新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 外伝 第002話 |
新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 外伝 第002話「もう一つの始まりへの扉」
眩い光が彼を包んでいた。
そこには天井も壁も床も無くただ白い世界が広がっていた。
「……俺は……死んだのか?」
正義はそう呟くと、彼は少ししんみりした。
心半ばで自分は死んでいく、行方不明になった友の事も全く判らぬまま。
そう考えると、彼の頬から一筋の涙が流れ、その涙を指で触れてみる。
「涙か……何年ぶりだろうか……あの時以来だな」
その昔、中学の時、正義はつるんでいた不良グループに覚醒を勧められ麻薬中毒になりかけたことがあった。
思春期であり、施設で育った彼は何か心の拠り所を探していた。
同じ施設で育ったアイツは優等生であり、一緒にいればいつも比較される。
「○○君は何故あんな不良とつるんでいる」だの「あんなのは人間の屑」だの、同期にも教師にも爪弾きにされていた。
恐らくそんな寂しさを紛らわす為に、薬などに手を出したのであろう。
だがその光景を彼に見られたとき、彼は鬼の形相をしながら自分に殴りかかって来た。
普段喧嘩とは全く無縁な彼が、自分に向かって涙を流しながら殴りかかって来た。
彼は言った。
「喧嘩結構、不登校結構。人は間違いを犯す生き物だから、いくらでも間違えればいい。だが、人としての尊厳と、人としての在り方は見失うな。俺の家族はお前しかいないのだから」彼は涙を流し、自分を殴りながら言ってきた。
その彼の姿を見たとき、不思議と涙が流れた。
今まで変に粋がっていた自分が馬鹿らしくなったのもあるが、それ以上に彼を泣かせる程の事をしてしまった自分が許せなかったのだ。
それ以来薬は止め、不良はあの日が来るまで卒業出来なかったが、あの時より自身の人間としての道を踏み外すマネはしていない。
麻薬の横流しも、カタギには絶対に手を出さない条件で行っている。
あの日以来、彼を探すために奔走し、友のあの時の約束を完全に守りきった自信は無いが、それでもあの世に彼がいるなら、また殴ってもらえばいいと思っていた。
そう思い微笑みながら目を瞑ると――
「どふふふ。中々のいい男じゃない」
目を覚ますと、とてもこの世の者とは思えない怪物が自分の頭に立っていた。
「うわあぁぁぁぁぁっ!!?」
彼は脇のホルスターに差しているベレッタ(M92・シルバーモデル)を怪物に向けて連射するが、化け物は変な動きをしながら、当たる弾丸をその体で跳ね返す。
やがてベレッタのマガジンが切れると、彼は警戒しながらCQCの構えでナイフを出す。
「むふふ、警戒しなくていいのよん。私は貴方のみ・か・た」
目の前のピンクのマイクロビキニを履いた筋肉のオバケは何か言っているが、勿論信じてはいない。
「私は外史の管理者、美しき踊り子、貂蝉よん」
貂蝉という名前は聞いたことがあった。
三国志演技と言う小説内で絶世の美女と詠われた女性の名前である。
その人物は架空の人物と言うことも聞いていたが、大学受験に於いて貂蝉なる人物は覚えなくて良い人物であるので、特にそれ以外の記憶は無かった。
「どふふふ。ねぇ正義ちゃん、知りたくない?貴方の友達が今何処にいるのか」
その言葉に彼の世界は凍りついた。
死ぬわけが無いと信じていた友が生きている。
その事実だけでも彼にとっては大きな一歩であった。
すると貂蝉と名乗る人物?は言葉を続けた。
「私は彼にいるその世界に、貴方を送ることが出来るわ。それなりの代償はあると思うけど、確実に貴方を彼のいる世界に送ることが出来る」
「構わん、ならば俺をそこに送れ」
即答である。
無論、彼にもそれなりに迷いもある。
元の世界の未練ではない。
果たして目の前の妖の言う事が誠であるか。
しかしどうせ元の世界では、自分はガードレールから車ごと落ちて死んでいる身であろう。
ならばこの化け物の言うことを信じて、一か八かの賭けに出るのも悪くないと思った。
そんな彼の心情を読み取ったのか、貂蝉は判った様に頷き、外史の扉を開いた。
「この扉を開いていくといいわよ。それから……これ――」
何処から取り出したのかが最大の謎であったが、彼の自宅に保存していた愛武器の『トンファ』を渡された。
「……これは?」
「餞別よ。持っていくといいわ」
選別を貰うと、彼は腰にホルスター巻き付け、そこにトンファを差し込んでから、外史の扉へと潜って行った。
「進みなさい。そして、貴方もいずれ壊れかける彼の支えの一人になってあげて」
説明 | ||
とりあえず、書けたので投稿します。 自動車合宿は無事終わりましたww 報告はそれぐらいですね。 それでは( ^ω^)_凵 どうぞ これは上書き修正しています。2015/04/07 |
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