仮面ライダーオーズ×ポケットモンスター 氷の中で燃える炎・欠ける虹 5話 |
「ン〜〜♪カントーはいいフレーバーを出してるな〜〜♪」
「船から降りた第一声がそれなの…?」
「キバァ〜…」
カントー地方・クチバシティの港…ここに二人の男女が別地方からやって来た
一人は緑髪の青年…デント、もう一人は褐色肌の少女…アイリスとパートナーのキバゴ
あまり時間が経っていないがこの二人はサトシとイッシュ地方を旅した仲間である
彼らは旅が終わり、それぞれのやるべき場所へと戻ったのだが急にある人物から呼び出された
人物とはアララギ博士(父)…彼はオーキド博士からの連絡により、現在のサトシのことを仲間である彼らに伝えた
デント達はすぐにカントーに行こうとしたが、飛行機が休航状態だったために船に乗りカントーに来ることに
ちなみに休航になったのはヤミーが暴れていたためである
もっともリトが倒したが
「でも、サトシに会う前にここを堪能しておかないと港ソムリエである僕のプライドが…」
「まためんどくさいのが始まった…」
「キバキ…キバ?」
デントの趣味に呆れるアイリスとキバゴ
だがキバゴは遠くに二つの影を見つける
それは大人と同じ大きさだろうか…それは空を飛びながら迫って来た
――そして、先程まで自分達の乗っていた船に…火炎球をぶつけていた
ホウエン地方・フエンタウンに続く道…リト達は歩行者からこんな話を聞いた
『野生のフライゴンとメタグロスがここ毎日ケンカをしている』
その話をした歩行者は気を付けて、と言っていた
と言うことは被害にあったのだろう
「メッタグロォオオオオ!!」
「フラァアアアイッ!!」
「……ケンカ…ねぇ…」
「ピチュー…」
「きゅーん…」
「ブルル…」
そして今現在、リト達は話に出てきたフライゴンとメタグロスのケンカを見ていた
だが何故か彼らはその光景をひたすら眺めていた
止めようともせず、逃げようともしない
それは何故か?
人間にはポケモンの言ってることは殆ど分からない
だからこそ…
「メッタグロォオオオオ!!(ライライ、あっそぼー!!)」
「フラァアアアイッ!!(Σそう言いながらラスターカノン撃つなぁあああ!!)」
――二匹のじゃれあい(一匹はそうでない)もケンカに見えてしまうのだろう…
「キャァ!?」
「なっ!?一体これは……?」
突然の爆発にアイリスはその場にしゃがみこみ、デントは辺りを見渡す
港には驚く人ばかり…では一体誰が…?
そう思考巡らせている時、上から二つの何かが降りてくる
それは色が赤と青だがそれ以外の形状は同じ鳥の怪人…オウムヤミーだった
『主はこの世界を制する…』
『邪魔なモノは…消去だぁ!』
オウムヤミー(赤)はそう叫びながらクチバシティの港に火炎球を放つ
建物に当たり、レンガが崩れる…その光景を黙って見過ごすデント達ではなかった
「ちょっと待ちなさい!」
「これ以上はこの町を壊させないよ!」
『人間…か…』
『よえぇクセにでしゃばんなよ!』
「むっかー!あの赤いのムカつく!」
「アイリス!ここはあいつらを凝らしめよう!」
「そうね!いっけー、ドリュ…」
『ケェエエ!』
アイリスとデントはそれぞれドリュウズとマッギョを出して戦わせようとするが、その前にオウムヤミー(赤)は火炎球を放つ
アイリス達はそれを慌てて避けた
「ちょっと、卑怯じゃない!」
『うるせーんだよ!どうせ死ぬんだからよ!』
『排除…だな』
オウムヤミー達は火炎球を放とうとする
…だが、それは遠くからの水流によって妨害される
何事か…オウムヤミー達は放たれた所へ振り替える
――そこにいたのは仮面ライダーオーズ・シャトラーター
そして他の放火しているところでは、カスミやヒカリの水ポケモンを中心に消火活動をしていた
「セイヤァアアア!!」
『!?器…』
『器ぁ!邪魔してんじゃねぇ!』
「器じゃない!俺は仮面ライダーオーズだ!アイリス、デント!早くここから離れて!」
「ええ!?」
「その声…サトシなのかい!?」
オーズはアイリス達に逃げるように言うが彼女達は驚いてすぐには動くことが出来ない
その隙にオウムヤミー(青)は飛び、空から火炎球を打ち込む
オーズはそれをシャチヘッドの放水で防ぐが、その間にオウムヤミー(赤)はオーズにタックル
急なことにオーズは対処しきれず少し地面に転がる
「相手が二人じゃ…厳しいな…」
「サトシ、空を飛べるメダルはないのか!」
「一応…赤いメダルを!」
オーズの下に来たタケシはさっそく赤いメダルを投げる
赤のコンボなら飛べるはず…そう思いスキャンする
だが…
「えっ…?スキャンされない!?」
「なに!?」
「サトシ前!」
『クエェエエエ!』
赤のメダルをスキャンするが音声が流れない
オーズは混乱しているなか、アイリスが叫ぶ
そして気づいた時には遅かった
オウムヤミー(赤)の爪がオーズを切り裂いていた
「ぐあ!」
「サトシ!」
『ケケケ、食らえ!』
「キバゴ、りゅうのいかり!」
「キィイイイバァアアア!!」
『ケェェェェ!?』
オウムヤミー(赤)はオーズにさらに追い討ちをかけようとするが、その前にキバゴのりゅうのいかりがオウムヤミー(赤)に命中
オウムヤミー(赤)はその勢いで海に落ちていった
「あ、アイリス…サンキュ〜〜…」
「油断しすぎよ!ホント子供なんだから!」
「でもあの青いのが残ってるよ!」
「赤のメダルが使えないなら…白いメダルを使う!」
オーズはタケシからメダルホルダーを受け取ると中から3つの白いメダルを取り出す
メダルを交換し、鈍く輝くメダルをスキャンした
『サイ!ゴリラ!ゾウ!…サゴーゾ、サッゴーゾ!!』
次の瞬間に現れたのは白いオーズ
サイの頭
ゴリラの腕
ゾウの足
それらを合わせた重量系コンボ……サゴーゾコンボだ
「よしっ…おおおおおおおおおおおおおおおお!!」
『!!なにっ…ぐわっ!』
「すごっ!」
サゴーゾはその場で咆哮を上げながらドラミングをする
するとどうだろう…港のコンクリートやガレキ、オウムヤミー(青)が宙を不規則に飛び回る
サゴーゾコンボの能力、重力操作だ
オウムヤミー(青)は飛び交うコンクリートやガレキに何回も当たり、ダメージがどんどん蓄積される
そして、弱まったところを地面に叩きつけるとサゴーゾは再びメダルをスキャン
『スキャニングチャージ!』
「ふっ!」
『ぬっ!?う、動けん…!』
サゴーゾは両足を揃えて空高くジャンプする
そして再び地面に着地したとき、コンクリートやガレキが元に戻りながら、オウムヤミー(青)の下半身が埋まり、サゴーゾの元へやってくる
「はぁああああ…セイヤァアアア!!」
『グァアアアア!』
サイヘッドとゴリバゴーンを打ち付ける【サゴーゾインパクト】が決まり、オウムヤミー(青)は爆発
だがこれで終わりではない
……海から這い出てきたオウムヤミー(赤)も倒さなければならないのだ
『くそっ…やられちまったのかよ。ここは…逃げる!』
「待てっ!」
「空を飛べないなら…泳ぐ!」
『シャチ!ウナギ!タコ!…シャシャシャウタ、シャシャシャウタ♪』
空を飛ぶオウムヤミーに叫ぶタケシ
現在サゴーゾは赤いメダルを使えない…だったら泳ぐまで!
そう思ったサゴーゾはメダルを白から青へと変え、スキャン
――そこに現れたのは海のように青いオーズ…シャウタコンボ
シャウタは逃げるオウムヤミーを追うように海へダイブした
『おっ、追ってきやがった!』
「せや!」
『グエ!?』
シャウタの能力は液状化…つまり水になること
それを使えばシャウタは水中で最速のスピードをほこる
オウムヤミー(赤)に追い付いたシャウタは実体化し、ウナギムチで拘束
そして水中に引きずり込み、体力を削った後、再び空中に放り投げる
『スキャニングチャージ!』
「今日二度目の……セイヤァアアア!!」
『クェエエエエエ!!』
シャウタはスキャニングチャージし、ウナギムチでオウムヤミーの両腕を縛り、タコレッグを展開しまるでドリルのように回転させる
【オクトバニッシュ】を喰らったオウムヤミー(赤)は無惨な声を上げて散った
「フー…フー…!」
「メッタ?」
ラスターカノンを避け続けること数分、フライゴンは肩で息をしていた
一方のメタグロスは大丈夫?、と言いたそうな顔をしている
「ピッチュ…(凄かったねぇ…)」
「キゅん…(よく当たらないね…)」
「ブルル…(それ以前に何してたんだよ、あいつら…)」
ミミ達三匹は軽く放心状態
そんな彼らを置いてリトはメタグロス達の所へ近づく
「なあ、ちょっといいか?」
「フー…?(人間…珍しいな…なんかようか?)」
「メタ!?(もしかして遊んでくれるの!?)」
「ゴンッ!(Σ絶対数違うだろ!てかまだ遊び足りないのか!?さっきのが遊びとかはともかく!)」
「メー(ちぇー ー´Xー)」
「…メタグロス、てつあしポケモン…メタングの進化系…4つの脳をもつ…スーパーコンピューター並の頭脳……絶対嘘だろ」
リトは話し掛けるがその内容から目の前のメタグロスが本物なのか疑ってきている
――メタモンが変身してるんじゃないのか…
そう頭のなかで飛び回っていた
「んで、何で暴れてたんだ?」
「フライっ!(こいつがいつもいつも遊ぼうって言いながらバトル仕掛けてくるからだよ!)」
「そうなの?」
「グロォ…(だって暇でつまんないし、ライライいっつも一人ぼっちだしぃ…)」
「ゴンッ!(Σ余計なお世話だっつの!あとライライ言うな!)」
リトはふと思った
――ああ、こいつら山本と獄寺に似てんな…と
「あのさ、周りの人間がさ…お前らの遊びに巻き込まれたりしてるからどうにかなんない?」
「フッ!?(Σ俺被害者なんだけど!?)」
「メッ?(え、一緒に遊んでくれる人じゃないの?)」
「フライ!(Σちったぁ自重しろ!)」
フライゴンの方は被害者だが、メタグロスの方は無自覚らしい
どうしたものか、と頭を掻いていると何かを閃いた
「そうだ、缶けりをしよう」
※ここからは翻訳でお送りします
「第一回ポケモン×5と人間の缶けり大会〜〜」
『『『いえぇーい!』』』
『い…いぇ…い』
『Σちょっと待て!?』
森の中に集まったリト一行とメタグロスとフライゴン
ミミ、リオウ、メタグロスはノリノリだがコンはオドオドと声を上げる
そしてそんな彼らにフライゴンはツッコミを入れた
「どうした?」
『Σどうしたじゃねぇよ!何だよ缶けりって!?』
「鬼役が蹴られた缶を取りに行くまでの間に他の奴らが隠れる。そして缶を持ってきた鬼役は一定の位置に缶を置いて隠れてる奴らを見つける。見つけたら缶を踏んで「ΟΟ見っけ!」と言う。そしてそれで隠れた奴らを全員見つけたら鬼役の勝ち、全員見つかる前に缶を誰かが蹴ったら鬼役の負け、と言う遊びだけど?」
『ちなみにこの缶は俺が木を削って作った』
『すごいねー』
『うん…』
『あっ説明どうも……Σじゃねぇよ!何で遊ぶかだよ!』
「んー…気分?」
「そんなことより遊ぼ遊ぼ!』
「よしっ、じゃあ鬼はメタグロスな」
『オッケー』
『俺の話を聞けぇええ!?』
フライゴンの叫びも虚しく、缶けりはスタートした
リオウ特製の缶をリオウ本人が蹴り、メタグロスがくる間に隠れる
数分した後、メタグロスが探している途中にミミが缶を蹴ろうとするがメタグロスが予めくさむすびしていた場所にはまり最初に捕まった
リオウは隙をついて波導弾を打つ間に缶を蹴ろうとするがメタグロスが波導弾を打ち返して自爆
二番目の犠牲者になった
『あとちょっとだったのに〜』
『すんません、マスター……』
『あとはどこかな〜?』
メタグロスの視界に写らない場所…そこにリトとコン、フライゴンがいた
現在作戦会議中である
『どっどどどどうしよぉ…』
「んー……誰かが囮になるとか?」
『いや、それだとさっき見たくくさむすびでやられる…ここは俺が空から…』
「なんだ、結構ノリノリじゃん」
『ぐっ…うっせ。俺だってたまには遊びてぇんだよ…』
「それだけ?」
『……なんか他に理由でもあんのかよ…』
「さっきメタグロス言ってただろ。ずっと一人ぼっちだって。だから正直アイツにかまってくれて嬉しいんじゃないのか?』
『……お前エスパーかなんか?』
「超直感…まあ血筋みたいなものかな」
そっかい…と言いながらフライゴンはため息をつく
そして不適な笑みを浮かべながらリトに尋ねた
『いい方法があるぜ。乗るか?』
「それは案に?それともお前の背中か?」
『へへ…俺の背中は快適だぞ?』
「…乗った!」
『どこ行っちゃったのかな〜?……あり?』
メタグロスは残りのメンバーを探している途中に違和感を感じる
そう、何かが上から落ちてくるような音
『いっくぜぇええ!』
「おお!」
それは空耳ではなく本物の音
フライゴンとフライゴンに乗ったリトが急降下する音だ
『ふっふーん、こんなこともあろうかと…シャドーボールで撃墜だ〜!』
一方のメタグロスは慌てる様子もなくシャドーボールを放とうとリト達を狙う
だが、それこそが作戦だった
『えい…!』
『え…!?』
「『よしっ!』」
メタグロスは驚きの声を出した
フライゴンの作戦は空中で缶を蹴ろうとする雰囲気を出せばメタグロスは必ず狙ってくる
その隙に意識がいっていないコンが蹴れば勝てる…というものだ
『あーあ…負けちゃった…』
「どうだった、メタグロス?楽しかったか?」
『うん、スッゴク!』
「そっか…じゃあこれから遊ぶときはこういうのだけにしろよ?他の奴に迷惑かけるからな」
『えっ?僕もリトに着いていくよ?』
「え?」
『『『えっ?』』』
『Σちょっと待たんかぁあ!』
『どうしたの、ライライ?』
『ライライ言うな!何時だ!?いつ決めたんだ!?』
『今。あっライライも一緒だからね』
『俺もかよ!?だからライライ言うなっての!』
「まぁ…俺としてはいいけどさ…」
『Σいいんかい!』
『じゃあライライのニックネームはライライね』
『だからライライ…Σってそのままかい!』
「よろしくな、ライライ」
『『『よろしく、ライライ』』』
『だーかーらー!』
「んじゃあメタグロスは……メッタンな」
『うん、僕メッタンね』
『この先での俺の不安要素が多すぎる…』
こうして、一行のたぶん最強のボケとツッコミが加わったとか
ちなみにライライは後で胃に穴が空いたとか…空いてないとか…
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