第四章 驚愕
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どうして二人が犬と一緒にいるのかというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜回想〜

 

洛陽に着いた二人は馬を預け、街を歩いていた。

 

「そういえば兄さん、お金とか大丈夫?」

 

考えてみれば二人はこの世界の通貨すら持っていない。

 

「ああ…前に村を襲った賊のアジトから少し拝借を…」

 

そう言うとミノルは小さな袋を取り出した。

 

「要するに盗ったのね…」 

 

「うん!」

 

「はぁ〜」

 

満面の笑みで返事をしたミノルにため息を吐くアキラ。

 

 

「とにかく何か食うか?」

 

そう言ってミノルは肉まんを2個買って、アキラに渡した。

 

すると…

 

「ワン!」

 

二人は鳴き声がした方をを向くと、そこには首に赤いバンダナを巻いているコーギー?に似た犬が尻尾を振ってお座りしていた。

 

「食べたいのかな?」

 

アキラが犬に肉まんを見せると犬が尻尾を更に速く振った。

 

「ワン!ワン!」

 

「様子から見て間違いないな…」

 

「ほら、お食べ」

 

アキラがそう言って犬に肉まんをあげると、犬はもの凄い勢いで肉まんを食べ始めた。

 

「か…可愛い!」

 

その姿を見たアキラはうっとりしていた。

 

「とにかく情報を集めようか…」

 

「そうだね…じゃあねワンちゃん」

 

アキラはそう言って犬にお別れをするのだが、

 

「ワン!」

 

犬が二人のもとにやってきて、アキラの足元で尻尾を振ってお座りをしている。

いわゆる『一緒にいて』の意味だろう。

 

「あらら…」

 

「懐いちゃった、ハハハ…」

 

アキラは犬を抱っこして、ミノルがある事に気づいた。

 

「あれ?この犬、バンダナでわからなかったが、首輪がついてる」

 

「本当!」

 

ミノルが指差している所を見るとバンダナに隠れて首輪が見えた。

 

「飼い主とはぐれたのか…」

 

「手がかりは赤いバンダナだけ…」

 

「う〜ん、迷ってもしょうがない、とにかく探すぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いませんね…」

 

「ああ…町中探してもいないとは…」

 

 

そして今、二人は町中探しても飼い主を探すも未だに見つからず、広場で休憩していた。

 

「まさか野良犬とかじゃあ?」

 

ミノルがぼそっと言うとアキラが言い返す。

 

「それはない。そのバンダナには汚れがほとんどないから、飼い主が毎日取り替えている証拠。この町にいるのは間違いないはず…」

 

「う〜ん…」

 

二人が考え始めていたその時だった。

 

「!!…ワン!ワン!」

 

突然犬が何か感じて走っていった。

 

その先には赤い髪色をしている少女が立っていた。

 

「・・・・セキト!!」

 

「ワン!」

 

犬は少女の胸に飛び込んで、尻尾を振っている。

 

「・・・・心配した」

 

「クゥ〜ン」

 

「よかった…飼い主が見つかって」

 

「そうだな」

 

すると少女が犬を抱っこして二人の前にやって来た。

 

「ありがとう…」

 

そう言って少女が頭を下げて礼を言った。

 

「頭を下げなくても大丈夫だよ?ねぇ!兄さん」

 

「ああ!顔を上げていいから…」

 

そう言って2人が彼女から立ち去ろうとした。

 

「呂布…」

 

「「え!?」」

 

「私の名前…」

 

二人は少女の名前を聞いて驚いて耳を疑った。そして二人は彼女に近付いた。

 

「えっ?もう一度名前言ってくれないかな?」

 

驚いた様子で質問するミノル。

 

「呂布…名は奉先…真名(まな)は…」

 

「ごめん!ちょっと待って」

 

そう言って2人は呂布と名乗る少女から少し離れて2人で小さな声で話し始めた。

 

「兄さん!呂布ってあの三国志の!?」

 

「ああ…最強の猛将の呂布だ。だけど男のはずだぞ!!」

 

「でもあの子女の子だよ!しかもあんなおっとりした子がだよ!」

 

「あっ!そうか…そういう事か」

 

ミノルはある事に気がついた。

 

「考えてみれば、三国志には天の遣いなんて存在しないはずだ…」

 

「って事は…」

 

「俺の勘だけど…この三国志に出てくる武将全員女の子の可能性が高い…」

 

「いわゆるパラレルワールドって事?」

 

「そういう事だ…俺たちはちょっと変わった三国志の世界に来たって訳だ」

 

二人が会話していたその時、彼女が二人の腕を掴んだ。

 

「そっくり…」

 

「「えっ!!」」

 

彼女が持っていたのはこの時代にはまず無い、写真を持っていた。しかも写っていたのはミノルとアキラだった。

 

「何で俺達の写真が?」

 

「だけど、この時代に写真の技術があるわけがない…」

 

写真を手にして写真を見る2人。

 

さらに

 

「ついて来て…」

 

呂布と名乗る少女の言葉に疑問を覚えながら、2人は後に続いた。

 

 

 

 

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〜洛陽・王座の部屋〜

 

二人が連れてこられたのは洛陽にある大きい屋敷で王座の間だった。

 

「り…呂布ちゃん?誰が俺たちを…」

 

「私たちですよ…」

 

「ご無事だったのですね…」

 

二人が声がした方を振り向くとそこには二人の若い男と女がやって来た。男は白髪で少し筋肉質・緑色の服を着ていて、女は茶髪でスタイルが良く、青色の服を着ている。

 

「誰?」

 

ミノルはワケがわからず答える。

 

「お忘れですか?」

 

「まったく…」

 

アキラは首を横に振って答えた。

 

「これを見せれば解るかしら?」

 

そう言って2人が出した物は純金で出来た勲章だった。

 

「これってゴールドクラスの勲章!!」

 

勲章を見て…驚くアキラに対し、ミノルは解った様子だった。

 

「あっ!!まさか…」

 

「兄さん!わかったの」

 

「白髪頭の男と美女でゴールドクラスの勲章を持っていてそれを持っているのはあの2人しかいない…」

 

「あっ!まさか…」

 

ミノルの説明に正体が解ったアキラ。

 

「コ−ウェン!」

 

「シーナさん!」

 

そう…彼らこそミノルとアキラの重臣であり、2人の父親、つまり先代の魔王の親友、コーウェン・シーナ夫妻だった。

 

 

 

 

 

                                   to be continued

説明
連続投稿です!二人が洛陽に入るお話です。
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