真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第八節_拠点:胡花、初めてのプレゼント |
まえがき コメントありがとうございます。今回は姜維ちゃんこと胡花の拠点です。この子もどちらかというとロリ巨乳タイプですかね。ロリと言っても10代半ばですが。背丈的には桃香より少し低いくらいだからロリじゃないかも・・・。まぁ、朝に弱いのは愛嬌ということで。私も朝に弱いので気持ちを凄く共感できます←誰 それではごゆっくりしていってください。
「ありがとうございましたー!」
「うん。 皆、お疲れ様。」
今日は朝から兵の鍛錬ができた。俺の眼帯が取れるまでは愛紗に変わってもらってたからね。
「隊長〜!!」
「ん? お、美香か。 どうかした?」
「今から恵ちゃんと瑠偉さんと三人で杏仁豆腐食べ行こうと思うんですけど、隊長も一緒にどうかな〜って思いまして。」
「それは魅力的だけど、ごめんね。 今から胡花の部屋に行かないといかないから。 また今度誘ってよ。」
「今日は姜維隊長とですか。」
「うん。 で、その前に部屋に寄るように言われたってわけ。 あんまり待たせると拗ねちゃうから、そろそろ行くね。」
「はい。」
「隊長、またね〜。」
俺は瑠偉たちに別れを告げ、胡花の部屋へ向かった。杏仁豆腐かぁ・・・後で胡花を誘おうっと。
「隊長とでーとかぁ。 良いなぁ。」
「隊長とでーと・・・//」
「瑠偉さん、どうしたの〜? 顔が赤いよ〜♪」
「そ、そんなことないわよ!!//」
「瑠偉さんも素直じゃないですね。 そんなところが可愛らしいのですが。」
「〜〜〜っ// し、知らない!//」
いつものからかわれる流れでも赤面してしまう瑠偉なのであった。
・・・
胡花の部屋に着いた俺はとりあえず扉をノックする。
「胡花〜、入るよ〜。」
「あっ、どうぞ。」
部屋に入ると胡花が寝台の上・・・というかその周辺を片付けていた。
「お待たせ、鍛錬が久々だったからちょっと長引いちゃった。」
「いえいえ、私も色々と準備がありましたから。」
「そっか。 とりあえずもうお昼だけど、ご飯はいつもどおり庭で食べる? それとも市で食べる?」
「市で食べたいです!」
「了解。」
ということで早速胡花の部屋を出た。
さっき胡花が片付けしてた時、何かを隠したように見えた気がするけど・・・気のせいかな。
・・・
俺たちは市の裏にある店に向かった。前に鈴と行ったときに食べたサラダ美味かったし、店の雰囲気も良かったからもう一回来たいと思ってたんだよね。
「へいらっしゃい。」
「どうも。」
「こんにちは。」
「いつもの席で良いかい?」
「うん。」
こんな流れで店に入り席に座る。いつも通りカウンター席だ。隣に胡花がちょこんと座る。
「胡花は何か嫌いな食べ物とかある?」
「とくにはありませんよ? 強いて言えば茄子でしょうか。」
「なるほどね。 じゃあ注文するのは俺のオススメでいいかな?」
「いいですよ。 ご主人様のお勧めなら安心して食べられそうですし。」
「なら良かった。 おっちゃん、いつものお願い。」
「あいよ。」
おっちゃん・・・店員さんが奥に引っ込むと、胡花がきょろきょろと店内を見回し始めた。
「何か珍しいものでもあった?」
「いえ、このような雰囲気のお店に入ったのは初めてなので、少し緊張しているだけです。 目立っていたのなら謝ります。 ごめんなさい。」
「いやいや、謝らなくてもいいよ。 まぁ確かに、表の市にはあまりない感じの雰囲気だからね。 気になるのもしょうがない。」
「そう言っていただけると助かります。」
まあ、胡花が物珍しがる理由もなんとなくだけど分かるしね。外装はともかく、内装は現代のバーとそう変わらない。それに、市に出てる店と違うとは言ったけど、味に関してはこちらの方が1枚上だ。流琉のお墨付きもあるし。
「そう言えば、胡花って清羅からお裁縫を教えてもらってるんだってね。」
「へっ? そ、そうですね、はい。 お裁縫と編み物を教えてもらってます。 清羅さんは家事が得意とは知っていましたが、お裁縫も出来るとは思いませんでしたから驚きでした。」
「そっち方面だったら俺に言ってくれれば教えてあげたのに。 というか、またどうしたの? 何か作りたいものでもできたとか?」
「それは・・・はい。 お世話になった人に何かお返しが出来ないかって思ったんです。」
「その気持ちは分かるなぁ。 俺も皆にお世話になってるからさ、お返ししてもしきれないくらいに。」
「ご主人様にそのお心遣いがあることも、皆が慕っている要因の一つなのでしょうね。」
「慕われてるって俺自身が実感してるからね。」
そんな会話をしていると注文した料理が運ばれてきた。
「へいお待ち。 姜維様はこれだけの量、食べきれるかい? 御使い様と同じ量にしているが。」
「大丈夫ですよ。 私も武人ですから。 ある程度の量なら食べれます。」
「なら安心だ。 一応、張飛様くらい食べられるお方なら増量するか考えたんだがな。」
「あ、あはは・・・。 流石に鈴々ちゃんほどは食べられませんね。」
「流石に張飛様ほどに食べる人がたくさんいたら、ここら一帯の経営は火の車ですわ。 ま、美味そうに食べてくれるのは料理人冥利に尽きるからありがたいんだがな。」
そう言い残しておっちゃんは厨房に下がった。胡花はいただきます。と手を合わせてサラダに手を付けだした。
「(もきゅもきゅ・・・)このお野菜美味しいですね。 ・・・あれ? これ、ご主人様が先日作られたものに似てる気がします。」
「もう気付かれちゃった。 俺がこの前作ったのはここで教えてもらったものなんだ。 蜂蜜を入れてるんだよ。」
「蜂蜜ですかぁ。 ほんのり甘いとは気付いたんですが、蜂蜜入りとは気付きませんでした。 (もきゅもきゅ。)」
話しながらも箸は休めないんだな。見ているとなんだか和むなぁ。どんぐりをかじるリスみたい。一口が小さいから一層そう見える。
「? ご主人様は食べないんですか?」
「・・・あっ、ごめんごめん。 食べる食べる。」
俺もサラダに手を掛ける。うん、美味しい。
「俺もこのくらい美味しく作れないかなぁ。」
「ご主人様のはこれくらい美味しいですよ! 私はご主人様の料理の方が好きですよ?」
「ありがと。」
胡花の頭をくしゃっと撫でると目を細めて擽ったそうにしている。
「私もちょっとくらいご飯作れたらなぁ・・・。 清羅さんも月ちゃんもお料理すごく上手だし。 ・・・ご主人様は料理出来る子の方が好きですか?」
「そこらへんはあんまり気にしてないけど、一緒に料理できるのは魅力的かな。」
「やっぱりそうですよね〜・・・。」
思案顔を浮かべる胡花。俺的には食べてもらうだけでも十分に幸せなんだけどな。そんなこんなで二人で最近の会話をしながらも食事を続けた。
・・・
「美味しかったですね〜。 お野菜も美味しかったですが、私はエビチリの方が好きです。」
「あれは俺とか市のおっちゃん達が作るものより少し甘めに作ってあるから、胡花にも食べやすかったんだね。 胡花ってか辛いの苦手だから大丈夫かな?って少し心配だったんだ。」
「今日のは凄く美味しくいただけました♪ 本当は辛いのも克服してご主人様のも美味しくいただけなければならないのですが・・・どうしても辛いのが駄目なんです。」
俺のも本場のものほど辛くしてないはずなんだけど、胡花の辛いものに対する耐性はほぼ零に近い。俺が普段する味付けだと胡花が涙目になりながら食べることになっちゃうから、彼女の分だけ別に作ることもしばしばあったりする。
「む、無理に克服する必要はないからね?」
「ですが、私の辛いものへの耐性は無いに等しいのですよ?」
そうなのだ。彼女は所詮ピリ辛程度の辛さですら耐え切れずに水を飲んでしまうほどに辛さに弱い。そしてその反動なのか、はたまた女の子特有のものなのかは分からないが異様なほどに甘いものに目がない。
「克服しようと思ったら言ってよ。 俺が少しずつ辛さ調整していくからさ。」
「機会があればよろしくお願いします。」
ペコッと頭を下げる胡花。まぁ、とは辛さ調整とは言ってもホントに辛いか分からないくらいから始めないといけないからなぁ。とりあえず練習になるからいっか。
「ご主人様が作ってくださるなら頑張って食べてみます!」
「うん、頑張ってみて。」
二人でそんな話をしながら手を繋いで市を歩く。たまに妹に見間違えられるけど、そこは気にしない。
「これからどうしよっか?」
ウィンドウショッピングで洋服を一通り見終えたところで胡花に声を掛ける。
「そうですねぇ、お昼ご飯は食べましたし・・・。」
「俺の部屋でごろごろしてもいいかなぁとも思うよ。」
「う〜ん、それも魅力的なんですが・・・。 あっ。」
「ん?」
何か思い出した顔になってるぞ?外せない用事でもあったのかな?
「ご主人様、私の部屋に来てもらえませんか?」
「胡花の部屋? うん、別に構わないよ。」
「ではついてきてください。」
ついていく。というよりも胡花に引っ張られている俺。胡花の部屋に日中に入るのも久し振りだな。朝はしょっちゅうおじゃましてるんだけどね。
・・・
「お邪魔します。」
「どうぞ、何もない部屋ですが。」
部屋に入れてもらってとりあえず俺は椅子に座らせてもらう。胡花はというと、部屋の中心で何故か左右に行ったり来たりしている・・・見ててちょっと面白い。
「ご、ご主人様!」
「ん?」
意を決した表情で俺を呼ぶ胡花。いきなりだったから少し驚いたよ。
「その・・・渡したいものがありますので、少々目を瞑っていただけませんか?」
「??? わ、分かった。」
俺は言われたとおり目を瞑る。その間、何かを探るようなごそごそという音が聞こえてくる。
「お、お待たせしました。 もう開けていただいて良いですよ。」
目を開けると胡花がさっきまで持っていなかった長方形の箱を持っている。
「その・・・これ、受け取ってください!」
ずいっと俺の胸元に差し出される箱。何かバレンタインのときにチョコを受け取る感じに似てるかも。
「うん、受け取らせてもらうよ。」
まぁ素直に受け取るわけで。見た目の割にはそんなに重くないな。
「これ、開けてみてもいいかな?」
「は、はい。 あまり上手に出来ませんでしたので渡そうか迷ったのですが・・・。」
箱を開けて出てきたのは紺色のマフラーだった。ちょっぴり糸のほつれがあったりはするけど、完成度で見れば高いほうだ。
「もうすぐ秋ですし、寒くなってきますから。 私が寒がりなのかもしれませんが。 えへへ。」
「ありがと。 俺も寒いのは苦手だから助かったよ。 最近はまだ薄手の長袖で大丈夫だけど、あと一月もしたら寒くなるだろうからねぇ。 胡花は襟巻きとか持ってるの?」
「自分の分は持ってません。 前のおうちに置いてきちゃいましたから・・・。」
「・・・ごめんね、嫌なこと思い出させちゃって。」
「いえいえ、過ぎたことですから。 母のお墓も作らせていただきましたし、今はご主人様たちもいます。」
そうだよな、持っていたものは全部置いてきちゃったんだ。持ち物も、家族も・・・。
「それに、ご主人様に母の形見である小太刀も取り戻してもらいました。」
大事そうに胸にふた振りの小太刀を抱える胡花。
「これがあれば大丈夫です。 これがあれば・・・。」
胡花の瞳から一粒の涙が流れる。それからすぐにもう一つ。
「これ・・・が・・・これしかないんです。 私とお母さんの繋がりは・・・。 私が持っていた襟巻きも、お母さんが編んでくれて・・・大好きだったんです。 お母さんの匂いがして、幼い頃からずっと巻いてたんですよ。 冬になるのが待ち遠しくて・・・。」
もう抑えが効かなくなったのか、瞳から止めどなく涙が溢れてくる。
「ご主人様・・・ご主人様はお母さんのように死んだりしたら嫌ですからね? もう、大切な人との別れなんて嫌です。」
「胡花・・・。」
俺は胡花を抱きしめた。少しでも安心させてあげられるように、優しく。
「俺は死んだりしないよ。 勿論、胡花の前から姿を消したりもしない。 それと、辛いのも我慢しなくていいから。 寂しい時は泣いていい。 俺を・・・みんなを頼ってもいいから。」
「はい・・・はい。」
涙を流しながらも何度も頷く胡花。この子はしっかり者に見えても、まだ子供なんだと実感させられる。俺より5つか6つ年下の子が親を恋しくならない訳が無い。幼い頃にあのような思い出があれば尚更のことだ。
「あと、襟巻きの事なんだけどさ・・・こうすれば二人ともあったかいでしょ。」
俺に巻いていた分を少し緩めて胡花の首にもマフラーを巻いてあげる。
「冬になったらさ、こうやって二人で暖を取ればあったかいし寂しくないよね?」
「はい・・・ご主人様の匂い、なんだかお母さんみたい。 凄く・・・凄く、安心します。」
ようやく笑ってくれた。まだちょっと目が赤いけど、先程に比べれば幾分か顔色もいい。
「ご主人様、冬になったらまたでーとしてくださいますか? その頃にはご主人様と私用の手袋もお揃いで作って、市を歩くんです。」
「良いね。 手を繋いで、のんびり歩こうか。」
「はい♪」
ひとつのマフラーを二人で掛ける俺と胡花。顔を寄せ合い軽く口づけをすると、どちらかともなく笑みが零れる。冬になったらも俺もマフラーを作ろう。二人で巻ける十分な長さで、身を寄せ合いながら共に歩けるように。
・・・
あとがき 読んでいただきありがとうございます。胡花との拠点はいかがでしたでしょうか。胡花ちゃんは朱里や雛里より年上ですが、まだまだ幼さの残る胡花ですが、なんだか妹というよりも出来た娘的立ち位置でしょうか。うちの胡花はやらん!って一刀が言いそうw勝手な私のイメージ(妄想)ですが。それでは次回、第八節_拠点;星のメンマと酒と本当に大切なもの でお会いしましょう。
説明 | ||
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3912 | 3140 | 17 |
コメント | ||
ほんわか( ´ ▽ ` )こうゆー拠点ならではな話し、言いなぁ(らっしぃ) 胡花のもきゅもきゅが可愛いです! 恋ちゃんにも並ぶもきゅもきゅだと思います!(本郷 刃) |
||
タグ | ||
真・恋姫†無双 一刀 胡花 瑠偉 美香 恵 刀蜀伝 拠点パート | ||
syukaさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |