【真・恋姫†無双】一刀お犬騒動5話 |
「今日から((主|あるじ))の主人になろうと思いましてな」
星の言葉に場が静寂に包まれた。それもそうだろうな、謀反、下剋上とも取れる発言だ。
と言うか、俺お払い箱ですか?段ボール暮らしの捨て犬になれと言うんですか?
「……星。今の発言、本気か?」
「無論。私は本気だよ、愛紗」
「………そうか」
どうやら、本気みたいだ。俺、星を怒らせる様な事したかな?
…またもや、見当が付かないぞ。
「ちょっと!何してんのよ!!」
詠の声で思案から抜け出したら、いつの間にか愛紗が偃月刀を携えていた。
その身は今にも斬りかかりそうな怒気を纏い、星と対峙している。
「ご主人様!愛紗ちゃんを止めて!!お願い!!」
「はわわ!!」
「へぅ〜!」
……あれを止めなきゃいけないのか。まるで、爆弾に手を突っ込む感じで、
嫌なんだけど…。でも、俺が止めない訳には行かないよな。
…えーい!南無三!!
俺は意を決すると全力で愛紗を止める為、背後から抱きついた。
「落ち着け!愛紗!!星だって何か考えがあって……」
「これが落ち着いてられますか!あろう事か、ご主人様の目の前で、
謀反を宣言したのですよ!」
「謀反?」
「それでもだ。もしかしたら俺達の聞き間違いかも知れないじゃないか。
とにかく、落ち着こう…な」
「お離しください…きゃっ!?…ど…どこを触っているのですか!!」
「いーや。愛紗が正気に戻ってくれるまで、絶対に離さないぞ!!」
「わ…わかりました。わかりましたから、っ!?…私の…〜〜っ!?
胸をお触りになるのは、お止め下さいーーーーーっ!!」
「はっはっは。この私が謀反を企てるなど、例え天地が引っくり返ったとしても、
有り得ませぬな。お仕えした時から、この身は主と桃香様に捧げております。
故に私が謀反を行う理由などございませぬ」
「しかし、お前はご主人様の主人になると、言ったではないか!」
「ああ、確かに言ったが、すまない。私の言い方に問題があったな、
訂正しよう。私は……主の飼い主になろうと思うてな」
「………は?」
俺は驚きのあまり、思わず声を発してしまった。飼い主って…星さん。
主人より酷くなってませんか?俺はペットでは……まさか、
紫苑と桔梗の三人で談合していた内容って……
トントントン
部屋にドアのノック音が響く。ヤバイ。嫌な予感しかしない。
出来る事なら、この部屋から脱兎の如く逃げ出したい。
「失礼致します。ご主人様。…あら、星ちゃん?もう警邏を終わらせてきたの?早いわね」
「失礼致しますぞ。お館様。…何だ。星。もう来ておったのか。一足遅かったかの?」
ドアから顔を出した人物は思い描いてた通り、紫苑と桔梗だった。
二人は部屋に入ってくるなり、この場に居合わせた星に話しかけた。
「いやいや、私も先程来たばかりだ。それより、紫苑。例の物を用意してくれたかな?」
「勿論。忘れる訳ないじゃない♪コレを用意する為に訓練を早めに終わらせたのよ。
ふふふ、コレを装着したご主人様の姿を考えただけで、胸が熱くなっちゃうわ♪」
「儂もじゃ。心の臓が口から出そうなくらい、胸が高鳴っておる。
今朝、星の甘言に乗って良かったわい」
「ねえねえ、紫苑さん。例の物って、いったい何なの?」
「それはですね。桃香様。実物を見て頂いた方が早いですわ」
紫苑は胸元が露になっている服の部分から、手を自らの胸の谷間へと滑り込ませる。
おそらく、例の物を胸にしまっているのだろう。
……何か古き良き時代の女性だな、と思ってしまう。胸の谷間に物をしまう発想が、
古臭いと言うか、なんと言うか………
「…ご主人様。今、失礼な事を考えていませんか?」
…詠の時といい、何故、俺の考えている事が悟られてしまうんだ。
そんなに、表情に出やすいのかな?…後、紫苑さん。滅茶苦茶、怖いです。
「…ごめんなさい」
「…ふふ。気を付けて下さいね。女性は愛する人の邪な考えなど、
直ぐに看破してしまいますわ」
紫苑は怒りを感じさせる笑顔から、気品溢れる優雅な笑顔へと一転した。
そして、唇に人差し指を当て、俺に優しく諭した。
御見それ致しました。紫苑は再び胸に手を滑り込ませ、例の物を取り出そうとしている。
しかし、ちょっと時間が掛かりすぎてないか?
その胸には((漢|おとこ))の夢と浪漫の他に、物まで溢れかえっているのですか。
「何処を見ておられるのですかな、お館様」
「勿論。((漢|おとこ))の夢と浪漫が詰まっている。女性特有の壮大なる丘を……」
気付いたときには手遅れだった。蜀が誇る魔乳コンビの片割れ、
桔梗が傍に居り、絡まれてしまった。
「ほほう。それは素晴らしいモノを見て御出でですな。しかし、儂に言うて下されば
見るだけではなく、直接お触りになれるものを……」
桔梗は胸を強調し、目を艶めかせながら俺を誘惑してくる。俺は紫苑に助けを求める為
視線を向けたが、紫苑から可愛いウインクを返されてしまった。
「紫苑さん。もったい振らずに早く出してくださいよ〜」
「そうです。紫苑さん。焦らさずに見せてください〜」
「ふふ。もう少々お待ち下さい。桃香様、朱里ちゃん」
「例の物って何だろうね。詠ちゃん」
「どうせ、星に頼まれた物だから録でもないものだと思うけど…気になるわね」
「星、例のものとは一体なんだ!?それと、飼い主とはどういう事だ!!」
「耳元で大声を出すな。すべては見ればわかる。それまで大人しく待っていろ」
「…くっ!」
皆、一様に紫苑に注目している。そして紫苑はゆっくりと、例の物を取り出そうとしているが、
俺は感づいてしまった。彼女は今、例の物を皆の前で見せる気がないことに、理由はおそらく桔梗だ。
俺に絡んできた所を目視していて、面白そうだからと言う単純な思いから、
勿体振っているのだろう。
「…隣に絶世の美女が居るのに、他の((女子|おなご))を眺めるのですか。
英雄色を好む、と申しますが、今は儂だけを見てほしいものです。
…それとも、儂の乳房は紫苑に負けておると、お思いですかな?」
「いえ!滅相も無い!!」
「でしたら、今この場でお触りになられますか。お館様……」
「ちょっ!?」
桔梗は俺の首に腕を回し、耳元で((誘|いざな))う様に囁いてきた。
その声は夜魔の如く色っぽい雰囲気をを醸し出し、
甘美なる夢の世界へと旅立たせてしまわせるほど、
艶やかなるものだった。
っつ!?…まずい。これは紫苑と桔梗の罠だ。更なる楽しみを求める為、
あの人物を召喚しようと……
「何をしているのですか?ご主人様」
…蜀の嫉妬将軍が降臨なされた。俺は一気に現実に引き戻され、
身体中の毛穴から汗が噴き出る。
「いや、あの、これは何というか、その……」
「桔梗も何か言いたい事があるか?」
「儂は無実じゃよ。お館様に無理矢理、迫られてしもうてな。
拒めずに激しく抱き締められてしもうたんじゃ」
「な!?桔梗!!」
「…すべてはご主人様が強引にと言うのか」
「…その…通りじゃ」
何故気付かない!愛紗!!桔梗が笑いを堪えているじゃないか!
「ご主人様…」
「違うんだ、愛紗!話を聞いてくれ!!俺はまだ……」
「……((まだ|・・))」
「あ、いや……とにかく、誤解なんだ!」
「……問答無用です!」
軍神聞く耳持たず。……落ち着け、今の俺には切り札があるじゃないか。それはこの姿。犬に為りきり、
愛紗を魅了するしかない。一度成功してるんだ、必ず上手くいく。自分を信じるんだ一刀!!
「………てへぺろ☆」
「………………」
「………………」
「……………ご」
「ご?」
「ご主人様ーーーっ!!正座ーっ!!」
「はいいいいいいぃぃ!!」
「くっくっく。何とまぁ、面白きものが見れた事よ。愛紗も顔を赤くしおって、
満更でもない様子じゃが、寸前の所で嫉妬心が勝ったと言う所かの」
「少しやり過ぎちゃったかしら?」
「いやいや、これくらいお館様にとって日常茶飯事よ。それに見よ。
お館様の愛くるしい御身を、本当に犬の様で眼福この上ないのう」
「ふふ、そうね。皆が居なかったら、間違いなくお持ち帰りしてしまうわ」
「相変わらずじゃのう。それにしても、焦らしに焦らしおって、流石は紫苑じゃな」
「だって、桔梗が面白そうな事をしていたから、ついね」
「どれ、儂がアレを取ってやろうか?」
「ダメよ。ココに触れて良いのは璃々とご主人様だけなんだから」
「やれやれ。紫苑もお館様の前では乙女じゃな。それでは、
痴話喧嘩が終わるまで待つとするかのう」
「ええ、そうね」
「紆余曲折、色々ございましたが、これが例の物でございます。桃香様」
「えっ?これって……」
桃香は例の物を見て驚いていたが、俺は別段、驚かなかった。むしろ、例の物が何であるか、
見当が付いていた。星の『飼い主』発言。そして、おれのこの姿。
導かれる答えはひとつだ。それは――――――
「首輪でございますわ」
………逃げたいワン。……くぅ〜ん。
説明 | ||
こちらは真・恋姫†無双の二次創作になります。 前回、拝読、コメント、支援、お気に入り してくださった皆様。ありがとうございます。 かなりgdgdな展開にになってますが 紫苑、桔梗が登場します。 最後に稚拙な文章、おかしい所が多々あるお思われます。 それでも、暇な時間に読んで頂けると嬉しいです。 よろしくお願いします |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
5899 | 4964 | 22 |
コメント | ||
げんぶさん>星達が用意した物ですからね。レベルが高いのも当然ですねwコメントありがとうございます。(南無さん) 禁なる玉⇒金球さん>恋姫の世界は民も訓練されていそうで、暴動はおきない様な気がしますwコメントありがとうございます。(南無さん) 今まさにこの時!城を一般公開したらば民が大暴動!!!史実の劉備のように治め切れなさそう。(禁玉⇒金球) nakuさん>希望に応えられるかわかりませんが次回にご期待下さい(`・ω・´)ゞ(南無さん) あくまで桔梗らは犬の様な可愛らしい見た目で視認しております。なので完全犬化としては見ておりません。首輪は3人の悪ふざけだと思っていただけたら幸いです。ありがとうございます(`・ω・´)ゞ(南無さん) あくまで桔梗達から見たら完全犬化していると言う感じですかね?可也リアルでした(頭翅(トーマ)) 頭翅(トーマ)さん>はい。耳と尻尾が生えただけです。完全に犬化してないのですが、私の執筆能力不足でその様に感じるかもしれません。コメントありがとうございまます。(南無さん) あれ?犬耳と犬尻尾が生えただけだよね? 完全犬化してる絵が浮かぶんだが(頭翅(トーマ)) nakuさん>仕事所ではないでしょうねwコメントありがとうございます。(南無さん) さすらいのハリマエさん>一刀なら問題無いでしょうwコメントありがとうございます。(南無さん) 本郷 刃さん>満場一致で種馬に決定ですねwコメントありがとうございます。(南無さん) プレイにしては女王様が多い件について。一人に対して複数か・・・・・(黄昏☆ハリマエ) 種犬決定www(本郷 刃) |
||
タグ | ||
真・恋姫†無双 北郷一刀 桃香 愛紗 星 紫苑 桔梗 蜀 | ||
南無さんさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |