一刀の晋王転生録 第六章四話 |
姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:ケ 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第四話
「街亭の戦い 後編」
追い詰めていたはずが、逆に追い詰められていた。
山頂を中心に囲まれてしまった一刀達は、そこで体勢を立て直さなければならない。もちろん、水が断たれている状態で。加えて、
兵糧庫は蜀軍により落とされていて、食料も少ない。まさに絶対絶命である。
「一刀様、事情が判明しました」
どうしようかと考えていた一刀に、江里香が報告に来る。彼は彼女に先ほど捕虜となった蜀の兵達に諸葛亮にどうして使い捨てにさ
れたのかと言ったような事を聞き出してほしいと頼んだのだ。
「それで、どうだったんだ?」
「それが……」
江里香の話によると、彼等は使い捨てにされたと聞くと、まずは驚愕し、その後、諸葛亮に呪詛を吐きながら、隠さずにこう言った。
自分達は今の蜀のあり方に疑念を抱いているのだと。
「成程、彼等は国内の反乱因子と見なされた者達だったのか」
一刀はこの時点で全てを理解した。
やはり諸葛亮は気づいていたのだ。この地で山頂に陣を敷くのがどういう事なのか。しかし彼女は逆にそれを利用する事を計画。
まず、諸葛亮は彼等に山頂に陣を敷いてほしいと指示を出す。山頂を陣取ることは兵法でも基本有利とされているため、彼等は特に
疑問を抱く事なく指示どうりにする。失敗する事が前提とした囮とされた事に気付かずに。
そうしておいて、一刀達に山頂の水を断たせて彼らを攻撃させる。その間に晋軍の各拠点を落としていく。そして一刀達が山頂の蜀
軍を討った頃には、晋軍の全ての拠点を落として山頂を方位する。結果、一刀達は水が断たれた状態の山頂に陣を立て直させざる負え
ない状況に持っていく。
反乱因子をほぼ壊滅させ、晋軍を一気に追い詰める一石二鳥の策。これが諸葛亮の策だった。
(理屈は分かるが……劉備の性格を考えると、明らかに正気を失っているかのようなやり方だ。歪んでいる)
そうは思うが、今はそんな事は重要ではない。今すべきことはこの現状に対してどうするかである。
「旦那様、いかがいたしましょう?」
「こうなってしまった以上、短期決戦しかないだろう。食料は今日で尽きる勢いでいいからちゃんと皆に与えてくれ。そして明日で決
着をつけるようにするとも伝えてほしい。頼む、理奈」
「分かりましたわ」
理奈としてもこれ以外ないだろうと判断し、特に反論もせずに従った。
「江里香、董卓軍と馬超軍にもそう伝えてきてくれ。後、捕虜に現状を話し、此方に付くつもりはないか聞いてくれ」
「はい」
江里香も同様、指示に従い去っていく。
(どんな状況でも、俺は諦めるつもりはないぞ、諸葛亮!)
晋軍にはちゃんとした食事をさせ、明日に備えさせる。説得をした捕虜達は、せめて蜀軍に一矢報いると意気込み、一刀の要請に従
い、そのまま晋軍として戦う事になった。
翌日、晋軍は蜀軍の本陣に向かって突撃。
蜀軍はそれを冷静に迎撃。少しずつ、晋軍を確固撃破していく。
(くそ! やっぱりこうなるか! だがそれでもこうするしか無い!)
一刀は雄雄しく前線に立ち戦う。それを見た兵達は彼に続こうと奮起する。
だが、それでも事態は好転しない。少しずつ味方は倒されていく。本陣に着くであろう時間と、倒されていく兵達を計算するとどう
しても間に合わない。
(皆が俺を信じてくれているんだ! このまま諦めてたまるか!)
それでも一刀は剣を振るい続けた。
戦場の雰囲気が、晋軍がこのまま倒されるのも時間の問題となった時だった。急に蜀軍の勢いが失ったのである。
(何だ? 何が起こった!?)
困惑する一刀を無視するかのように、それは起こった。
(なっ!?)
何と、蜀軍は晋軍の方位を解き、総撤退を始めたのだ。
(ど、どういう事だ? だが助かった……)
唖然としながらも、敗北することが無かった事にほっとする。
放置された蜀軍の兵糧を頂いていき、一刀はこのまま魏と戦っているであろう瑠理達の元に急いで戻って加勢すると指示を出し、撤
退した。
そして魏との戦いが終わった後、鐘会の報告で蜀の撤退理由を知ることになった。
「関羽、鳳統がケイ州で孫権軍に討たれたようです」
説明 | ||
一気の劣勢に立たされた一刀達。それでも諦めずに戦う。 | ||
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コメント | ||
コメントありがとうございます。次話はケイ州で何があったかの話になります。(k3) かなり複雑さを増しましたね。さて、ここからどうなって行くのか…………………(ohatiyo) この流れでいうと次に死ぬのは張飛になるわけだが・・・(M.N.F.) ……今回の一件、「呉は天子の名を僭称し、更には兵の命さえも使い捨てにする不逞の輩、劉玄徳に対して義妹関雲長と鳳雛を討つ事で天誅を加えた」という見方が大勢を占めそうですね。それに兵の家族から大切な者を奪ったのです、その因果にはぜひとも報いてもらいましょう。その覚悟のない者に、天子たる資格はないのですから。(h995) なるほど、戦の勝利と反乱分子の一掃のW効果を狙っての囮作戦だったと。・・・それが仁愛を掲げる国のすることですか。完全に道を踏み外してますね。そして最後の話が本当なら、次は「夷陵の戦い」が起こるのでしょうか。使い捨てにされた兵達とその家族からは間違いなく恨まれるでしょうし、正史以上に汚名を被っての滅亡になるかもしれないですね。(flamme) |
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