英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 742
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〜オルキスタワー・正門前〜

 

「しっかし、アンタたちとこんな形で共闘するとはねぇ。」

タワーを出たリンは意外そうな表情でロイド達を見つめ

「フ……最初の頃からすると想像も付かんな。」

ヴェンツェルは静かな笑みを浮かべた。

「はは……」

「ま、こっちもそれなりに成長してるってことだろ。」

二人の言葉にロイドは苦笑し、ランディは口元に笑みを浮かべ

「一体最初の頃はどんな風に見られたなのでしょうね♪……リィンなら知っているのじゃないかしら?特務支援課の事は資料とかで読んでいるんでしょう?」

「さぞ、ボロクソに書かれていたのでしょうね。」

からかいの表情のエルファティシアはリィンを見つめ、ティオはジト目で呟き

「ハ、ハハ………」

リィンは苦笑していた。

「いや、実際大したもんだよ。もし警察をクビになったらいつでも歓迎させてもらうぜ?」

一方スコットは口元に笑みを浮かべてロイド達を見つめ

「そうそう!特にティオちゃんなんかギルド向きだと思うのよねぇ。レシェンテちゃんとリタちゃんとセットになって、おいでよ♪」

エオリアは嬉しそうな表情でティオやリタ、レシェンテを見つめ

「全く……アネラスのような者は一人だけだと思っておったのに……」

「フフ、”可愛い”という理由だけで幽霊の私や”神”のレシェンテちゃんにも迷わず抱きつくなんて、本当に変わった人達ですね。」

見つめられたレシェンテは呆れた表情で溜息を吐き、リタは微笑み

「そう言われましても。(この人、絶対にアネラスさんと親しくなれるでしょうね……というか、この人とアネラスさんが一緒になった時、間違いなくわたしやリタさん達の身が危ないでしょうね………)」

「ふふっ……お言葉だけ頂いておきます。」

ティオはジト目でエオリアを見つめ、エリィは苦笑しながら答えた。

 

「でも”幻獣”ですか……確かに気になりますね。」

「ああ、とりあえず手分けすることにしよう。警備隊から回ってきたのは全部で7件……君達はそのうち、2件を受け持ってもらいたい。」

「へえ、ずいぶんと気前がいいじゃない?」

「いいんですか?そちらの分担が多くても……ただでさえ、アリオスさんが今は動けない状況なのに……」

「そうだよね?あたし達の方が人数が多いのに。」

スコットの提案を聞いたワジは静かな笑みを浮かべ、ロイドは目を丸くして尋ね、シャマーラは頷いた。

「――だからこそ、さ。彼が動けない分、あんた達にも必ずシワ寄せが来るはずだよ。」

「それにこちらにはアリオスさんの代わりになるセリカさん達がいるしな。」

二人の言葉にリンは答え、ヴェンツェルはセリカ達に視線を向け

「……その様子だと、俺達に一組ずつに分担される数の倍の幻獣を任せる気か。」

視線を向けられたセリカは溜息を吐き

「そりゃあ、そうでしょう。特にこういう時は戦闘能力が高い人達が必然的に頼られるのですから。」

セリカの言葉を聞いたスコットは苦笑していた。

「というかアリオスとわらわ達の強さは全然違うのじゃがな。」

「レシェンテちゃん……そんな角の立つ言い方をしなくてもいいと思うよ?」

意外そうな表情で言ったレシェンテの言葉を聞いたリタは苦笑しながら指摘した。

「元より、魔獣退治は遊撃士(わたしたち)の十八番……お互い、他の仕事もあるし効率的に分担すべきでしょう。」

「………助かります。」

「な、何だか申し訳ないですね……」

エオリアの言葉を聞いたエリィは会釈をし、ノエルは申し訳なさそうな表情をしていた。

「なに、お互い様さ。それに君達の方には”結社”の問題もあるからな。」

「……はい。」

「ったく……その問題もあるんだよな。」

スコットの言葉にロイドとランディは疲れた表情で頷き

「ええ……しかも”怪盗紳士”は局長達の命を狙っているという話ですし……」

「……彼の考えは全く理解できませんね。」

「というか、私からしたら無謀としか思えないのだけどね。あの6人を殺害するなんて。」

「俺達からしても他人事ではないですよ……局長達どころか、ルファ姉も狙っているという話ですし……」

真剣な表情で呟いたセティの言葉にエリナは静かな怒りを纏って頷き、エルファティシアは苦笑し、ロイドは疲れた表情で溜息を吐き

(……まあ、いつかは私も狙われる立場になるとは思っていたけど……まさかそんな変わった理由で狙われるとはね。……まあ、国際犯罪者だから”赤い星座”や”黒月”同様、殺害許可は降りているから、対峙した時は”赤い星座”や”黒月”のように慈悲もかける事なく殺害しましょう。)

ルファディエルは静かな表情をしていた。

 

「結社”身喰らう蛇(ウロボロス)”……何でも、遊撃士協会とは色々と因縁があるとか……?」

「ええ、リベールの異変でもエステルちゃんたちを始めとする遊撃士がやり合ったし……それ以外にも各地の事件で幾度となくぶつかっているわね。」

「……エレボニアのギルドが一時壊滅状態に陥ったのも奴等の仕業だと言われている。もっとも、その後の衰退の原因はエレボニア軍の圧力によるものだがな。……その流れを考えると”鉄血宰相”が遊撃士協会の戦力の低下を謀ったという話もあながち嘘ではないだろうがな。」

ティオの疑問にエオリアとヴェンツェルはそれぞれ答えた。

「そうなんですか……」

「しかし、聞けば聞くほど捉えどころのねぇ連中だぜ。」

「いずれにせよ、ギルドの方でも未だ実態が掴めていない連中だ。何が目的かわからないがくれぐれも気をつけるといい。」

「困ったことがあったら遠慮なく連絡してきなよ?正直、連中に関してはこっちも他人事じゃないんだし。」

「………わかりました。」

「何かあれば遠慮なく頼らせていただきます。」

その後遊撃士やセリカ達と別れたロイド達は支援課のビルに戻って幻獣の資料を読んだ。

 

〜特務支援課〜

 

「ウルスラ間道の中洲と東クロスベル街道の外れか……どちらも最近、あまり立ち寄ってなかったな。」

資料を読み終えたロイドは真剣な表情で言った。

「旧鉱山に現れたのほどデカくはねぇみたいだが……万全の準備はしといた方が良さそうだぜ。」

「それと……”原因”の特定ですか。」

「ええ……時・空・幻の上位三属性が働いているという報告もあるみたいだし。」

「上位三属性の働きに関してはわたしやセティさん、エルファティシアさんが感知できると思います。ただ”原因”となると……ちょっと難しいかもしれません。」

「そうね。私達はあくまで感じられるだけだし。」

ティオの言葉にエルファティシアは静かに頷いた。

「確かに”塔”や”僧院”についても原因はわかってないみたいだし……そういえば古戦場にある”太陽の砦”もそうなんだっけ?」

「ああ、俺達が乗りこんだ時は確かにそうだったけど……」

「ただ、事件が解決した後は何の異常も起きていないらしいの。”僧院”にあったような”鐘”が原因でもなさそうだし……」

ワジの疑問にロイドとエリィはそれぞれ答えた。

「そうなると本当に原因は特定が難しそうですね……」

「ま、とにかく行くだけ行ってみようぜ。どうせ他の仕事なんかも入ってきてるんだろうしよ。」

「そうだな……よし、支援要請をチェックしてから出発するとしようか。」

その後ロイド達は端末で支援要請をチェックした。

 

「やっぱり、けっこうな数の依頼が来ているみたいだな……アリオスさんが動けないからじゃないとは思うけど……」

「……そうね……今日は課長が、病院にお見舞いに行っているみたいだけど………私達も近いうちに顔を出した方がよさそうね。」

「だな……キー坊は昨日行ったらしいし。………結構、落ち込んでたよな。」

「はい……ちょっと心配です。」

「車を使えば病院まではそんなにかかりませんし………時間があったらお見舞いに行きましょう。」

「ああ、そうするか。」

ノエルの言葉にロイドは頷いた。

「しかし目の回復手術か…………”奇蹟”を起こす治癒魔術と比べるとやっぱりまだまだ難しい領域みたいだね?」

「……そうだな。」

「話によれば今回の手術の影響で、せっかく限定的とはいえ視力を取り戻したシズクちゃんの目に何か異常が出たという話だし……心配だわ。」

そして真剣な表情で言ったワジの言葉にロイドとエリィは心配そうな表情で頷いた。

 

その後ロイド達は2組に分かれて支援要請や幻獣を退治する事にし、エリィ、ティオ、ランディ、ノエル、ワジのメンバーを選んだロイドはエリィ達と共に行動を開始した………………………

 

説明
第742話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 まあ、アレを理解できるのはオリビエだけですしww(sorano)
ブルブランの考えは理解しない方が良いww(本郷 刃)
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