタートゥムは・・・ありとあらゆる物を具現化できる創造システム。もちろんそれは欲望をも具現化する事が出来る」
「ありとあらゆる、か」
「・・・これを使えば、世界中の食糧問題、エネルギー問題などを解決できるかもしれない。
けど、同時に世界を破滅に導く物に成りかねない」
「破滅、か」
束はユニコーンより教わった操作方法で作業を続ける。
「まぁ、確かにゆーちゃんの言い分は分かるよ。人間って自分勝手なやつが多いしね。そんな連中の手に渡ったらどんな事になるやらか」
「・・・・」
「・・・でも、本当に何でも作れるんだよね。それが偽りの命でも」
「そうなるね」
「・・・・」
「だから、今の人類には、大きすぎる力なの」
「大きすぎる力、か。そういや誰かさんが言っていたかな。
『力を求め続ける者の行く末は・・・破滅』って」
「確かにその通りだけど、一体誰がそんな事を?」
「・・・さぁ、誰だったかな」
と、束は上を見上げて洞穴の出口から見える空を見上げる。
「でも、はっくんもはっくんで、よくこんな物を思いついているよね」
束は顔を下ろしてネェル・アーガマの甲板上にある二つの大型ユニットを見る。
現在束とユニコーンがアルタートゥムで製造しているのは、隼人が設計したある物をいくつかであり、もう同じ型の二機が製造し終え、次のユニットの作製に入っている。
「一部は以前魔の三角海域で手に入れたEXAメモリーから流用して隼人君が設計した一部の専用機持ちのGモードの機体が使う外部強化ユニット。ヴィヴィオちゃんからバインドが必要としていた鍵が取り出された以上、恐らくこれまでにないほどの激戦が始まるかもしれない」
「・・・言わば、決戦兵器ってわけね」
「そういうこと」
「なるほどねぇ・・・。それで、バインドとの戦いが終わったら、このアルタートゥムはどうするの?」
「・・・地球に害がないように、衛星軌道上で爆破処理する」
「そっか。まぁ、当然か」
「・・・・」
「危険極まりない物だからね。それが正しいよ」
「束さん・・・」
「・・・まぁでも、科学者としては少し勿体無い気がするけどね」
「やっぱり、そう思ってしまいますか」
「まぁね♪Gシステム自体が興味深いしね」
「・・・・」
ユニコーンは苦笑いする。
「それにしても、いっくんに起きた現象は未だに分からないね」
「・・・・」
「右腕が再生し、しかも白式自体が戦闘中に瞬時に再生するのも、ISにはない機能ばかり。まぁ腕が再生したのは白騎士の生体再生能力があったからなんだけど・・・」
「あそこまで高い再生能力があるとは思ってなかったんですか?」
「まぁね。それに、なんだっけ?確かデスティニーっていうGモードも瞬時に創り出すなんて・・・」
「・・・・」
「ある意味いっくんもはっくん並に凄いのかもしれないね」
「・・・そう、ですね」
一夏に秘められた力の事を知っていても、話すタイミングが見つからない。
――――――――――――――――――――
その頃隼人は格納庫で楯無のフォビドゥン・アクアの調整をしていた。
「それで、どうでしたか?初陣での使い心地は?」
「満足以外にはないほどの、最高の出来だった」
「それはなによりです。凝って作った甲斐があるというものです」
隼人は笑みを浮かべてモニターのデータを見る。
「まぁ、隼人君がそこまで凝っていたのなら、あそこまでの性能を持っていてもおかしくは無い。
・・・でも、海滅槍アビスって一体なんなの?アクアウォールとグングニールは使ったけど、それはまだ使ってないわ」
「使わなくて正解ですよ」
「・・・どういうこと?」
怪訝な表情を浮かべて聞き返す。
「海滅槍アビスは・・・フォビドゥン・アクアの最強にして、最後の切り札です」
「最後の・・・切り札?」
「えぇ。限界以上にエネルギーを使い、更に周囲の大気成分を吸収する事で莫大なエネルギーを発生させる」
「・・・・」
「それを高密度に圧縮し、不可視のエネルギーを蒼雷旋に纏わせる」
「・・・とてつもない威力を発揮しそうね」
「えぇ。言わば白式の零落白夜。それを物理的攻撃にしたものです」
「・・・確実に破壊する、一撃必殺。その言葉を具現化したってところかしら?」
「そうなりますね。まぁもちろんその後のデメリットは発生しますがね」
「機体性能が極端に下がるの?」
「そうです」
「・・・・」
「使ったらしばらく動けないと考えて置いてください」
「・・・出来れば、使うことが無ければ良いけど」
「まぁ、使いどころを誤らなければ、絶大たる威力を発揮しますよ」
「そう・・・」
「お父さーん!」
と、格納庫にヴィヴィオが機材を持って入ってくる。
服装は聖なる王に覚醒した時の物とは違って、千冬より借りたジーンズにTシャツとラフな格好であるが、明らかにサイズが合ってない。
「言われた物を持ってきたよ」
「ありがとう、ヴィヴィオ。起きたばっかりなのに、悪いな」
隼人はヴィヴィオより機材を受け取る。
「ううん。私から言ったんだから、気にしなくて良いよ」
「そうか。じゃぁ次はこれを持ってきてくれ」
「うん!」
隼人は投影モニターに別の機材を見せて、ヴィヴィオは頷くと後ろを向いて走り出し、格納庫を出る。
「姿が変わっても元気な子ね」
「えぇ」
「それにしても、中々シュールで違和感のある光景よね」
ヴィヴィオが出て行ってから楯無は呟く。
「ま、まぁ、年上の女性からお父さんなんて言われたら、そうなりますね」
隼人も苦笑いする。
今のヴィヴィオは隼人より拳一つ半ほど大きく、容姿も大人の女性そのもの(身体のスタイルも・・・)。年下の父親に年上の娘。あべこべだ・・・
「・・・それで、ヴィヴィオちゃんはあのままなの?」
「出来れば元に戻ってほしいですが・・・もしかすればあのままでしょうね」
「・・・・」
「まぁ、例え外見が変わっても、ヴィヴィオはヴィヴィオのままだから、それでいいんですけどね」
「ヴィヴィオちゃんのまま、か」
楯無は微笑むと、何所からか扇子を取り出して広げて仰ぐ。
――――――――――――――――――――
「そうか。やつらが鍵を手に入れたか」
その頃ノアとグリッター、ハルファスとフェニックスはIS学園の近くの島にて会話を交わす。
「もうあれが起動するもの、時間の問題ですね」
「あぁ」
「・・・・」
「では、これから彼らの元に向かいましょう」
「うむ」
――――――――――――――――――――
その頃、とある海域では・・・
「・・・・」
ファントムはその海域の上空にある紋章を浮かべる。
「さて、始めようじゃないか。これまでにない、盛大なるショーをな」
するとファントムのボディーが揺らぐと、次の瞬間には姿が丸っきり変化する。
「止められるものなら、止めてみろ、神風隼人」
そしてそのまま姿を景色に溶け込ませるように姿を消すと、そこの空間が歪み始める。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! | ||
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