恋姫 華陀紀行144 |
天窓から少しずつですが、明かりが差し込み始めた頃に、部屋の外から声がかかりました。
「起きておられますか?そろそろ朝食のお時間です」
扉の外に立っていた見張りからの声です。
予想通り、見張りは定期的に替わっており、その間隔がとても短いものでした。
「ねぇねぇ。朝食だっ「姉さんは黙って!」はい・・・」
人和の怒り顔に、流石の天和も黙ってしまいました。
俺がいるのに、平然と朝食を食べようとするとは・・・マイペースですね。
「気分が優れないので朝食はいりません。それよりも、外の人たちをなんとかしてください」
「どこか悪いのですか!?」
へんなところに食いついてきますね。
「ここは、敵に囲まれてるんでしょ?それのせいでちぃたち気分が悪いの」
「わかりました!伝えておきます!」
気配が一人だけ遠ざかっていきました。
地和のフォローがうまく働いたようです。
そして、この隙に抜け道を通ってこの砦を脱出すると・・・。
黄巾党を捨てゴマ作戦ですね。
この三姉妹は、賊ではないが、賊の奪ったもので暮らしていたわけですから、黒に近いグレーなんですよね。
しかし、かなり悩んだ末に見逃がすことにしました。
見逃すと言っても、こちらが何かすることはありませんけどね。
見逃がすことになったわけなのですが・・・。
あの三姉妹は恐ろしい作戦に打って出たのです。
俺は作戦にはまってしまったのかもしれません。
始めたのは、どこぞの・・・特に天然が入った天和です。
いきなりのことで困ります。
「ねぇ、おねが〜い♪」
とか言いつつ、胸を腕に当てて・・・いや、挟んでくるんです・・・これは腕に集中させねばならぬと、本能が訴えてきますが、それを辛うじて理性にて耐えたのですが・・・。
その動揺を察したのか、今度は反対側の腕を、人和が抱き締めてきます。
天和ほど大きいとは言いませんが、ほどよい当たり具合です。
この時点で、片腕だけでなく両腕を拘束さらてしまいました。
確かに腕力で振りきることは可能かもしれませんが、腕が脳からの指令を拒否してるんです。
両腕が柔らかいものに包まれている中、今度は前から地和が抱きついてきます。
抱きつかれても、胸が無いと威力は半減ですが、美少女にはかわりありません。
ここで、囁くような言葉が聞こえてきたのです、「美少女は世界の宝、美少女の子供は美少女が生まれやすい、この世は美少女の物」・・・何やら近くで聞こえてきましたが、いやに納得してしまうような内容でした。
「そうだったのか・・・」と、呟くと、三人は何故か俺から離れていきました。
「一緒に行こう♪」
「これは報酬の前払いなんだからね!勘違いしないでよ!」
「これは契約だから、破棄したら信用問題」
俺、受けるなんて言ってないんですけど・・・。
抜け道についてはいくつかあり、外に通じるのは、その中一本だけだそうで、追っ手があるにしてもここからしかないようです。
真名については預かりましたが、こちらからは名乗っていません。。
黄巾を被ったままの、怪しいやつらに呼ばせてる位なので、この娘たちにとって真名とは軽いものなのでしょう・・・。
まあ、こちらも黒頭巾被ってるので、怪しさ満載ですがね。
「俺はこの依頼を受けた訳じゃない。俺はただここに半刻ほど立っておくだけだ」
「それで十分」
「ありがとう♪」
「あれだけやったんだから、きっちり約束は守んなさいよ!」
いやいやいや、君たちが勝手にボディアタックしてきただけですから!俺からは特に何もしてませんから!
そう・・・俺からは・・・。
仕方なかったんだ!まさかの頬へのキッスを貰ってしまったんだ!
これは、依頼でも契約でもない・・・。
たまたま・・・そう!たまたま俺が立っているところに、黄巾党やら官軍が来たらご退場を願うだけの簡単なお仕事だ!
この、ある程度狭く、薄暗いところであれば、俺の本領が発揮出来ると言うもの!
まあ、外への抜け道はここだけだが、中へはまだまだあるので、最悪時はこの通路を潰して、別の抜け道から移動すればいいだろう。
強いやつに気付かれないように、気配を消して準備完了!
それにしてもなんか、熱くなってきたな・・・。
黄巾党どもの熱気がここまで来たんだろうか?
ここには誰も来るなよ・・・。
説明 | ||
本作品は華陀への転生ものです。 【注意事項】 素人の書きなぐりです。 はっきり言って自己満足なだけのものです。 一応昔に恋姫はしたことありますが、うろ覚えですので、改変が多々あると思います。 また、不愉快に感じる場面も多々あると思われますので、その時点で読むことをやめるのをお勧めします。 |
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