涼宮ハルヒの恋姫 1
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前回のあらすじ

 

 

SOS団の部室で古泉と遊○王対決してた時、ドアをノックする音が聴こえてきた。ドアを開けても誰も居ない。そして下を見落とすとそこには丸い鏡が落ちていたのだ。誰が落としたにしかあり得ないんだけどな。そしてその後、俺が鏡を預かることになったのだ。調べたには調べたが、突然の眠気が誘い俺はベッドで寝てしまった。……だが、目が覚めた瞬間俺は硬直したかもしれないだろう光景を目にしたのだった。

 

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第一話

?キョン、外史に飛び少女とあうのこと?

 

 

此処はとある桃園。

 

???「……桃の花か………」

 

そこに一人の少女が歩いていた。その少女は体を隠すマントを羽織っていて顔を隠しているので中々表情が見えない。手には一本の槍を持っている。槍の形は刃の根元には龍の顔をしている。それで少女が歩いていると。

 

???「…ん?(あれは……)」

 

少女が見た先には………

 

 

 

???「おう兄ちゃん。地味だが珍しい服を身に付けてんじゃねぇか。」

 

地味って何だ地味って、それにこのおっさん達コスプレでもしていんのか?……此処は桜がいっぱいあるから、東京らへんだろうか。すると小さいおっさんが……

 

小さいおっさん「殺されたくなかったらその身に付けている服を脱いでしっぽを巻くがいい。」

 

キョン「……すみませんが、俺はこの服を手放したくないので断らせていただきます。」

 

髭おっさん「そうか……チビ。デブ服を傷つけない様に殺っちまいな。」

 

チビA「へいアニキ。」

 

デブA「んだな。」

 

そして二人は剣を持ち此方へ近づいてくる。…てあれ真剣なのか?輝きが凄い作り物なのかと思った。

 

デブA「悪気はないんだな。」

 

そして太ったおっさんが剣を降り下げた。

 

???「くっ間に合わないか!?」

 

 

ガキィンッ!!!

 

 

デブA「んだ!!??」

 

???「!!!??」

 

今の音は俺が腰にある木の刀で防いでいるのだ。……待て。何故俺は木刀なんか持ってんだ?そしておっさんの動きが良く見える。

 

俺は太ったおっさんの剣を弾き返し、腹を突いた。

 

デブA「うぐっ!!!?」

 

どうやら急所に当たったらしくその場で倒れる太ったおっさん。

 

チビA「デブ!! お前よくも…!!!」

 

デブおっさんと同じ様に剣を降る、……だから何で動きが見えるんだ?木刀を薙ぎ払う様に腹のあたりを当てる。

 

ドスッ!!

 

チビA「うげっ!!?」

 

そして倒れた。

 

アニキA「つっ…強いな兄ちゃん。…くそっ次に会う時は憶えてやがれ!」

 

チビA「ま…待ってくれアニキ!! 」

 

デブA「んだな!! 」

 

そして三人はそそくさに逃げる。…リーダーっぽい人は何もやってないよな。

 

キョン「…一昨日来やがれってんだ。」

 

そう言い残し木刀をしまうと…

 

???「……お見事なものだ。これ程の武術をお持ちとは。」

 

木の影からマントを羽織った人が現れた。

 

キョン「いえ。俺はそんな対した人物ではありませんよ。」

 

???「さっきの動き方は一流の武人でしか使えないはずです。」

 

キョン「ただのまぐれですよ。それに俺は武人ではなく普通の人です。」

 

???「そうなのですか?」

 

キョン「そうなのです。」

 

二人「「………………」」

 

…長い沈黙。こういうのは慣れていないな。

 

???「フフッ 腹の探り合いは辞めましょう。」

 

キョン「そうしてくれると助かります。それとまだ名前を言ってませんでしたね。俺はジョンスミスって言います。」

 

自然とその名前が出てしまった。ちなみにこの名前は夏の七夕で中一のハルヒに名乗った名前だ。何故かこの名前が頭に浮かんだのか俺でも分からない。

 

???「??姓はどの字をあたるのですか?」

 

キョン「?姓はスミス。名はジョンですかね・・・」

 

???「…変わった名前ですね。私は関羽。字は雲長と申します。」

 

関羽と名乗った女性は顔を隠していていたマントを脱ぎ、その顔を見させてくれた。中々の美しさだった。……待て、今なんて言いましたか?

 

関羽「私の名は関羽。字は雲長です。…どうされたのですか?」

 

…俺の聞き間違いじゃなかった。この人はあの三国志で名高い関雲長だ!しかし関羽は確か男のはず……でも目の前にいるのは女の子。…この世界はどうなっているんだ?

 

キョン「…あの、関羽さん。」

 

関羽「…? 何でしょうか?」

 

キョン「その槍の名前はもしかして、青龍偃月刀ですか?」

 

関羽「!! …よくお分かりで、すまぬが何処かで会ったことはありますか?」

 

キョン「いえ。名前を知ってたのは貴方のことを話す友人がいたもので…それで憶えていた訳です。」

 

関羽「そうでしたか。それならばよいです。処で……」

 

本当の話。友人ってのは古泉から三国志のことを聴いたわけなのだ。……古泉の名前が出ると朝比奈さんと長門とハルヒはどうしてんだろ?(古泉の名前は出てるから置いとこう)SOS団全員がこの地に居るとしたら大助かりなんだが、今は此処に居ない。もしかしたら俺だけだったり?だとすると……

 

関羽「……ジョン殿?」

 

キョン「おわっ!!?」

 

関羽「ひゃあっ!どうしたのですか!?ぼーっとしていましたが…」

 

キョン「あっ…すいません。それでなんでしたっけ?」

 

関羽「ですから、ジョン殿は何処の州出身なのですか?」

 

州?となると此処は何処なんだろう?

 

関羽「此処は幽州のとある邑の山です。」

 

なんとなく分かってはいたが、本当に三国志に来ちまったんだな。

 

キョン「いえ、俺は何処の州のものでもありませんよ。」

 

関羽「……………そうなのですか。では何故ジョン殿は此処に居たのですか?」

 

キョン「それが分かれば此処に居た理由があると思うのですが…」

 

関羽「……そうですね。嘘をつくようなお方に見えませんし。」

 

…………もしかして俺、疑われてた?そんなことを思っていると、

 

 

ぐぅぅー。

 

 

関羽「!」

 

キョン「あっ…」

 

突然俺の腹の虫が鳴り出した。あぁっ恥ずかしいぃぃぃぃ!

 

関羽「空腹の様ですね。」

 

キョン「あいつらとやってたら腹が…」

 

関羽「フフッでしたらこの近くの邑に行ってお腹をみたしましょうか。」

 

キョン「一緒に行ってもいいのですか?」

 

関羽「構いません。これもなにかのえんかもしれませんし。」

 

キョン「…有難うございます。」

 

 

 

そして俺と関羽さんは近くの邑に到着した。

 

関羽「さて、何処か安い店は無いものか。」

 

関羽さんが安く食べられる店を探している。…まさかこんな田舎っぽい邑にまでさっきのと同じ盗賊が現れているなんて。

 

 

ーーーそう。

 

 

この邑へと続く道に墓があった。その亡くなった人は賊に殺されたらしい。俺は死ぬ経験をしてないが、死んでしまいそうという体験はある。この墓を見ていて他人なのになんだか悲しくなる……

 

ーーーとっその時、

 

邑人A「山賊だぁぁーーーーーー!!!! 」

 

二人「「!!!??」」

 

俺と関羽さんが人の叫ぶ方を向くと。

 

???「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃーーーーー!! 鈴々山賊団のお通りなのだーーーーーー!!! 」

 

子供達「わあぁぁぁぁぁーーーーーーー!!! 」

 

……………………へ?

 

 

前から此方に走ってくるのは、豚に乗り赤い髪をしている少女だった。それにしてもあんな小さい子が山賊?何かの冗談だろう。

 

関羽「こっ…子供?」

 

どうやら関羽さんも疑うらしい。っとその瞬間、

 

関羽「きゃあっ!!?」

 

関羽さんがその場で尻餅をついた。

 

鈴々?「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃーーーーっ!!!! 」

 

山賊団はそのまま行った。

 

キョン「大丈夫ですか関羽さん!! 」

 

関羽「えっ…えぇ。目の前に鶏が飛んできましたので…」

 

あぁ、それは驚きますよね。

 

 

 

さっきの山賊団のことを気にしながも俺と関羽さんは安い飯屋に辿り着いた。そして食べ終わった後のこと。

 

関羽「それにしてもいったい何だったんだ?鈴々という悪餓鬼は。」

 

女将「名前の通り鈴々って女の子が率いる山賊団さ。赤い髪の女の子とがいただろう?その子が村の子供たちを率いて、作物やゆで卵を取ったり、畑を荒らしたり、ニワトリを追いかけまわしたりとちょっとした悪さを働いてるんだ。そうそう!この間は庄屋様の屋敷の塀に庄屋様の似顔絵を落書きしてたんだけど、あれは傑作だったねぇ」

 

関羽「笑いどこではないですぞ女将。全く親はいったい何をしているのだ子供を放って置いて。」

 

女将「…あの子ね、親がいないのよ。」

 

キョン「いない?」

 

女将「そう。あの子が生まれて間もないときに賊に襲われて邑は壊滅。その時に両親が亡くなってね。それで近くの山に住んでた叔父さんに引き取られたんだけど、その叔父さんも病気で亡くなってね、それで一人になっちゃったのよ。」

 

二人「「…………」」

 

この空間は長い沈黙だった。

 

そして三十分くらいに

 

キョン「美味しかったです女将。」

 

女将「そうかい?それはお粗末様でした。」

 

関羽「………………」

 

キョン「それじゃこのへんで…てっ関羽さんどうしました?」

 

関羽「お……女将。大変申し訳ないことを言いますが……」

 

 

 

ーーーーその夜。俺と関羽さんは女将の家の空いている部屋で寝ることになった。………何故こうなったのかと言うと実は関羽さん、金が無かったらしく俺に相談してきた。俺は以外にも財布があり、中に入っていた五百円を女将に見せた。そしてこれが飯代となったのはいいが、此処で問題発生。この邑には宿が無いのだ。だから女将の空いている部屋で泊まることになった。……この部屋は子牛が寝る場所だろ絶対。藁っぽいのが敷布団になる。

 

関羽「ふぅ、女将の人使いは荒いなぁ。」

 

キョン「……お疲れ様です。」

 

関羽「えぇ…さて、もう寝ましょうか。」

 

そう言って関羽さんは藁敷布団に寝っころがり、寝た。………俺も寝よう。明日は早いからな。その前に、関羽さんが風邪をひかないようにブレザーを掛け布団代わりにしよう。

 

そして俺は夢へと旅立った。……とはいかず眠れないままでいた。

 

 

関羽「……………ん……!これは、…………そうかジョン殿が……/////」

 

 

 

 

………朝

 

 

……眠れなかった。その理由は一つ、この地に来たとき、頭が混乱していたのだ。そのため頭の整理をしていたらあっという間に朝になってしまったのだ。……そんな考えるので長い時間掛けてやるのかと思った人。そんなの気にするんじゃ負けだぜ。

 

そんなこんなであっという間に昼間のこと。

 

パカンッ!

 

キョン「……やれやれ、女将の人使いは治らないものか………」

 

パカンッ!

 

俺は今、薪割りをしている。初めてだったのだろうか、なんかワクワクシテキタ。これも経験の上だ。

 

パカンッ!

 

三十分後……

 

 

ガヤガヤ

 

キョン「ん?あっちの方が何か騒がしいなぁ。」

 

薪割りが丁度終わったので行って見ることにした。……腕が痛い。

 

 

 

来てみると。沢山の人集り。その奥に兵士が並んでいる。どうやら此処は君主の住む館のようだ。

 

キョン「何かあったんですか?」

 

おばさんA「どうやら庄屋様は役人に鈴々捕まえようとしているのじゃあ。」

 

鈴々?昨日の鈴々山賊団のお頭みたいな子のことなのだろうか。

 

おばさんA「あの時の落書きで庄屋様がお怒りになっちゃてのう。」

 

キョン「…………」

 

関羽「ふむ。」

 

どうやら関羽さんは俺の隣に立って居た。っていつのまに!?

 

関羽「ジョン殿!一緒に来て下さい!」

 

キョン「えっ!?ちょっとまっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ????……」

 

ネクタイを掴まれて連れていかれる俺。なんかハルヒがいるような感じだ。

 

 

庄屋「いいですか、相手は子供と言えど手のつけられないとんだ暴れん坊です!油断は禁物ですよ!」

 

関羽「待たれよ!」

 

庄屋「お前さんは誰じゃ?」

 

関羽「聞くところその子供はかなりの腕のもの。役人が行ってもつまないでしょう。ここは私達に任されてはどうでしょうか?」

 

あれ?その『達』は俺も入っているのか?

 

庄屋「…お前さんがか?」

 

関羽「勿論、腕の方は自身があります。いくら暴れ者と言っても所詮は子供。本物の山賊に比べれば……」

 

役人「…!?もしかして貴方は例の黒髪の山賊狩り!!?」

 

庄屋「なんじゃと!?この者が……」

 

関羽「……まぁ、自分から名乗っているわけではないのですが……」

 

山賊狩りをやってたなんて初耳だぞ。

 

役人「確か、長い黒髪を持つ絶世の美女と聞きましたが……」

 

庄屋「噂は当てにならないということか。」

 

関羽「それは………どういう意味で?#」

 

あぁぁ、庄屋さん。人には言って良いことと悪いことがあるので気をつけて下さい。それと関羽さん。怒っちゃ駄目ですよぉ。後ネクタイ離して下さい。

 

 

場所は代わって邑近くの山。

 

関羽「はぁ…」

 

キョン「関羽さん元気だして下さい。」

 

関羽「……………(しょぼーーん)」

 

…ダメだこりゃ。完全にへこんでるな。……ん?

 

ヒュンッ!

 

キョン「!! 危ない!!! 」

 

キィンッ!!

 

関羽「ハッ!!?」

 

…ぃ……危なかった…関羽さんが怪我しそうだった。何だコレ?石か?いったい何処から?

 

子供A「お前等!! うちらのおやびんを役人に渡そうたってそうはいかないからな!!! 」

 

キョン「その前に!人に向かって石を投げるんじゃありません!!! 当たって怪我したらどうするんだ!!?」

 

子供A「五月蠅い!!! 」

 

ヒュンッ!ヒュンッ!

 

キィンッ!キィンッ!

 

キョン「こら!! 辞めないか!! 」

 

そう言っても聞かないのが子供なのだ。

 

関羽「仕方が無い。」

 

バッ!! ズバンッ!!!

 

突然関羽さんが走り出し、子供が登っている木を切ったのだ。

 

ギギギギッ

 

子供A「うわわ!! 」

 

関羽「…はっ!」

 

木は倒れた。そして子供は……無事だ。

 

子供A「たっ…助かった?。」

 

…のはいいんだが、

 

関羽「それはどうかな?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

子供A「あ………あぁ……ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! 」

 

 

 

…御愁傷様。

 

 

そしてもっと奥へ。

 

関羽「やれやれだ。」

 

キョン「はは………」

 

さっきの子供が追いかけて来てるが気にしないで進むと、

 

子供達「…………………」

 

子供達が出てきて、

 

子供B「やーい!ブースー!」

 

子供C「寸詰まりー!」

 

子供D「ブサイクー!年増ー!」

 

子供E「としまー!」

 

…………今一瞬、切れそうになったぞ。だが冷静になれ俺。こんなのは子供騙し過ぎる。

 

関羽「んなっ!?誰が年増だ!! 誰が……!」

 

どうやら関羽さんも気づいたらしい。関羽さんの下には罠が仕掛けられている。…嫌な予感がするんだが………。

 

関羽「なるほど。頭に血が昇って前進すると考え落とし穴を仕掛けたのか……子供にしては良くできたと褒めてやりたいところだが…」

 

直後、関羽さんは無駄にカッコよく回転ジャンプして葉が詰まれたところを飛び越える!だから俺のネクタイを掴まないでぇ〜?!

 

関羽「そのような手に引っ掛かる関雲長ではないわ!! 」

 

そして葉の積まれていないところへ華麗に二人同時着地。(無駄にキメポーズありで)そして俺は地面に衝突。……痛いんですけど……

 

関羽「さぁ、観念してもらおう!」

 

しかし……子供達の顔はにやけている。俺の予感は当たりか?

 

 

ズボッ!

 

二人『!?』

 

罠に引っ掛かり俺達、落ちた。

 

子供B「落ちた落ちたー!! 」

 

子供C「かっこわりー!」

 

子供D「ひっかかってやんのー!」

 

子供E「やんのー!」

 

関羽「くぅ…関雲長、一生の不覚………!」

 

キョン「……痛い…」

 

関羽「はっ!ジョン殿!! 大丈夫ですか!!?」

 

この痛みからすると俺はマ○オのス○パー・ヒ○プ・ド○ップを腹に喰らわれた感じだ。本当に痛いです。

 

子供B「どーする?」

 

子供C「埋めちゃおうか」

 

子供D「その前におしっこかけよー!」

 

子供E「かけるー!」

 

関羽「こらー!!!!! 」

 

子供達「きゃああああああああああ!!!! 」

 

あまりにもふざける子供達に関羽さんは吹っ切れた。もう一度言おう。御愁傷様。

 

 

お仕置きを受けた子供達はすっかり(?)大人しくなったが、それでも鈴々を連れていかせまいと目は真剣だった。やれやれ。

 

子供A「おやびんたちはお前等なんかに負けないからなっ!」

 

愛紗「わかったわかった…お前達のおやびんは悪いようにしないから、お前達は邑に帰れ。」

 

子供B「…本当か?」

 

子供D「邑に帰ったら、おやびんたちを役人に渡したりしない?」

 

子供E「しない…?」

 

キョン「あぁ、もちろん。約束しよう。」

 

子供C「帰ろう……」

 

子供D「うん……」

 

続く俺の言葉を聞き、子供達は家に帰ることにした…が。

 

子供達「「「「「ブース、デーブ、年増ー!! お前等なんかおやびんにやられちゃえー!! 」」」」」

 

キョン「……………」

 

そう言い残し帰っていった。俺は慣れたが、関羽さんがどう思うのやら……

 

関羽「……ジョン殿。」

 

キョン「はっはい?」

 

関羽「私は…そんなに年増に見えますか?(ウルウル)」

 

かっ、関羽さん!! 目から雫が!そんな上目遣いされたら返事するしかないじゃないですか!!! ……しかし、可愛い…

 

キョン「そんなことありませんよ。関羽さんは綺麗ですし、黒髪に似合う女性だと他の人もそ思いますよ。俺は関羽さんを見て惚れてしまいそうでしたから。だから、元気だして下さい。」

 

カッコ良く言ってみたものの、何か足りないと感じてしまう。畜生ぅぅ!!

 

関羽「あっ…有難うございます。//////////」

 

 

俺と関羽さんはさらに奥へ行く。…多分関羽さんも“気”を感じているのであろう。この先にある子供山賊のお頭を、そして俺達は……ついに辿り着いた。岩山の上に建てられた山小屋の前に、そいつはいた。

 

関羽「お主が山賊団のお頭、鈴々か?」

 

鈴々?「!! 鈴々は真名なのだ!! 真名は親しい同志じゃないと言っちゃいけないのだ!!! だからお前等みたいな奴に呼ばれる筋合いはないのだ!!!! 」

 

あれ?もしかして俺も入っているの?まだ何も言ってないんだが…

 

関羽「そうか、ならば改めて聞こう。お主の名はなんだ?」

 

張飛「鈴々は張飛!! 字は翼徳!! 寝た子も泣き出す鈴々山賊団のおやびんなのだ!!! 」

 

キョン「!!?」

 

張飛!?この子が張翼徳なのか!?俺の知っている張飛は中年おっさんなのに、今此処では幼女だと!!?本当にこの世界はどうなってんだ?

 

愛紗「そうか、お主の手下は、皆村に追い返したぞ。」

 

張飛「!!?」

 

愛紗の言葉を聞き、張飛は咄嗟に岩山を降りて愛紗とに刃を向ける。やっぱり蛇矛なんだな。

 

張飛「鈴々の友達に何をしたのだ!!?」

 

愛紗「なに、ちょっとお仕置きをしただけだ。」

張飛

「んにゃー…!! 仲間の仇…十倍返しにしてやらぁ!! 」

 

キョン「どうやら口で言っても聞き入れてくれそうもないですね…関羽さん、ここは一つ…」

 

関羽「えぇ、身体で分からせてやる…来い!」

 

鈴々「うりゃあああああああああ!!!! 」

 

愛紗・キョン

「「はああああっ!!! 」」

 

俺と関羽さんは偃月刀と木刀を構えて誘った直後、張飛が斬りかかる。

 

ガキンッ!!

 

関羽「重い……」

 

キョン「力押しでは不利か……」

 

そう思った二人は攻撃を始めた。俺は攻撃を掛けたが、張飛の一撃が効いたのか思い通りに動けなく飛ばされてしまった。そこから関羽さん張飛の戦いが始まる。それは夕暮れ時になっても二人の戦いは激しさを増していた。

 

関羽「中々しぶといな…!」

 

張飛「そっちこそなのだ!でも…鈴々の本気はまだまだこんなもんじゃないのだ!」

 

そして二人は獲物を構える。…俺って此処に居ても意味無くないか?

 

張飛「うりゃああああああああああ!!!! 」

 

関羽「はあああああああああああ!!!! 」

 

それぞれの攻撃がぶつかり合った。

 

戦いは日が暮れても治まることはなかったが……張飛が岩をも斬った一撃を放ち、それを関羽さんが防いだところで一旦治まった。

 

関羽「……惜しいな」

 

張飛「え…?何がなのだ?」

 

関羽「これだけの腕を持ちながら、やっていることと言えば…山賊ごっことはな」

 

張飛「っ…余計なお世話なのだ!」

 

ふと立ち上がり、関羽さんは張飛に語り始める。

 

関羽「張飛よ…お主は幼い頃に親を殺されたそうだな」

 

張飛「そ、それがどうしたのだ!?」

 

関羽「私も幼い頃、家族を失った」

 

張飛・キョン

「「えっ…」」

 

関羽「村が戦に巻き込まれ……父も母も……そして兄様も……」

 

偃月刀を握る関羽さんの手が震えている姿が、張飛の目に留まる。

 

関羽「そして私は誓った…こんな悲しみは繰り返したくない…二度とこのようなことが起きない世の中を目指そうと…」

 

張飛「…それが鈴々となんの関係があるのだ!」

 

関羽「お主達は変えたいと思わぬのか!戦に巻き込まれ、賊に襲われ、無力な人々が虐げられていくこの世の中を!」

 

関羽さんの言葉に張飛は己の得物で関羽さんを叩きつけた。

 

張飛「そんなのっ!! そんなのわかんないのだ!! ただ、ただ!! 鈴々はずっと、ずっとさびしくて!! でも、どうしていいかわかんなくて!!それで、それでお前等に何がわかるってんだ!! 鈴々は、鈴々はずっと悔しくて虚しくてたまらなくて!!鈴々に!! 出来ることなんか!! 出来ることなんかあああ!! 」

 

何回も叩きつけられ、得物を手放してしまう関羽さん。やられる!と思い身構える、拙い、次の攻撃だとただじゃすまない!俺は張飛の攻撃を防ぎって関羽さんを守ったが張飛の次の攻撃が来る、耐えられるか。だが、張飛は武器を叩きつけるどころか…………

 

 

鈴々「うううう…………うわああああああああああん!!! 」

 

なんと、突然泣き出したのだ!これには流石の関羽さんも驚いたのは言うまでもない。

 

関羽「ど、どうした!?何故泣くんだ!?おい!! 」

 

キョン「……………」

 

それでも泣きじゃくる張飛。あまりにも予想外な展開に、関羽さんも困った表情で顔を見合わせるしかなかった。勿論俺も。

 

 

その後、泣きやんだ張飛が「途中で泣いたからさっきの戦いは自分たちの負け。だから自分たちを好きにしろ」と言ってきたのだ。もちろん俺と関羽さんには最初からそんなつもりはなく、ただ今までの悪行を反省して、ちゃんと庄屋や村の人たちに謝罪してくれればそれでいいと告げると、張飛は承諾してくれた。そこまでは問題なかったのだが……自分達も付き添うから明朝に一本杉の下で待ち合わせしようと言って、俺と関羽さんが帰ろうとしたその時だった。泊って行けと張飛が突然こんな誘いを持ちかけてきたのだ。最初は平気だと関羽さんは断ったのだ。俺はまだ知らないことだらけだが、関羽さんに呼ばれたためそっちに行く。…張飛さびしそうな背中を見て「気が変わった」ということで、一晩厄介になることに決めたのである。

 

その後、関羽さんは風呂に入っていた。

 

関羽「まったく……妙なことになったもんだ………」

 

張飛「湯加減はどうなのだ?」

 

関羽「ちょうどいいくらいだ」

 

張飛「だったら鈴々も入るのだ!」

 

関羽「え!?」

 

いきなりの発言に愛紗が驚いたのもつかの間、鈴々は扉を開け………

 

張飛「突撃ぃ〜〜〜っ!! 」

 

バッシャーーーン!!

 

勢いよく湯船に飛び込んだのであった。

 

関羽「こぉらーっ!! 飛び込むんじゃないっ!!! 」

 

張飛「はにゃっ!?」

 

関羽「全く、風呂の入り方も……ん?」

 

いきなり飛び込んできた鈴々を叱る愛紗だったが…ふと、鈴々が自分を見つめてることに気付く。

 

関羽「なんだ?どうかしたのか?」

 

張飛「…おっぱい大きいのだ〜…」

 

関羽「わわっ!///」

 

張飛「…どうしたら、そんなにバインバインになるのだ?」

 

関羽「どうしたらって…そ、そうだ!志だ!胸に大志を抱けばその分だけ大きくなる…ハズ……」

 

張飛「ホントに!?ホントにそれで大きくなるのだな!?」

 

関羽「まぁ、そういう説も……あったりなかったり…」

 

張飛「よぉ〜し!だったら、鈴々も大志を抱くのだ!」

 

浴槽の中で立ち上がり、堂々と宣言する鈴々。

 

関羽「そうだな…大志を抱くのは、悪いことじゃないからな…」

 

 

寝床を準備していた張飛の下に、借りた寝巻に着替えた俺と関羽さんが現れる。

 

張飛「枕は使っていいのだ。」

 

関羽「すまぬな。」

 

ちなみに俺は壁で寝ると言った。

 

張飛「はにゃ?やっぱり鈴々のじゃ、小さかったのだ。」

 

関羽「いや十分だ。すまぬな。寝床まで貸してもらって」

 

張飛「いいのだ!勝負に負けたのだから一晩一緒に寝るくらいしょうがないのだ!」

 

キョン「…なんか誤解を招きそうな表現だな…」

 

鈴々

「それに、誰かと寝るのって久しぶりで…全然…全然嫌じゃなくって…その…母様や父様と一緒みたいで…」

 

「母様と父様」発言に、思わず起きあがってしまう関羽さん。

 

関羽「ばっバカ言え!! 私はお主達のような娘や息子がいるような年ではない!せいぜい姉と兄といったところだ!」

 

張飛「……姉と、兄?」

 

関羽「それ以前に、私は子供が出来るようなことは…まだ一度も…///」

 

細々と呟く関羽さんに、今度は張飛が問いかけた。

 

張飛「ねぇねぇ!姉と兄だったら…お姉ちゃんとお兄ちゃんならいいのか!?」

 

キョン「ん?まぁそうなるが…」

 

張飛「だったら、関羽とスミスは今日から鈴々のお姉ちゃんとお兄ちゃんなのだ!! 」

 

関羽「はぁっ!!?」

 

いきなりの発言に驚く関羽さん。そんなに驚くかなぁ……

 

関羽「いや、待て待て!姉とか兄ならいいというのは、そういう意味ではなく…」

 

張飛「…ダメ…なのか?(ウルウル」

 

関羽「ヴっ…………」

 

目をウルウルさせながら問いかける張飛に、関羽さんがたじたじしている。

 

キョン「まぁ、いいんじゃないか?」

 

関羽「ジョン殿!?」

 

キョン「妹がいるのもいいもんだと思いますが?」

 

勿論俺にも妹はいる。だが、他にも妹ができたとなるとこれはこれで楽しいと思った自分がいる。

 

関羽「…………まぁ、ダメでは、ないのですが……」

 

その関羽さんの言葉を聞いた直後…

 

張飛「わーーいっ!! 鈴々にお姉ちゃんとお兄ちゃんが出来たのだー!!! 」

 

関羽「わ、私はまだ認めたわけでは…!?」

 

大喜びで張飛が関羽さんに抱きつく。すっかりその気になっている張飛に戸惑う関羽さんだったが…しかし、こう見ると張飛は可愛いなぁ。

 

張飛「これで、もう夜になっても…ずっと、さびしくないのだ…」

 

張飛のその言葉を聞き、関羽さんも決意を固め口を開く。

 

関羽「……わかった。では、お前の姉と兄になってやろう。」

 

張飛「うん!ずっと一緒なのだ!」

 

キョン「フッ。」

 

関羽「…ならば、私達と共に世の中を変えるための旅に出てくれるか?」

 

張飛「世の中を変えるため…」

 

関羽「もっとも実際には、どうすれば世の中を変えることが出来るかを探す旅…といったところか。どうだ?共に来てくれるか?」

 

張飛「当然なのだ!」

 

キョン「それじゃ、決まりなんだな。」

 

こうしてこの時を持って、三人の義兄妹が誕生したのだった。……あれ?俺はいつからこんなことに………?

 

 

そして翌日…関羽さんの付き添いの下、張飛は庄屋に謝罪し、佛土村を旅だった。…何故俺が関羽さんと同行してるかって?理由を言うと俺はこの世界の事は全くもって知らないから同行することになった。ひょっとしたらハルヒ達に会えるかもしれないからなぁ。

 

キョン「よかったな、張飛。庄屋さんも村人も快く見送ってくれて。」

 

関羽「これもお前達がきっちりと謝ったからなのだぞ。」

 

張飛「う…うん……」

 

 

 

関羽「この一本杉を右に行くぞ。それとも一度小屋に戻るか?」

 

張飛「ううん………いいのだ。」

 

それでも浮かない顔をする張飛。すると関羽さんが。

 

関羽「どうした?もう村が恋しくなったのか?」

 

張飛「…そうじゃないのだ…ただ……山賊団の皆が、見送りに来てくれなかったから…」

 

関羽・キョン

「「…………………」」

 

張飛「…きっと鈴々がいいおやびんじゃなかったから…だから皆…」

 

愛想を尽かされたんだ…と、張飛が言い終わる寸前。

 

 

関羽「そうでもないみたいだぞ。ほら、見てみろ。」

 

張飛「!?」

 

子供B「おーーやびぃーーーーーん!! 」

 

子供A「武者修行して強くなってねーーー!! 」

 

子供D「皆おやびん達が帰ってくるの、待ってるからーー!! 」

 

子供E「おやびぃーーーん!! 」

 

張飛が住んでいた山小屋の屋根の上で、『鈴々山賊団』の子供たちが、“おやびん”に激励をかけていた。絆というやつは素晴らしいものだなぁ。昨日と同じくらい目に涙を浮かべる張飛に、関羽さんが、

 

関羽「泣くな。旅立ちに涙は不吉だぞ」

 

張飛「っ…泣いてなんかいないのだ!」

 

関羽「人は次に会う時まで、別れ際の顔を覚えておくものだ。立派なおやびんなら、そんな情けない顔を覚えてもらいたくはないだろう。さぁ、笑顔で手を振ってやれ。」

 

張飛は涙を拭きながら、山賊団の子供たちに手を振った。

 

張飛「みんなーーーっ!!行ってくるのだーーーーっ!!」

 

 

 

場所は代わって俺と関羽さんが会った桃園。

 

関羽「そろそろマントもいらんな。」

 

張飛「もう春なのだ!」

 

キョン「花も随分咲いているなぁ。綺麗なもんだ。」

 

こうして俺と関羽さん。そして張飛三人の旅は此処から始まる。俺達は桃園の輪を通りながら次ぎの邑へと行くのであった。

 

-3ページ-

 

あとがき

 

 

ども、ガリ眼鏡です。

 

やっと終わった一話の投稿。疲れたわぁ?。

 

キョン「まだ続くんだろ?この話。」

 

うん。

 

キョン「……質問するが、前の予告と本編。違わねぇか?」

 

確かに。一話の予告は一人の少女と会うのことって書いてありましたが。何故か関羽と張飛を合わせた方が本編も短くなるんじゃないかと考えてこうなっちゃった。

 

キョン「……まあいい。次回予告を頼む。」

 

次回、涼宮ハルヒの恋姫 第二話。『キョン、昇り龍と会い。死地に赴くのこと』

 

???「ほう。次回は私が出るのか。」

 

ぬおわっ!?あっ…貴方は……!!

 

 

 

 

 

???「あれ?私は?」

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