一刀の晋王転生録 第五章二十九話
[全4ページ]
-1ページ-

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:ケ  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

-2ページ-

  第二十九話

   「美華の決意」

 

 

 一刀の晋王即位式は彼を慕う者達、支持する者達で盛大に盛り上がっていた。

 

 その最中、劉協は静かな声で一刀にある忠告をする。

 

「のう、司馬昭よ、ちょっと良いか?」

 

「何でしょう?」

 

「王となった今、女……側室には十分に気をつけるのじゃ」

 

「……どういう事でしょう?」

 

 彼は側室を持つつもりは無い。それは劉協にも分かっているはずなので、何故その忠告をするのか分からなかった。

 

「側室を持つつもりは無いと言いたいのじゃろう? 今まではそれで良かったのじゃろうが、しかし王となればそうはいかんじゃろう

 

な。そなたの血筋は今までよりかなりの重要性を持つようになった。朕が認めたことで正式に皇帝に次ぐ王の位を得たのじゃ。その血

 

を絶やさぬようにしなければならぬと周りから言われることじゃろう」

 

「……成程、そういう事ですか」

 

 つまり、例えば献刀、司馬炎という後継者が病か戦で無くなった時、新たな後継者を指名しなければならない。今は由理、司馬攸を

 

指名出来る。だが彼女も居なくなってしまった場合、誰も居なくなり二つの方法を取る事になる。一つ目は養子を取る。二つ目が他に

 

子を作る事である。もちろん、後者の方が血が濃いので優先度は高い。

 

 劉協が危惧しているのはその理屈を利用される事だ。野心を持つ輩が血を絶やさぬために我が娘を側室にと提案された時、側室を持

 

つつもりは無いと言っても、通用しない確率は非情に高いと言わざる負えない。もしその娘と子を成し、その輩と娘が、この子以外の

 

後継者を消し、その子が王位を継承したとき、彼等によってこの国がめちゃくちゃになりかねない。

 

 その事を理解した一刀は、劉協の早い忠告を感謝する。

 

「ご忠告ありがとうございます」

 

「うむ、気をつけるのじゃぞ」

 

 そんな二人の会話を聞いていた者が居た。それは一刀の妻、美華である。

 

(何処の馬の骨とも知れない娘が一君の側室に? そんなの絶対に認められない!)

 

 彼女は悩んだ末に、ある決意をする。

-3ページ-

 即位式が終わった後、美華は緊急事態と評し、瑠理、江里香、闇那、澪羅、理奈、綺羅の六人を呼び出す。

 

「皆に集まって貰ったのは……側室の事についてよ!」

 

「!?」

 

 六人は驚く。彼女の口からまさかその単語を聞くことなど夢にも思わなかったからだ。

 

「皆、よく聞いて」

 

 美華は即位式の最中での一刀と劉協の話の事を言う。その話は彼を慕う六人にとっても無視できるものでは無かった。

 

「確かに嫌、一刀にそんな女を近づかせる訳には行かない」

 

 瑠理は何故彼女がこんな話を持ちかけた理由を大いに納得し、同意する。

 

「だからね、そこの五人! 一君の側室になる気は無い?」

 

「え!?」

 

 言われた五人はさらに驚く。瑠理については予測が出来ていたため驚く事は無かった。

 

「よ、よろしいのですか?」

 

 喜び半分、戸惑い半分に江里香は聞く。

 

「ええ、よく分からない女を近づけさせないためには、いっそ見知った相手を側室に迎えるべきなの!」

 

「わ、私もよろしいのでしょうか?」

 

 闇那は歓喜しそうになる心を抑えながら聞く。それに彼女は頷く。

 

「そういう事なら遠慮はしない方が良いな!」

 

 澪羅は嬉しさを隠さずに言う。

 

「ふふ、この時がついに訪れましたね」

 

 理奈はうっとりしている。

 

「あいつを守るためには必要な事だから仕方ないわね!」

 

 綺羅は顔を赤くしながらも笑みを浮かべる。

 

 瑠理はそんな彼女達に一刀を守るよう懇願する。

 

「王元姫と一緒に、一刀を守って、お願い」

 

「……はい!」

 

 この後、彼女達は一刀を悪しき女達から守るという協定の元、真名を預け合うこととなる。この時、彼女達は始めて心が一つになっ

 

た。

-4ページ-

 翌日、彼女達は一刀に昨日の話合った事を言う。

 

 一刀は驚きながらもその提案をありがたく受け取り、五人を側室に迎えることになった。

 

 今まで側室を持つことを考えなかった一刀だが、彼女達が相手だったからか、割とすんなり受け入れた。

 

 そしてしばらくすると、劉協が懸念していた通り、ある有力者から縁談を申し込まれる。

 

 これを一刀はもう五人ほど側室がいるので今の所は必要としないと断る。何度も縁談を持ちかけられても、それを理由に断り続けた

 

事で諦めさせる事に成功した。

 

 結果として、美華の提案は英断であったと言えるだろう。

説明
即位式の最中、一刀と劉協はある話をする。それを聞いた美華はある事を決意することになる。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
2321 1997 26
コメント
コメントありがとうございます。彼女にはそろそろある程度丸くなっていただかないと、他のヒロイン達が報われない事に……(k3)
ここに、月を加えてほしいかなと思う。ま、王元姫が嫌がるだろうけど・・・・。(Kyogo2012)
元姫のヤンデレが好きだったのに。他の女を誰1人寄せ付けないヤンデレが……………………orz(ohatiyo)
司馬師の事を受け入れてから嫉妬魔神ヤンデレ王元姫がだいぶ丸くなったな…。(飛鷲)
タグ
真恋姫無双 恋姫†無双 恋姫  転生 

k3さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com