魔法少女リリカルなのは終焉者と魔法少女達『悲しみを抱え込まないように俺ができること』 |
どうも、浅倉尚哉です。
今、俺はどこかの病院の個室のベッドで寝ているふりをしております。
なぜ俺が寝ているふりをしているかというと…
少女「ひっ……く……お父さん、お母さん…………うっ、なんでや……なんで、私を、おいて……いなくなってしまうん……」
隣のベッドではあの現場で俺が助けた少女が泣いているのだ。
尚哉〈ディエンド、この状況どうすればいいと思う〉
俺は念話でディエンドに問いかける。
ディエンド〈慰めてあげたらどうですか?あの子の母親にも頼まれたのですから〉
ここまで言われたらやるしかないよな。
よし、まずは…
尚哉「どうしたの?」
俺は優しく声をかけると、泣いていた少女はこちらに顔を向ける。
少女「…………」
少女は潤んだ目でこちらを見ているが、問に対しては返ってこなかった。
まあ、当然だろう。
この子の両親が亡くなって悲しんでいるときに、どこの馬の骨かわからない俺が話しかけたんだ。戸惑わない訳がない。
尚哉「ごめんな、急に話しかけちゃったりして。でも泣いていたのが気になったんだ」
俺は寝ていたベッドから降りて少女が座っているベッドに近づく。
少女「な、なんにもないんや。少し、いやなことを思い出しただけや……」
尚哉「え……いや、でも……」
少女「ほんとに大丈夫やから、気にしんといて……」
確かにこの子の母親の言うとおり、1人で抱え込んじまってるな。
でも少しでもその悲しみを取り除けるなら俺は……
尚哉「大丈夫な訳ないだろ……さっきまであんなに泣いたのに……少しでもさ、思いを出した方が楽になるよ。悲しみを感じているときに泣いておかないと、悲しみがたまって身がもたないよ」
少女「…いや……本当に………」
尚哉「今はさ、大丈夫かもしれないけど。後で悲しみをうけとめてくれる人がいなくなったら、きっと悲しみと後悔が重なってもっと辛くなる。だったら今、悲しいことをだそう」
少女「…………うっ……なんで…………見ず知らずの…………私なんか……気遣って、くれるん……」
尚哉「器用なやつは気にしないけど、俺みたいな不器用なやつはこういうのをほっとけないから。」
いままで避けようとしていた少女は少し苦笑いし、俺の胸に頭を預ける。
少女「そうやな……ほんとに君は不器用やほんっ……とに。うっ、ううっ…………うああああああっ、ああああああっ……!」
少女は俺の胸にすがりつき、むせび泣く。
俺は片腕で少女の体を抱き寄せ、もう片方の手で少女の頭を優しくなでた。
少女は泣き続けていったい何時間たったであろう。窓から外を見ると日は沈みかけていた。
今は少女は泣き止んでいる。
尚哉「もう…大丈夫か?」
そう言いながら少女から少し離れる。
少女「君のおかげで、すっきりしたわ。ありがとうな」
少女は笑顔でこちらを見てきた。やばいその笑顔は反則級だ。
尚哉「そう言えばまだ自己紹介がまだだったな、俺は浅倉尚哉、呼ぶときは尚哉でいい。」
少女「なら次は私やな。うちの名前は『八神はやて』、名前はひらがなではやてって書くんや。」
なるほど名前は昨日、母親に聞いたからわかっていたけど、姓は八神か……八神!?
ちょっと落ち着くんだ俺、COOLになるんだ俺!!
はやて「ど、どうしたんや!?そんな黙って。やっぱり名前がひらがなで、はやてって書くから変やと思ってるん?」
俺が黙っていることにはやては心配している。
今は考えていることは置いといて、はやてが心配してるからそっちを何とかしなきゃな。
尚哉「そんな訳ないよ。むしろその逆でいい名前だと思うよ。」
はやて「あ、ありがとうな、尚哉くん。」
はやては少し顔が赤くなり笑顔でこちらを見てきた。やっぱりその笑顔は反則級だ。
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少女の元で気を失った尚哉が目覚めて見た光景とは | ||
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